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八ヶ岳 行者小屋テント場でマット寝心地比較実験

八ヶ岳の行者小屋のテント場まで一般テント装備とクローズドセルマット3個(厚さ1.0/1.5/2.0cm)、セルフインフレータブルマット1個(厚さ2.5cm)、エアーマット(インシュレーテッドマット)(厚さ5.0cm)1個を担いで登って、寝心地・クッション性を比較してきました。

 

最初に

最近、登山用のマットの記事について書いているのですが、各種マットを個別に登山で使ったことはあっても、山のテント場で寝比べてみたことないな、と思って自宅から車で約3時間→登山口から2.5時間登って行者小屋のテント場で寝比べてきました。

75L+10Lのザックに、通常のテント装備+マット5個+一眼レフ+三脚を入れる&外付け(合計20キロぐらいか)し、美濃戸から南沢を登りました。すれ違う登山者の方々から「すごい荷物ですね」と何度も言われ、「どこまでいくんですか?」「行者小屋までです」と答えるのが少し恥ずかしい感じがしました。(それだけに荷物背負ってそこまでしかいかないんですか、みたいな)

荷物重かったですが、今回山のテント場で実際に寝比べてみて、私自身とても勉強になりました。きっと皆さんのマット選びの参考にもなると思います☆

 

南八ヶ岳 行者小屋のテント場

南八ヶ岳 行者小屋 テント場

今回、実験の場として行者小屋を選んだのは、私自身がアクセスしやすかったのもありますが、テント場内に様々な地面があり、1箇所で様々テストできるからです。

南八ヶ岳 行者小屋 テント場 整地状況

  • 石が少なくほぼ平ら(下界のキャンプ場レベル)[写真左上]
  • 所々直径2-3cm程度の小石混ざり[写真右上]
  • 直径2-3cm程度の小石ゴロゴロ[写真左下]
  • 直径5cm以上の石ゴロゴロ[写真右下]

条件のいい場所でテストしてはわざわざここまで来た意味がないので、様々な場所がある中、今回は

  • ①ある程度の傾斜&小石ゴロゴロ
  • ②ある程度の傾斜&直径5cm以上の石ゴロゴロ

の2箇所で寝心地テストしました。

小石ゴロゴロ 不整地 テント場

①ある程度の傾斜&小石ゴロゴロ

 

②ある程度の傾斜&直径5cm以上の石ゴロゴロ

②ある程度の傾斜&直径5cm以上の石ゴロゴロ

②ある程度の傾斜&直径5cm以上の石ゴロゴロ

経験上、①程度の場所は、行者小屋に限らず他の山々のテント場でも散見され、この程度の場所で快適に寝れるマットでなければ、登山用マットとして使いにくいといえます。

②程度のテント場は多くはありませんが、

  • 河原沿いのテント場
  • 沢登りでのビバーク

でみられます。

北アルプス 槍平小屋のテント場(2011/09/14撮影)

北アルプス 槍平小屋のテント場(2011/09/14撮影)

また、山のテント場は平坦で石の少ないいい場所から優先的に埋まるため、混雑時期にテント場への到着が遅れると、それだけ荒れた場所しか残っておらず②程度の場所になることは十分に起こりえます。

今回テストに使用したマット

八ヶ岳 行者小屋テント場でマット寝心地比較実験

登山用マットの軽量性・コンパクト性

基本的に寝心地はマットの厚さ、マットの種類に依存します。そこで、今回はマット厚や形状の異なるクローズドセルマット3個、セルフインフレータブルマット1個、エアーマット(インシュレーテッドマット)1個を使用しました。

MAGICMOUNTAIN Sirex(マジックマウンテン シレックス) RBライトウェイト

MAGICMOUNTAIN Sirex RBライトウェイト(マット厚1.0cm,重さ170g,R値1.4)

MAGICMOUNTAIN Sirex RBライトウェイト(マット厚1.0cm,重さ170g,R値1.4)

  • スペック:マット厚1.0cm,長さ185×幅55,重さ170g,R値1.4)

超軽量のクローズドセルマットです。日本語表記ではマット厚は1.2cmですが、英語表記では1.0cmです。裏表の最大幅が1.0cm程度ですが、それ以外の部分は5mm程度です。マット自体は柔らかめ。

Therm-A-Rest Z LITE SOL R(サーマレスト Zライトソル レギュラー)

Therm-A-Rest Z LITE SOL R(サーマレスト Zライトソル レギュラー)Therm-A-Rest Z LITE SOL R(サーマレスト Zライトソル レギュラー)

  • スペック:マット厚2.0cm,幅51×長さ183cm,重さ410g,R値2.6

登山用3シーズン用のクローズドセルマットレスの定番。アコーディオンのように折りたたんで収納可。表側にはアルミを蒸着。アルミ蒸着なしのモデルと比較して、断熱性が20%向上。

Therm-A-Rest RIDGEREST SOLIT R(サーマレスト リッジレスト ソーライト レギュラー)

Therm-A-Rest RIDGEREST SOLIT R(サーマレスト リッジレスト ソーライト レギュラー) Therm-A-Rest RIDGEREST SOLIT R(サーマレスト リッジレスト ソーライト レギュラー)

  • スペック:マット厚1.5cm,幅51×長さ183cm,重さ400g,R値2.8

ロール収納式のクローズドセルマット。アルミ蒸着加工により体から出る熱を反射し、表面の凹凸に閉じ込めて温かさを保ちます。軽さとコンパクト性を重視したソーライトは、厳冬期をのぞく初春から初冬までに対応。

尚、手持ちのリッジレストが購入して数年経過のため、アルミ蒸着が薄くなり、マット自体も少し柔らかくなってます。

NEMO ZOR(ニーモ ゾア) 20M

NEMO ZOR(ニーモ ゾア) 20M NEMO ZOR(ニーモ ゾア) 20M

  • スペック:マット厚2.5cm,幅51×長さ160cm,重さ360g,R値 未公開

軽量・コンパクトなセルフインフレータブルマット。セルフインフレータブルマットは厚さ2.5cmのもの多く、製品による寝心地もそれほど変わらないため、ゾアで十分検証できる。

EXPED DownMat Lite(エクスペド ダウンマットライト) 5 M

EXPED DownMat Lite(エクスペド ダウンマットライト) 5 M EXPED DownMat Lite(エクスペド ダウンマットライト) 5 M

  • スペック:マット厚5.0cm,幅52×長さ183cm,重さ620g,R値4.1

マット内部に650フィルパワーダウンが封入された厳冬期でも快適に寝れる断熱力をもつエアーマット(インシュレーテッドマット)です。

すべてのマットの重ねると各マットの厚さの違いがわかります。

マットのクッション性

以上5つのマットで寝心地の比較実験を行いました。

 

寝心地の比較実験

実験環境

マットはテント内で使用するため、テントのグランドシートを敷いた上にマットを乗せて寝心地比較しています。

 

 

三脚で固定し、撮影しました。

pentax k-70 電子水準器

なお、撮影に使用したpentax k-70 には電子水準器が搭載されており、カメラを水平にし、テント場の傾きをできるだけ適切に再現されるよう、配慮しました。

 

実験①ある程度の傾斜&小石ゴロゴロ

小石ゴロゴロ 不整地 テント場

 

登山用マット 寝心地比較実験①

最初にマットなし、グランドシートのみの上に寝てみたが、痛くて苦行でした。

シレックス RBライトウェイト(マット厚1.0cm)はマットなしに比べれば格段に寝やすくなりますが、下の石の突き上げが背中にあたります。

石の突き上げが痛い

寝る以外の動作では座った時、膝をついた時に、下に石があると非常に痛いです。

このマットで快適に寝れるか、と聞かれたら「なんとか寝れるかもしれませんが、その後のテント泊が嫌になるかもしれません」というところでしょうか。

リッジレスト(マット厚1.5cm)、Zライト(マット厚2.0cm)は、下の石感は多少ありますが、安心して寝れる感じがあります。Zライトはマット全体の厚みがリッジレストよりあること、そもそも凸凹形状なこともあり、マットの凸凹に石の突き上げが隠れる感がありました。

ゾア(マット厚2.5cm)は、クローズドセルマットに比べると、抜群の寝心地で、全く下の石の突上げを感じません。

NEMO ZOR(ニーモ ゾア) 20M

NEMO ZOR(ニーモ ゾア) 20M 

ただ、座ると突上げが高い部分がお尻に当たり、膝をつく動作になると、完全に底づきし、下の石に当たります。そのため、マットにのった状態で諸動作(荷物の整理など)はちょっとやりにくそうです。

ダウンマットライト(マット厚5.0cm)は、寝ている時はもちろんのこと、座っても底づきしません。

EXPED DownMat Lite(エクスペド ダウンマットライト) 5 M EXPED DownMat Lite(エクスペド ダウンマットライト) 5 M

どれだけパンパンに入れるかによりますが、マット厚があるため、膝をついても底づきしにくかったです。

この場所での個人的寝心地評価(星5段階)
  • RBライトウェイト(マット厚1.0cm):★
  • リッジレスト(マット厚1.5cm):★★★
  • Zライト(マット厚2.0cm):★★★
  • ゾア(マット厚2.5cm):★★★★
  • ダウンマットライト(マット厚5.0cm):★★★★★


実験②ある程度の傾斜&直径5cm以上の石ゴロゴロ

②ある程度の傾斜&直径5cm以上の石ゴロゴロ

②ある程度の傾斜&直径5cm以上の石ゴロゴロ

ここで快適に寝れるマットなら、ほぼどこでも快適に寝れると思われる場所です。(行者小屋ではよほどテント場が混雑した時でないとここにテント設置とならないと思います)

シレックス RBライトウェイト(マット厚1.0cm)はマットを広げて上に立った時点で「痛い、これは無理だ」となり、寝てません。

リッジレスト(マット厚1.5cm)とZライト(マット厚2.0cm)は、石の突上げを感じますが、なんとか寝ていられるかな、という感じですが、マット厚とマットの形状から、リッジレストよりZライトの方が石の突上げが気にならなかったです。

リッジレストの下の石の突上げ

Zライトの下の石の突上げ

リッジレストはフォーム自体はZライトより厚さりますが、下の石の突き上げをほぼフォームのクッション性のみで吸収するのに対し、Zライトはその凹凸形状のまま盛り上がってくるため、体を乗せた時の石の突き上げ感がより緩和されれ、クッション性がより高いことがわかりました。

ゾア(マット厚2.5cm)は、寝ている状態であればほとんど下の石がきになりません。ただ、マットの上に座る&膝をつくは底づきして痛いです。

ダウンマットライト(マット厚5.0cm)は、マットの上に座るっただけでは、下の石は全く気にならず、膝をついてもそれほど強く当たらない、当たる場所でもマットの反発でかなり軽減されました。

この場所での個人的寝心地評価(星5段階)
  • RBライトウェイト(マット厚1.0cm):測定不能(痛くて寝れません)
  • リッジレスト(マット厚1.5cm):★★
  • Zライト(マット厚2.0cm):★★★
  • ゾア(マット厚2.5cm):★★★★
  • ダウンマットライト(マット厚5.0cm):★★★★★

 

まとめ

八ヶ岳 行者小屋テント場でマット寝心地比較実験

クローズドセルマットは、ある程度荒れたテント場では、マットの厚さや形状によりまともに寝れるかどうか変わってくるのを実感しました。Zライトの凹凸形状は最大限緩和できる非常に合理的なものと再認識でき、多くの登山者に愛されている理由を実感できました。(登山中にザックにマットを外付けしている登山者の方々とすれ違いましたが、私が見る限り全員Zライトでした)

エアー系(空気注入型)は、地面の凸凹を吸収する能力がクローズドセルマットより断然高く、大概の場所でも快適に寝れる安心感があります。特にマット厚があるエアーマット(インシュレーテッドマット)は寝心地に関しては「これがあればどこでも快適に寝れる」絶大な安心感がありました。

安価でパンクせず高い耐久性を誇るクローズドセルマットも良いですが、寝心地を重視される方はセルフインフレータブルマットやエアーマット(インシュレーテッドマット)も検討されても良いと思いました。

今回、マットの寝心地(どれだけ凸凹を緩和するか)に焦点をあて、実験しましたが、マットには断熱性、軽量・コンパクト性、耐久性、価格帯など、検討する内容があり、その内容については、別のページに様々記載する予定(作成中)ので、ご参考に。

 

実験に使ったマットご紹介

作成中

 

紅葉の南八ヶ岳

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