<2025年更新!>エアー注入式のマット(セフルインフレータブル、エアーマット、インシュレーテッドマット)を実際に使っていく中で様々な不具合(パンク、エア漏れ、剥離)が発生する可能性があります。
エアー注入式マットを購入した以上、これらの不具合が発生する可能性があり、それぞれについて解説してきます。
著者PROFILE

経歴:大手アウトドアショップで寝袋・マットのコーナーを中心に約4年間の接客経験に加え、独自の調査・研究を重ね、アウトドア情報を発信し15年以上。無積雪登山・雪山登山・クライミング・アイスクライミング・自転車旅行・車中泊旅行・ファミリーキャンプなど幅広くアウトドアを経験。(詳細プロフィール) 名前:Masaki T
エアー注入式マットに発生する不具合

エアー注入式マットにパンクリスクは付きものです。
エアー注入式マットの不具合の代表的なものは、”エアー漏れ(空気漏れ、パンク)”です。マットのどこからかマット内部の空気が漏れると、マットとしてほぼ機能しなくなります。(中にスポンジの入ったインフレータブルマットは多少のクッション性が残ります)
エアー注入式マットの不具合には、エアー漏れ以外にも”剥離”があります。これは主にエアーマットの形を維持するマット内部の溶着が剥がれることで、空気を入れた時のマット形状が著しく変形するため、実質マットとして使えなくなる症状です。
以下、”エアー漏れ”と”剥離”について解説します。
エアー漏れ(空気漏れ、通称パンク)



エアー漏れ、と言っても大きく2パターンがあります。
- ①穴を開けてしまった(エア漏れする穴の位置がわかる)
- ②穴を開けてしまった(エア漏れする穴の位置がわからない)
①は鋭利なものをマットに落とした場合など、プシューと空気が抜ける音と共にマットが萎んでいくパターンです。これは穴が空いた場所がわかる場合も多く、どこを修理すれば探す手間がないため、対応しやすいです。
面倒なのが②エア漏れする穴の位置がわからないパターンです。一見、マットに空気を入れると問題なく膨らむのですが、マットの上で寝ていると徐々にどこからか空気が漏れ、時間が経過するとペチャンコになっているパターンです。この症状のマットは、目視が困難な微小な空気の抜け穴が空いているため、修理ではいったいどこから空気が抜けているか探すところから始まります。
修理方法



エアー注入式マットのエア漏れ修理については、不具合箇所により修理対応が異なります。
エア漏れによるマット修理は、
- メーカーへの修理依頼
- 自分で修理
のどちらかになります。
自分で修理する場合、付属の修理パッチと接着剤を使います。
名の通ったメーカー製であれば修理キットは付いている
空気の抜け穴を探すには、
- 膨らませたマットを、マット全体を水で濡らす
という作業を行います。ただ、非常に微小な穴の場合これで見つからないケースもあります。
その場合は、
- 膨らませたマットを、水風呂に漬ける(大きな水桶、浴槽など環境が必要)
- 膨らませたマットを、中性洗剤を少し混ぜた水で濡らす(泡立ちで見つける、自宅外でもやりやすい)
のどちらかで穴を見つけることができます。
どの方法で穴を探すにしろ、
- 「マット自体を濡らす⇒乾かす⇒接着剤を塗りパッチを付ける⇒乾かす」の数時間かかる
- 夜間の作業は穴探し&乾燥が困難のため、天気の良い日中の作業になる
となります。
マットのパンクが発覚するのが夜のことが多く、空気漏れが発覚しても、その一晩はペチャンコのマットで寝てやりすごす、となることが多いようです。
エアー注入式マットのエア漏れ修理については、不具合箇所により修理対応が異なります。
剥離(マットの内部で溶着が剥がれる)
上記写真にあるように、剥離とは、エアー注入式マットの内部の溶着が剥がれる現象です。剥離ではエア漏れは起きませんが、膨らませた時にマットが変形するため、実質使えなくなります。
内部剥離が起きる原因は、
- 初期不良(数回の使用で起きる)
- 使用回数が多い(数十回、数百回など)
- 経年劣化(製造から数年経過)
があります。



剥離が一度起きると、溶着が剥がれを促進する負圧が発生するため、徐々に剥離範囲が広がりボコッとした突起が大きくなっていきます。
修理方法
また、マット内部での現象のため、修理が不可能です。
メーカーに問い合わせて、製品保証がつかえるか、確認してみましょう。
適切な利用範囲内&保証期間内であれば、交換対応となる場合もあるようです。
追記(2022/04/19)
私が使っているマットが剥離し、マット内部の剥離に関する記事を細かく記載しました。興味のある方はぜひ読んでみて下さい。


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