<2023年更新!>サーマレスト「Zライトソル」の特徴(軽量・コンパクト性、断熱性、クッション性、耐久性) 、どっちが上・下、ザックへの取付け方法、注意点、購入者レビューと実売価格について解説します。
※サーマレストは2020年より、新しいマットの断熱力(R値,R-value)測定規格『ASTM F3340-18』が採用されるようになり、この記事も更新しています。
目次
サーマレスト「Zライトソル」とは?
S(ショート) | R(レギュラー) | |
---|---|---|
カラー | シルバー/レモン |
シルバー/レモン シルバー/ブルー |
大きさ | 51×130cm | 51×183cm |
重量 | 290g | 410g |
材質 | 架橋ポリエチレン | 架橋ポリエチレン |
厚さ | 2cm | 2cm |
収納サイズ (長さ×直径) |
51×10×14cm | 51×13×14cm |
R値(ASTM) | 2.0 | 2.0 |
生産国 | Made in USA | Made in USA |
「サーマレスト Zライトソル S(ショート)&R(レギュラー)」の購入者レビューと実売価格
特徴
サーマレスト Zライトソル(Thermarest Z Lite Sol)は、登山用クローズドセルマットとして非常に人気があります。

テント泊を伴うルートを歩くと、すれ違う登山者のザックに外付けされているのをよく見かけます。
軽量・コンパクト性
Zライトソル レギュラー(左から2番目)とその他クローズドセルマット、エアー系マット
収納サイズは、クローズドセルマットのため、エアー系(空気注入型)マットに比べて、収納はエアー系の2倍以上かさばります。

ザックに外付けするのが一般的です。
重量はS(ショート、51×130cm、290g)、R(レギュラー、51×183cm、410g)と十分軽量です。
Zライトソルはアコーディオンのようにパタパタと収納できます。ロール式のマットは通常巻グセが付き、広げても丸く巻いて使いにくいところがあります。
ロール式のクローズドセルマットは巻きグセ付き、一度広げた後はまた巻いてしまう
アコーディオン式のZライトソルは、広げてもそれほど折りグセ強くなくすぐに使えるのも魅力です。
断熱性
サーマキャプチャー テクノロジーは熱反射板が体温を逃がさず、その熱を利用して体を温めるサーマレストの技術です。表面に施されたコーティングが効率良く熱を反射して暖かさを保ちます。[出典:thermarest]
アルミ蒸着加工により、アルミ蒸着なしに比べて断熱力R値・R-valueが0.3上がっています。
- Zライト(アルミ蒸着なし,重さ410g):R値・R-value=1.7
- Zライト ソル(アルミ蒸着あり,重さ410g):R値・R-value=2.0
Zライト ソルは、アルミ蒸着なしのZライトと同じ大きさ重量で、断熱力が上がっているため、多少の価格は上がりますが登山用途ではソルを選択するのがおすすめです。
ZライトソルのR値・R-valueは2.0となっており、夏~3シーズン用途向けです(積雪期は底冷えする可能性大)。積雪期に使用する場合は、他のマットと組み合わせて使うことを推奨します。
快適性・クッション性

フォーム自体の厚さは数ミリ程度ですが、凹凸形状にすることでマット全体としての厚みは2.0cmになっています。
この凹凸形状が非常に秀逸です。2019年秋に八ヶ岳行者小屋のテント場で寝心地実験をしたのですが、ある程度荒れた地面でも凸凹を感じにくく、5cm程度の石ゴロゴロの場所でもそれとなく寝れる程度の寝心地が得られます。
1~2cm程度の凸凹地面なら、十分快適に寝れる
5cm程度の石ゴロゴロ地面は、流石にある程度の凹凸感じます
マット厚以下の石による凸凹は、マットの凹凸形状がうまく凹んで吸収してくれます。
マットの下に小さな石があっても、マットが吸収してくれる
数センチに及ぶ石の突上げは全体としては盛り上がるが、体を寝かせたとき凹凸形状がある程度緩和してくれる
寝心地・クッション性はエアー系マットには及びませんが、クローズドセルマットの中では十分な快適性を確保していると感じます。ただ、この凹凸形状は寝ていても背中で感じるため、普段の布団と違う違和感は多少あります。
⇒ 八ヶ岳行者小屋のテント場で各登山マットの寝心地実験の記事はこちら
耐久性

サーマレストは、登山用のマットメーカーとして世界のトップブランドであり、非常に高い信頼性があります。
クローズドセルマットですので、たとえ少し裂ける、穴が開くなどあっても実使用上ほとんど問題ありません。数年使っていると徐々にマット自体が柔らかくなると思います。また、銀のアルミ蒸着が徐々に薄くなっていくかもしれません(同様の加工されている手持ちのリッジレスト ソーライトが銀色が薄くなっていますので)
Zライトソルが発売されたのが、2012年頃ですから、発売から数年経過し、ある程度耐久性があることはすでに実証済みされています。
高難易度の山岳ルートを登攀する登山家の方のザックにZライトが外付けされている写真も度々見かけます。
S(ショート)orR(レギュラー)のどっちにするか

ショートサイズとレギュラーサイズをどちらにしようか、と悩まれる方も多いかと思います。
S(ショート) | R(レギュラー) | |
---|---|---|
カラー | シルバー/レモン |
シルバー/レモン シルバー/ブルー |
大きさ | 51×130cm | 51×183cm |
重量 | 290g | 410g |
材質 | 架橋ポリエチレン | 架橋ポリエチレン |
厚さ | 2cm | 2cm |
収納サイズ (長さ×直径) |
51×10×14cm | 51×13×14cm |
R値(ASTM) | 2.0 | 2.0 |
生産国 | Made in USA | Made in USA |
S(ショート130cm)サイズは、別途ザックや枕を足して全身に使う長さです。
130cmの長さは正直使いにくく、ザックが雨で濡れていると寝袋も濡れてしまうため、よほど軽量化やコンパクト化したい方以外はおすすめしません。肩から足までがマットに乗る150cm以上が使いやすいです。
R(レギュラー183cm)サイズは全身載せられますが、軽量化したい方は、R(レギュラー)サイズを購入して150cm程度(ご自身の肩から踵までの長さ)にカスタマイズしまうのもおすすめします。

ハサミで簡単に切断できます。
黄色と銀色どっちが上・下(表・裏)?

Zライトソルを実際に使う時に、「黄色・銀色のどちらを上にして使うのか?」と疑問に思う方多数おられます。
黄色と銀色どっちが上・下(表・裏)?
この回答は、日本の販売代理店のモチヅキのWebサイトに掲載されています。
お馴染みのサーマレストのZライトですが、よくどちらの面が上側と質問されることがあります。
答えはどちらが上でも問題はありません。使い分けるわけなんですが、寒いときはアルミ蒸着面を上にします。断熱性が向上し、また自身の体温がアルミに反射することでまた暖かくなります。
逆に暑いときは地面側にアルミ蒸着面を向けます。体温による保温効果をなくします。ビーチなど砂が暑い場合は下からの熱を跳ね返す役目にもなります。とは言っても完全には下からの地熱を遮断するわけではありませんのでご承知ください。軽減です。[出典:モチヅキ]
- 暑い時は、黄色面を上
- 寒い時は、銀色面を上
と使い分けるよう推奨されています。
以上の内容は、断熱力視点での回答になっていますが、更に私から別の視点でも追記したいと思います。

私は基本的に黄色面を上にして好んで使うことが多いかもしれません。
理由は、
- フォームがむき出しの黄色面は水で濡れると湿っぽくなるのに対し、銀色のアルミ蒸着面は薄いフィルムが貼られており、水を吸いにくい構造。テント底面の結露などでマット自体が湿りにくい。
- テントの床は土などで汚れるが、フィルム貼られた銀色が下だと汚れ付着後のメンテナンスがしやすい。
- 銀色面より黄色面の方が肌触りが良い
などあります。
私の場合、銀色面の上・下でどの程度の差があるのかわからない断熱効果より、快適性やメンテナンスしやすさを重視しているとも言えます。
ザックへの取付け方法

Zライトソルをザックに外付けする方法は複数あります。
よく見かける方法は、①~③です。①、②、③の方法の中で、最もおすすめの取付け方は③のサイドベルト(サイドストラップ)で締めて付ける方法です。
①の方法は、登山道が広く、岩場が無い場所では良いです。段差の大きな岩場の下りでは、マットが引っかかりやすくけっこう危険(ザックの底面が長くなるため、自分は降りたと思ってもマットが残っていて引っかかる)です。
自分が思っている以上に後ろに飛び出すため、下りで岩を抜けたと思ったがマットが残っていて、マットが岩に乗り、ザックが上に持ち上げられて、自分が前のめりで転びそうになる
私自身も北アルプス登山で危ない思いを経験したことがあり、岩稜帯では避けたほうが無難です。また、マットの飛び出しが大きく雨天時にザックカバーで覆えない・覆いにくいのもよくありません。
②は、ザックの内部の荷物を出し入れする度にマットを外さないといけなくなり、面倒です。
③は、①・②に比べてあらゆる状況下で安定してマットを携行でき、おすすめです。登山時の岩場での引っ掛かりも起きにくく、大概付属のザックカバーで一緒に覆えると思います。気になる点は、
- サイドベルトが短め(40リットルクラスだとそれほど長くない)だとベルトの長さが足りないことがある
- 藪こぎルート・道幅の狭い・頻繁に枝が飛び出している登山道ではマットが木や枝に引っかかる&マットが傷つく(カバー装着で軽減可)
があることです。

④の方法は、マットの外付けの影響は最小限にできる携行方法はないだろうか?とずーっと考えて思いついた方法です。
ザックのフロント側に取り付ける
ゴム紐(登山店で切り売りしているもの)とドローコードで締め具合を調整
ザックカバーも容易にかけられる
この方法の優れた点は
- マットが体の外側に飛び出さないため、木や枝の風の影響を受けにくい
- 岩場でも引っかかりにくい
- ゴム紐で伸縮するため、フロントポケットも容易にアクセスできる
- ザックカバーを違和感なく覆える
気になる点は
- 自作する手間(ゴム紐をサイドベルトのループ部を使って這わせ、ドローコードをで締め調整できるようにする)
- ゴム紐のテンションがゆるいと、登山中にマットが落下する&強風時にマットが飛ばされる可能性がある
が挙げられます。
③の方法で不満のある方は、手間暇かけて④にする方法もありますので、ご参考に。
注意点

Zライトソルは、凹凸形状のため、雨で濡れると、凹んだ部分に水が溜まりやすいです。
雨天の登山となり、外付けのマットがある程度濡れてしまうと、テント設営後にテント内で水濡れを拭き取りますが、Zライトはそれがやりにくいです。テントの外でバサバサッと水を落としたいところですが、雨天時は外が雨ですのでそれもできません。
そのため、雨天が予想される天候での登山では、マットが最初から濡らさないようにするのがおすすめです。
大きなビニール袋に入れるのも一つの方法ですが、あまり耐久性があまりありませんので、何度も使う可能性がある方は、最初からZライト専用のスタッフサックを用意されるとよいでしょう。

スモール用とレギュラーサイズ用の2種類あります。
購入者レビューと実売価格

2012年発売から数年経過し、今も山で見かけるロングセラーマットです。
amazonに多数のレビューあり、高評価です。(2021/11/04時点:レビュー数3058件、評価4.6)。
レビューを見ると、登山用途だけでなく、キャンプや車中泊まで幅広い用途で選ばれています。
以下、登山用途で参考となるレビューを一部抜粋。
- 登山家愛用(2012年7月3日):登山家の竹内洋岳さんのザックについている写真を見て、この人が使ってるくらいのものなんだから多分間違いないだろう・・・と思って買いました(笑 今までは普通の銀マットを使っていたので、それとくらべると雲泥の差です。マットの購入で迷っている方は、これを買って損はないと思いますよ。
- 無難。(2021年6月6日):昨日登山で使ってきた。グランドシートと本体の上で使用したが、砂利や石のゴツゴツ感を一切感じさせない商品だと感じた。寝やすいし全く不満はない。持ち運びも1泊2日用のバックパックなら普通にできる。他人と被りたくないとかの理由で下手なマット買うより、安定のサーマレストで落ち着くのが定石。冒険すんなよ凡人。
- 定番のマット(2021年8月27日):何より折り畳めるのがいい!ザックの中に入るものではないけれど軽いからいい!外付けで十分。登山やキャンプに大活躍。

登山家から初心者まで広く愛されているZライトソル。パンクの心配ない、確実に寝れる安心感があります。
このマットは非常に人気で、登山等でザックに外付けしているのを見かけることが多いのですが、新色ブルーの登場により、選択肢が広がりました。
私も実際に店舗で見ましたが、とてもきれいな青色で、色かぶりを避けたい方にはおすすめです☆
「サーマレスト Zライトソル S(ショート)&R(レギュラー)」の購入者レビューと実売価格
寝袋マット・スリーピングマット関連記事
大手通販サイトの[寝袋用マット・パッド]人気・売れ筋ランキング
◎ 特集
- 【80製品以上】登山・ソロキャンプ向けマットレス比較一覧表(メーカー/モデル・R値・重さ・厚さ・断熱効率・タイプ)
- 【ソロ&ファミリーキャンプ用】のマットの選び方
- 【雪山・冬山登山】の寝袋マットの選び方(積雪期)
- 【山岳・登山】の寝袋マットの選び方の基本(無積雪期)
- 【実験】八ヶ岳テント場で各マット寝心地比較[クローズドセル(厚さ1.0/1.5/2.0),セルフインフレータブル(厚さ2.5),エアーマット(厚さ5.0)]
◎ 寝袋マット・スリーピングパッド全般
- 登山・キャンプ用マットにおけるR値(R-value)とは?
- 【新】マットの断熱力(R値,R-value)測定規格『ASTM F3340-18』
- エアー注入型マットを購入する前に
- インフレータブル&エアーマットの不具合(パンク、エア漏れ、剥離)と修理
- SEA TO SUMMITのポンプがEXPED/モンベルのエアマットでも使えた
◎ 登山用マット関連
谷川岳の雪洞で宿泊
今まで様々な状況下で寝てきましたが、100泊以上経験してわかったのが、『保温力に余裕のある寝袋を用意すること』です。
雪山テントは換気にも注意(テントが埋まると酸欠に)
雨風や断熱材で守られた家と違い、アウトドアフィールドでの宿泊は天候や外気温の変化を大きく受けます。事前の天気予報より、当日の気温が-5℃程度低かった、などは日常茶飯事です。また、多くのキャンプ場は、最寄りの市街地よりも標高が高い事が多く、天気予報で知ることのできる最寄りの市街地の最低気温よりも気温が低いことが多いです。
自然の中で睡眠をとる体験は素晴らしいですが、寝袋の保温力が足りないと真夜中に早朝に目が冷めます。これは外気温は日の出前の早朝4~5時あたりが最も気温が下がり、また体温も下がっているためです。一度このタイミングで目が冷めてしまうと、身体が芯から冷え切っているため、ここからなかなか眠ることができません。そして、寝不足の状態になります。

楽しいアウトドア体験するはずだったのが、思わぬ寝不足でボーーっとしてしまうのは、もったいないです(しかも連泊でこれが続くとかなりキツイです)。少し汗ばむくらいの保温力の寝袋を選んで、ぜひ素敵なアウトドア体験を満喫してください☆
facebook いいね うれしいです♫

寝袋と(キャンプ用の)マットは2つで1つです。
キャンプ用のマットの役割は主に『断熱』と『寝心地を快適にする』の2つです。
『断熱』について・・・アウトドア用の寝袋の中綿として、化繊やダウンが使われていますため、小さく圧縮して収納し持ち運ぶ事ができます。寝袋を収納袋から出して広げると、徐々に中綿が膨らみますが、人間が寝袋に入ったときに身体と地面に挟まれた中綿はぺちゃんこに潰れるため、断熱力がほとんどなくなります。大概の地面は冷たく、身体の重みで密着した部分から体温が逃げ(ヒートロス、熱損失)て、底冷えします。この現象は、体温と地熱の温度差が大きい春・秋・冬ほど熱損失量も増えます。
これを防ぐため、キャンプ用のマットを使います。キャンプ用のマット体重がかかっても断熱効果が得られるよう設計されています。

『寝心地を快適にする』について・・・最近、畳の上で寝たことはありますか?痛くて寝れなかったという方もいるのではないでしょうか。昨今の快適用品の普及により、強い刺激に敏感になっています。よほどふかふかの芝生以外、寝袋のみで寝ると地面の凸凹や石があたって痛くてまともに寝れません。その衝撃を吸収する役割としてキャンプ用マットが使われます。キャンプ用マットは大きくクローズドセルマット(銀マットなど)とエア注入式の2種類あり、寝心地はエア注入式の方が良いです。
テントの中で寝袋の下に敷くマットは、様々な用途に合わせて、多数の商品があります。皆さんの用途にあった、快適に寝れるマットが見つかりますように☆
facebook いいね うれしいです♫
アコーディオンのように折りたたんで収納できる3シーズン用のクローズドセルマットレスです。表側にはアルミを蒸着。アルミ蒸着なしのモデルと比較して、断熱性が20%向上しています。折りたたみ式は広げるのも収納するのも素早くできるので、たとえば短い休憩でも、さっと出してストレスなく使用できます。[出典:thermarest]
2020年よりレギュラーサイズに既存のレモンに加え、新色のシルバー/ブルーが追加されました。