<2023年更新!>登山では、どの登山装備も可能な限り「軽く・小さく・快適に」が理想です。
ここでは、山岳・登山用の寝袋マットの特徴(軽量・コンパクト性、断熱性(R値・R-value)、快適性・クッション性、耐久性、価格相場)について解説します。
軽量・コンパクト性
他の一般的な車移動のキャンプと違い、登山に置いて非常に重要となるのがマットの軽量・コンパクト性です。登山ではマットをザック(リュック・バックパック)に入れて何時間も背負って運ぶため、軽ければ軽いほど、収納サイズが小さければ小さいほど、登山も快適になり、安全性もあがります。
断熱性
登山で使われる寝袋(シュラフ)は、高品質ダウンや化繊綿が主流で、収納サイズもコンパクトになりますが、別の視点から見ると寝袋に入って寝た時に体重が乗った部分はそれだけ押し潰れて、ほとんど断熱性(クッション性も)無くなります。寝袋に入ってもマットなしで寝ると、地面との接地面からどんどん体温が逃げていくため、体温を保持するための断熱素材かかかせません。
登山で必要となるマットの断熱性能は登る山の標高や時期によっと異なりますが、大きくは
- 無積雪期(夏・秋)
- 積雪期(春・冬)
に大別でき、その対策も多少異なってきます。
様々なメーカーが、マットの断熱力を提示(R値・R-value・熱抵抗値、参考使用温度)していますが、同メーカー内での比較はできますが、各メーカーを包括する統一された断熱の規格が無いため、異なるメーカーでのマット断熱力の比較はできない状況となっています。
経験上、マットの断熱力が足りないと夜中~早朝の寝ている時(最も体温も気温が下がる時間帯)に、「なんか少し背中がうっすら冷えるな~」となります。これは断熱が足りていない兆候です。標高の高いところでも夏はこうなることはあまりなく、夜中に氷点下になる山の紅葉時期や積雪期にでてきます。
快適性・クッション性
上記で解説したように、山のテント場は地面凸凹のことも多々あります。そのため、マットにその凸凹を吸収できる程度のクッション性がある方が快適に寝れます。
基本的にマットの厚さが厚ければ、それだけ地面の凸凹と背中の凸凹を吸収しやすく、寝やすくなります。
どれだけのマット厚があれば快適に寝れるかは個人差があり、普段どのような敷布団で寝ているかが、大きく関係しています。例えば、普段寝ている敷布団がふかふかクッションの場合、登山で使うマットもある程度の厚さが無いと背中が痛くなります。逆に、普段から畳の上に綿の敷布団で寝ている場合、背中やお尻などの凸面に集中して体の重さがかかることに慣れているため、登山で硬くて薄めのマットを使っても難なく寝れる可能性が高いです。
耐久性
登山で使われるマットには、複数の種類あります。
- クローズドセルマット[マットの中に閉じられた多数の気泡膜あり]
- エアー系(空気注入型)マット
- インフレータブル[内部にスポンジ]
- エアーマット(&インシュレーテッドマット)[空気のみor空気+断熱構造]
空気を入れないクローズドセルマットとバルブから空気を注入するエアー系マットの2種類に大別でき、耐久性が大きく異なります。
クローズドセルマットは、物理的なキズや摩耗による耐久性が高く、経年劣化にも強いです。
エアー系マットは、穴あき等によるパンクのリスクや、接着面の剥離など起こり得るため、ある程度丁寧に扱うことになります。登山で普及しているエアーマットは、軽量化のため生地が薄いものが多く、それだけ強度も下がり、丁寧な扱い前提となります。
エアー系マットはメーカーの理念や製造技術による耐用年数の差も耳にします。
価格相場
登山用のマットは種類やサイズにより価格は異なります。
- クローズドセルマット:3,000~8,000円程度
- エアー系(空気注入型)マット
- インフレータブル:8,000~13,000円程度
- エアーマット(&インシュレーテッドマット):15,000~25,000円程度(別途、エアーポンプバッグ3,000~4,000円が必要となる製品あり)
クローズドセルマットよりエアー系マットは価格が上がります。高断熱&軽量なインシュレーテッドマットは、高価です。
マット・スリーピングマット
関連の記事
登山用マットを買う前に知っておきたい情報
無積雪期・3シーズン
雪山・冬山
実験・How to
スペック比較
個別製品の紹介
著者PROFILE
2009年末から寝袋と関連装備に特化したこのサイトを開設。いつの間にか運営10年を超える老舗サイトに。ファミリーキャンプから無積雪期登山、厳冬期登山、バイクのキャンプツーリングに自転車旅行、車中泊など、アウトドアを幅広く経験。寝袋の宿泊数は100泊以上~500泊未満。狭い業界ですが、まだまだ知らないこと沢山あり、日々勉強中です☆
谷川岳の雪洞で宿泊
今まで様々な状況下で寝てきましたが、100泊以上経験してわかったのが、『保温力に余裕のある寝袋を用意すること』です。
雪山テントは換気にも注意(テントが埋まると酸欠に)
雨風や断熱材で守られた家と違い、アウトドアフィールドでの宿泊は天候や外気温の変化を大きく受けます。事前の天気予報より、当日の気温が-5℃程度低かった、などは日常茶飯事です。また、多くのキャンプ場は、最寄りの市街地よりも標高が高い事が多く、天気予報で知ることのできる最寄りの市街地の最低気温よりも気温が低いことが多いです。
自然の中で睡眠をとる体験は素晴らしいですが、寝袋の保温力が足りないと真夜中に早朝に目が冷めます。これは外気温は日の出前の早朝4~5時あたりが最も気温が下がり、また体温も下がっているためです。一度このタイミングで目が冷めてしまうと、身体が芯から冷え切っているため、ここからなかなか眠ることができません。そして、寝不足の状態になります。
楽しいアウトドア体験するはずだったのが、思わぬ寝不足でボーーっとしてしまうのは、もったいないです(しかも連泊でこれが続くとかなりキツイです)。少し汗ばむくらいの保温力の寝袋を選んで、ぜひ素敵なアウトドア体験を満喫してください☆
寝袋と(キャンプ用の)マットは2つで1つです。
キャンプ用のマットの役割は主に『断熱』と『寝心地を快適にする』の2つです。
『断熱』について・・・アウトドア用の寝袋の中綿として、化繊やダウンが使われていますため、小さく圧縮して収納し持ち運ぶ事ができます。寝袋を収納袋から出して広げると、徐々に中綿が膨らみますが、人間が寝袋に入ったときに身体と地面に挟まれた中綿はぺちゃんこに潰れるため、断熱力がほとんどなくなります。大概の地面は冷たく、身体の重みで密着した部分から体温が逃げ(ヒートロス、熱損失)て、底冷えします。この現象は、体温と地熱の温度差が大きい春・秋・冬ほど熱損失量も増えます。
これを防ぐため、キャンプ用のマットを使います。キャンプ用のマット体重がかかっても断熱効果が得られるよう設計されています。
『寝心地を快適にする』について・・・最近、畳の上で寝たことはありますか?痛くて寝れなかったという方もいるのではないでしょうか。昨今の快適用品の普及により、強い刺激に敏感になっています。よほどふかふかの芝生以外、寝袋のみで寝ると地面の凸凹や石があたって痛くてまともに寝れません。その衝撃を吸収する役割としてキャンプ用マットが使われます。キャンプ用マットは大きくクローズドセルマット(銀マットなど)とエア注入式の2種類あり、寝心地はエア注入式の方が良いです。
テントの中で寝袋の下に敷くマットは、様々な用途に合わせて、多数の商品があります。皆さんの用途にあった、快適に寝れるマットが見つかりますように☆