ポータブル電源の火災事故・発火・リコール事例を2026年最新情報まで徹底調査。NITE・消費者庁・経済産業省の公表情報をもとに、事故原因、リン酸鉄リチウムイオン電池の安全性、リコール確認方法、安全な選び方まで初心者向けに解説します。
ポータブル電源は、キャンプや車中泊、そして災害時の備えとして、いまや多くのご家庭に選ばれるアイテムになりました。累計出荷台数は年々増え続けており、もはや特別なものではなくなりつつあります。
ただ、その一方で気になるのが、ポータブル電源による発火・火災事故やリコールの報告です。NITE(製品評価技術基盤機構)が2026年7月15日に公表した最新の注意喚起によると、2021年から2025年の5年間に通知された「リチウムイオン電池搭載製品」全体の事故は2,140件にのぼり、事故件数は春から夏にかけて増え、8月にピークを迎える傾向があるとされています(この件数はポータブル電源だけでなく、モバイルバッテリーやスマートフォンなどリチウムイオン電池を使う製品全体の数字です)。
ひとつ前の集計(2020〜2024年の5年間)では、同じくリチウムイオン電池搭載製品全体の事故が1,860件、そのうち約85%が火災に発展しており、このうちポータブル電源単体の事故は110件でした。また2026年5月27日には、NITEが「2025年度 事故情報収集報告書」を公表し、モバイルバッテリーを含む充電器の事故件数が、ついにバッテリー類を上回って製品群別ワースト1位になったことも報告されています。

この記事では、過去10年に報告されたポータブル電源の事故・発火・リコール事例を時系列で整理しながら、事故の原因や傾向、そして安全に使うための具体的なポイントをお伝えしていきます。
「ポータブル電源が怖い」ではなく、「正しく知って、正しく選ぶ」ための一助になれば嬉しいです。
記事の結論
- ポータブル電源関連の事故は、普及拡大とともに増加傾向にある
⇒とくにリチウムイオン電池搭載製品の事故は近年増えており、夏場や高温環境での使用・保管には注意が必要です。 - 過去にはリコール対象製品による事故も多く、リコール確認が最重要
⇒すでに回収・交換が案内されている製品を知らずに使い続けることが、大きなリスクになります。 - 安全性を見るうえでは、電池の種類・BMS・安全認証・メーカー対応を確認したい
⇒リン酸鉄リチウムイオン電池、BMS、安全認証、保証・回収対応などは、購入前に確認したい重要な判断材料です。最新モデルの価格比較もあわせてチェックしておくと安心です。 - 正しく選び、正しく使えば、ポータブル電源は防災・車中泊・キャンプで頼れる電源になる
⇒事故を過度に怖がるのではなく、リコール確認、高温回避、目の届く場所での充電、適切な保管を徹底することが大切です。
この記事でわかること
- ポータブル電源の事故件数が近年増加傾向にあり、夏場に注意が必要とされる背景
- 横浜合同庁舎の火災や住宅火災、EcoFlow EFDELTAの火災事故など、代表的な事例の概要
- 発火原因として考えられる異常発熱、内部短絡、熱暴走などの基本的な仕組み
- 三元系とリン酸鉄リチウムイオン電池で、安全性や選び方の考え方がどう違うかという整理
- 購入前に確認したいメーカー情報、事故情報、価格帯、安全認証などのチェックポイント
- リコール情報を消費者庁やNITEで確認する必要性と、使い続けるリスクの大きさ


名前:Masaki T
経歴:2019年にポータブル電源を初めて購入して以来、現在まで日常的に活用しています。防災やアウトドア(キャンプ・車中泊)など用途は幅広いですが、特にPC電源としての使用経験が豊富です。
日本の大手電機メーカーで、回路設計エンジニアとして約5年勤務。実使用と技術の両面から、信頼性の高い情報発信を心がけています。
ポタ電の失敗&後悔25選 ポタ電源の火災・事故・リコール情報
主な参照先:日本ポータブル電源協会/経済産業省/製品評価技術基盤機構


\ 2026/09/03公開 /



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ポータブル電源の事故件数はどう推移しているのか


まずは、ポータブル電源に関する事故が実際どのくらい増えているのか、公的機関のデータから見ていきましょう。
- NITEの統計に見る増加傾向
- リコール製品を使い続けるリスク
NITEの統計に見る増加傾向
NITE(独立行政法人 製品評価技術基盤機構)の「2024年度事故情報解析報告書」によると、ポータブル電源の事故は2017年度に初めて確認されました。2018年度以降は増加傾向が続いており、2015〜2024年度の集計でも右肩上がりの推移となっています。
2024年度の事故件数は42件に達しています(出典:NITE「2024年度事故情報解析報告書」)。なお、この42件は4月〜3月の「年度」集計で、後述する110件は1〜12月の「暦年(2020〜2024年)」集計のため、単純に足し引きできない点にご注意ください。



内訳を見ると、2020〜2024年の5年間に報告された1,860件のうち、約85%にあたる1,587件が火災事故だったとされています(出典:NITE「リチウムイオン電池搭載製品」の火災事故を防ぐ3つのポイント(2025年6月26日))。バッテリー類全体の事故も依然として多く、NITEは「リチウム電池搭載製品に関する事故が多発する傾向が続いている」と指摘しています。
便利で身近になったぶん、トラブルも増えてしまった、というのが正直なところかもしれませんね。
事故には季節的な傾向もあり、春から夏にかけて増加し、8月にピークを迎えることが報告されています。気温が上がるとバッテリーの温度も上がりやすくなるため、夏場は特に気をつけて使いましょう。
リコール製品を使い続けるリスク



ここで見逃せないデータをひとつ。消費者庁が2021年に出した注意喚起では、当時把握されていたポータブル電源事故のうち、約5割がリコール対象製品によるものだったとされています。
割合は時期によって変わりますが、「すでに『危険だから回収します』とメーカーが発表している製品が、そのまま使われ続けて事故を起こしている」という構図は、残念ながら今も変わっていません。
リコール情報は消費者庁のリコール情報サイトやNITEの「SAFE-Lite」で検索できますが、正直なところ日常的にチェックしている方は多くないでしょう。ここに大きな課題があります。後ほど詳しく触れますが、リコール製品の回収率が驚くほど低いケースもあるのです。
過去10年の主な事故・発火・リコール事例


ここからは、2017年から2026年にかけて実際に起きた事故やリコールを、時系列で見ていきます。
- 2017年〜2019年:黎明期のトラブル
- 2020年:Jackery 700の火災事故とパオック製品のリコール
- 2021年:横浜合同庁舎の火災と住宅火災
- 2022年〜2023年:EcoFlow EFDELTAの火災と大規模リコール
- 2024年:相次ぐリコールと新たな事故
- 2025年:糸島市の火災とリコール・回収の連続
- 2026年:EcoFlow RIVER ProとML720iの大規模リコール
- 海外の深刻な事例:HALO 1000とAeiusny
2017年〜2019年:黎明期のトラブル
ポータブル電源の普及がまだ始まったばかりの時期ですが、すでにNITEには事故情報が蓄積され始めていました。NITEの「2024年度事故情報解析報告書」によると、ポータブル電源の事故が初めて記録されたのは2017年度で、その後2018年度以降は増加傾向が続いています。
この時期はまだ市場規模が小さかったものの、品質管理が不十分なメーカーの製品が原因と見られるトラブルが、少しずつ報告されていたようです。



この時期はまだ市場参入直後のメーカーも多く、品質管理体制やアフターサポートが十分でないまま販売されていた製品も見受けられました。
サポート体制が弱いメーカーの製品は、万が一の際に手元に残った製品のサポートを受けられなくなるリスクがあります。
2020年:Jackery 700の火災事故とパオック製品のリコール
2020年11月、茨城県でJackery ポータブル電源 700の使用に関連して火災が発生し、製品および周辺が焼損、1名の方が軽傷を負われたという事故が報告されました。事故調査では、内蔵のリチウムイオン電池セルが異常発熱したことが原因と推定されています。
Jackery 700は防災推奨品マークを取得した製品でもあったため、「推奨品でも事故が起きることがあるのか」と不安を感じた方も少なくなかったようです。



Jackery 700については、リコール対象としての公表は確認できません。現在は販売終了となっています。
その後の新モデルでは安全機能が強化され、2022年発売のJackery 2000Proからはデュアルバッテリーチップを搭載したBMS(バッテリーマネジメントシステム)が採用されています。
同じ2020年11月には、株式会社テイーエムが製造するパオック ポータブル蓄電池「TK-500」「TK-1000」のリコール(無償交換)も実施されました。一部ロットにおいて発煙のおそれがあるとの理由で、対象製品の交換が行われています。
2021年:横浜合同庁舎の火災と住宅火災
2021年1月25日、横浜市中区にある横浜第二合同庁舎内の関東信越厚生局麻薬取締部横浜分室で火災が発生しました。報道によると、分室内で充電していたポータブル電源から出火した可能性があるとされ、消防車約40台が出動する大規模な対応となりました。消防局の調査では、ポータブル電源の内部から異常発熱した形跡が確認されたとのことです。
同年4月には横浜市内のマンション駐車場で車両火災が発生し、車内にポータブル電源が見つかったケースや、木造2階建て住宅から出火して2棟が全焼し、1階でポータブル電源を充電中だったというケースも報告されています。後者の火災では、就寝中だった男性がやけどを負われたと伝えられています。
充電しながら就寝する、いわゆる「ほったらかし充電」のリスクについて、改めて考えさせられる事例といえるでしょう。
2022年〜2023年:EcoFlow EFDELTAの火災と大規模リコール
EcoFlow Technology Japanが輸入・販売する「EFDELTA 1300-JP」は、人気の高い大容量ポータブル電源でしたが、2022年から2024年にかけて計7件の火災事故が報告されることとなりました。2022年には駐車場の車内で使用中に焼損する火災が発生し、2023年7月27日には茨城県で建物が全焼するという大変深刻な事故も起きています。



事故原因については、内蔵のリチウムイオン電池セルが異常発熱して出火した可能性が高いと推定されていますが、焼損が激しく、異常発熱に至った詳しい原因の特定には至っていないとのことです。
EFDELTAのリコールは、実は2段階に分かれています。まず2023年10月20日、2019年11月〜2020年1月に販売された一部ロット(対象1,000台)を対象に無償交換が始まりました。対応はEcoFlow DELTA 2への交換です。
この最初のリコールでは、対象1,000台に対して2024年6月24日時点での回収率がわずか1.6%にとどまっていたことが、消費者庁の公表資料からわかっています(出典:消費者庁 重大製品事故公表(2024年7月5日))。
その後2025年2月25日、対象範囲が2019年11月18日〜2023年4月30日に販売されたすべてのEFDELTA、合計29,000台に拡大されました。拡大後も2025年2月27日時点の回収率は6.0%にとどまっており、依然として多くの製品が使われ続けているとみられます(出典:経済産業省リコール公表資料)。
2段階目のリコールが発表されていることを知らないまま使い続けている方が、いまだに大多数という状況と思われます。メーカーのSNS公式アカウントでも、リコールに関する情報発信が十分ではなかったとの指摘もあるようです。
2024年:相次ぐリコールと新たな事故
2024年に入っても、ポータブル電源関連のリコールは止まりません。この年にリコール対象となった主なポータブル電源は以下のとおりです。
- 株式会社C&C「iRoomポータブル電源 ZXK-620」(2024年2月27日リコール/出火する重大事故)
- 株式会社テイーエム「パオック ポータブル蓄電池 AM-1000PTK」(2024年4月10日リコール/電池セル発火のおそれ)
- SUNVIC合同会社「SUPAREE / SUNVIC ポータブル電源」(2024年11月15日リコール/火災事故3件)
- 株式会社テイーエム「パオック ポータブル蓄電池 Battery CUBE」(2024年12月20日リコール/電池セル発火のおそれ)
消費者庁からは、ポータブル電源による重大製品事故の公表が複数回にわたって行われ、4月16日に9件、7月5日に17件、9月3日に16件の重大製品事故がそれぞれ報告されています(各回の件数はポータブル電源以外の製品も含む合計)。
2025年:糸島市の火災とリコール・回収の連続
2025年7月29日、福岡県糸島市の加布里コミュニティセンターで火災が発生しました。消防の調査により、会議室で24時間常時充電の状態だったリチウムイオン電池の災害用電源が火元と断定されました。建物が焼損するという深刻な被害でしたが、幸い人的被害はなかったと報じられています。防災備蓄用として置いていたポータブル電源が逆に火災の原因になった事例として、大きな注目を集めました。
この年にリコール対象または回収が発表された主な製品は以下のとおりです(ポータブル電源のみを抜粋)。
- EcoFlow Technology Japan「EFDELTA」(2025年2月25日リコール更新/対象29,000台)
- 株式会社イーノウ・ジャパン「EENOUR ポータブル電源 P5000PRO / F4000」(2025年10月9日リコール/一部ロットが品質基準未達)



なお、同年Anker(アンカー)ではモバイルバッテリーや充電式スピーカーを対象とした大規模な回収・リコールが相次ぎましたが、これらはポータブル電源ではなく別カテゴリの製品です。
ただ、同一ブランドの製品であっても、カテゴリが異なれば安全管理の課題も別の問題として起きうる、ということを示す事例といえます。
2026年:EcoFlow RIVER ProとML720iの大規模リコール
2026年に入っても、ポータブル電源のリコールは続いています。
2026年2月5日、EcoFlow Technology Japanが「EcoFlow RIVER Pro」および「EcoFlow RIVER Pro 専用エクストラバッテリー」のリコールを発表しました(出典:経済産業省 製品別リコール情報)。セルの異常発熱による火災事故が多発したことが理由で、対象台数はEcoFlow RIVER Proが57,000台、専用エクストラバッテリーが6,600台。対応策はファームウェアアップデートです。
2026年4月1日には、株式会社Willbe(旧:三菱重工メイキエンジン)が「ポータブル電源 ML720i」のリコールを発表しました(出典:経済産業省 製品別リコール情報)。本製品はEcoFlow Technology JapanからOEM供給を受け、三菱重工メイキエンジンブランドで販売されていたもので、対象台数は6,030台。長時間の使用によるバッテリー劣化で発煙・発火に至るおそれがあるとして、製品を回収しファームウェアアップデート後に返却する対応が実施されています。



EcoFlow RIVER Proは2020〜2024年、ML720iは2021年に販売されたモデルです。数年前に購入してそのまま使い続けている方が多い可能性があります。
お持ちの方は、経産省のリコール情報または各メーカーの公式サポートページを確認して、必ず対応状況を確かめてみてください。
消費者庁は2026年6月5日、6月26日、7月22日、8月18日、9月4日と、その後もたびたびポータブル電源(リチウムイオン)を含む重大製品事故を公表しています。ただし、これらはその回に公表されたすべての重大製品事故の件数(7月22日は19件、8月18日は12件、9月4日は24件)であり、ポータブル電源以外の製品も多く含まれている点に注意してください。
7月22日の公表分では、19件のうち1件が、Willbeがリコール中のML720iに関するものでした。2026年7月3日、群馬県の事務所で当該製品を充電中に火災報知器が鳴動し、製品および周辺を焼損する火災が発生。消費者庁への報告は7月17日で、7月22日時点では出火原因は調査中、4月のリコール理由との関連も分かっていないとされています(出典:消費者庁 重大製品事故公表(2026年7月22日))。
8月18日の公表分(12件)には、EcoFlow Technology Japanが輸入したリコール対象のポータブル電源2件(EFDELTAの無償交換、RIVER Proのファームウェアアップデート)に加え、別のポータブル電源1件も含まれています。9月4日の公表分(24件)にもポータブル電源が1件含まれています。2026年に入ってもリコール製品が引き起こす事故は後を絶たない状況です。
海外の深刻な事例:HALO 1000とAeiusny
国内の事例だけでなく、海外でも深刻な事故が報告されています。アメリカで販売されていたHALO 1000 Portable Power Stationでは、2022年6月にフロリダ州において、ご高齢の男性が煙の吸入により死亡するという大変痛ましい事故が発生しました。2024年8月29日に約5,740台を対象とするリコールが実施されています(出典:米国CPSC)。
また、中国のShenzhen Yuanzhao E-Commerce Co., Ltd.が製造するAeiusnyブランドのポータブル電源(400W/500W)では、24件の火災・爆発事故が報告され、3件で煙の吸入や火傷による負傷者が出たとされています。被害総額は約45万ドルにのぼるとされ、メーカーが米国CPSC(消費者製品安全委員会)の対応要請に応じなかったため、2025年9月に使用中止警告が発出されるという事態に至りました。
サポート先が不明な製品では、事故後に連絡を取ることができず、リコール対応も受けられないリスクがあります。販売価格だけを見て選ぶことの危険性を、これらの事例は示しています。
なぜポータブル電源の事故は起きるのか


事故の背景には、リチウムイオン電池ならではの仕組みや、日本の法制度の隙間が関係しています。ひとつずつ見ていきましょう。
- リチウムイオン電池の「熱暴走」メカニズム
- 事故の主な原因パターン
- ポータブル電源が「電気用品安全法の対象外」であるという問題
リチウムイオン電池の「熱暴走」メカニズム
ポータブル電源の事故を理解するには、その心臓部であるリチウムイオン電池の特性を知っておく必要があります。リチウムイオン電池は、内部に可燃性の電解液を含んでおり、何らかの原因で内部温度が異常に上昇すると、「熱暴走」と呼ばれる連鎖的な化学反応が起こります。



これは、電池内部の温度が上がる → 化学反応が加速する → さらに温度が上がる、というサイクルが止められなくなる現象で、最終的に発火や爆発に至る可能性があります。
ポータブル電源には通常、BMS(バッテリーマネジメントシステム)と呼ばれる制御システムが搭載されており、電圧・電流・温度を常時監視して異常を検知すると自動的に保護回路を作動させます。


しかし、何らかの「きっかけ」でBMSの制御を超えた事態が生じると、事故に至ってしまうのです。
事故の主な原因パターン
過去の事故事例を分析すると、いくつかの典型的なパターンが浮かび上がってきます。



過去の事故事例を見ると、充電中に発生した火災事故も複数報告されています。過充電や、充電中に本体が高温になる環境に置かれていたケースなど、特に異常が生じた状態で充電を続けることには注意が必要です。
就寝中の充電や、直射日光が当たる場所での充電は特にリスクが高いといえるでしょう。糸島市の火災事例でも、24時間常時充電の状態だった製品が消防調査で火元とされています。
次に多いのが、内部短絡(ショート)によるものです。これは、電池内部の正極と負極を隔てるセパレータが損傷し、直接接触してしまうことで起こります。



落下などの物理的な衝撃が内部短絡のきっかけになることがあるほか、製造段階での不純物混入が原因となる場合もあります。
また、経年劣化も見落とせない要因です。充放電を繰り返すことで進む「通電劣化」と、使用しなくても時間とともに進む「経時劣化」の両方がバッテリーの性能を低下させます。EcoFlow RIVER ProやML720iのリコールでも「長時間の使用によるバッテリー劣化」が発煙・発火の原因として挙げられており、長く使い続けた製品には特段の注意が必要です。



高温環境での保管はこの劣化を加速させるため、夏場の車内への放置は特に避けるべきです。
夏場の車内温度は1時間ほどで50℃を超えることもあるとされており、バッテリーにとっては過酷すぎる環境といえます。「電源をオフにしているから大丈夫」という思い込みは禁物で、オフ状態でも高温による劣化や発火のリスクはゼロではありません。
ポータブル電源が「電気用品安全法の対象外」であるという問題
意外と知られていないのですが、ポータブル電源は日本の電気用品安全法(PSE法)の規制対象外です。モバイルバッテリー(直流出力のみ)は2018年の通達改正を経て2019年2月から規制対象になりましたが、交流(AC)を出力できるポータブル電源は「モバイルバッテリーとは制度上の区分が異なる」とされ、PSE法の網にかかっていません(出典:経済産業省 モバイルバッテリーに関するFAQ)。



つまり、日本で購入できるからといって安全性が保証されているわけではない、ということです。
製品に付いているPSEマークは、多くの場合、付属のACアダプター部分に対するものであり、ポータブル電源本体に対するものではありません。
この点は多くの消費者が誤解しているところでもあります。
この状況に対し、経済産業省は2023年にポータブル電源の安全性に関する検討会を立ち上げ、2024年2月に「ポータブル電源の安全性要求事項(中間とりまとめ)」を策定しました。そしてこの安全性要求事項は、2024年6月3日にSマーク認証の追加基準として採用されています(出典:JQA Sマーク追加基準制定のお知らせ)。Sマークは第三者認証機関による安全認証であり、法的な義務ではありませんが、今後の製品選びにおいてひとつの目安となるでしょう。
2024年11月には「一般社団法人 日本ポータブル電源協会(JPPSA)」が設立され、2025年に入ってから主要メーカーによる参画発表が相次ぎ、業界を挙げた安全性向上の取り組みが本格的に始まっています。2026年現在、JPPSAには正会員としてアンカー・ジャパン、EcoFlow Technology Japan、エレコム、JVCケンウッド、Jackery Japan、BLUETTI JAPANの6社が名を連ね、賛助会員の株式会社ポスタリテイトを含めた計7社体制に拡大しています。
同協会はアンカー・ジャパンを代表理事とし、入会審査基準として国際安全基準「IEC62368-1」を採用。令和8年度内(2027年3月末まで)を目標にポータブル電源専用のJIS規格の制定を目指すと表明しています(出典:Impress Watch「ポータブル電源にJIS規格、安全対応強化へ」)。規制の整備は道半ばですが、着実に前進しているといえそうです。
三元系とリン酸鉄リチウムイオン電池、安全性はどう違う?


ポータブル電源に使われる電池には主に2つのタイプがあり、それぞれ安全性の傾向が異なります。順番に見比べてみましょう。
- 三元系リチウムイオン電池の特徴とリスク
- リン酸鉄リチウムイオン電池(LFP)が選ばれる理由
- どちらを選ぶべきか
三元系リチウムイオン電池の特徴とリスク



従来のポータブル電源に多く使われてきたのが、三元系リチウムイオン電池(NMC)です。ニッケル・マンガン・コバルトの三元素を正極材料に使用しており、エネルギー密度が高く、小型・軽量な製品を作りやすいという利点があります。
一方で、三元系リチウムイオン電池は一般にリン酸鉄系(LFP)よりも熱安定性が低く、高温環境や過充電・経年劣化などの条件が重なると熱暴走が起きやすいリスクがあるといわれています。前述のEcoFlow EFDELTA、EcoFlow RIVER Pro、ML720i、Jackery 700などの事故当時に使われていたのも、この三元系バッテリーでした。
リン酸鉄リチウムイオン電池(LFP)が選ばれる理由
近年、多くのメーカーが新モデルで採用を進めているのが、リン酸鉄リチウムイオン電池(LiFePO4/LFP)です。一般に三元系よりも熱安定性が高く、熱暴走が起こりにくいとされています。
サイクル寿命(充放電を繰り返せる回数)も大幅に優れており、三元系が500〜1,000回程度であるのに対し、リン酸鉄は3,000回以上のサイクル寿命を持つ製品も珍しくありません。さらに、正極材料にコバルトなどのレアメタルを使用しないため、環境負荷が低いという側面もあります。



ただし注意しておきたいのは、リン酸鉄リチウムイオン電池だからといって100%安全とは言い切れないということです。
安価な素材や不十分な品質管理のもとで製造されたリン酸鉄バッテリーであれば、当然リスクは残ります。
ポータブル電源の安全性は、バッテリーの種類だけでなく、本体全体の設計品質・BMS性能・製造管理体制といった総合力で決まるものです。
どちらを選ぶべきか
結論としては、これから新たにポータブル電源を購入するのであれば、リン酸鉄リチウムイオン電池を搭載したモデルを選ぶのが無難です。
現在はJackeryのPlusシリーズ、EcoFlowのRIVER 3シリーズ、AnkerのSolixシリーズ、BLUETTIのAORAシリーズなど、主要メーカーの現行ラインナップはリン酸鉄が主流になりつつあります。容量帯によってラインナップが分かれているので、価格比較ページで気になるモデルを見比べてみるのもおすすめです。
もちろん三元系の製品がすべて危険というわけではありません。しっかりしたBMSと安全設計が施された三元系製品も存在します。ただ、安全性と長寿命を重視するなら、リン酸鉄モデルの優位性は明らかです。初期費用がやや高くなる場合でも、長い目で見ればコストパフォーマンスに優れるケースが多いでしょう。
国内の主なポータブル電源リコール一覧





ここで、ポータブル電源に関する主なリコール情報をまとめておきます(出典:経済産業省 リチウム電池使用製品リコール情報)。お手持ちの製品が該当していないか、ぜひ確認してみてください。
- 経済産業省が公表しているリコール情報
- 事故が報告されているがリコール未実施の主な製品
経済産業省が公表しているリコール情報
2026年にリコールが実施されたポータブル電源
- 株式会社Willbe(旧:三菱重工メイキエンジン)「ポータブル電源 ML720i」リコール日:2026年4月1日/販売期間:2021年4月〜2021年9月/対象台数:6,030台/理由:長時間の使用によりバッテリー劣化に起因する異常な発煙・発火のおそれがあるため/対応:製品回収+ファームウェアアップデート後に返却/問い合わせ先:株式会社Willbe(案内ページ)
- EcoFlow Technology Japan「EcoFlow RIVER Pro / EcoFlow RIVER Pro 専用エクストラバッテリー」(型番:EFRIVER600PRO-JP / EFRIVER600PRO-EB-JP)リコール日:2026年2月5日/販売期間:2020年11月〜2024年4月/対象台数:RIVER Pro 57,000台、専用エクストラバッテリー 6,600台/理由:セルの異常発熱による火災事故が多発したため/対応:ファームウェアアップデート(製品を送付してアップデート)/問い合わせ先:050-3355-3196
2025年にリコールが実施・更新されたポータブル電源
- EcoFlow Technology Japan「EFDELTA」(型番:4897082661221)リコール更新日:2025年2月25日/販売期間:2019年11月18日〜2023年4月30日/対象台数:29,000台(2023年10月開始の一部ロット向けリコールを、全数対象に拡大したもの)/理由:火災事故が発生したため/対応:DELTA 2への無償交換/問い合わせ先:EFDELTA製品リコール窓口(電話:050-3090-2966)
- 株式会社イーノウ・ジャパン「EENOUR ポータブル電源」(型番:P5000PRO/F4000黒/F4000緑)リコール日:2025年10月9日/対象台数:計144台/理由:発火事故の調査の結果、一部ロットが品質基準未達と判明/対応:無償点検・アップグレード、または回収・返金
2024年にリコールが実施されたポータブル電源
- 株式会社テイーエム「パオック ポータブル蓄電池 Battery CUBE」リコール日:2024年12月20日/理由:電池セルより発火するおそれがあるため/対応:回収・返金
- SUNVIC合同会社「SUPAREE ポータブル電源 および SUNVIC ポータブル電源」リコール日:2024年11月15日/理由:3件の火災事故が発生、今後も同様の事故が起こりうる可能性が高い/対応:回収・返金
- 株式会社テイーエム「パオック ポータブル蓄電池」(型番:AM-1000PTK)リコール日:2024年4月10日/理由:使用状況により電池セルから発火のおそれがあるため/対応:回収・返金/問い合わせ先:0120-73-4889
- 株式会社C&C「iRoomポータブル電源」(型番:ZXK-620)リコール日:2024年2月27日/理由:製品から出火する重大製品事故が発生したため/対応:無償交換/問い合わせ先:recall@candc-kobe.jp
2023年にリコールが実施されたポータブル電源
- EcoFlow Technology Japan「EFDELTA」(型番:EFDELTA 1300-JP)リコール公表日:2023年10月20日/販売期間:2019年11月〜2020年1月/対象台数:1,000台(一部ロット)/理由:内蔵リチウムイオン電池に不備があり、火災に至る重大事故が発生/対応:DELTA 2への無償交換
2020年にリコールが実施されたポータブル電源
- 株式会社テイーエム「パオック ポータブル蓄電池」(型番:TK-500/TK-1000)リコール日:2020年11月11日/理由:一部ロットにおいて発煙するおそれが判明したため/対応:無償交換/問い合わせ先:0120-73-4889
事故が報告されているがリコール未実施の主な製品
正式なリコール対象にはなっていないものの、NITEや消費者庁の事故情報データバンクで事故報告が確認されている製品もあります。
- メイヤンパワー新エネルギー有限公司「ポータブル電源」(型番:PS5Bほか)事故情報データバンクに複数の事故報告あり。輸入事業者が不明で措置が取れないケースもあり
- 株式会社SUNGA「ポータブル電源」事故情報データバンクに複数の事故報告あり
- 株式会社アイパー・ジャパン「ポータブル電源」事故情報データバンクに複数の事故報告あり
- Jackery「ポータブル電源 700」(2019年発売、現在は販売終了)2020年に茨城県で火災事故が1件報告。リコール対象としての公表は確認できません
このほかにも、ネット通販で購入した製品で輸入事業者が不明なため措置が取れないという事例も多く報告されています。リコール情報は随時更新されるため、消費者庁リコール情報サイトやNITE SAFE-Liteで定期的に確認する習慣を持つことをおすすめします。
ポータブル電源の事故を防ぐための対策


ここからは、事故を防ぐために「買う前」と「買ったあと」それぞれで気をつけたいポイントをまとめました。
- 購入前にチェックすべきポイント
- 購入後の正しい使い方と保管方法
- もし発火してしまったら
購入前にチェックすべきポイント



安全なポータブル電源を選ぶためには、購入前の情報収集が何より大切です。以下のポイントを意識してみてください。
まず、サポート先がはっきりしている製品を選ぶこと。公式サイトがきちんと運営されているか、日本語のサポート窓口があるか、連絡先(電話番号や住所)が実在するかを確認しましょう。サポート先が不明な製品では、事故後に対応を受けられないリスクがあります。
次に、購入を検討している製品が過去にリコールや事故報告の対象になっていないかを調べましょう。消費者庁の事故情報データバンクシステムやNITE SAFE-Liteで型番やメーカー名を検索できます。同一メーカーの他製品で事故が起きていないかも併せてチェックするとより安心です。
バッテリーの種類も重要な判断材料です。一般にリン酸鉄リチウムイオン電池(LFP)搭載モデルは三元系よりも熱安定性が高いとされています。ただし、電池の種類だけで安全性が決まるわけではなく、BMS(バッテリーマネジメントシステム)の充実度や、メーカーの安全対策への取り組み姿勢も総合的に確認しましょう。
購入後の正しい使い方と保管方法



購入した後も、正しい使い方を心がけることで事故のリスクを大幅に下げることができます。
最も大切なのは、充電中は定期的に様子を確認することです。就寝中や外出中の長時間充電はできるだけ避け、充電は目の届く場所で行いましょう。糸島市の火災のように、24時間常時充電の状態で放置するような使い方は特に危険です。異常な発熱、変な音、焦げたような匂いを感じたら、すぐに充電を中止してください。
高温環境での使用・保管も厳禁です。真夏の車内、直射日光が当たる窓際、暖房器具のそばなどは避けましょう。また、布団やクッション、衣類の上での充電も熱がこもりやすく危険です。風通しの良い平らな場所で充電するのが基本です。
強い衝撃を与えないことも重要です。落下や強い振動によって内部のバッテリーが損傷し、内部短絡を起こす可能性があります。持ち運びの際は丁寧に扱い、車載時もしっかり固定しておきましょう。
長期間使用しない場合は、満充電や完全放電のまま長期間放置せず、メーカーの取扱説明書で指定されているバッテリー残量・点検頻度に従って保管しましょう。製品によっては50〜60%前後での保管や、数か月ごとの残量確認が推奨されています。残量が0%のまま長期間放置すると過放電による劣化が進み、逆に100%のまま放置しても電池にストレスがかかる点は共通しています。
もし発火してしまったら



万が一、ポータブル電源から煙や炎が出た場合は、まず無理に近づかず、周囲に知らせて119番通報と避難を優先してください。
初期段階で安全に対応できる場合に限り、大量の水で冷却・消火します。NITEも「万が一発火した場合は大量の水で消火し、可能な限り水没させた状態で119番通報する」ことを案内しています。
煙や炎が噴き出している場合は製品を動かそうとせず、消防の到着を待つことが最優先です(出典:NITE「ポータブル電源 リコール製品に注意」)。
ポータブル電源には可燃性の電解液を含むリチウムイオン電池が複数搭載されており、一度発火すると次々に延焼する危険があります。消火できない場合は無理をせず、速やかに避難してください。安全が最優先です。
信頼できるメーカーと安全性への取り組み





ポータブル電源市場では、安全性を差別化ポイントとして強化するメーカーが増えてきています。ここでは、代表的なメーカーの取り組みを紹介します。
- 主要メーカーの安全対策
- 安全認証の確認ポイント
主要メーカーの安全対策
Jackery(ジャクリ)は、2022年以降の新モデルでデュアルバッテリーチップBMSを採用し、片方のチップに障害が発生してもバックアップが機能する二重安全設計を導入しています。新しいPlusシリーズではリン酸鉄リチウムイオン電池に移行し、ユーザー登録による最長5年間の保証や無償回収サービスも提供されています。


Plusシリーズの現行モデルは、たとえばJackery 600 Plusなどがあり、中容量クラスの比較ページで価格やスペックを見比べられます。
EcoFlow(エコフロー)は、RIVER 2シリーズ以降(現行はRIVER 3シリーズ)でリン酸鉄リチウムイオン電池を採用しています。
EFDELTA・RIVER Pro・ML720i(OEM)と複数のリコール対応が続いていますが、いずれのケースでもファームウェアアップデートや製品交換による対応が実施されました。EcoFlow製品をお持ちの方は、メーカーの公式サポートページを定期的に確認することをおすすめします。


現行モデルのEcoFlow RIVER 3 Maxも中容量クラスの比較ページでチェックできます。
Anker(アンカー)は、EVクラスのリン酸鉄リチウムイオン電池を採用したSolixシリーズを展開しています。2026年1月13日には、Anker Solix C1000 Gen 2が、ポータブル電源として業界で初めてSマーク認証を取得したと発表されました(出典:アンカー・ジャパン公式ニュースリリース)。
なお、Sマーク表示の対象となるのは2026年春頃以降に製造される仕様の製品とされており、現在流通しているすべての在庫に表示があるわけではない点には注意してください。
2024年から2026年にかけてモバイルバッテリーや充電式スピーカーなどのリコール対応が断続的に続いていますが、これらはポータブル電源本体とは別カテゴリの製品です。


人気のAnker Solix C1000 Gen2など、1000Wh級クラスの比較ページで他モデルとあわせて確認できます。
BLUETTI(ブルーティ)は、早くからリン酸鉄リチウムイオン電池を採用してきたメーカーのひとつで、幅広いラインナップを展開しています。


BLUETTI AORA 200をはじめ、2000Wh級クラスの比較ページでラインナップを見比べられます。
安全認証の確認ポイント
ポータブル電源を選ぶ際に確認したい安全認証をまとめておきましょう。
PSEマーク:ポータブル電源本体は対象外ですが、付属のACアダプターにはPSEマークが必要です。これが付いていない場合は要注意です。
Sマーク:第三者認証機関による電気製品の安全認証制度です。2024年6月3日に「ポータブル電源に係るSマーク追加基準」が制定され、JIS C 62368-1と経済産業省の「ポータブル電源の安全性要求事項」などをもとに認証が行われるようになりました。法的義務ではありませんが、安心材料のひとつになります。2026年1月には、ポータブル電源として業界で初めてSマーク認証を取得した製品も登場しました。
UL認証・UL規格適合:米国系の安全規格・認証です。どのUL規格に適合しているか、また本体・ACアダプター・バッテリーセルのどこが対象なのかは製品ごとに異なります。単に「UL」と書かれているだけでなく、対象範囲まで確認できるとより安心です。
防災推奨品マーク:一般社団法人防災安全協会が認定する、防災用品の目安として設けられたものです。防災用途としての適性を審査した認定であり、発火リスクを直接保証する電気安全認証とは異なりますので、あくまで参考のひとつとして捉えてください。
ポータブル電源の火災・事故についてよくある質問
最後に、ここまでの内容と重なる部分も含めて、よくある疑問を5つにまとめました。
- ポータブル電源は火災になることがありますか?
- リン酸鉄リチウムイオン電池なら発火しませんか?
- ポータブル電源本体にPSEマークは必要ですか?
- 自分のポータブル電源がリコール対象か調べる方法は?
- ポータブル電源から煙や異臭が出たらどうすればいい?
ポータブル電源は火災になることがありますか?
はい、実際に発生しています。NITEの最新の注意喚起では、2021〜2025年の5年間にリチウムイオン電池搭載製品全体で2,140件の事故が報告されており、そのうちポータブル電源単体では、ひとつ前の集計(2020〜2024年)で110件でした。ただし、正しい製品選びと正しい使い方を心がければ、リスクは大幅に下げられると考えられます。
リン酸鉄リチウムイオン電池なら発火しませんか?
リン酸鉄リチウムイオン電池(LFP)は、一般に三元系よりも熱安定性が高く、熱暴走が起こりにくいとされています。ただし100%安全というわけではありません。電池の種類だけでなく、BMSの性能や本体の設計品質、製造管理体制もあわせて確認することが大切です。
ポータブル電源本体にPSEマークは必要ですか?
ポータブル電源本体は、電気用品安全法(PSE法)の規制対象外です。PSEマークは、多くの場合付属のACアダプター部分に対して表示されているもので、本体そのものの安全性を示すものではありません。本体の安全性を見る目安としては、Sマークなどの第三者認証が参考になります。
自分のポータブル電源がリコール対象か調べる方法は?
消費者庁のリコール情報サイトや、NITEの「SAFE-Lite」で、お使いの製品の型番やメーカー名を検索できます。数か月に一度、定期的に確認する習慣をつけておくと安心です。
ポータブル電源から煙や異臭が出たらどうすればいい?
まず無理に近づかず、周囲に知らせて119番通報と避難を優先してください。初期段階で安全に対応できる場合に限り、大量の水で冷却・消火します。煙や炎が噴き出している場合は製品を動かそうとせず、消防の到着を待つことが最優先です。
まとめ:正しく知って、正しく選ぶ
最後に、この記事のポイントをふり返っておきましょう。
- 事故を「怖がる」のではなく「備える」
- 参考情報・出典リンク集
事故を「怖がる」のではなく「備える」
ここまで、過去10年間のポータブル電源にまつわる事故・発火・リコール事例を見てきました。増加傾向にある事故件数や、建物全焼・人的被害といった深刻な事例に触れると、「やっぱりポータブル電源は危ないのでは」と思われるかもしれません。
しかし、冷静に見れば、事故の多くには明確な原因や背景があるようです。品質管理が不十分な製品を選んでしまったケース、リコール情報を知らずに使い続けていたケース、高温環境で充電していたケース。逆に言えば、正しい製品選びと正しい使い方を心がければ、リスクは大幅に低減できると考えられます。



ポータブル電源は、災害大国である日本において、家庭の防災力を高める頼もしい存在です。キャンプや車中泊の楽しみを広げてくれるパートナーでもあります。その恩恵を安心して受けるために、ぜひこの記事の内容を参考にしていただければ嬉しく思います。
これから購入を検討している方は、最新モデルの価格比較ページで、リン酸鉄リチウムイオン電池を採用した現行モデルを、容量・価格・スペックから比較してみるのもおすすめです。ご自身の使い方に合った一台を、じっくり選んでみてください。
最後にもう一度。お手持ちのポータブル電源がリコール対象になっていないか、今すぐ確認してみてください。消費者庁リコール情報サイト(https://www.recall.caa.go.jp/)と、NITE SAFE-Lite(https://safe-lite.nite.go.jp/)で簡単に調べることができます。
その小さな確認が、大きな安心につながります。
参考情報・出典リンク集
公的機関・政府系情報
- NITE「『夏バテ(夏のバッテリー)』にご注意を」(2026年7月15日、2021〜2025年の2,140件を公表)
- NITE「2025年度事故情報収集・解析報告書」(2026年5月27日公表)
- NITE「2024年度事故情報解析報告書」(PDF、ポータブル電源2024年度42件の出典)
- NITE(製品評価技術基盤機構)「リチウムイオン電池搭載製品」の火災事故を防ぐ3つのポイント(2025年6月26日、2020〜2024年の1,860件を公表)
- NITE プレスリリース資料「夏バテ(夏のバッテリー)にご用心」(PDF)
- NITE 注意喚起「ポータブル電源 リコール製品に注意」
- NITE SAFE-Lite(製品事故情報検索システム)
- 経済産業省「ポータブル電源の安全性要求事項(中間とりまとめ)について」
- 経済産業省「モバイルバッテリーに関するFAQ」
- 経済産業省「リチウム電池使用製品リコール情報」
- 経済産業省「製品別リコール情報 EcoFlow RIVER Pro」(2026年2月5日)
- 経済産業省「製品別リコール情報 ポータブル電源 ML720i」(2026年4月1日)
- 消費者庁 リコール情報サイト
- 消費者庁 重大製品事故公表(2024年4月16日)
- 消費者庁 重大製品事故公表(2024年7月5日)
- 消費者庁 重大製品事故公表(2024年9月3日)
- 消費者庁 重大製品事故公表(2026年6月5日)
- 消費者庁 重大製品事故公表(2026年6月26日)
- 消費者庁 重大製品事故公表(2026年7月22日)
- 消費者庁 重大製品事故公表(2026年8月18日)
- 消費者庁 重大製品事故公表(2026年9月4日)
- 消費者庁 事故情報データバンクシステム
安全認証・業界団体
- JQA(日本品質保証機構)Sマーク認証「ポータブル電源に係るSマーク追加基準」制定のお知らせ
- アンカー・ジャパン「ポータブル電源が業界で初めてSマーク認証を取得」(2026年1月13日)
- 一般社団法人 日本ポータブル電源協会(JPPSA)公式サイト
- Impress Watch「ポータブル電源にJIS規格、安全対応強化へ」(2025年10月)






















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関連リンク





