エアマットが朝にはしぼむ原因は、パンクだけではありません。気温低下による空気の収縮、バルブの不具合、ピンホール、内部剥離の見分け方から、石けん水を使った穴の探し方、補修パッチによる空気漏れの直し方、メーカーへ相談すべき症状まで、2026年の最新情報をもとにわかりやすく解説します。
著者PROFILE

名前:Masaki T
経歴:大手アウトドアショップで寝袋・マットのコーナーを中心に約4年間の接客経験に加え、独自の調査・研究を重ね、アウトドア情報を発信し15年以上。無積雪登山・雪山登山・クライミング・アイスクライミング・自転車旅行・車中泊旅行・ファミリーキャンプなど幅広くアウトドアを経験。(詳細プロフィール)
エアマットがしぼむ原因はパンクだけじゃない

「朝起きたらマットが柔らかくなっていた」というとき、真っ先にパンクを疑ってしまいがちです。でも実は、それ以外の原因であることも少なくありません。
- 気温が下がると自然にしぼむこともある
- エア漏れの原因はいろいろある
気温が下がると自然にしぼむこともある
マットに入れた空気は、温度が下がると体積が縮み、しぼんだように感じることがあります。これはパンクではなく、気温による自然な現象です。
実際、海外の大手メーカーも、夜間に気温が下がるとマット内の空気が収縮して柔らかく感じられることがあり、その場合は空気を少し足せば元通りになると案内しています。室温が安定した場所でバルブをしっかり閉じて一晩置き、それでも明らかにしぼみ方が早いようなら、はじめてパンクを疑うくらいでちょうどよいです。
エア漏れの原因はいろいろある
エア漏れも、実は原因によって直し方が変わります。よくある原因を一覧にまとめました。
| 症状・原因 | 主な状態 | 自分で直せる? |
|---|---|---|
| 生地のピンホール | 石けん水で小さな泡が出る | 直せることが多い |
| 裂け・大きな穴 | 急に大きくしぼむ | 状態による |
| バルブの汚れ・閉め忘れ | バルブ付近から漏れる | 清掃・締め直しで改善することも |
| バルブ本体の破損 | バルブ周辺から漏れ続ける | メーカー相談がおすすめ |
| 外周の溶着部分 | 縁のあたりから泡が出る | メーカー相談がおすすめ |
| 内部の剥離 | ボコッと異常に盛り上がる | 基本的に不可 |
| 気温の低下 | 全体が少し柔らかくなる | 故障ではない |
特に見落とされがちなのが、バルブまわりと外周の溶着部分です。次の章で、原因ごとの穴の探し方を見ていきましょう。
エアマットの穴の探し方|石けん水で空気漏れを確認



エア漏れの穴は、順番通りにチェックしていくと見つけやすくなります。焦らず一つずつ確認していきましょう。
- まずはバルブをチェック
- 石けん水・水につけて確認する
- 外周の溶着部分も忘れずに
まずはバルブをチェック
エア漏れに気づいたら、まずはバルブがしっかり閉まっているか確認しましょう。閉め忘れや汚れが原因で、生地に穴がなくても空気が抜けてしまうことがあります。
バルブ部分は気泡が出るまで時間がかかる場合があるため、水に沈めた状態で30秒ほど観察してみましょう。
石けん水・水につけて確認する
バルブに問題がなければ、次は生地の穴を探します。薄めた中性洗剤をスポンジで塗り、軽く圧をかけてみましょう。穴が空いている場所からポコポコと泡が出てくるので、そこに印をつけます。
見つからない場合は、お風呂やバケツなど大きな容器に、マットを部分ごとに沈めてみる方法もおすすめです。石けん水を使った面は、この後の修理に進む前にきれいな水でしっかりすすいでおきましょう。
外周の溶着部分も忘れずに
生地の真ん中だけでなく、マットの縁にある溶着部分から空気が漏れることもあるため、忘れずに確認しましょう。
エアマットのパンクを補修パッチで修理する方法



穴が見つかったら、いよいよ修理です。ここではNEMOなど主要メーカーが案内する流れを例に紹介しますが、乾燥時間や手順の細部はメーカーやパッチの種類によってかなり違うので、必ずお手持ちの製品の説明書に従ってください。
- 用意するもの
- 貼る前の下準備
- パッチの貼り方
- 乾燥時間と最終チェック
用意するもの
修理には、マットに付属している補修パッチと接着剤(またはメーカー指定の補修材)、消毒用アルコールと布、ハサミを用意します。
修理パッチが最初から付属している製品も多いですが、モデルや発売時期によって内容は異なります。購入時に付属品を確認し、山行前には状態も点検しておくと安心です。


補修キットの内容はメーカー・モデル・販売時期によって異なる
貼る前の下準備
穴の位置に印をつけたら、マットの空気をできるだけ抜き、しわのない平らな場所に広げます。補修は基本的に、空気を抜いた状態で行います。
石けん水を使って穴を探した場合は、補修箇所をきれいな水で十分に洗い流し、石けん成分を残さないようにしてください。その後マットを完全に乾かし、消毒用アルコールで汚れや油分を拭き取ってから、もう一度乾燥させます。汚れや水分、石けん成分が残っていると接着力が大きく落ちてしまいます。
パッチの貼り方
補修用接着剤には引火性の溶剤を含む製品もあります。火気を避け、換気のよい場所で使用し、皮膚や目に付着しないよう注意してください。詳しい注意事項は、使用する接着剤の表示にも従いましょう。
接着剤を使うタイプは、穴の周囲を広めにカバーするように接着剤を塗り、少し大きめに切ったパッチを重ねます。パッチの角は丸くカットしておくと剥がれにくくなります。
スプーンの背などかたいもので押さえながら、空気が入らないようにしっかり密着させましょう。
乾燥時間と最終チェック
補修後に必要な待機時間は、補修材やマットの種類によって異なります。例えば、NEMOの接着式補修では最低2時間、できれば24時間の乾燥が案内されています。
一方、貼付式パッチでは5分程度で確認できる製品もあります。必ず補修キットの説明書に従いましょう。
乾いたらマットを膨らませ、荷物などの重みをのせて一晩置き、空気が抜けないか最終チェックをします。
接着剤を使わず貼るだけで直せるシールタイプのパッチは、キャンプ中の応急処置にも便利です。ただし、貼ってすぐに全体重をかけられるとは限らないので、こちらも指定の待機時間を確認しましょう。
市販の補修材や自転車用のパンク修理キットは、マットの素材によっては相性が良くない場合があります。まずは付属品かメーカー指定の補修材を優先しましょう。
キャンプ中に穴が見つかったときの応急処置



マットのパンクは夜、寝ている途中に発覚することが多く、その日はそのまま朝を迎えることになりがちです。。。
シールタイプの応急パッチなら、汚れを落として空気を抜き、指定の圧着時間を守って貼るだけで、その晩をしのげることがあります。そのまま本修理として使える製品と、帰宅後に貼り直しが必要な製品があるので、パッケージの説明を確認しましょう。
瞬間接着剤や一般的なガムテープは、基本的におすすめできません。マットの素材と相性が悪かったり、粘着剤が残って後の正式な補修を難しくしたりすることがあります。
日頃からザックには、補修パッチ、メーカー指定の接着剤、アルコールシート、油性ペンを忍ばせておくと、いざという時に落ち着いて対応できます。
剥離(内部の溶着はがれ)ってどんな症状?



エア漏れとは違い、空気を保ったままマットの形がボコッと変形してしまう「剥離」という不具合もあります。
- 剥離が起こる原因
- 剥離はDIY修理が基本的にできない
- メーカー保証を確認しよう
剥離が起こる原因


剥離とは、マット内部の接合部が剥がれてしまう現象です。エアマットでは内部のバッフルや溶着部分、セルフインフレータブルマットでは表面生地と内部ウレタンフォームの接合部分など、構造によって剥がれる場所は少し異なります。
初期には空気が抜けないまま、特定の場所だけがボコッと膨らむことがあります。ただし損傷が進むと、空気漏れや生地の破損につながることもあるため、気づいたら早めに使用を中止しましょう。
剥離の原因を外見だけで特定するのは難しいですが、製造上の不具合や経年劣化に加えて、マットの破損・劣化リスクを高める使い方にも注意が必要です。
剥離につながる可能性があるもの
- 製造上の不具合
- 接合部分や素材の経年劣化
破損・劣化リスクを高める使い方
- 高温環境で膨らませたまま放置
- 空気の入れすぎ
- 高圧ポンプやコンプレッサーの使用
- 湿気や汚れを残したままの保管



剥離した状態で使用を続けると、内部の圧力や荷重によって損傷範囲が広がり、膨らみが大きくなる可能性があります。
剥離はDIY修理が基本的にできない
剥離はマットの内部で起きている現象のため、自分で確実に直すのは基本的に難しいとされています。無理に空気を入れ続けたり分解したりせず、まずは使用を中止しましょう。
メーカー保証を確認しよう
剥離に気づいたら、購入店やメーカーに相談してみましょう。保証の内容や期間はブランドによって大きく異なります。
例えばTherm-a-Restは、米国公式サイトで電子機器を除く製品に限定生涯保証(Limited Lifetime Warranty)を案内していますが、通常の使用による摩耗やパンク、誤った使い方は対象外です。参考までに、日本正規輸入品のNEMOは購入日から1年間、EXPEDは材料および製造上の欠陥について5年間の限定保証を案内しています。
いずれのブランドも、日本国内での修理受付や保証の適用条件は、国内正規輸入元や購入店の規定を確認しましょう。
問い合わせの際は、購入時のレシートと、マット全体・不具合箇所を撮った写真を用意しておくとスムーズです。
エアマットのパンクや剥離リスクを減らす使い方
パンクや劣化を完全に防ぐことはできませんが、普段の使い方や保管方法を見直すことで、発生リスクを抑えられます。
- 設営前に地面の石・小枝・トゲを取り除く
- テントの下にグランドシートを敷く
- マットの上でバックルや鍵、刃物など鋭利なものを扱わない
- ペットと使う場合は爪や噛みつきに注意する
- 空気を限界まで入れすぎず、高圧ポンプやコンプレッサーでの注入は避ける
- 膨らませたまま、高温になる車内や日中のテント内に放置しない
- 使用後は汗や汚れを拭き取り、完全に乾燥させてから保管する
よくある質問
石けん水で穴を探しても大丈夫?
多くのメーカーが案内している方法です。中性洗剤を薄めて使用し、穴を確認した後は、きれいな水で石けん成分を十分に洗い流してください。製品によって注意事項が異なるため、取扱説明書もあわせて確認しましょう。
一晩で少ししぼむのは故障?
気温低下による自然な収縮の場合もあり、必ずしも故障とは限りません。室温が安定した場所でバルブを確実に閉じ、荷重をかけて一晩確認しても明らかにしぼむ場合は、エア漏れを疑いましょう。
瞬間接着剤やガムテープは使える?
基本的にはおすすめできません。マットの素材と相性が悪かったり、粘着剤が残って後々の正式な補修を難しくしたりすることがあります。できるだけ付属の補修材か、お使いのマットに対応したメーカー指定の補修パッチを使いましょう。
実際にエアマットが剥離した事例
私が使用していたマットでも、内部剥離による大きな膨らみが発生しました。発生時の状態やメーカーへの問い合わせ、その後の対応については、次の記事で詳しく紹介しています。


まとめ|空気漏れと剥離を見分けて正しく対処しよう
エアマットが朝に柔らかくなっていても、気温低下によって内部の空気が収縮しただけの場合があります。室温が安定した場所でも空気が抜ける場合は、バルブ、生地、外周の溶着部分を順番に確認しましょう。
小さなピンホールは補修パッチで直せることが多い一方、バルブの破損、大きな裂け、内部剥離はメーカーへの相談が基本です。補修方法や乾燥時間は製品によって異なるため、必ずメーカーの説明書に従ってください。
登山やキャンプへ持ち出す前には、室内で膨らませて空気漏れがないか確認し、マットに対応した補修キットも一緒に携行しておくと安心です。
マット・スリーピングマット
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