DJI Power 500というポータブル電源をご存知でしょうか。「ドローンメーカーのDJIが、なぜポータブル電源を?」と思う方もいるかもしれませんが、これはDJIが長年培ってきたバッテリー技術を活かして送り出した製品です。512Whの容量、最大出力1000W(バッテリー残量20%以上が条件)、70分でのフル充電、そしてDJIドローン専用のSDC急速充電機能。キャンプや車中泊はもちろん、防災・日常のバックアップ電源としても使えます。
この記事では、DJI Power 500の主要スペックと特長を整理しながら、国内外のレビュー情報、競合製品との比較、気をつけたい注意点、そしてセール情報までお伝えします。
2024年4月18日、DJIはポータブル電源市場への本格参入を発表し、「DJI Power 1000」と「DJI Power 500」を同日に発売しました。発売当初の希望小売価格はDJI Power 500が税込58,300円でしたが、記事執筆時点ではDJI公式ストアで49,990円(税込)からとなっています(価格は変動する場合があります。最新情報はDJI公式ストアでご確認ください)。以来、Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングなどの大型ECモールでのセール時に割引が実施されることがあります。なお、DJIは翌年以降も「Power 1000 V2」「Power 2000」「Power 1000 Mini」とPowerシリーズを拡充しており、ポータブル電源への継続的な取り組みが見て取れます。
DJI Power 500の主要スペック
まず、DJI Power 500の基本スペックを整理します。以下は主にDJI公式情報をもとにした数値です。実際の使用環境や条件によって異なる場合がありますので、最終確認はDJI公式サイトでお願いします。
LFP(リン酸鉄リチウムイオン)電池とは、正極材にリン酸鉄リチウムを使用したバッテリーです。一般的なNMC(ニッケル・マンガン・コバルト)系リチウムイオン電池と比べると、熱的安定性に優れ、安全性が高い傾向のある電池として広く知られています。また、充放電サイクル寿命が長い傾向があることも特長の一つとされており、DJI Power 500では約4,000サイクルが想定されています。毎日1回フル充電した場合に換算すると、約10年以上の使用が見込まれます(25℃・270W標準充電・500W出力という条件下でのDJI公式ラボ測定値です。実際の使用環境や充放電パターンによって異なります)。
DJI Power 500が他社のポータブル電源と異なる最大の特長が、SDC(Smart Device Charging)ポートによるドローン急速充電機能です。別売の専用ケーブルを使うと、DJI Mavic 3シリーズのバッテリーを約32分、DJI Air 3/3Sのバッテリーを約30分、DJI Inspire 3を約28分で10%から95%まで急速充電できるとされています(DJI公式情報。実際の充電時間は使用環境によって異なります)。通常の充電方法と比べて所要時間を短縮でき、撮影の合間にバッテリーを補充しやすくなります。
DJI Mavic 3シリーズ、DJI Air 3/3S、DJI Inspire 3、Matrice 30シリーズ(TB30バッテリー)への対応が確認されています。ただし、急速充電を行うには機種ごとに対応する専用ケーブルの別途購入が必要です。ドローン撮影をするクリエイター(以下「空撮クリエイター」)にとっては、フィールドでの充電効率を向上させる機能です。
動作音25dB以下の静音設計
ポータブル電源を室内や就寝時そばで使う際、ファンの回転音が気になることがあります。DJI Power 500はその点でも配慮されており、充電中の動作音は25dB以下(25℃・距離100cm・270W標準充電モードでのDJI公式ラボ測定値)を実現しています。25dBはかなり静かな水準で、生活音がほとんどない深夜の室内環境に近いレベルです。車中泊の夜や、クリエイターが編集作業をする室内でも動作音が気になりにくいという評価につながっています。なお、実際の動作音は充電モードや気温などの使用環境によって変わります。
停電時0.02秒以内で切り替わるUPSモード
UPS(Uninterruptible Power Supply)とは「無停電電源装置」とも呼ばれる機能で、停電時に機器への給電を途切れさせないための仕組みです。DJI Power 500では、家庭用コンセントからの給電が途切れた際、0.02秒以内に接続機器へ給電を開始できます(DJI公式情報)。この速度はデスクトップパソコンやNAS(ネットワーク接続ストレージ)などのデータ損失リスクを軽減できる水準とされています。
DJI Power 500には2つの双方向USB-Cポートが搭載されています。「双方向」とは入力も出力もできるという意味で、各ポート最大100W(PD 3.0対応)、2ポート合計で最大200WによるDJI Power 500自体への急速充電が可能です。同時に、ノートパソコンやスマートフォンへの給電にも使えます。ただし、最大200Wでの充電には対応したPD 3.0急速充電器が必要です。
DJI Power 500前面には液晶ディスプレイが搭載されており、バッテリー残量(パーセント表示)、現在の入力・出力ワット数、稼働可能時間の目安などをリアルタイムで確認できます。表示内容はシンプルで直感的に把握しやすく、海外レビューでも評価されています。
DJI Power 500の注意点・デメリット
シガーソケット変換には別売ケーブルが必要
DJI Power 500にはDC出力のシガーソケット(車用12V機器の差し込み口)が本体に標準搭載されていません。車載冷蔵庫や車用の12V機器に接続したい場合は、別売の「DJI Power SDC – 車用デバイス充電プラグ 電源ケーブル(12V)」が必要になります。同価格帯の競合製品にはシガーソケットを標準搭載しているものも多く、この点はあらかじめ把握しておきたい部分です。
ソーラー充電にはアダプターモジュールが必要
ソーラーパネルでDJI Power 500を充電したい場合、「DJI Powerソーラーパネルアダプターモジュール(MPPT)」と対応するソーラーパネルを別途用意する必要があります。1〜3枚のソーラーパネルを接続して充電するスタイルが想定されており、DJIはZignesブランドのソーラーパネルを推奨しています。公式推奨外のパネルを使う場合は開放電圧30V未満であることの確認も必要です。それ以外を使う場合はXT60コネクターへの変換が必要となる場合があります。ソーラー充電を検討している方は、本体以外のアクセサリー費用も含めた総額で予算を組むことをおすすめします。
バッテリー残量20%未満では出力が800Wに制限される
DJI Power 500の最大出力1000Wは、バッテリー残量が20%以上のときに有効な仕様です。残量が20%を下回ると、出力が800Wに自動制限されます。使用する家電の消費電力が800W以下であれば問題はありませんが、電気ケトルなど900W前後の機器を継続して使いたい場合は、バッテリー残量の管理に注意が必要です。
専用アプリについて
DJIはスマートフォン向けに「DJI Home」アプリを提供しており、DJI Power 500との連携機能についてはDJI公式サイトのダウンロードページから確認できます。EcoFlowが専用アプリでバッテリー状態の詳細な確認やスケジュール設定などを提供しているのと比べると、リモート管理の機能差については購入前に最新情報をDJI Homeダウンロードページでご確認ください。
SDCポートはDJIエコシステム専用
SDCポートによる急速充電機能は、DJI製品専用の仕様です。他社ブランドのドローンを使っている方、あるいは将来的に他社製品への乗り換えを検討している方には、このメリットは活かせません。DJI Power 500の独自機能は、あくまでDJIの周辺機器との連携を活用している方に向けて設計されているものです。
過去の実績として、2025年7月に開催されたAmazonプライムデーでDJI Power 500を含むポータブル電源シリーズが割引対象となったほか、2025年11月のAmazonブラックフライデーでも同シリーズが特別価格で提供されました。これらの傾向から、Amazonプライムデー(7月上旬)、ブラックフライデー(11月下旬)、年末年始のホリデーセール(12月〜1月)は割引が行われやすい時期と考えられますが、毎年の内容は変動します。DJI公式サイトやAmazonのDJI公式ストアでの事前確認・ウォッチリストへの追加が有効な情報収集方法です。
保証について
DJI Power 500の公式保証期間は5年間です(一部対象外アクセサリーあり)。詳細な条件や対象範囲はDJI公式のアフターサービスポリシーでご確認ください。ポータブル電源は長期間使用するものなので、保証内容は購入先を選ぶ際の重要な判断材料です。
DJI Mavic 3シリーズ・DJI Air 3/3SなどのDJIドローンをフィールドで使う空撮クリエイター
動作音の静かさを重視する方(室内使用・車中泊・テント内での就寝時充電など)
電気ケトルや調理家電など900W前後の機器を使いたい1〜2泊のキャンプや車中泊をする方
停電時のバックアップ電源(UPS機能)として活用したい方
LFP電池の安全性・耐久性を重視し、長く使い続けたい方
DJI製品全般を愛用しており、周辺機器との連携の統一感を好む方
一方、次のような方には別の製品も合わせて比較されることをおすすめします。
DJI製品を所有しておらず、SDC急速充電のメリットを活かせない方
できるだけ軽量・コンパクトなポータブル電源を探している方
スマートフォンアプリによる詳細な管理機能が必要な方
シガーソケット接続をよく使う方(別売ケーブルが必要なため)
定格出力500W以下の家電中心で使う方(Jackery 500 Newが選択肢になる)
まとめ:DJI Power 500はDJIドローンを活かすクリエイター向けのポータブル電源
DJI Power 500は、512Wh・最大出力1000W(残量20%以上が条件)・70分フル充電・25dB以下の静音動作・UPS機能・約4000サイクルのLFP電池と、スペック面では同価格帯の競合製品と比較しても存在感のある一台です。SDCポートによるDJIドローンへの急速充電は、空撮クリエイターにとって実用的な強みになります。