テント内に敷くマットレス(寝袋マット、シュラフマット、テントマット)の役割(凸凹解消、断熱)、マットの種類(銀マット、XPE架橋ポリエチレンフォーマット、(セルフ)インフレータブルマット、エアーマット)、ソロキャンプとファミリーキャンプ用マット選びの違いについて解説します。
著者PROFILE
経歴:大手アウトドアショップで寝袋・マットのコーナーを中心に約4年間の接客経験に加え、独自の調査・研究を重ね、寝袋・マットの情報を中心としたこのサイトを運営して10年以上。無積雪登山・雪山登山・クライミング・アイスクライミング・自転車旅行・車中泊旅行・ファミリーキャンプなど幅広くアウトドアを経験。(詳細プロフィール) 名前:Masaki T
どうしてマットを敷くの?主な役割
小さく圧縮して収納できる寝袋は、寝たときに体重の乗る部分は中綿が潰れるため、断熱性とクッション性がほとんどなくなります。少し凸凹した場所でマット無しで寝ると、地面の凸が身体に食い込んでくる(骨に当たるとけっこう痛い)ため、まともに寝ることが難しいです。そのため、寝袋で寝るときにはマットを敷き、断熱性とクッション性を確保します。
凸凹解消&快適な寝心地
経験上、キャンプ場はある程度は整地されているところがほとんどです。そのため、テントサイトに大きな石がゴロゴロしている、大きく凸凹しているなどは滅多にありません。
ただ、場所によっては
- 砂利(水はけが良い)
- 地面と芝生が混在(凸凹している)
- 所々、小さな石が地面に埋まっている
などは十分ありえます。
事前に予約しないフリーサイト(フリーサイトはフリーサイト区画内のどこにでもテントを設営できる)の場合、条件の良い場所から先に埋まっていくため、混雑していると空いている場所は、トイレが近い(匂いがある)、場所が荒れている、傾斜があるなど、一癖ある場所しか残っていないこともあります。
テント内に敷くマットは、ある程度条件が悪くても快適に寝れるクッション性のある対応力の高いものを選ぶのがおすすめです。
断熱
基本的に、夏のキャンプの場合、それほどマットの断熱力は無くても大丈夫です。ある程度厚みのあるマット(寝ても痛くないマット)であれば、相応の断熱力もあるため、それで十分対応できます。
マットの断熱力の重要性が増してくるのは、春、秋、冬のキャンプです。おおよそですが、キャンプ地の最低気温が10℃以下になる場合、マットの断熱力も考慮して選ぶのをおすすめします。
キャンプサイト(テント設営場所)の状況
キャンプ場、と言っても立地や、整地程度により、テントの設営場所の状況が異なります。
マットを選ぶ前に、様々なパターンを知っておくと参考になります。
キャンプ場のテントサイトには、大きく分類すると
- 区画サイト
- フリーサイト
の2種類あり、それぞれで性格が異なります。
マットの種類
キャンプ用マットには、”クローズドセルマット” と ”エア注入式マット” の2種類あり、さらにそれぞれの中にも複数の種類に分類することができます。
- クローズドセルマット
- 銀マット(アルミ蒸着マット)
- XPE or EVAフォームマット
- エア注入式マット
- (セルフ)インフレータブル
- エアーマット
銀マット
特徴
○優れた点
- 非常に高い耐久性(摩耗・キズ付いても使用上問題ない)があり、確実にマットとして機能する絶大な安心感がある
- 銀フィルム(アルミ蒸着フィルム)側は食べ飲み物を落としても、用意に拭き取れる
- エアー系マットと異なり、パンクのリスクが無い
- 凸凹の地面に直接敷ける
- 設置と撤収にそれほど時間がかからない
- 価格が1~2千円程度と手頃
- ハサミで簡単に切断できるため、テントに合わせてサイズ調整可能
△気になる点
- 収納サイズが大きく嵩張る
- 銀フィルム側が上に向いていると、好天時に太陽光を反射し、テント内が蒸し風呂のように暑くなる
- 折りグセ、曲げグセがつくため、広げても綺麗にまっすぐ広がらない
- 銀フィルム側が上の場合、肌触りが良くない(汗ばんだ肌にペタペタ付く)
- マットの厚みが2mm~15mm程度のため、凸凹の吸収性が高くない
- インフレータブルマットやエアーマットに比べ寝心地が硬い
銀マットはキャンプ用マットとして広く普及しています。安価、高耐久、軽い、さらにはアウトドアショップはもちろんのこと、夏にはホームセンター等でも販売されており、入手しやすいマットです。
銀マットにはロール式と折り畳み式(アコーディオン式)があります。
ロール式はマットの上を掃除しやすいメリットありますが、巻グセが付き、ファミリーサイズだと収納サイズが大きい(長すい)、円筒形は他の荷物と重ねて収納しにくく、少し扱いにくいです。ファミリーキャンプの場合は折り畳み式をおすすめします。
とにかく安く済ませたい、テント底面全体に敷きたい(大きいのを買えばハサミで簡単に切断可能)、という方には銀マットが良いかもしれません。ただ、寝袋の下に敷くマットとしては、次に紹介するXPEフォーマットの方がおすすめです。
「銀マット」の人気・売れ筋ランキング
(参考価格相場:¥1,000~)
XPE(架橋ポリエチレン)フォームマット
特徴
○優れた点
- 非常に高い耐久性(摩耗・キズ付いても使用上問題ない)があり、確実にマットとして機能する絶大な安心感がある
- 肌触りが銀マットより良い
- 凸凹が形状の場合、マットの厚み分の凸凹が吸収可能
- エアー系マットと異なり、パンクのリスクが無い
- 凸凹の地面に直接敷ける
- 設置と撤収にそれほど時間がかからない
- 価格が2~6千円程度と手頃
- ハサミで簡単に切断できるため、テントに合わせてサイズ調整可能
△気になる点
- 収納サイズが大きく嵩張る
- 数年使うとマットが柔らかくなってくる(張りがなくなってくる)
- インフレータブルマットやエアーマットに比べ寝心地が硬い
XPEフォーム(Cross-linked polyethylene,架橋ポリエチレン)のフォームマットは、銀マットよりも断熱性や寝心地が優れているものが多く、銀マットよりもワンランク上のクローズドセルマットと言えます。
長年このタイプのマットを登山やキャンプで使ってきています。
小さな凸凹が地面の凸な突き上げを吸収
XPEフォーマットの多くが、凸凹形状となっていて、
- 地面の凸凹(小石など)を吸収
- 寝袋を敷いたときに空気を溜め込み断熱力向上
など、優れた役割を果たします。ただ、この形状のマットに直接寝た時、点で身体と接するため、独特の寝心地になります。(寝袋に入って寝たときは、それほど気になりません)
銀マットに比べ、肌当たりも良く、クローズドセルマットを選ぶなら、銀マットよりXPEフォームマットの方が断然おすすめです。
大手通販サイトの売れ筋・人気ランキングを見る限り、キャンプ用のマットとしてはこのタイプが主流と言えるでしょう。
「XPE(架橋ポリエチレン)フォーマット」の人気・売れ筋ランキング
(参考価格相場:¥2,000~)
(セルフ)インフレータブル
インフレータブルマットは、マット内部にフォーム(ウレタンフォーム、スポンジとも呼ばれる)が溶着されているエアマットです。
インフレータブルマット内部のフォーム[出典:thermarest]
このフォームによりマット内部の空気対流を抑え、断熱力を発揮します。また、フォームの復元力により、空気を入れるバルブ(栓)を開けると、ある程度マット内に空気が入り、膨らむため、自動膨張式マットレスとも呼ばれます。
特徴
○優れた点
- クローズドセルマットより収納サイズが小さくなる
- クッション性があり、寝心地がとても良い
- マット厚に比例して、床の凸凹を吸収してくれる
- マットの硬さは空気注入量で調整できる
- パンクしても、フォームの復元力により、僅かながらクッション性と断熱力が得られる
△気になる点
- パンクのリスクがある(補修キットが付属していれば、故障内容によっては自分で修理も可能)。
- マットの劣化や製品不良で、マット内部のフォームと溶着している生地が剥がれる”剥離”の現象が起きることがある。マット内部の出来事なので補修キットによる修理は不可能。
- 補修キットが付属していも、結露でマットが濡れている、どこに穴が空いているかわからない、パンクが発覚しているのが夜中(暗い・仲間に迷惑かかる)、補修の時間を取りにくい、など修理できないことも多々ある
- バルブから口で空気が吹き込むと、湿気や唾液がマット内部に入ってしまい劣化を促進してしまう可能性がある(唾液に関しては、顔を地面と垂直にして吹き込めばほぼ入らない)
- 一度マット内に水分が入ると乾かしにくい(天気のいい日に、口を使わずマット内のフォームの自動膨張を生かして何度も空気を入れる出すを繰り返すで乾かせるが、かなり手間)
- 石・草木・土の上に直接置くと、小さな穴(空気を入れて寝ている間に徐々に空気が抜けるような小さな穴)が開く可能性があるため、基本的にテントの中、何らかのシートの上で使うなど、マットの置く場所に気を使う
- ”自動膨張で空気が入る”と言っても入る量は普段の保管状態に大きく依存する。普段から膨らませて保管していれば非常によく入るが、小さく畳んで保管しているとフォームの復元力が落ちるため、実際に使う時にバルブ開けてもそれほど空気を吸わず、ほぼ自分で空気を入れることになる(マットサイズや肺活量にもよるが、5回~10程度でほぼパンパンになるため、慣れればそれほど手間ではない)
- テント設営の度に、広げる→膨らます、空気抜きながら上手にくるくる折りたたむの作業が発生。テント場は凸凹地面がほとんどで、綺麗に空気が抜けず購入時のサイズよりも実践の収納サイズが大きくなる(購入時に収納袋がダブついているのはこの理由)
- 撤収で空気を抜く時フォームの吸引力があるため、テントの中で屈んだ姿勢である程度床に押し付けながら丸めることになるが、テント設営場所が岩場や凸凹だと、床についている膝が痛い(登山中に使うシットマットを膝に入れるなどで解消可能)
- 価格がクローズドセルマットより高い
何と言ってもインフレータブルマットは、クローズドセルマットよりもはるかに寝心地が良いです。クローズドセルマットは高価なものでも寝心地の硬さがあり、自宅で布団用のマットの上で寝ている方は多分背中が痛くなると思いますが、インフレータブルマットは大丈夫だと思います。インフレータブルマットの寝心地の硬さは空気を入れる圧力で調整できます。クローズドセルマットに比べて収納もある程度コンパクトになり、断熱力もインフレータブルマットの方が高いです。
寝心地に関しては、ほぼマットの厚みに比例します。薄いものでは2cm程度、厚いものでは5cmなどあります。経験上、地面の凸凹や身体の凹凸を吸収するのに、厚み2cm程度では必要最低限という感じです。厚みがおおよそ4cm以上になると寝心地が極上になり、底づき(膝をつくなどマットに局所的な圧力がかかった時に地面と当たること)することも無いでしょう。
価格はクローズドセルマットよりも高めですが、寝心地は満足できるでしょう。
インフレータブルマットの懸念点は、
- 設営&撤収の手間
- パンクリスク
の2点かと思います。
設営&撤収の手間に関しては、キャンプ場を移動する度に、設営時は空気を入れて膨らます、撤収時には空気を抜きがなら圧縮しながら丸めて畳む、の作業が入ります。クローズドセルマットの場合はざっと広げる、折りたたむで済むので、ずっと短時間で済みますが、インフレータブルマットの場合、ある程度の時間と労力、慣れが必要です。
最も気をつけなければいけないのはパンクです。エアー注入式であるインフレータブルマットはいわば丈夫な風船のようなもので、穴が空くとあっさり空気が抜けます。空気が抜けるとマットの役割をそれほど果たさなくなります。(中のフォームの膨らみである程度のクッション性は残ります)。登山時の出来事ですが、実際に仲間がパンクした様子を見てきました。
【パンク事例】
- マットの上でナイフ落とす
- 少し離れたバーナーの熱で溶着が剥がれる(エアー系マットは熱に弱い)
- 原因不明で寝ている間に徐々に空気が抜ける
など様々です。正直、ある程度その点を踏まえて扱える大人のみのキャンプであれば、このマットのみでも良いかもしれませんが、子連れのファミリーキャンプの場合、このマットのみだと若干心配が残ります。おすすめはクローズドセルマット+インフレータブルマットの2枚重ねで使用することです。万が一パンクしても、クローズドセルマットがあるため、安心して寝れます。
インフレータブルマットは非常に多くの種類が流通していますが、製品耐久性や初期不良など購入者レビューを確認して選ばれるのをおすすめします。
「インフレータブル マット」の人気・売れ筋ランキング
(参考価格相場:¥3,000~)
エアーマット・エアーベッド
エアーマットは、ポンプで膨らませるマットです。マットの厚みがあり、よほどの凸凹でも感じません。マット内部が空洞なものは断熱力が低く主に温暖な季節向けですが、内部に断熱構造を持つエアーマット(インシュレーテッドマットと呼ばれる)は紅葉時期や厳冬期にも対応できる断熱力を持つものもあります。
特徴
○優れた点
- 収納サイズがある程度小さくなる
- マット厚がある(5cm以上ある)分、非常に高いクッション性があり、よほど凸凹している場所でも快適に寝れる
- マットの硬さは空気注入量で調整できる
- 製品によってはエアーマット内に特殊な断熱構造を持ち、軽量・コンパクト性を維持しながら、非常に高い断熱力を実現している
- インフレータブルマットのように自動膨張機能が無いため、小さく折りたたみやすく、慣ればほぼ購入時のサイズで収納できる
△気になる点
- 空気量が非常に多く、口で膨らませるのは困難(倒れそうになる)。何らかのポンプを使うのが前提。
- パンクのリスクがある(補修キットが付属していれば、故障内容によっては自分で修理も可能)。
- マットが劣化や製品不良で、マット内部の断熱構造と生地が剥がれる”剥離”の現象が起きることがある。マット内部の出来事なので補修キットによる修理は不可能。
- 補修キットが付属していも、結露でマットが濡れている、どこに穴が空いているかわからない、パンクが発覚しているのが夜中(暗い・仲間に迷惑かかる)、登山中に補修の時間を取りにくい、など修理できないことも多々ある
- 石・草木・土の上に直接置くと、あっさり小さな穴(空気を入れて寝ている間に徐々に空気が抜けるような小さな穴)が開く可能性があるため、基本的にテントの中、シートの上で使うなど、マットの置く場所に気を使う
- 価格がクローズドセルマットより高い
キャンプ向けエアーマット(とても厚みのある製品はエアーベッドと呼ばれる)は、マットの中に断熱構造を持たないものが多いです。(登山向けは高断熱構造を持つものあり)。そのため、それほど断熱力が高くありません。基本的に温暖な時期に使う想定となっています。
エアーマットは厚みがあるため、かなりの凸凹地面でもその影響を受けず寝ることができます。寝心地は製品構造により異なりますが、中にフォームが入って面で接着されているインフレータブルマットより、フワフワした感じがあります。
マットの膨らまし方は何らかのポンプを使うのが一般的です。気になる点はインフレータブルマットと同じくパンクリスクがあることです。マットの厚みが数十センチもあるような、まさにベッド形状のものは、テント内に置くと内部スペースが狭くなる(歩いて動くスペースが少なくなる)感じになります。エアーベッドの上を歩いて動いても良いのですが、厚さがある分立ったときに頭がテントの生地に当たる、歩くとボヨンボヨンする(子供がハシャイで遊ぶにはいいかも?)など、圧迫感出ると思います。そのため、普通のキャンプであればマット厚は、5cm程度あれば地面の凸凹を感じることはほぼありませんので、テントの内部空間を狭くしないためにも、ほどほどの厚みのもので十分と思います。
マット内に空気を保持する素材として、主に
- PVC(Poly Vinyl Cloride:ポリ塩化ビニル樹脂、通称”塩ビ”)
- TPU(Thermoplastic Polyurethane:熱可塑性(ねつかそせい)ポリウレタン]
が使われています。
海外のサイトには、「PVC製のエアマットレスは非常に有毒であり、健康上のさまざまな症状を引き起こす可能性があるため、避けることをお勧めします。』と掲載されているものもあります。以下、抜粋です。
PVCに含まれる可塑化添加剤は、一般にフタル酸エステル化学薬品です。フタル酸エステルは、分子がプラスチックに化学的に常に結合しているわけではないため、製品から容易に放出されるため、有害です。また、血流に容易に吸収され、そこで蓄積する可能性があります。フタル酸塩は、正常なホルモン機能を破壊することが知られており、多くの貧しい健康状態に関連しています。
PVCのマットの口コミを見ると、『匂いがきつい』などと書かれていることがありますが、匂いがきつい製品≒可塑化添加剤の匂いと思われ、テント内はある程度こもった空間のため、使用を避けるのが無難です。TPUの場合、PVCが必要とするすべての可塑剤を必要としないためそのような匂いがほどんど感じられず安全性が高いと言われています。以上の理由により、キャンプのテント内で使うなら、TPUのエアーマットを推奨します。
エアーマットは非常に多くの種類が流通していますが、製品耐久性や初期不良など購入者レビューを確認して選ばれるのをおすすめします。
「アウトドア用エアーマット」の人気・売れ筋ランキング
(参考価格相場:¥3,000~)
その他-テント専用インナーマット・テントマット
メーカー品(スノーピークなど)のテントの場合、その専用のインナーマット(もしくはテントマット、メーカーにより呼び方が異なる)というのがあります。そのテントの専用設計なので、テント内部に綺麗に敷き詰められます。上記写真のテント中央にコンロが収まるような特殊な形状の場合、専用設計のインナーマットがとても便利です。
ただ、
- クローズドセルマットかつ面積も広いのでマット自体が嵩張る
- 厚みが5mm程度のため、硬い地面に敷くには、クッション性が不十分
という理由のため、通常、別のマットと併用します。
専用品のため価格が高めですが、きっちりマットを敷き詰めたい状況、例えば、
- テントの下に水が流れるほどの雨が降った時(マットが敷き詰められていれば、足が冷えにくく、万が一水が染み込んできてもある程度なら大丈夫)
- 地面の冷えが気になる寒い時期(春、秋、冬。特に冬は靴下でテント内を歩くと足裏が冷たく冷えるため)
には、とても便利でテント内で過ごす時間が多くなる天候でも快適に過ごせます。
ソロキャンプとファミリーキャンプ用マット選びの違い
1人用ソロキャンプと子供含め複数人用では、マットの選ぶ基準が多少異なります。
大人1人用(ソロ向け)vs複数人用(ファミリー向け)
商品によっては、
- 大人1人用(ソロキャンパー向け)
- 複数人用(複数人が寝れるファミリーサイズ向け)
の2種類のサイズ展開しているものもあります。
ソロキャンプの場合は、1人用マットを選ぶのですが、ファミリーキャンプの場合、
- 1人用マットを人数分、複数枚並べる
- 複数人が寝られる大きなマット1枚
のどちらにするか、迷うところです。
1人用マットを複数枚並べても、状況によっては
- 寝ている間にマット間の隙間が空いてきて子供が落ちている
- そもそもゴロゴロ動くため1人用マット上に留まっていられない
となる可能性高いです。
経験上、寝ているときにゴロゴロ動く(いつのまに移動したの?みたいな)年頃の子連れの場合は、複数人用のマットを選ぶのがおすすめです。子供を親と親の間に寝かせれば、ほぼマットから落ちること無く寝てくれます。
インフレータブルマットの中には、1人用を連結できるマットがあります。ファミリーサイズ1枚と連結式のどちらか良いか迷うところです。以下に特徴をまとめてみました。
インフレータブルマットの連結式の特徴
○優れた点
- パンクリスクは1枚単位
- 小分けで収納できる
- 人数が増えれば、(テントの範囲内で)何枚でも追加、連結可能
△気になる点
- 枚数分の設営、撤収の手間がかかる
- 人数分用意すると費用が高くなる
- 連結部分に多少の段差ができる
インフレータブルマットのファミリーサイズの特徴
○優れた点
- 段差が無い
- 人数分の設営、撤収が1回で済む
- 連結式よりコスト的が抑えられる
△気になる点
- 横幅が120~150cm程度の製品が多く、4人以上は狭い
- パンクすると家族全員に影響がでる
以上、ご参考に☆
エアー注入式マットは、どうしてもパンクリスクは拭えません。しかし、クローズドセルマットだけでは寝心地がちょっと硬いです。そのため、我が家のファミリーキャンプでは、テントに複数人用のXPEフォーマットを敷いて、その上にエアー注入式マット1人用(非連結)を並べて敷いています。エアー注入式マットはもともと登山用で複数個持っていて、その後に複数人用のXPEフォーマットを買い足したのですが、子供がインフレータブルマットから落ちても、フォーマットがあるため、底冷えせずに寝ることができ、万が一パンクしても問題なく寝ることができます。
ソロキャンパーのマットサイズ
キャンプ用途ではマットの長さは足から頭まで乗る180cm程度の長さがおすすめです。
しかし、
- バックパッカー
- 自転車旅行
- バイクツーリング
など、少しでも軽量化したい、荷物をコンパクトにしたい状況の方は150cm程度のものでも衣類等を枕にすることで十分に快適に過ごすことができます。(ただし、衣類は万が一に備え防水袋に入れのがおすすめ。防水袋に衣類入れて、その上からタオルを乗せれば汗も吸い、肌触りも良い)
軽量化・コンパクトを重要視してマットをお探しの方は、以下登山向けのマット選びも参考になると思います。
最後に
キャンプ用マット、といってもいくつものタイプ、さらには多くの商品があります。
個人的経験より、積載量や予算に余裕があるなら、クローズドセルマット+エアー注入式(インフレータブルorエアーマット)がおすすめです。
それぞれの特性を十分理解した上で、皆さんの用途に合ったマットが見つかりますように☆
参考リンク
「銀マット」の人気・売れ筋ランキング(参考価格相場:¥1,000~)
「XPE(架橋ポリエチレン)フォーマット」の人気・売れ筋ランキング(参考価格相場:¥2,000~)
「インフレータブル マット」の人気・売れ筋ランキング(参考価格相場:¥3,000~)
「アウトドア用エアーマット」の人気・売れ筋ランキング(参考価格相場:¥3,000~)
マット・スリーピングマット
関連の記事
登山用マットを買う前に知っておきたい情報
無積雪期・3シーズン
雪山・冬山
実験・How to
スペック比較
個別製品の紹介
著者PROFILE
2009年末から寝袋と関連装備に特化したこのサイトを開設。いつの間にか運営10年を超える老舗サイトに。ファミリーキャンプから無積雪期登山、厳冬期登山、バイクのキャンプツーリングに自転車旅行、車中泊など、アウトドアを幅広く経験。寝袋の宿泊数は100泊以上~500泊未満。狭い業界ですが、まだまだ知らないこと沢山あり、日々勉強中です☆
谷川岳の雪洞で宿泊
今まで様々な状況下で寝てきましたが、100泊以上経験してわかったのが、『保温力に余裕のある寝袋を用意すること』です。
雪山テントは換気にも注意(テントが埋まると酸欠に)
雨風や断熱材で守られた家と違い、アウトドアフィールドでの宿泊は天候や外気温の変化を大きく受けます。事前の天気予報より、当日の気温が-5℃程度低かった、などは日常茶飯事です。また、多くのキャンプ場は、最寄りの市街地よりも標高が高い事が多く、天気予報で知ることのできる最寄りの市街地の最低気温よりも気温が低いことが多いです。
自然の中で睡眠をとる体験は素晴らしいですが、寝袋の保温力が足りないと真夜中に早朝に目が冷めます。これは外気温は日の出前の早朝4~5時あたりが最も気温が下がり、また体温も下がっているためです。一度このタイミングで目が冷めてしまうと、身体が芯から冷え切っているため、ここからなかなか眠ることができません。そして、寝不足の状態になります。
楽しいアウトドア体験するはずだったのが、思わぬ寝不足でボーーっとしてしまうのは、もったいないです(しかも連泊でこれが続くとかなりキツイです)。少し汗ばむくらいの保温力の寝袋を選んで、ぜひ素敵なアウトドア体験を満喫してください☆
寝袋と(キャンプ用の)マットは2つで1つです。
キャンプ用のマットの役割は主に『断熱』と『寝心地を快適にする』の2つです。
『断熱』について・・・アウトドア用の寝袋の中綿として、化繊やダウンが使われていますため、小さく圧縮して収納し持ち運ぶ事ができます。寝袋を収納袋から出して広げると、徐々に中綿が膨らみますが、人間が寝袋に入ったときに身体と地面に挟まれた中綿はぺちゃんこに潰れるため、断熱力がほとんどなくなります。大概の地面は冷たく、身体の重みで密着した部分から体温が逃げ(ヒートロス、熱損失)て、底冷えします。この現象は、体温と地熱の温度差が大きい春・秋・冬ほど熱損失量も増えます。
これを防ぐため、キャンプ用のマットを使います。キャンプ用のマット体重がかかっても断熱効果が得られるよう設計されています。
『寝心地を快適にする』について・・・最近、畳の上で寝たことはありますか?痛くて寝れなかったという方もいるのではないでしょうか。昨今の快適用品の普及により、強い刺激に敏感になっています。よほどふかふかの芝生以外、寝袋のみで寝ると地面の凸凹や石があたって痛くてまともに寝れません。その衝撃を吸収する役割としてキャンプ用マットが使われます。キャンプ用マットは大きくクローズドセルマット(銀マットなど)とエア注入式の2種類あり、寝心地はエア注入式の方が良いです。
テントの中で寝袋の下に敷くマットは、様々な用途に合わせて、多数の商品があります。皆さんの用途にあった、快適に寝れるマットが見つかりますように☆
銀マットは私が親に連れられてキャンプ旅行した子供時代からの付き合いになります。経験上、マットとしては必要十分の役割は果たしてくれますが、寝心地の快適性は他のタイプのマットの方が優れています。多くの銀マットは2mm~15mm程度のため、地面が凸凹していると寝ているときに感じやすいです。
また、銀フィルムは輻射熱で熱を反射する効果があるのですが、夏のキャンプの場合はこの効果が逆効果になり、テント内に敷いていると通常の温度上昇に加えて銀フィルムの輻射熱効果も加わり、テント内部がとても暑くなります。
また、銀フィルムは滑りが良いため、この上に寝袋を敷くとズレやすいです。完全な水平な場所であれば問題ないのですが、湖畔など傾斜がある場所で使うと、寝ている間に徐々に寝袋ごとずれ落ちてくる可能性が高いです。加えて、肌の露出の多い半袖&短パンのキャンプの場合、銀マットの上に寝ると、汗ばんだ肌にフィルムがペタペタと張り付いて気になります。安価で夏のキャンプに普及している銀マットですが、実際に使ってみると夏向きとは言い難く、むしろ肌寒い時期の方が向いています。
断熱性に関しては、マットの厚みに比例するため一概に言えませんが、銀フィルムの下の発泡ポリエチレン部分のフォーム(気泡)が目で容易に確認できる程度の気泡のため、それほど高い方ではありません。(気泡が細かいほど断熱力は高くなります)夏の場合は問題ありませんが、息が白くなるほどの肌寒い季節のキャンプの場合は、底冷えする可能性あり、別のマットと重ねて使った方が良いかもしれません。