2022年、世界的なアウトドア向けマットメーカーのEXPED(エクスペド)のスリーピングマットのラインナップが大規模リニューアルされました。
リニューアルの背景
海外の詳細について記載されたブログに、
ExpedUSAの営業部長であるTracyCollins氏によると、「スリーピングマットの選択は、消費者、購入者、営業担当者、営業担当者など、誰にとっても複雑になりすぎていました」[出典:bikepacking.com]
と書かれていました。
リニューアル後は、かなりスッキリわかりやすい&見やすくなっています。
新しいラインナップの特徴
商品名がそのままマット性能を表す
新しいExpedマットの名前はその目的に関連しており、以前のラインナップに比べて頭を包み込むのがはるかに簡単です。[出典:bikepacking.com]
新しいEXPEDのマットは、商品名がそのままマット性能を表すようになり、非常に直感的でわかりやすくなりました。(リニューアル前は、”Exped DownMat UL 7”、”Exped SynMat UL”のように、これはダウンを使っています、化繊綿を使っています、とマットの構成素材が強調されていました)
新マットはその用途・目的に合わせた3つのラインナップに分類されています。
- ULTRA:荷物に軽量性とコンパクト性が求められるアクティビティに適した超軽量マット
- DURA:最も耐久性が求められるアクティビティに適したマット
- VERSA:最も汎用性の高いエントリークラスのマット
Expedによる新しいマットの紹介動画(英語)
ULTRAシリーズ(超軽量モデル。20Dのリサイクルポリエステル使用)は、夏から極寒まで対応する4種類のR値モデルあります。
出典:EXPED
- ULTRA 1R [R値:1.3、形状:RECTANGLE(長方形)/MUMMY(マミー型)/DUO(二人用)] 中綿を使用せずエアーのみで断熱と快適性を提供するAIRMAT TECHNOLOGY™。厚さ7cm。
- URTRA 3R [R値:2.9、形状:RECTANGLE(長方形)/MUMMY(マミー型)/DUO(二人用)] 60 g/m2 Texpedloft マイクロファイバーを使用した SYNMAT TECHNOLOGY™。厚さ7cm。
- URTRA 5R [R値:4.8、形状:RECTANGLE(長方形)/MUMMY(マミー型)] 160 g/m2 Texpedloftマイクロファイバーを使用したSYNMAT TECHNOLOGY™。厚さ7cm。
- URTRA 7R [R値:7.1、形状:RECTANGLE(長方形)/MUMMY(マミー型)] 700フィルパワーのRDS認証ダウンを使用したDOWNMAT TECHNOLOGY™。厚さ9cm。
※マット形状は、1Rと3RはRECTANGLE(長方形)/MUMMY(マミー型)/DUO(二人用)あり、それ以上はRECTANGLE(長方形)/MUMMY(マミー型)のみになります。
※R値はASTM F 3340によって測定
※AirMat UL & HL、SynMat UL & HL、DownMat UL & HLに相当します。
以上、日本で主力となるULTRAシリーズを中心に紹介しましたが、その他のシリーズは下記内容となっています。
全マットの保証期間が5年に
各マットモデルは、80kgのローラーテスト15,000回、60kgの重りを落とすドロッパーテスト200回をクリア。新ラインナップリニューアルに伴い、全マット関連製品が5年保証となります。製造上の欠陥による不具合が生じた場合、保証期間内でしたら無償修理または交換にてご対応いたします。生産、品質管理において、自信を持って製品をご提供いたします。[出典:EXPED]
以前は超軽量モデルは、2年保証、それ以外のマットは5年保証となっていました。2022年モデルからは、超軽量モデルも5年保証となっています。(因みにサーマレストは限定保証(5年)と記載)
最後に
日本の代理店のWebサイトによると、新しいマットは2022年4月中旬頃入荷予定です。
参考リンク
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著者PROFILE
2009年末から寝袋と関連装備に特化したこのサイトを開設。いつの間にか運営10年を超える老舗サイトに。ファミリーキャンプから無積雪期登山、厳冬期登山、バイクのキャンプツーリングに自転車旅行、車中泊など、アウトドアを幅広く経験。寝袋の宿泊数は100泊以上~500泊未満。狭い業界ですが、まだまだ知らないこと沢山あり、日々勉強中です☆
谷川岳の雪洞で宿泊
今まで様々な状況下で寝てきましたが、100泊以上経験してわかったのが、『保温力に余裕のある寝袋を用意すること』です。
雪山テントは換気にも注意(テントが埋まると酸欠に)
雨風や断熱材で守られた家と違い、アウトドアフィールドでの宿泊は天候や外気温の変化を大きく受けます。事前の天気予報より、当日の気温が-5℃程度低かった、などは日常茶飯事です。また、多くのキャンプ場は、最寄りの市街地よりも標高が高い事が多く、天気予報で知ることのできる最寄りの市街地の最低気温よりも気温が低いことが多いです。
自然の中で睡眠をとる体験は素晴らしいですが、寝袋の保温力が足りないと真夜中に早朝に目が冷めます。これは外気温は日の出前の早朝4~5時あたりが最も気温が下がり、また体温も下がっているためです。一度このタイミングで目が冷めてしまうと、身体が芯から冷え切っているため、ここからなかなか眠ることができません。そして、寝不足の状態になります。
楽しいアウトドア体験するはずだったのが、思わぬ寝不足でボーーっとしてしまうのは、もったいないです(しかも連泊でこれが続くとかなりキツイです)。少し汗ばむくらいの保温力の寝袋を選んで、ぜひ素敵なアウトドア体験を満喫してください☆
寝袋と(キャンプ用の)マットは2つで1つです。
キャンプ用のマットの役割は主に『断熱』と『寝心地を快適にする』の2つです。
『断熱』について・・・アウトドア用の寝袋の中綿として、化繊やダウンが使われていますため、小さく圧縮して収納し持ち運ぶ事ができます。寝袋を収納袋から出して広げると、徐々に中綿が膨らみますが、人間が寝袋に入ったときに身体と地面に挟まれた中綿はぺちゃんこに潰れるため、断熱力がほとんどなくなります。大概の地面は冷たく、身体の重みで密着した部分から体温が逃げ(ヒートロス、熱損失)て、底冷えします。この現象は、体温と地熱の温度差が大きい春・秋・冬ほど熱損失量も増えます。
これを防ぐため、キャンプ用のマットを使います。キャンプ用のマット体重がかかっても断熱効果が得られるよう設計されています。
『寝心地を快適にする』について・・・最近、畳の上で寝たことはありますか?痛くて寝れなかったという方もいるのではないでしょうか。昨今の快適用品の普及により、強い刺激に敏感になっています。よほどふかふかの芝生以外、寝袋のみで寝ると地面の凸凹や石があたって痛くてまともに寝れません。その衝撃を吸収する役割としてキャンプ用マットが使われます。キャンプ用マットは大きくクローズドセルマット(銀マットなど)とエア注入式の2種類あり、寝心地はエア注入式の方が良いです。
テントの中で寝袋の下に敷くマットは、様々な用途に合わせて、多数の商品があります。皆さんの用途にあった、快適に寝れるマットが見つかりますように☆