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エアマット・インフレーターマット 剥離故障

使っていたエア注入式マットが内部剥離してしまいました。エアマットの剥離に関する情報は海外サイトでは度々見かけますが、日本では結構貴重なので様々シェアしたいと思います。

エアマットの内部剥離とは

エア注入式マットには、

  • (セルフ)インフレータブル
  • エアーマット

の2種類ありますが、どちらも剥離、という現象が起きる可能性があります。

風船を膨らませると丸い形状になりますが、エアマットを膨らませても平べったい形状でいられる、中央部分が丸く膨らまないような内部構造になっているためです。マットが丸く膨らまないように抑えている構造が崩壊すると写真のように大きく膨らんでしまいます。

エアマットの内部剥離

実は私は様々なエアマットを見てきましたが、マットの故障といえばピンホールによる空気漏れやバルブの故障が多く、これほど見事に内部剥離しているを見たのは初めてです。

今回、非常に貴重な機会なので、記録として残しておきたいと思います。

剥離に至る経緯

NEMO ZOR 20M

NEMO(ニーモ)ZOR(ゾア)20M を数年前(2017年)に登山洋品店で購入。

実は購入前に別のアウトドアショップ店で働く友人から「このマットは故障のクレームが多い」と聞いていたものの、かなり軽量化されているのでそもそも耐久性を期待せず、セルフインフレータブルの割に軽量コンパクトで断熱力もそこそこあるので、セール価格で販売されていたこともあり購入しました。

その後登山用のマットとして、このマットを主に使いました。特に不具合なく使えていたのですが、2020年に自宅で布団の下にマットとして常用的に使う機会があり、敷きっぱなしにして何日目かに、夜中に「バリ!」と音が聞こえました。真っ平らではなく、少し屈曲していたのですが、その屈曲部がちょうどこぶし1つぐらいの大きさで盛り上がっていました。夜中だったので、とりあえずそのまま寝続けていたら「バリバリ!」と突然音がしてコブが大きくなっていました。

朝、見てみるとコブが大きくなっていて、この上で寝るとちょうど腰の部分にあたり、腰がものすごく突き上げられている状態でまともに寝ていられないマットになっていました。

今回の一件で、一旦どこかで剥離が起きコブが出来るとあっという間に大きくなってしまう、ということがわかりました。

 

なぜ、一旦剥離が起きるとコブが大きくなる?

エアマット・インフレーターマット 剥離故障

通常、マットが平べったい形状を保っている場合、膨らむ力は上下方向に働いています。ところが、どこかに剥離によるコブができてしまうと、コブの端(赤丸の部分)により内部構造を引き裂くような強い力が働きます。この引き裂くような力は、エアマットの設計時に考慮されていないため、一旦コブができてたマットに空気を膨らませて人が寝てマット内の空気圧が高くなると、赤丸の部分がどんどん裂けて、コブが大きくなる。コブが大きくなると、コブの端の角度が垂直に近づきより引き裂く力が強い状況になり、ますます内部が引き裂かれていく、という剥離が進むループになります。

そのため、まだ小さい剥離コブでも、いつ大きなコブになってしまうか時間の問題で、できるだけ早くほかのマットを使ったほうが良いです。

剥離したエアマットの寝心地

非常に貴重な機会なので、いろいろ試してみようと、このマットに寝てみました。

エアマット・インフレーターマット 剥離故障

その結果、想像を絶する寝心地の悪さでした。このマットの場合、尻・腰部分が盛り上がってますが、この上に寝ると、身体の腰と尻が猛烈に下から突き上げられている状態になり、寝ているのが苦しかったです。短時間でも具合が悪くなりそうでした。

縦走登山で連泊中にマットがこの状況になったら、ちょっと厳しいですね。マット無いと地面が痛くて寝れないですが、膨らませんても寝てられませんね。もう諦めて、空気抜いてザックと空気抜いた剥離マットを下に敷いてやり過ごす感じになるかもしれません。

剥離したら修理はできるのか?

ほとんどの場合、修理できないと思われます。エアマットの故障でも、穴あきによるエア漏れやバルブ故障によるエア漏れは、外側から対処可能なため修理可能な場合が多いと思いますが、マット内部の剥離は修理できないです。

このマットの剥離では、最初はTPUと内部のフォーム(スポンジ)の溶着部分が剥がれているのかな?と思っていたのですが、よくよく見ると上下それぞれの生地にフォームが付いていて、フォームの中間部分が引き裂かれて膨らんでいる、とわかりました。

 

メーカー保証は?

今回の剥離ケースでは、基本的に修理ができません。そのため、メーカーが対応してくれるとしたら新品と交換対応では?と考えられます。

保証が受けられるかは、メーカーもしくは海外メーカーの場合は日本代理店によって対応が異なります。

  • 購入店舗
  • メーカー
  • メーカー代理店

等に直接問い合わせてみて下さい。

因みに、今回のマットの場合、都内の大手登山用品店のスタッフさんに一応聞いてみたところ「対応は難しい」と回答いただきました。

 

最後に

今回、写真撮影中にマットに寝たら「バリバリ!」となって、剥離がマットの両端まで到達しました。

 

今回、剥離したマットはNEMO ZOR 20M (2017年)ですが、NEMOのマット保証に関する記載が日本代理店に記載が無いのが気になりました。(サーマレスト、XPEDでは保証期間5年など明記されている)。NEMO はアメリカでは”生涯保証”と記載あります。(詳しくはこちら)。

どのメーカー製でもUL系のエアマットは軽量化している分だけマット自体が繊細になりますので、日本における保証内容を明確に記載してもらえたら、と感じました。

因みに、2022年でもNEMO ZOR 20M が販売されていますが、S21モデルは”寝心地と耐久性を向上させるために高密度のPUフォームを新たに採用”と記載あり、バルブも変更されています。(旧モデルは口をバルブにつけて空気いれる方式で、湿気がマット内部に入るため劣化を促進しやすかった、新バルブはポンプ利用を前提としてバルブに変更されていて湿気が入りにくい方式になっています)

 

 

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この記事を書いた人寝袋選びで大切なこと寝袋とマットは2つで1つ

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著者: Masaki T

2009年末から寝袋と関連装備に特化したこのサイトを開設。いつの間にか運営10年を超える老舗サイトに。ファミリーキャンプから無積雪期登山、厳冬期登山、バイクのキャンプツーリングに自転車旅行、車中泊など、アウトドアを幅広く経験。寝袋の宿泊数は100泊以上~500泊未満。狭い業界ですが、まだまだ知らないこと沢山あり、日々勉強中です☆

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楽しいアウトドア体験するはずだったのが、思わぬ寝不足でボーーっとしてしまうのは、もったいないです(しかも連泊でこれが続くとかなりキツイです)。少し汗ばむくらいの保温力の寝袋を選んで、ぜひ素敵なアウトドア体験を満喫してください☆

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山岳・登山用の寝袋マットの選び方の基本(無積雪期)

寝袋と(キャンプ用の)マットは2つで1つです。

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『断熱』について・・・アウトドア用の寝袋の中綿として、化繊やダウンが使われていますため、小さく圧縮して収納し持ち運ぶ事ができます。寝袋を収納袋から出して広げると、徐々に中綿が膨らみますが、人間が寝袋に入ったときに身体と地面に挟まれた中綿はぺちゃんこに潰れるため、断熱力がほとんどなくなります。大概の地面は冷たく、身体の重みで密着した部分から体温が逃げ(ヒートロス、熱損失)て、底冷えします。この現象は、体温と地熱の温度差が大きい春・秋・冬ほど熱損失量も増えます。

これを防ぐため、キャンプ用のマットを使います。キャンプ用のマット体重がかかっても断熱効果が得られるよう設計されています。

登山ルート上のキャンプ場・テント場

『寝心地を快適にする』について・・・最近、畳の上で寝たことはありますか?痛くて寝れなかったという方もいるのではないでしょうか。昨今の快適用品の普及により、強い刺激に敏感になっています。よほどふかふかの芝生以外、寝袋のみで寝ると地面の凸凹や石があたって痛くてまともに寝れません。その衝撃を吸収する役割としてキャンプ用マットが使われます。キャンプ用マットは大きくクローズドセルマット(銀マットなど)とエア注入式の2種類あり、寝心地はエア注入式の方が良いです。

テントの中で寝袋の下に敷くマットは、様々な用途に合わせて、多数の商品があります。皆さんの用途にあった、快適に寝れるマットが見つかりますように☆

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