<2024年更新!>エアー注入式のマット(セフルインフレータブル、エアーマット、インシュレーテッドマット)を実際に使っていく中で様々な不具合(パンク、エア漏れ、剥離)が発生する可能性があります。
エアー注入式マットを購入した以上、これらの不具合が発生する可能性があり、それぞれについて解説してきます。
著者PROFILE
経歴:大手アウトドアショップで寝袋・マットのコーナーを中心に約4年間の接客経験に加え、独自の調査・研究を重ね、寝袋・マットの情報を中心としたこのサイトを運営して10年以上。無積雪登山・雪山登山・クライミング・アイスクライミング・自転車旅行・車中泊旅行・ファミリーキャンプなど幅広くアウトドアを経験。(詳細プロフィール) 名前:Masaki T
エアー注入式マットに発生する不具合
エアー注入式マットにパンクリスクは付きものです。
エアー注入式マットの不具合の代表的なものは、”エアー漏れ(空気漏れ、パンク)”です。マットのどこからかマット内部の空気が漏れると、マットとしてほぼ機能しなくなります。(中にスポンジの入ったインフレータブルマットは多少のクッション性が残ります)
エアー注入式マットの不具合には、エアー漏れ以外にも”剥離”があります。これは主にエアーマットの形を維持するマット内部の溶着が剥がれることで、空気を入れた時のマット形状が著しく変形するため、実質マットとして使えなくなる症状です。
以下、”エアー漏れ”と”剥離”について解説します。
エアー漏れ(空気漏れ、通称パンク)
エアー漏れ、と言っても大きく2パターンがあります。
- ①穴を開けてしまった(エア漏れする穴の位置がわかる)
- ②穴を開けてしまった(エア漏れする穴の位置がわからない)
①は鋭利なものをマットに落とした場合など、プシューと空気が抜ける音と共にマットが萎んでいくパターンです。これは穴が空いた場所がわかる場合も多く、どこを修理すれば探す手間がないため、対応しやすいです。
面倒なのが②エア漏れする穴の位置がわからないパターンです。一見、マットに空気を入れると問題なく膨らむのですが、マットの上で寝ていると徐々にどこからか空気が漏れ、時間が経過するとペチャンコになっているパターンです。この症状のマットは、目視が困難な微小な空気の抜け穴が空いているため、修理ではいったいどこから空気が抜けているか探すところから始まります。
修理方法
エアー注入式マットのエア漏れ修理については、不具合箇所により修理対応が異なります。
エア漏れによるマット修理は、
- メーカーへの修理依頼
- 自分で修理
のどちらかになります。
自分で修理する場合、付属の修理パッチと接着剤を使います。
名の通ったメーカー製であれば修理キットは付いている
空気の抜け穴を探すには、
- 膨らませたマットを、マット全体を水で濡らす
という作業を行います。ただ、非常に微小な穴の場合これで見つからないケースもあります。
その場合は、
- 膨らませたマットを、水風呂に漬ける(大きな水桶、浴槽など環境が必要)
- 膨らませたマットを、中性洗剤を少し混ぜた水で濡らす(泡立ちで見つける、自宅外でもやりやすい)
のどちらかで穴を見つけることができます。
どの方法で穴を探すにしろ、
- 「マット自体を濡らす⇒乾かす⇒接着剤を塗りパッチを付ける⇒乾かす」の数時間かかる
- 夜間の作業は穴探し&乾燥が困難のため、天気の良い日中の作業になる
となります。
マットのパンクが発覚するのが夜のことが多く、空気漏れが発覚しても、その一晩はペチャンコのマットで寝てやりすごす、となることが多いようです。
エアー注入式マットのエア漏れ修理については、不具合箇所により修理対応が異なります。
剥離(マットの内部で溶着が剥がれる)
上記写真にあるように、剥離とは、エアー注入式マットの内部の溶着が剥がれる現象です。剥離ではエア漏れは起きませんが、膨らませた時にマットが変形するため、実質使えなくなります。
内部剥離が起きる原因は、
- 初期不良(数回の使用で起きる)
- 使用回数が多い(数十回、数百回など)
- 経年劣化(製造から数年経過)
があります。
剥離が一度起きると、溶着が剥がれを促進する負圧が発生するため、徐々に剥離範囲が広がりボコッとした突起が大きくなっていきます。
修理方法
また、マット内部での現象のため、修理が不可能です。
メーカーに問い合わせて、製品保証がつかえるか、確認してみましょう。
適切な利用範囲内&保証期間内であれば、交換対応となる場合もあるようです。
追記(2022/04/19)
私が使っているマットが剥離し、マット内部の剥離に関する記事を細かく記載しました。興味のある方はぜひ読んでみて下さい。
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著者PROFILE
2009年末から寝袋と関連装備に特化したこのサイトを開設。いつの間にか運営10年を超える老舗サイトに。ファミリーキャンプから無積雪期登山、厳冬期登山、バイクのキャンプツーリングに自転車旅行、車中泊など、アウトドアを幅広く経験。寝袋の宿泊数は100泊以上~500泊未満。狭い業界ですが、まだまだ知らないこと沢山あり、日々勉強中です☆
谷川岳の雪洞で宿泊
今まで様々な状況下で寝てきましたが、100泊以上経験してわかったのが、『保温力に余裕のある寝袋を用意すること』です。
雪山テントは換気にも注意(テントが埋まると酸欠に)
雨風や断熱材で守られた家と違い、アウトドアフィールドでの宿泊は天候や外気温の変化を大きく受けます。事前の天気予報より、当日の気温が-5℃程度低かった、などは日常茶飯事です。また、多くのキャンプ場は、最寄りの市街地よりも標高が高い事が多く、天気予報で知ることのできる最寄りの市街地の最低気温よりも気温が低いことが多いです。
自然の中で睡眠をとる体験は素晴らしいですが、寝袋の保温力が足りないと真夜中に早朝に目が冷めます。これは外気温は日の出前の早朝4~5時あたりが最も気温が下がり、また体温も下がっているためです。一度このタイミングで目が冷めてしまうと、身体が芯から冷え切っているため、ここからなかなか眠ることができません。そして、寝不足の状態になります。
楽しいアウトドア体験するはずだったのが、思わぬ寝不足でボーーっとしてしまうのは、もったいないです(しかも連泊でこれが続くとかなりキツイです)。少し汗ばむくらいの保温力の寝袋を選んで、ぜひ素敵なアウトドア体験を満喫してください☆
寝袋と(キャンプ用の)マットは2つで1つです。
キャンプ用のマットの役割は主に『断熱』と『寝心地を快適にする』の2つです。
『断熱』について・・・アウトドア用の寝袋の中綿として、化繊やダウンが使われていますため、小さく圧縮して収納し持ち運ぶ事ができます。寝袋を収納袋から出して広げると、徐々に中綿が膨らみますが、人間が寝袋に入ったときに身体と地面に挟まれた中綿はぺちゃんこに潰れるため、断熱力がほとんどなくなります。大概の地面は冷たく、身体の重みで密着した部分から体温が逃げ(ヒートロス、熱損失)て、底冷えします。この現象は、体温と地熱の温度差が大きい春・秋・冬ほど熱損失量も増えます。
これを防ぐため、キャンプ用のマットを使います。キャンプ用のマット体重がかかっても断熱効果が得られるよう設計されています。
『寝心地を快適にする』について・・・最近、畳の上で寝たことはありますか?痛くて寝れなかったという方もいるのではないでしょうか。昨今の快適用品の普及により、強い刺激に敏感になっています。よほどふかふかの芝生以外、寝袋のみで寝ると地面の凸凹や石があたって痛くてまともに寝れません。その衝撃を吸収する役割としてキャンプ用マットが使われます。キャンプ用マットは大きくクローズドセルマット(銀マットなど)とエア注入式の2種類あり、寝心地はエア注入式の方が良いです。
テントの中で寝袋の下に敷くマットは、様々な用途に合わせて、多数の商品があります。皆さんの用途にあった、快適に寝れるマットが見つかりますように☆