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<2024年更新!>シュラフカバーの基本的な役割、テント泊における長所(水濡れ・結露濡れ防止)・短所(内部結露)、基本的な選び方(簡易防水or完全防水、撥水と防水透湿性、耐水圧、耐久性(3レイヤーor2レイヤーorその他)、耐用年数、サイズ)、人気・おすすめシュラフカバー一覧をまとめました。

シュラフカバーのジッパー・スライダーの開閉

  

無積雪期登山・雪山登山はもちろんのこと、バイク・自転車ツーリング、車中泊での利用を検討されている方にも参考になると思います。

シュラフカバーとは?

  

シュラフカバーとは、マミー型のシュラフを入れるカバーです。わかりやすく言うと、シュラフのレインウェアです。

シュラフカバーは必須なのでしょうか???・・・結論を書くと必ずしも必要ではありません。

私自身、様々なシーン(無積雪期登山、冬期登山、野宿等)でシュラフカバーを使ってきましたので、その経験を踏まえて初心者の方にもわかりやすくシュラフカバーについて解説していきたいと思います。

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厳冬期八ヶ岳。雪の上にマット広げて、シュラフカバーを付けて、テント外できらめく星空眺めてみる

 

シュラフカバーは必要?不要?

  

シュラフカバーというのは、状況により必ずしも必須ではないアイテムです。

おそらく”シュラフカバー”の単語を知っている人は、テント泊の登山や沢のぼりなどの本格的なアウトドアを楽しまれている方が多いと思います。

シュラフカバーというのは、状況により必ずしも必須ではないアイテムなので、その必要性についてはいろいろと議論されているアイテムでもあります。

登山初心者がいきなりシュラフカバーを最初から購入するケースは稀で、様々な山行を重ねる内にその必要性を実感して探し求めるケースが多いようです。

簡潔に、シュラフカバーのメリットとデメリットをまとめました。

○メリット

  • シュラフが雨・結露で濡れにくくなる(ダウンシュラフの場合、長期山行でも安心。 ただし、使い方注意)
  • 保温力が上がる
  • シュラフが汚れない(メンテナンスが楽に)

△デメリット

  • カバー分だけ荷物の重量、容量が増加
  • シュラフ内が蒸れる、内部結露発生
  • サイドジッパー使えないためシュラフの出入りが面倒
  • ストレッチ系シュラフの場合、カバーの大きさで伸び幅が制限される

以下、上記の内容を元に詳しく解説します。

 

シュラフカバーの役割(メリット)

シュラフカバーの役割は

  • シュラフが雨・結露で濡れにくくなる
  • 保温力が上がる
  • シュラフが汚れない(メンテナンスが楽に)

です。

 

シュラフが雨・結露で濡れにくくなる

シュラフカバーを使用することで、シュラフ自体が雨・結露で濡れにくくなりますが、

  • 濡れるとどうなるか
  • どのような時に濡れるか

というところから話をしたいと思います。

 

ダウンは濡れると保温力が低下する

登山等で使われているシュラフの中綿(保温材)の主流はダウン(グースダウン・ダックダウン)です。

  

ダウンは、水に濡れると極端に保温力が低下する性質があります。

 

ダウン

抜けてきたダウンを撮影してみました

ダウン

羽枝&小羽枝の拡大写真

ダウンの羽毛を拡大すると、太い羽毛(羽枝:うし)の先にも小さな羽毛(小羽枝:しょううし)が無数に生えているのが確認できます。この羽毛が対流しにくい空気を抱える(通称:デッドエア)ことで高い保温力が実現できています。

ダウンが濡れると、この羽枝が隣接する羽枝と密着し束になり、デッドエアが減少し、シュラフ自体の保温力も低下していきます。

  

この現象は、1泊登山ではそれほど大きな問題になりません。1日目でシュラフが多少濡れて保温力が低下しても、翌日は使わないためです。

近年販売されているシュラフの生地は強い撥水加工がされており、少しテント内の結露やテント外から雨が吹き込んでも内部に染み込みにくくなっています。

シュラフの生地に霧吹きすると撥水する

上の写真は個人所有の登山用の寝袋(左:マウンテンイクイップメント、右:モンベル)に霧吹きした後の写真です。このように多少の水が降り掛かっても、乾いたタオル等ですぐに拭き取れば大丈夫です。(拭き取らないとマットの上に水が落ちてマットが濡れ、シュラフも濡れ移りします)

 

こんな時にシュラフは濡れる

  

私自身様々な山行を重ねる内、シュラフが濡れるシーンが大体わかってきました。

  • 人為的期な濡れ(鍋や飲み物をこぼす)
  • 雨天・濃霧による濡れ
  • テント・ツェルト内の結露や浸水
  • マットの濡れ
  • 就寝時の発汗による濡れ
  • 収納時に濡れる
人為的期な濡れ(鍋や飲み物をこぼす)
  

経験上、高確率で発生するのが、この人為的な濡れです。

悪天候時や、気温の低い夜はテント内で過ごす時間が長くなりますが、長い登山で疲労し、慣れない狭い空間で過ごすため、ついつい飲み物をこぼしてしまったり、鍋をこぼしてしまうことがあります。他には、テント内で煮炊きしていて鍋が沸騰して周囲に飛び散って濡れることもあります。

雨天・濃霧による濡れ
  

雨天時は寝袋に限らず、手持ち装備が濡れやすいです。

山の雨は、標高が上がるほど横殴りの雨になりやすく、特に森林限界(標高2,500m程度)以上のテント場では猛烈な風雨にさらされることもあります。

トイレや水くみなどでテントを出入りする際に、その雨がテント内に吹き込んできて、シュラフやマットが水濡れすることがあります。(風下側をテントの出入り口にするのは基本ですが、天候や場所によっては風が渦巻いたり、テント場が混雑して所望の方向に向けにくいということもあります)

最近のテントは軽量化のため、短辺に出入り口がある(通常テントは真上から見て長方形の物が多く、テントの出入り口が長辺、もしくは短辺にある。)ものも多い。

エアライズ1

短辺出入り口のライペン エアライズ1(ダブルウォール)

 

短辺出入り口のテントは、出入り口が斜めに傾斜しているため雨が侵入しやすく、例え真上から雨が降っていても出入り口部分が雨で濡れてしまいます。(長辺に出入り口のあるテントは、出入り口が垂直に近いため、短辺より雨が入りにくい)

また、雨天だった場合、手持ちの装備品(特にレインウェアやザック)がべしゃ濡れで、狭いテント内でシュラフを広げた時に、濡れが移ってしまうことがあります。雨で手が濡れてると触るものすべてが濡れていきます。

 

テント・ツェルト内の結露や浸水
  

雨が全く降らなくても、結露で濡れることもあります。

外気温が低かったり、テント内と外との温度差があると、テント内が結露します。

冬に自宅の窓を見ると結露で窓ガラスがべちゃべちゃになりますが、それと同じ現象がテント内でも起きるのです。

テントのレインフライの結露

朝起きると、テントのフライシートがこんな感じに(雨降ってません。)

テント内に人間が入ると、テント内の温度は外よりも上がり、人間が放出する息や汗が内生地で冷やされてテント内生地はほぼ結露します。構造上、結露量はダブルウォール(2枚生地テント)より、シングルウォールテント(防水透湿性素材の1枚生地テント)の方が量が増え、透湿能力が低いツェルトはまるで内側で雨が降っているかのように内側に結露します。

ツエルト テント

結露のツェルトに宿泊(09/15 槍平小屋のテント場)すると・・・

ツェルト内部の結露により底面に水たまりができる

翌朝になると、内部に水溜りが。。。(一度も雨が降っていません。)

  

上の写真では、ツェルト内部が大量に結露して、写真右下部分に水溜り発生。透湿性のある結露しにくいと謳われたツェルトなのですが、この結果には山仲間皆が唖然となりました。

テント内部の結露があまりに多いと、テント内部で滴り落ちてマットを濡らせ、シュラフも濡れ移りします。また、テントがバタつくほどの強風だと、生地に付着した結露がテント内に降り注ぎ、外は雨が降っていなくても、テント内部で結露の雨が降り注ぐこともあります。

シングルウォールテントとダブルウォールの違い 結露

シングルウォールテントとダブルウォールの違い[出典:モンベル]

このテント内での結露雨の現象は、シングルウォールテント、ツェルト系は起きることがあります。ダブルウォールテントは結露がレインフライの内側を沿って落ちるか、結露が風に煽られて落ちてきても、内側生地で受け止めるため、雨のように落ちてくることはほぼありません。(もちろん、内側が結露で濡れる、テントの床面(通称バスタブ)が濡れる現象は起きます)

 

また、冬期登山においても同様の現象が起きます。

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厳冬期の八ヶ岳、赤岳鉱泉(2012年1月)

実際に冬山でテントに宿泊した場合、深夜が氷点下の場合はテント本体の生地に結露が凍りつきます。

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テント本体の内側に凍りついた結露 まるで針のように尖っています

この結露は、テントが風で揺らされるとサラサラと落ちるため、まるでテント内に雪が降ったかのような状況になります。

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冬山のテント内。シュラフカバーの上に大量の凍った結露が降り注ぐ。

  

テント内で寝ていると、チラチラと冷たい氷が顔にあたり、冷たいです。

ただ、雪や氷は固体ですから、そのままではシュラフを濡らしません。

実際には、テント内で朝食をとるためにバーナー・火器を使用したときの温度上場や日中の温度上昇などで、一気に凍っていたすべての結露が水へと変わりシュラフを濡らします

そして、冬ならではの問題として、積雪が多い場合、テント内の出入り口付近に雪が入ります。

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積雪期はどれほど気をつけても、テント内に雪が入ります。

テントの出入り口付近に入り込んだ雪は、テント内が温かい場合は、すぐに水へと変わり、あらゆるものを濡らします。

 

また、購入から5年程度経過したテントは、テントの防水コーティングとして普及しているポリウレタンコーティングの劣化により、徐々にテント内部に水分が染み込んでくる現象が起きることがあります。

ポリウレタンコーティングの劣化により、徐々にテント内部に水分が染み込んでくる

雨天時に、テント下部が徐々に水が染み込んでくる

  

じわーっと水が上に上がってきました。。。

ダブルウォールテントの場合、外側のレインフライの防水コーティングが劣化しても内側生地があるためそこまでひどくなりにくいのですが、テント下部のバスタブ部分は1枚生地のため、防水機能が劣化するとテント下を流れる雨がそのまま染み上がってきてしまい、テント内がベチャベチャになってしまうことがあります。

私自身が実際のこの経験をして、シュラフカバーのお蔭でシュラフは濡れずに済んだ経験があります。(年数の経過したテントは要注意です)

マットの濡れ

上記のように様々な要因で、シュラフ自体にも濡れる機会が訪れるのですが、シュラフの下に敷くマット自体も同様に濡れてしまいます。空気で膨らます系マット、EVA系のマットどちらも濡れます。

  

濡れたマットの上にシュラフを載せて寝ると、シュラフ生地に水圧がかかった状況になり、シュラフの中綿に徐々に濡れが移ります。

就寝時の発汗による濡れ
  

人間自体が就寝時に発汗するため、シュラフ自体を湿らせる原因となります。

1泊程度では、それほど気になりませんが、連泊するとシュラフの中綿が徐々に湿ってくる感になってきます。この発汗による濡れは、シュラフカバーを付けると、外部に放出するのを阻害するため、シュラフカバーを付けたほうが起きやすくなります。これは、シュラフカバーの防水透湿性能が高ければ起こりにくくなります。

収納時に濡れる
  

1泊目に使用したシュラフは、再び小さな収納袋にギュッーっと圧縮して入れますが、実はこの時に中綿の濡れを促進します。

野外で(特に山で)シュラフを使用すると、ほぼシュラフの外側の生地は湿っぽくなります。天候によっては、雨や結露による水滴の付着もあるでしょう。それが付着したまま圧縮率の高い小さな収納袋にギュッと収納したらどうなるでしょう?一部分が濡れた雑巾を絞ると、全体が湿るように、シュラフ全体の中綿に濡れが移っていきます。

 

以上のように、登山においては様々な要因で、シュラフが濡れる状況は発生します。

 

シュラフカバーで保温力が上がる

  

シュラフにシュラフカバーをかぶせることで、全体として保温力が上がります。

その保温効果ですが、メーカーから直接伺った話ですが、

  • 気温が0℃以上なら 約+2~3℃
  • 気温が0℃以下なら 約+1~2℃

になるそうです。

  

シュラフカバーには、カバー内側が起毛していたり、アルミ蒸着加工による輻射熱でより保温効果をあげているものもあります。

3シーズン用のシュラフで紅葉時期(夜は氷点下)の登山へ行く時、少し保温力をあげたいな、という選択肢の一つとしてシュラフカバーの活用があげられます。

 

シュラフが汚れない

  

実際にシュラフカバーを使って実感しているのが、このシュラフ汚れ防止の効果です。

テント内で鍋・ラーメンを作る

悪天候時や外気温が低すぎる冬期登山では、テント内で食事を作る機会が増える

テント内でお水&お湯しか飲まない、という方はおそらく少数派で、コーヒー、ジュース、お酒、更には鍋やラーメン、味噌汁などの汁物を食べる方も多いと思います。

テントで過ごすのは主に夜と朝です。

夜は登山の疲労、朝はいつも以上の早起きで寝ぼけていて、だいぶ集中力や注意力も落ちています。うっかり飲み物をこぼしてしまった、トイレに行こうとして他の人が手に持っているコップにぶつかってこぼしてしまった、鍋の汁をこぼしてしまった、このようなことはよくあることです。

シュラフの生地が撥水しても場合によっては完全に拭き取れないこともあります。登山後にこの汚れを乾かすだけでいるとカビ発生の温床となるため、シュラフ寿命を縮める可能性があるため、洗濯するとなったら結構なかなか手間がかかります。(特に乾燥後のダウンの偏りを直すのが面倒)

シュラフカバーを付けておけば、外からの汚れに対してはシュラフ本体は保護されるため、シュラフ内側に付着した汗や衣類についた砂土よごれ程度になり、帰宅後は湿ったシュラフを干すだけで済むこと多いです。

もし、シュラフカバー自体に汚れが付着しても拭き取りやすく(縫い目が少ないため汚れが溜まりにくく、耐水圧もあるため染み込むことを気にせずしっかり拭きやすい)、薄い生地ですので帰宅後に洗うのもシュラフ本体を洗濯するのに比べてずっと簡単です。

 

  

寝袋にシュラフカバーで覆えば細かい様々な事を気にせずテント泊を楽しめるようになります!

 

シュラフカバーのデメリット

カバー分だけ荷物の重量、容量が増加

  

シュラフカバーの分だけ荷物の重量と容量が増えます。

シュラフカバーは様々なメーカーから発売されていますが、おおよそ重量は150g~450gの範囲内です。

シュラフカバーの選び方

大きさは、ペットボトル500mlより一回り大きい程度になります。

  

はっきり言って、それなりの荷物になります。

※シュラフカバーの種類については後記参照

 

シュラフ内が蒸れる、内部結露発生

  

シュラフにシュラフカバーを装着することで、内部結露(シュラフカバーの内側)が発生しやすくなります。

これは高性能と言われる、ゴアテックス生地でも発生します。

この結露はシュラフ自体の保温力低下に繋がります。

厳冬期ではシュラフカバー内側の結露が凍っていることも

気温の低い厳冬期雪山では、早朝にシュラフカバー内側の結露が凍っているのが確認できる

 

サイドジッパー使えないためシュラフの出入りが面倒

シュラフのサイドに出入りや温度調節のためのファスナー・ジッパー(日本で普及しているのは寝た時に右側にジッパーがある、海外では左ジッパーが普及)がありますが、シュラフカバーを付けるとこれが実質使えなかったり、シュラフカバーのジッパーの長さに制限(ジッパーがあるモデルでも肩から腰ぐらいまでの長さであることが多い)されたりします。

私はジッパー付きのシュラフカバーを使ってきていますが、シュラフとシュラフカバーの2つのジッパーの開け締めが面倒なのでシュラフカバーのジッパーはほとんど閉じたままのことが多いです。

ストレッチ系シュラフの場合、カバーの大きさで伸び幅が制限される

  

モンベルのようにストレッチするシュラフにシュラフカバーを付けると、現状販売されているシュラフカバーのほとんどがストレッチしないため、ストレッチ幅がシュラフカバーの横幅で制限されます。

カバーなしのときは、座ったらあぐらかけたのに、カバー付けたらできなくなった、ということも起こりえます。(足が長い人ほど起こりやすい)

ストレッチするシュラフをお持ちの方がシュラフカバーを購入する時は、その点を留意されてください。

シュラフカバーには、レギュラーサイズ(無積雪期)とワイドサイズ(冬期用)があるため、「どうしてもストレッチ幅を十分に活かしたい」という方は、ワイドサイズを選ぶという選択肢もあります(ただし、生地量増加分の重量・容量増になります)

 

シュラフカバーの選び方

シュラフカバーの選び方

選ぶ前に

  

シュラフカバーを使う前に、ご自身の使う状況(山行スタイル(3シーズンor4シーズン)など)を明確にして選ばれることをおすすめします。

私自身がシュラフカバーを使い続けて実感しているのが「シュラフカバーは使用頻度はそれほど多くないな」ということです。2泊以上の登山や1泊でも沢登りなどのビバーク(野営:タープの下で寝る)する機会は、年に片手で数えるぐらい、という方も多いのではないでしょうか。

使用頻度がそれほど多くない場合、シュラフカバーは傷みにくく、予想以上に長い期間使う登山アイテムとなりえます。

  

10年前に買ったゴアテックスのシュラフカバーは今でも現役です!

 

選ぶ基準

選ぶときのいくつかの基準について解説します。

簡易防水or完全防水

  

シュラフカバーには、大きく2種類あり、簡易防水モデルと、完全防水モデルがあります。

簡易防水モデルは、使われている生地自体にはある程度の撥水性や防水性はあるものの、生地の縫い目はシームテープ処理(縫い目の穴から水が侵入しないように特殊なテープで塞ぐテープ)していません。処理が簡単なため、安価で軽量になります。

完全防水モデルは、レインウェアと同じくシームテープ処理してあります。

ゴアテックスのシュラフカバーのシームテープ処理

ゴアテックスシュラフカバーの縫い目と裏側のシームテープ処理

また、このモデルは生地自体の撥水性や防水性(耐水圧)や透湿性が簡易モデルの生地より高性能であることが多いです。

その昔、シュラフカバーといえば、防水透湿性素材を使用し、縫い目を裏側からシームテープで処理した完全防水のものが主流でしたが、最近はタイベックなど軽量で縫い目のシームテープ処理しない、簡易的なものも普及しています。

シームテープ処理していないシュラフカバー

簡易モデルは、シームテープ処理無し

撥水と防水透湿性

一部、ナイロン生地のみのシュラフカバーもありますが、ほとんどが防水透湿性素材が使われています。

防水透湿性素材が使われる登山用品の代表格であるレインウェアは、雨風に直接さらされるのが前提ですが、シュラフカバーは主ににテント内での使用が多く、どの程度の撥水性・透湿性・耐水性があればよいのかは考えさせられるところです。

シュラフカバーにおける各性能の役割は、

  • 撥水性
  • 透湿性
  • 耐水圧

の3つです。

 

撥水性

ゴアテックス シュラフカバーの撥水

手持ちのゴアテックスシュラフカバーは、7年経っても水玉コロコロ

タイベックシュラフカバーの撥水性

タイベックのシュラフカバーは水の膜が残る

撥水能力が高いと、シュラフカバー自体が汚れにくくなり、透湿性も生きる(撥水性能が低いと水分が表面に付着し水の膜ができるため、透湿性を阻害する。そのため、透湿性が高くても撥水性能が低いと、濡れ面積に比例して透湿能力が落ちる)

透湿性

厳冬期ではシュラフカバー内側の結露が凍っていることも

厳冬期登山で高性能と言われるゴアテックスのシュラフカバーでも、シュラフカバー内側に結露の氷が確認された

  

透湿性はシュラフカバー内の結露量に影響します。

人間自体が水分の塊のようなもので、絶えず呼吸や皮膚から水分を放出しているため、シュラフカバーの透湿性は欠かせない(透湿性0の中に人間が入ると短時間で内側がベシャベシャになる。)また、夏は家のガラス窓はあまり結露せず、冬は結露でべしゃ濡れになるように、結露量は、内外の温度差と湿度と透湿性能によって変化します。日本は、夏は多湿(湿気が外に逃げにくい)、冬はシュラフカバーの内外の気温差が大きいため、高透湿性が好まれます。(海外の乾燥した地域のトレッキングでは、それほど透湿能力が求められないケースも耳にする。) また、一度濡れるとほとんど乾かない氷点下の雪山登山では、結露によるシュラフの保温力低下は死活問題になることもあります。

経験談

「-20℃以下の環境では、内部結露が発生するためあえてシュラフカバーを利用しない」という話も聞いたことがある。また、南極の局地遠征経験者の方からは、「シュラフが一度濡れると乾かすことができないため、シュラフカバーをシュラフの中に入れて自分の湿気でシュラフを濡らさないようにした。」という話も聞いたことがあります。

耐水圧

一見すると、直接雨風にさらされるとは限らないシュラフカバーは、それほど耐水圧が必要無いと思われるかもしれませんが、シュラフカバーの本領が発揮されるのは、マットの濡れによる水分の染み込み防止です。

シュラフの下に敷かれるマットは、人為的な飲み物こぼし、テント出入り口からの雨の侵入、テント底結露の濡れ移りなどで、濡れることが多々あります。

クローズドセルマットの溝に水滴がたまる

濡れにくいクローズドセルマットでも、シュラフカバーを滑り落ちた結露が溝にたまったりする

濡れたマットに、撥水機能だけのシュラフを載せて寝ると、背面から徐々に水が浸透してきて保温力低下に繋がります。シュラフカバーを付けることで、水の侵入を防げますが、どの程度防げるかが耐水圧の性能によります。

体重75kgの人が濡れた場所に座ったときの圧力が約2,000mm程度、濡れた場所へ膝を付けているときの圧力が約11,000mm程度と言われています。

 

摩擦の耐久性(3レイヤーor2レイヤーorその他)

レインウェア同様に、シュラフカバーに使われる生地にも、

  • 3レイヤー:表生地ナイロン、防水透湿メンブレン、裏地の3層構造
  • 2.5レイヤー:表生地ナイロン、摩耗強度を上げた加工された防水透湿メンブレンの2.5層
  • 2レイヤー:表生地ナイロン、防水透湿メンブレンの2層構造
  • その他(タイベックなど特殊フィルム)

があります。

基本的に層が増えると、シュラフカバーとしての重量と容量が増えますが、内側の耐摩耗性が増すため、単体利用が可能になります。

ゴアテックスのシュラフカバーのシームテープ処理

細かなメッシュのような灰色の裏地は、摩耗強度を上げるだけでなく、結露の水滴を拡散させる機能もある

 

2レイヤーシュラフカバーは、防水透湿性素材が露出(大概、白色)していてる状態で、尖ったもの(例えば、腕時計やズボンのベルトやボタンなど)でこすれると容易に傷つくか、削れて剥離していまいます。そのため、2レイヤーのシュラフカバーは、アウトドアショップでも展示していない傾向にあります(容易に傷ついて商品価値がなくなるため)。

その他(タイベックなど特殊フィルム)は、素材により異なるため一概になんとも言えませんが、私が見る限り3レイヤー構造のものより、耐摩耗性は明らかに劣る、と感じています。

タイベック 擦れ 摩耗

軽量・安価で人気のタイベックのシュラフカバーは、ナイロン生地より擦れに弱く毛羽立ちやすい

 

耐用年数

  

シュラフカバーの耐用年数(どれだけ長く使えるか)は、もちろん使用頻度や使い方、メンテナンス状況により変わってきますが、それ以外にも別の指標があります。それは、経年劣化です。

製品は、作られた瞬間から時の経過とともに性能が徐々に落ちていきますが、その落ち具合が使われている素材によって異なります。

一般的にシュラフカバーに使われている防水透湿性素材には、

  • ゴアテックス
  • ポリウレタン系防水透湿性素材(メーカーにより名前が異なる)
  • その他(タイベックなど特殊フィルム)

があります。

実はポリウレタン系の防水透湿性素材は、紫外線や多湿等により加水分解が徐々に起き、製品寿命はおおよそ5年程度と言われています。

一方、ゴアテックスの場合は、経験上もっと長く使えて10年程度使っているという話も耳にしたことがあります。(私自身もゴアテックスのレインウェア、シュラフカバーを使ってきていますが、確かに安価なその他防水透湿性素材より、製品寿命長いです。)

ゴアテックスも劣化していきますが、初期性能が非常に高く、そこから緩やかに低下していくため、同じ使い方でも登山アイテムとして長く使える、といことです。

サイズ(レギュラー、ワイド)

シュラフカバーには、

  • レギュラーサイズ:無積雪期向けの3シーズン用シュラフ対応
  • ワイドサイズ:積雪期向けの4シーズン用シュラフ対応

があります。(メーカーによっては、M・Lサイズと表記が異なったり、レギュラー・ワイド・ワイドロングと細かく分類している場合もあります。)

  

同じメーカーが作ったシュラフでも、無積雪期向けの3シーズン用と積雪期対応の4シーズン用では、シュラフの内周と外周が異なります。

外気温氷点下で使用を想定した4シーズン用シュラフは、就寝時にインサーレーションジャケットを着込んでの就寝を想定しているため、3シーズン用より内周が大きくなる傾向があります。それに加え、シュラフの中綿量も増えるため、外周も大きくなります。そのため、横幅や縦幅の大きなワイドサイズがあります。

基本的にレギュラーサイズと記載が無い場合は、無積雪期のシュラフサイズに対応したレギュラーサイズです。

もし、レギュラーサイズのシュラフカバーに、厳冬期用シュラフをかぶせるとどうなるか実験したことがあるのですが、中に入ると窮屈で、中綿がシュラフカバーと身体に圧迫されて十分に膨らみきれていない感じになりました。これだと保温力が十分に生きないのもありますが、何より窮屈で長い時間寝ていられない感じでした。

逆に、3シーズン用シュラフにワイドシュラフカバーをかぶせるのは大丈夫です。ただ、シュラフとシュラフカバーの空間がそこそこ空いてしまうので、同素材のレギュラーサイズのシュラフカバーをかぶせた時に比べて、ある程度の保温力低下などは起こりえます。

 

ジッパー・スライダーあり、なし

シュラフカバーには、

  • ジッパー(スライダー)付きモデル
  • 無いモデル

があります。

ジッパー(スライダー)付きモデル

シュラフカバーのジッパー・スライダーの開閉

ジッパー(スライダー)があるモデルは、ジッパーの開け締めによる温度調節が可能です。ただ、大概シュラフ自体のジッパー長より短くなっているため、温度調整幅は小さくなります。また、シュラフの出入りで、シュラフ本体のジッパーとシュラフカバーのジッパーの2度の開け締めするのは結構面倒です。

シュラフカバーの出入り

そのため、私の経験では、シュラフカバーにジッパーが付いていても、ほとんど動かさずに出入りすることが多いです。

国内で販売されているジッパー付きシュラフカバーは、ほぼ右側にあります。海外モデルのシュラフは左ジッパーが主流のため、右ジッパーシュラフカバーを購入しても向きが合わず実質使えないこともあります。

ジッパー(スライダー)無しモデル

ジッパー(スライダー)無しモデルは、縫製の手間が減り、使用する材料も減るため、軽量で価格も少し手頃になります。軽量化を重要視する方には、ジッパー無しモデルがおすすめです。

 

個人的意見

就寝時の発汗による濡れは、シュラフカバーの使用で発生しやすくなります。一方、登山においては人為的なミスや大雨等で外部からの濡れる状況のが多々あり、シュラフカバーの使用により安心して連泊しやすくなります。

テント1泊の登山では、翌日下山のため、たとえ濡れても翌日使わないためシュラフカバー無くてもやり過ごせますが、2泊以上の場合は、状況によってはシュラフカバーがあったほうが快適に過ごせると思われる場合が多々あります。

  

私の場合、基本的に2泊以上のテント泊では、ほぼシュラフカバーを持っていくことが多いです。(雨天確率が高い場合はなおさら)

多少の重量は増えますが、あらゆる状況になっても安心してシュラフを扱える感じが気に入っていること、また汁物の飛散汚れなどからシュラフを保護できるため、帰宅後のメンテナンスが楽(干すだけ)で済む(ダウンシュラフは洗濯に手間かかるが、それを極力避けられる)からです。

谷川岳雪洞でシュラフで寝る

2012/02/21 厳冬期谷川岳の雪洞(雪の洞窟)でシュラフカバーで覆って就寝

 

人気・おすすめシュラフカバー一覧

  

シュラフカバーは、簡易的なものから高性能なものまで様々あります。

製品によって、

  • 重量:150g~450g
  • 金額:6000円~23000円

と非常に幅があります。

ご自身の山行スタイルに合わせて、どのシュラフカバーが最適かは、十分検討してみてください。

以下、

  • ゴアテックス
  • ポリウレタン系防水透湿性素材(メーカーにより名前が異なる)
  • その他(タイベックなど特殊フィルム)

の順に紹介していきます。

イスカ ゴアテックスインフィニアムシュラフカバー ウルトラライト

ゴアテックスインフィニアムシュラフカバー ウルトラライト

製品の特徴

超軽量な30デニールナイロンをベースにした、スリーレイヤー(3層構造)のゴアテックス素材のシュラフカバーです。立体裁断のフード部分は圧迫感を抑える設計で、サイドの60cmファスナーが出入りを容易にし、耐久性に優れたスリーレイヤー素材は、単体での使用も可能です。ゴアテックスの優れた防水性はもちろん、高い透湿性能は、睡眠中の不感蒸散による寝袋への水分の滞留を最小限に抑えます。シュラフカバーの購入は殆どのユーザーにとって1回限りとなるようです。登山を中心にご検討の方々には、高い透湿性能と防水性能を持ったゴアテックス素材のご購入をおすすめします。

  • 参考価格:21,450円(税込)
  • 平均重量:360g
  • サイズ:87(肩幅)×209(全長)cm
  • 収納サイズ:7×8×22cm

ゴアテックスを用いた高耐水圧、高透湿性、縫い目のシームテープ処理も施した完全防水のシュラフカバーです。ゴアテックスは経年劣化しにくく、3レイヤーで耐久性あり、大切に使えば長期間使用できます。3レイヤーですが、軽量な表地と裏地の使用で重量も抑えられています。

夏の縦走登山から厳冬期登山まで使える、高性能シュラフカバーです。もし、このシュラフカバーで結露したら、他のシュラフカバーではもっと結露する、と思ってもよいでしょう。

特に生死に関わる積雪期の登山では、ゴアテックスのシュラフカバーを推奨します。2メーカーに厳冬期のシュラフカバーの素材について問い合わせたところ、担当者の方から「ゴアテックスが最も耐水圧と透湿性が高い」と回答頂いています。

※個人的考察

イスカ側で数値公表されていませが、一般的にゴアテックスの性能は、耐水圧: 45,000mm 以上、透湿性:13,500g/m2/24hrs(JIS L1099B-2 法)と言われています(参考:wikipedia)ので、このシュラフカバーも同程度と推測されます。

近年、透湿性の数値だけ見ると、13,500g/m2/24hrsよりも高い数字を表示されている製品も多数ありますが、ゴアテックスより透湿性が高いとは限りません。実は、透湿性の評価方法は、

  • JIS L1099B-1 法
  • JIS L1099B-2 法

があり、2 法は厳しい評価方法のため、1 法より2 法の方が数値が下がります。2019年のモンベルのカタログに、ゴアテックスをJIS L1099B-1 法で測定した数値として、25,000~98,000g/m2/24hrsが掲載されていました。この数値幅は、ナイロンの表生地の厚さに依存(薄いと数値良くなる)そうです。

モンベルのカタログに、

  • 表生地12デニールナイロンのゴアテックスレインウェアの透湿性:44,000g/m2/24hrs(JIS L1099B-1 法)
  • 表生地20デニールナイロンのゴアテックスレインウェアの透湿性:35,000g/m2/24hrs(JIS L1099B-1 法)

とありましたので、表生地が30デニールナイロンのイスカ GORE-TEX シュラフカバー ウルトラライトは、JIS L1099B-1 法では、30,000g/m2/24hrs程度ではないか?、と推測されます。

(※メーカーによっては、透湿性の記載があっても、評価方法の記載が無い場合があります。JIS L1099B-1 法が普及しているため、評価方法の記載が無い場合は、この方法である可能性が高いです。)

以下、amazonカスタマーレビューより引用。

「イスカ ゴアテックス シュラフカバー ウルトラライト」の購入者レビューと実売価格

  • 軽いコンパクトで湿度が抜ける(2022年2月28日):軽くコンパクトです。この商品自体は暖かくは無いのですが、中の羽毛シュラフが濡れず機能を十分発揮してくれます。結露防止とシュラフの中からの湿度による濡れ防止でかなり暖かです。シュラフの二枚、三枚重ねをすると自分の汗でシュラフが濡れるのを防いでくれるので、羽毛シュラフ自体の性能を発揮でき暖かく使用できます。どうしても冬はテント内の結露でシュラフが濡れたり、重ねシュラフはシュラフの間が濡れるのでゴアテックスは良いです。保温と外からの濡れ防止には良いと思います。
  • Gore-Texってやっぱりすごい(2022年11月16日):ビヴィと比較して迷いましたが、、機能はすばらしい!価格相応の効果が得られます。安物買いしたら後悔します。Gore-Texってやっぱりすごいね。
  • 結露しない(2022年12月4日):モンベルのダウンハガーに使用していますが結露知らずです。快適で冬キャンにはかかせません。
[出典:amazon]
  

3シーズン用シュラフに対応したレギュラーサイズの他に、外周の大きい冬期シュラフに対応したワイドモデルもあります。(実売価格は時期により変動しています)。4シーズン使用する方、とにかく高性能なものが欲しい方、長期間使う予定の方はとにかくゴアテックスおすすめです!

ISUKA イスカ ゴアテックスインフィニアムシュラフカバー ウルトラライト

 

oxtos(オクトス)  シュラフカバー

 

oxtos(オクトス) のシュラフカバーについて調査しました。

オクトスで製造&販売しているシュラフカバーは

  • 透湿防水シュラフカバー(レギュラー、ワイドロング)
  • 透湿防水 タフシュラフカバー(レギュラー、ワイドロング)
  • 高透湿防水 シュラフカバー(レギュラー、ワイドロング)

の3種類(サイズがレギュラーとワイドロングの2展開)です。(ネーミングが近くて違いがわかりにくいですね)

それぞれのシュラフカバーのスペックと実売価格を見ていきたいと思います。

透湿防水シュラフカバー(レギュラー、ワイドロング)

oxtos(オクトス) 透湿防水シュラフカバー

 

[レギュラー]
  • 【素 材】 表生地 / 40dnリップストップナイロン / 2層防水(透湿)コーティング、背面生地 / 40dnリップストップナイロン / 2.5層防水(透湿)コーティング
  • 【耐水圧】表生地 / 10,000mm、背面生地 / 10,000mm
  • 【透湿度】表生地 / 5,000g/m2/24h、背面生地 / 5,000g/m2/24h
  • 【サイズ】全長202cm×肩口幅83cm×底部幅53cm、ファスナー開口部 / 148cm
  • 【収納サイズ】18cm×12.5cm×8cm
  • 【重 量】約325g(収納袋10g含む)
  • 【メーカー】oxtos(オクトス)
  • 【生産国】日本
[ワイドロング]
  • 【サイズ】全長220cm×肩口幅94cm×底部幅54cm 、ファスナー開口部 / 148cm
  • 【収納サイズ】 18cm×12.5cm×8cm
  • 【重 量】 約365g(収納袋11g含む)
POINT

oxtos(オクトス)がこだわり抜いた「日本製」のシュラフカバー。
弊社オリジナルシュラフにも使用している「耐水性」「透湿性」に優れた生地を表地に採用。
山小屋泊でもシーツとして、また非常時のビバークにも持っていると安心。
ファスナーは上下どちらからでも開閉可能な仕様。
※生地のロットによってコーティング面(裏面)の模様やカラーが異なる場合がございます。

 

  

できるだけ低予算で、そこそこの性能でもいいから、ちゃんとした防水透湿生地のシュラフカバーが欲しい方にいいかもしれません(かなり安いです)

「oxtos(オクトス) 透湿防水シュラフカバー」の購入者レビューと実売価格

 

透湿防水 タフ シュラフカバー(レギュラー、ワイドロング)

oxtos(オクトス) 透湿防水 タフシュラフカバー

 

[レギュラー]
  • 【素 材】上面(マスタード部分) / 15dn透湿防水マイクロリップストップナイロン、背面(グレー部分) / 40dnナイロン透湿防水ポリウレタンコーティング(頭部/背面部/底部)
  • ■上面(2レイヤー):耐水圧 / 1,000mm、透湿度 / 8,000/m2/24h
  • ■背面(2.5レイヤー):耐水圧 / 10,000mm、透湿度 / 5,000/m2/24h
  • 【サイズ】全長202cm×肩口幅83cm×底部幅53cm、ファスナー開口部 / 148cm
  • 【収納サイズ】縦17×横11×マチ5cm
  • 【重 量】本体 / 約260g、収納袋 / 約8g
  • 【カラー】マスタード×グレー
  • 【生産国】日本
  • 【メーカー】oxtos(オクトス)
[ワイドロング]
  • 【サイズ】全長220cm×肩口幅94cm×底部幅54cm、ファスナー開口部 / 148cm
  • 【収納サイズ】縦18×横11×マチ5cm
  • 【重 量】本体 / 約295g、収納袋 / 約8g

 

POINT

上面(マスタード部分)には、15dn透湿防水マイクロリップナイロンを採用。
引裂強度に優れ、特殊コーティングにより今までよりも薄いコーティングで
従来品と同じスペックの耐水圧、透湿性を実現。より軽量なモデルとなっております。

縫製箇所(必要箇所)には、シームテープ加工を施しております。

防水の必要な背面部分には、従来通り「耐水圧10,000mm」の生地を採用しております。

透湿・防水を兼ね備えた軽量コンパクトなシュラフカバーです。山小屋泊でもシーツとして、また非常時のビバークにも持っていると安心のアイテムです。
ファスナーは上下どちらからでも開閉可能な仕様です。(内側からも開閉可能。)

  

軽量・コンパクト性重視、かつ3シーズン利用の方向けでしょうかね。

「oxtos(オクトス) 透湿防水 タフ シュラフカバー」の購入者レビューと実売価格

 

高透湿防水 シュラフカバー (ショート、レギュラー、ワイドロング)

oxtos(オクトス) 高透湿防水 シュラフカバー

 

[ショート、レギュラー]
  • 【素 材】生地 / 30Dリップストップナイロン(2レイヤー) SOFANDE®
    〈使用生地スペック〉耐水圧 / 20,000mm以上、透湿性 / 20,000g/m2・24hrs(JIS L-1099B-1法) ※当スペックには個体差があります。保証値ではありません。
  • 【サイズ】ショート / 全長192cm×肩口幅83cm×底部幅53cm、レギュラー / 全長202cm×肩口幅83cm×底部幅53cm、ファスナー開口部 (共通) / 148cm
  • 【収納サイズ】18cm×12.5cm×8cm
  • 【重 量】ショート / 約255g(収納袋9g含む)、レギュラー / 約265g(収納袋9g含む)
  • 【メーカー】oxtos(オクトス)
  • 【生産国】日本
[ワイドロング]
  • 【サイズ】全長220cm×肩口幅94cm×底部幅54cm、ファスナー開口部 / 148cm
  • 【収納サイズ】18cm×12.5cm×8cm
  • 【重 量】約305g(収納袋9g含む)

 

POINT

oxtos(オクトス)がこだわり抜いた「日本製」のシュラフカバー。
当製品の生地には、「30Dリップストップナイロン(2レイヤー)」
「SOFANDE®」を使用しております。
高度なテキスタイル技術とラミネート加工の融合により、
ハイレベルの耐水性と透湿性を兼ね備えた性能重視のモデル。
山小屋泊でもシーツとして、また非常時のビバークにも持っていると安心。
ファスナーは上下どちらからでも開閉可能な仕様。
※「SOFANDE®」は旭化成の登録商標です。

 

  

軽量・コンパクトかつゴアテックス並の性能が欲しい方にはいいかもしれません。SOFANDEはポリウレタン系の防水透湿素材なので、ゴアテックスとの違いは、経年による耐用年数ですね。5年以下の使用であればこちらでも十分かもしれません。価格もゴアより安いです。

「oxtos(オクトス) 高透湿防水 タフ シュラフカバー」の購入者レビューと実売価格

     

    3商品のスペック比較

    レギュラーサイズで各主要スペックを比較します。

    (※下の表は右にスライドできます)

    モデル

    透湿防水シュラフカバー レギュラー

    oxtos(オクトス) 透湿防水シュラフカバー

    透湿防水 タフシュラフカバー / レギュラー

    oxtos(オクトス) 透湿防水 タフシュラフカバー

    高透湿防水 シュラフカバー

    oxtos(オクトス) 高透湿防水 シュラフカバー

    素 材

    表生地 /

    • 40dnリップストップナイロン 
    • 2層防水(透湿)コーティング

    背面生地 /

    • 40dnリップストップナイロン
    • 2.5層防水(透湿)コーティング

    上面(マスタード部分)

    • 15dn透湿防水マイクロリップストップナイロン


    背面(ネイビー部分) /

    • 40dnナイロン透湿防水ポリウレタンコーティング(頭部/背面部/底部)
    30Dリップストップナイロン(2レイヤー) SOFANDE®
    透湿性 表生地 / 5,000g/m2/24h
    背面生地 / 5,000g/m2/24h
    表生地 / 8,000/m2/24h
    背面生地 / 5,000/m2/24h
    20,000g/m2・24hrs
    耐水圧 表生地 / 10,000mm
    背面生地 / 10,000mm
    表生地 / 1,000mm
    背面生地 / 10,000mm
    20,000mm以上
    重 量 約325g 約260g+8g? 約265g(収納袋9g含む)
    実売価格

    参考:¥6,710

    参考:¥8,800

    参考:¥13,200

     

    POINT
      

    オクトスのシュラフカバーは全体的に価格は押さえられています。

    透湿防水シュラフカバーは透湿性能が表生地 / 5,000g/m2/24h、背面生地 / 5,000g/m2/24hとアウトドア用途ではエントリークラスのレインウェアクラスのため、寝袋内が結露してもそれほど問題にならない1泊のみの使用が主眼の場合や重量の気にならないキャンプ等ではこちらでも十分かもしれません。

     

    登山用途かつ、もう少し軽量化したい方は、透湿防水 タフシュラフカバー や高透湿防水 シュラフカバーが選択肢に入ると思います。

    タフシュラフカバーは透湿性はそこそこ、耐水圧は特に重要になってくる背面重視で低価格を実現しています。(雨や連泊等でマットは湿るか濡れることがあります。耐水圧が低いとじわじわと水分が染み込んでくる可能性があります。背面の透湿性は10,000mm程度あれば実質問題になりにくいと思います。

     

    高透湿防水 シュラフカバーは登山用途に耐えうる耐水圧、透湿性があり、縦走等で連泊が多い方は、このクラスを選択を推奨します。(このクラスで結露が気になるなら、その上はゴアテックスになりますが価格は2万円程度になります)このスペックであれば3シーズン用途では問題ないですが、冬期利用(雪山登山)で大丈夫かどうかは、メーカーに直接問い合わせてみてください。(数年前、複数のメーカーに冬期利用のシュラフカバーとしてどの防水透湿素材がおすすめか?と確認したところ、『ゴアテックス』の回答を得ています)

     

    オクトスのシュラフカバー全般に言えることですが、2レイヤーもしくは2.5レイヤーと柔らかい防水透湿膜が剥き出しの状態で、直接的な擦れに強いとはいえません。(裏地のある3レイヤーは非常に強い)。これはシュラフを入れての使用では問題になりにくいですが、単体使用(シュラフカバー内に直接人が寝る)の場合、衣類から金属パーツが出ていると防水透湿膜が削れたり、めくれたりすることがありますので、扱いには注意が必要です。

    また、2、2.5レイヤーは裏地が無いため、裏地付きの3レイヤーと比べると、透湿性が同じでも内部結露が気になりやすい傾向があります。防水透湿膜の裏地は水濡れを拡散させる役割があり、その機能が無い2、2.5レイヤーは水滴が目立ってしまうのです。

     

    また、ポリウレタン系の防水透湿膜(SOFANDEもポリウレタン系)は、加水分解等の経年劣化の影響により、耐用年数がおおよそ5年程度と言われています。基本的に防水透湿膜は製造直後の初期性能値から徐々に性能が下がっていきます。劣化が進むと水圧のかからない水濡れ等でも内部に染み込んできます。こうなるともう、単なるナイロンのシュラフカバーの状態です。コアテックスの場合は価格は高いですが、もっと長く使えます。

      

    モンベルやイスカ、その他メーカーも防水透湿のシュラフカバーを作っていますので、様々検討して選ばれると良いと思います。

     

    SOL Escape Bivvy/ソル エスケイプヴィヴィ

    SOL Escape Bivvy/ソル エスケイプヴィヴィ

    SOL Escape Bivvy/ソル エスケイプヴィヴィ  [出典:SOL]

    独自の透湿性素材を使い、マミータイプの寝袋状に作られた画期的な製品です。 内部の蒸れを気にすることなく、オールシーズン快適に使用できます。 単体での使用はもちろん、シュラフカバーやインナーシーツとしてもおすすめ。 登山、バックパッキング、ウルトラライトハイキング、バックカントリーツアー など多方面のアクティビティにお使いいただけます。 エスケープ素材は 湿気を逃す素材で内部が蒸れません。 内側はアルミ蒸着加工で体熱の70%を反射、保持します。 表面は撥水加工処理されているので、水を弾きます。(完全防水ではありません)

    • 重量:241g
    • サイズ:213×81cm
    • 本体材料:アルミ蒸着加工を施した特殊フィルム+ポリエステルシート
    • 参考価格:¥ 6,924

    SOL Escape Bivvy(ソル エスケイプヴィヴィ) はアメリカのアウトドア系メーカーの製品です。基本的に遭難時の非常用に使うコンセプトの製品で、シームテープ処理していませんが、一般的なシュラフカバーと同様の形状をしているため、日本ではシュラフカバーとして利用されている方も多数います。内側はアルミ蒸着加工が施されているため、ナイロン生地のシュラフカバーより保温効果が高いです。この製品ではないですが、経験上、アルミ蒸着加工による輻射熱の保温効果は、体感できる程にあり、高い保温効果を求める方にはおすすめの製品です。

      

    ただ、あくまで非常用を想定しているため、耐久性に難があるレビューが散見されます。

    「10回程度の使用でアルミ蒸着加工がポロポロと剥がれてくる」、「20回程度使うとボロボロになってくる」等の使用者レビューも見られます。

    また、透湿性に関しては、メーカーから数値が出ていないようなので単純な比較はできませんが、「夏の使用は結露しませんでした」、「気温0℃では結露がひどく我慢できなかった」、「雪山でも活躍した。しかししっかりレイアリング考えないと結露等おこります。」などの書き込み内容に様々です。

    色はカーキとオレンジの2色あります。

    以下、amazonカスタマーレビューより引用。

    • 使いやすい(2022年9月2日):軽くてテント泊の際に利用してます。わがままを言えばもう少しだけ軽くしてほしかった。ライトを買えばいいんだけど、ジッパーがある方が使いやすいと思い選択しました。案の定?火打山で安物の薄手の寝袋を中に入れてテン泊してみましたが、寒くはありませんでした。寝袋だけだと寒かったので、途中からヴィヴィを使いました。いい買い物をしたと思います。
    [出典:amazon]
      

    簡易的にでも防水対応したい、保温力を上げたい方にいいかもしれません。耐久性に関するレビューは総じて低めです。オクトスの防水透湿生地を使用したシュラフカバーと価格がそれほど差がないです。使用頻度が低く価格も抑えたい方にはいいかもしれません。

    「ソル エスケイプヴィヴィ」の購入者レビューと実売価格

    (平行輸入品も出品もあり、販売者により価格差あります)

     

     

    最後に

    あまりの長文に、慣れない単語が多く出てきて途中でお腹いっぱいになった方もおられると思います。

    登山用品に使われる素材は、次代と共に変化していきます。

    また、このページも頃合いを見て、更新していこうと思っています(^^)

    皆様が、安全に快適にアウトドアを楽しめますように☆

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    この記事を書いた人寝袋選びで大切なこと寝袋とマットは2つで1つ

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    著者: Masaki T

    2009年末から寝袋と関連装備に特化したこのサイトを開設。いつの間にか運営10年を超える老舗サイトに。ファミリーキャンプから無積雪期登山、厳冬期登山、バイクのキャンプツーリングに自転車旅行、車中泊など、アウトドアを幅広く経験。寝袋の宿泊数は100泊以上~500泊未満。狭い業界ですが、まだまだ知らないこと沢山あり、日々勉強中です☆

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    雪山 クローズドセルマット

    谷川岳の雪洞で宿泊

    今まで様々な状況下で寝てきましたが、100泊以上経験してわかったのが、『保温力に余裕のある寝袋を用意すること』です。

    雪山 テント泊 八ヶ岳

    雪山テントは換気にも注意(テントが埋まると酸欠に)

    雨風や断熱材で守られた家と違い、アウトドアフィールドでの宿泊は天候や外気温の変化を大きく受けます。事前の天気予報より、当日の気温が-5℃程度低かった、などは日常茶飯事です。また、多くのキャンプ場は、最寄りの市街地よりも標高が高い事が多く、天気予報で知ることのできる最寄りの市街地の最低気温よりも気温が低いことが多いです。

    自然の中で睡眠をとる体験は素晴らしいですが、寝袋の保温力が足りないと真夜中に早朝に目が冷めます。これは外気温は日の出前の早朝4~5時あたりが最も気温が下がり、また体温も下がっているためです。一度このタイミングで目が冷めてしまうと、身体が芯から冷え切っているため、ここからなかなか眠ることができません。そして、寝不足の状態になります。

    楽しいアウトドア体験するはずだったのが、思わぬ寝不足でボーーっとしてしまうのは、もったいないです(しかも連泊でこれが続くとかなりキツイです)。少し汗ばむくらいの保温力の寝袋を選んで、ぜひ素敵なアウトドア体験を満喫してください☆

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    山岳・登山用の寝袋マットの選び方の基本(無積雪期)

    寝袋と(キャンプ用の)マットは2つで1つです。

    キャンプ用のマットの役割は主に『断熱』と『寝心地を快適にする』の2つです。

    『断熱』について・・・アウトドア用の寝袋の中綿として、化繊やダウンが使われていますため、小さく圧縮して収納し持ち運ぶ事ができます。寝袋を収納袋から出して広げると、徐々に中綿が膨らみますが、人間が寝袋に入ったときに身体と地面に挟まれた中綿はぺちゃんこに潰れるため、断熱力がほとんどなくなります。大概の地面は冷たく、身体の重みで密着した部分から体温が逃げ(ヒートロス、熱損失)て、底冷えします。この現象は、体温と地熱の温度差が大きい春・秋・冬ほど熱損失量も増えます。

    これを防ぐため、キャンプ用のマットを使います。キャンプ用のマット体重がかかっても断熱効果が得られるよう設計されています。

    登山ルート上のキャンプ場・テント場

    『寝心地を快適にする』について・・・最近、畳の上で寝たことはありますか?痛くて寝れなかったという方もいるのではないでしょうか。昨今の快適用品の普及により、強い刺激に敏感になっています。よほどふかふかの芝生以外、寝袋のみで寝ると地面の凸凹や石があたって痛くてまともに寝れません。その衝撃を吸収する役割としてキャンプ用マットが使われます。キャンプ用マットは大きくクローズドセルマット(銀マットなど)とエア注入式の2種類あり、寝心地はエア注入式の方が良いです。

    テントの中で寝袋の下に敷くマットは、様々な用途に合わせて、多数の商品があります。皆さんの用途にあった、快適に寝れるマットが見つかりますように☆

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