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環境省「クマ類の出没対応マニュアル」|国の熊対応の方針

環境省「クマ類の出没対応マニュアル」(現行は2021年改定版)の要点を、自治体の担当者にも一般の方にもわかる言葉でまとめました。2026年9月時点の出没・人身被害データ、緊急銃猟制度、2026年4月改定のガイドライン、8月公表の熊撃退スプレー推奨要件まで反映し、クマに出会ったときの身の守り方も紹介します。

※最終更新:2026年9月29日|統計値は環境省が2026年9月9日に更新した速報値をもとにしています。今後修正される可能性があります。この記事は環境省などの一次資料を確認したうえで更新しています。実際の運用は地域ごとに異なるため、最終判断はお住まいの都道府県の計画・通知で確認してください。

令和7年度(2025年度)は、クマの出没が50,801件、人身被害が238人(うち死亡13人)と、どちらも過去最悪になりました。2026年度に入っても勢いは衰えず、4〜7月の出没は17,362件と前年同期の約1.4倍、8月末までに6人が亡くなっています(いずれも環境省速報値。出没件数は北海道を除く都府県の合計)。

[ まず押さえたい3つのこと ]

  • 寄せつけない:生ごみや放置された果実を片付け、クマを人里に呼ばない
  • 出会わない:出没情報を確認し、山では音を出して人の存在を知らせる
  • 出会ったら走らない:ゆっくり離れ、至近距離なら顔と頭を守ってうつ伏せに(詳しくは5章)

この記事でわかること:

  • 2025〜2026年度のクマ出没・人身被害の最新データ
  • クマが出たときに自治体・地域が動く順番
  • 住民がクマに出会ったときの身の守り方
  • 緊急銃猟制度・改定ガイドライン・熊撃退スプレー推奨要件など国の最新方針
  • 掲示板や回覧板にそのまま使える住民向けテンプレ
熊撃退スプレーの使用テストの管理人Masaki T
所有する熊撃退スプレー フロンテァーズマンとUDAP

名前:Masaki T [ profile ]
経歴:北海道出身、登山歴15年以上。関東の大型の登山用品店で約4年間の勤務を経験。熊撃退スプレーを家族分の2本所有(フロンテァーズマン,UDAP)し、出没リスクの高い地域では携行。自分自身も勉強しつつ適正な情報発信を心がけています

日本の熊研究機関:日本クマネットワーク(JBN)/日本熊森協会/知床財団/信州ツキノワグマ研究会

お知らせ(2026/09/29)
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目次

目次

1. 環境省のクマ類出没対応マニュアルとは?

1. マニュアルの目的と基本的な考え方

「クマ類の出没対応マニュアル」は、環境省が主に自治体の担当者向けにまとめた実務の手引きです。2007年に最初の版がつくられ、2021年(令和3年)3月に14年ぶりに改定されました。市街地への出没や人身被害の事例、クマに出会ったときの行動など、一般の方にも役立つ内容が含まれています。

現在公開されている公式マニュアルは2021年改定版です。2026年9月時点で新しい版はまだ出ていませんが、環境省は2026年度に「クマ出没対応マニュアル改定等業務」を発注しており、改定作業が進められています。この記事では2021年版を土台に、その後の制度改正や最新データを補って解説します。

マニュアルのねらいは、人の命や農作物を守りながら、クマという野生動物とも折り合いをつけていくことです。そのための土台になるのがゾーニング(すみ分け)で、「人が暮らす場所ではクマを寄せつけない」「クマがすむ森ではクマを尊重する」という2つの線引きをします。

対応は一気に捕獲へ進むのではなく、エサになるものを片付ける・追い払うといった手段から、必要に応じた捕獲までを状況に合わせて使い分けます。 <出典: 環境省|クマ類の出没対応マニュアル(全文PDF)/環境省|クマ類の出没対応マニュアルの改定について/環境省|入札公告一覧(役務・令和8年度)>

ただし、2025年の大量出没を受けて国の方針は大きく変わりました。2026年4月に改定された「特定鳥獣保護・管理計画作成のためのガイドライン(クマ編)令和8年度版」では、これまでの「個体数を維持・増加」させる考え方から、「維持・減少」も含めた管理へとはっきり舵が切られています。

市街地や農地などは「排除エリア」としてまとめられ、そこに出てきたクマは問題個体として原則捕殺の対象に。その外側には「管理強化エリア」が新しく設けられました。2021年版マニュアルとの主な違いを表にまとめます。 <出典: 環境省|特定鳥獣保護・管理計画ガイドライン(クマ編)令和8年度版改定について(2026年4月)>

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項目2021年改定版マニュアル2025〜2026年の最新方針
個体数の考え方維持・増加が基本維持・減少も含めた管理へ(2026年4月ガイドライン)
ゾーニングコア生息地・緩衝地帯・防除地域・排除地域生活圏側を「排除エリア」「管理強化エリア」に再編
市街地での銃の使用警察官職務執行法などによる例外的な対応市町村長の判断による「緊急銃猟」(2025年9月施行)
国の数値目標なし2030年度までのロードマップで捕獲目標・体制目標を設定
熊撃退スプレー携帯をすすめる性能の推奨要件を国が初めて公表(2026年8月)

2. クマ被害はいまどうなっている?2026年の最新状況

2025年度は「過去最悪」の記録ずくめの1年でした。そして2026年度も、春から夏にかけて前年を上回るペースで出没が続いています。環境省の速報値(2026年9月9日更新)をもとに、数字で振り返ってみましょう。

  • 2025年度の出没は過去最多:50,801件(北海道を除く都府県の合計)。
    前年度(20,513件)の約2.5倍で、10月だけで約1万6千件というかつてない数字でした。
  • 2025年度の人身被害も過去最悪:216件・238人、うち13人が死亡。
    それまで最多だった2023年度(219人、死亡6人)を大きく上回りました。
    秋田県67人、岩手県40人、福島県24人と東北に集中し、東北6県だけで全体の約3分の2を占めています。
  • 2025年度の捕獲数も最多:許可捕獲は14,741頭(ツキノワグマ12,602頭、ヒグマ2,139頭)。
    このうち14,618頭が捕殺されました。
  • 2026年度は春から高水準:4〜7月の出没は17,362件で、前年同期(12,716件)の約1.4倍。
    人身被害は8月末までに56件・60人、うち死亡6人(岩手県3人、青森・秋田・山形県で各1人)です。
    捕獲数も7月末で3,363頭にのぼります。
  • 今秋の見通し:東北森林管理局の予測では、2026年秋のブナの実は岩手・宮城・秋田・山形で「豊作」、青森で「並作」。
    専門家からは、2025年のような大量出没は考えにくい一方、人里の食べ物を覚えた個体が散発的に出てくる可能性があるとの指摘もあり、油断は禁物です。

出没が増えた背景には、クマの数と生息域の広がり、山あいの過疎化・高齢化で人の気配が薄れたこと、耕作放棄地の増加、放置された柿や栗・生ごみといった誘引物、そして人に慣れた個体の増加など、いくつもの要因が重なっていると考えられています。 <出典: 環境省|クマの出没情報(速報値・PDF)/ 環境省|クマによる人身被害(速報値・PDF)/ 環境省|クマの許可捕獲数(速報値・PDF)/ 林野庁 東北森林管理局|ブナ開花・結実調査>

3. ふだんからの備え(8つのポイント)

3. 平時の備え(8つのポイント)

クマが出てから慌てないために、マニュアルは「平時の準備」をとても重視しています。ここでは次の8つのポイントに分けて紹介します。

  • 3-1. ゾーニング(すみ分けエリア)を決めておく
  • 3-2. 夜間・休日も動ける連絡体制をつくる
  • 3-3. 「どこで・どうなったら・どう動くか」の対応方針表
  • 3-4. 研修・訓練と人員配置
  • 3-5. 生活圏でクマを寄せつけない工夫
  • 3-6. 山に入る人の安全対策
  • 3-7. ドングリ・ブナの実の豊凶チェック
  • 3-8. 住民への周知・学習会

3-1. ゾーニング(すみ分けエリア)を決めておく

地域をいくつかのエリアに分けて、「このエリアに出たらこう動く」を前もって決めておくのが出発点です。2026年4月改定のガイドラインでは、人の生活圏側に「排除エリア」(市街地・農地など)と、その周りの「管理強化エリア」が新しく設けられました。

エリアごとの判断基準を文章にして関係者で共有しておけば、いざというときに迷わず動けます。国の2030年ロードマップでも、クマがすむ地域の自治体でゾーニング管理計画の策定率100%をめざすとされています。 <出典: 環境省|ガイドライン(クマ編)令和8年度版改定(2026年4月)/クマ被害対策ロードマップ(2026年3月・PDF)>

3-2. 夜間・休日も動ける連絡体制をつくる

警察・消防・学校・自治会・猟友会・役所の関係課をつなぐ連絡網を、あらかじめ整えておきましょう。クマは早朝や夕方にもよく出るので、夜間・休日の連絡先まで確認しておくことが欠かせません。連絡体制図や対応フロー図を1枚にまとめておくと、現場でとても役立ちます。 <出典: 環境省|クマ類の出没対応マニュアル(インデックス)>

3-3. 「どこで・どうなったら・どう動くか」の対応方針表

「どのエリアで」「どんな状況なら」「どう対応するか」を表にしておくと、担当者が替わっても判断がぶれません。エリア・クマの危険度・緊急性の組み合わせで、追い払い・捕獲・放獣の目安を整理します。

実際の判断では、地域のクマの数、被害の出方、その個体がどれだけ危険か、どれだけ急ぐ必要があるかを総合して決めます。 <出典: 環境省|クマ類の出没対応マニュアル(概要版PDF)>

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ゾーン基本対応問題度が高い個体人身事故・高リスク個体
コア生息地原則非致死(捕獲は例外)捕獲検討捕獲
緩衝地帯追い払い中心捕獲検討捕獲
防除地域(個体数低〜中)追い払い中心場合により捕獲捕獲
防除地域(個体数高)捕獲を積極検討捕獲捕獲
排除地域捕獲捕獲捕獲

※上の表は2021年改定版マニュアルにもとづく対応方針の例です(詳細は 環境省|クマ類の出没対応マニュアル(全文PDF))。2026年4月改定のガイドラインでは生活圏側の区分が「排除エリア」「管理強化エリア」に見直され、多くの都道府県が2026年度中に計画を改定する予定です。実務ではお住まいの都道府県の最新計画を確認してください。

3-4. 研修・訓練と人員配置

机の上でのシミュレーションと現地での訓練を組み合わせ、「通報→封鎖→判断→対応→収束」の流れを何度も体で覚えておきましょう。外部の専門家の力も借りながら、必要な装備と担当者を平時から決めておくことが大切です。

国は、捕獲などにあたる自治体職員(ガバメントハンターを含む)を、現在の約3倍にあたる2,500人まで増やす目標を掲げています。 <出典: 環境省|クマ類の出没対応マニュアル(インデックス)/クマ被害対策ロードマップ(2026年3月・PDF)>

3-5. 生活圏でクマを寄せつけない工夫

  • エサになるものを片付ける:生ごみ・放置された柿や栗・収穫しない作物・ペットのエサ・堆肥・飼料をしっかり管理しましょう。
    落ちた果実をそのままにするのもNGです。ごみは収集日の朝に出し、それまでは屋内で保管するのが基本です。
  • 物理的に入らせない:電気柵の設置、倉庫や車庫の戸締り、柵の定期的な補修が効果的です。
    家のまわりや川沿いのやぶを刈って見通しを良くすると、クマが身を隠しながら近づくのを防げます。

<出典: 環境省|クマ類の出没対応マニュアル(全文PDF)>

3-6. 山に入る人の安全対策

林業・登山・山菜やキノコ採りで山に入る人には、見通しの良いルートを選ぶ、クマ鈴やラジオで人の存在を知らせる、熊撃退スプレーをすぐ使える位置に持つ、といった対策を事前に伝えておきましょう。山小屋やキャンプ場では、食べ物や生ごみを徹底して管理し、クマに「ここに来ればエサがある」と覚えさせないことが何より大切です。 <出典: 環境省|クマ類の出没対応マニュアル(概要版PDF)>

2026年8月には、環境省が「クマ撃退スプレーの性能に係る推奨要件」を初めて公表しました。これまで国内には統一の基準がなく、消費者庁・国民生活センターとの共同テストでも、製品によって噴射距離や噴射時間に大きな差があることがわかっています。

  • 噴射距離:7.5m以上(常温・無風)
  • 噴射時間:6秒以上(常温・無風)
  • 有効成分:カプサイシン類(CRC)の濃度を表示し、1.0〜2.0%程度
  • 噴射パターン・構造:霧状に円錐形に広がること、手探りでも安全装置を外して向きがわかること

「熊撃退」と書いてあれば何でもよいわけではありません。推奨要件の数値や有効成分をもとに製品を見比べたい方は、環境省の推奨要件を踏まえた熊撃退スプレー比較表・おすすめ人気ランキングで見ると、主なモデルのスペックを並べて確認できます。 <出典: 環境省|クマ撃退スプレーの性能に係る推奨要件の公表(2026年8月)/環境省|クマ撃退スプレーの性能に係る推奨要件(PDF)>

3-7. ドングリ・ブナの実の豊凶チェック

ドングリやブナの実が不作の年は、クマが食べ物を探して人里まで下りてきやすくなります。実際、ブナが大凶作だった2023年と2025年には大量出没が起きました。春〜秋の開花・結実状況を調べて共有し、出没が増えそうな年は早めに警戒態勢をとりましょう。

なお、豊作の年は母グマの栄養状態が良くなり、翌年の春に子連れのクマが増える可能性も指摘されています。豊作だからと気を抜かず、翌春まで見すえた備えが必要です。 <出典: 環境省|堅果類の結実情報(PDF)/林野庁 東北森林管理局|ブナ開花・結実調査>

3-8. 住民への周知・学習会

クマとの距離のとり方、誘引物の片付け方、通学路で気をつけることなどを、日ごろから住民に伝えておきましょう。知っているかどうかで、とっさの行動は大きく変わります。 <出典: 環境省|クマ類の出没対応マニュアル(インデックス)>

4. クマが出たときの現場対応

4. 出没時の現場対応フロー

クマが人の生活圏に現れたとき、現場は時間との勝負になります。この章では、初動から捕獲・放獣の判断まで、次の順番で見ていきます。

  • 4-1. 通報直後にやること(初動対応)
  • 4-2. 市街地での銃の使用(緊急銃猟制度)
  • 4-3. 人身被害が起きたときの3本柱
  • 4-4. 捕獲・放獣作業の注意点
  • 4-5. 山に戻すかどうかの判断

4-1. 通報直後にやること(初動対応)

  1. とにかく安全を確保:周辺を立ち入り禁止にし、防災無線やメールで住民に知らせ、交通整理を行います。
  2. 状況をつかむ:目撃場所・頭数・どんな動きをしているか・時間帯・周りの人通りに加え、親子連れかどうか、近くにエサになるものがないかも確認します。
  3. 関係者で対応を決める:担当部署と警察を中心に、追い払い・囲い込み・捕獲・放獣のどれで対応するかを判断します。

<出典: 環境省|クマ類の出没対応マニュアル(全文PDF)>

4-2. 市街地での銃の使用(緊急銃猟制度)

2025年9月施行の改正鳥獣保護管理法で、市町村長の判断により、市町村が委託した捕獲者が市街地でも銃を使ってクマなどを捕獲できる「緊急銃猟」が始まりました。住民が自分の判断で銃を使える制度ではありません。実施には、次の4つの条件がすべてそろう必要があります。

  • クマが人の日常生活圏に入り込んでいる(または入り込むおそれがある)
  • 人の命や体への危害を、急いで防ぐ必要がある
  • 銃以外の方法では、すばやく捕獲するのが難しい
  • 住民の避難や通行止めなど、周りの安全が確保されている

環境省は2025年7月に「緊急銃猟ガイドライン」を公表し、2026年4月には実際の事例を盛り込んだ改訂版を出しています。発砲まで至った緊急銃猟は、2025年度に60件、2026年度も9月24日時点で29件(うち2件はイノシシ)が確認されており、制度開始後、全国で実施事例が積み重なっています。 <出典: 環境省|緊急銃猟ガイドラインの改訂について(2026年4月)/ 環境省|令和8年度の緊急銃猟実施状況(PDF)>

4-3. 人身被害が起きたときの3本柱

  • 救助が最優先:消防・救急にすぐ連絡し、けが人を搬送します。
  • 二次被害を防ぐ:加害したクマが近くに残っている前提で、住民の避難・周知・通行止めを行います。
  • 現場を記録・検証する:なぜ起きたのかを分析し、再発防止につなげるための記録を残します。

<出典: 環境省|クマ類の出没対応マニュアル(全文PDF)>

4-4. 捕獲・放獣作業の注意点

作業は安全第一で、動線を確保したうえで見物人が近づかないよう管理します。捕獲した個体には耳標やマイクロチップを付けて個体を識別し、記録を残しておくことが大切です。 <出典: 環境省|特定鳥獣保護・管理計画ガイドライン(クマ編)令和8年度版>

4-5. 山に戻すかどうかの判断

放獣(山に戻す)かどうかは、年齢やけがの状態、地域のクマの数、これまでに人や家畜を襲ったことがあるかなどを総合して決めます。人に怖い思いをさせてから放す「学習放獣」も一定の効果はありますが、やり方・場所・個体によって結果に差があり、万能ではありません。 <出典: 環境省|特定鳥獣保護・管理計画ガイドライン(クマ編)令和8年度版/ 環境省|クマ類の出没対応マニュアル(全文PDF)>

5. クマに出会ったらどうする?距離別の行動ガイド

  • 遠くに見えたとき:静かにその場を離れましょう。
    クマがまだこちらに気づいていなければ、音を立てて人がいることを知らせるのもひとつの方法です。急に動いたり走ったりするのは避けてください。
  • 近くで気づいたとき:あわてず、クマから目線を少しそらしながら、ゆっくり後ずさりします。
    背中を向けて走って逃げるのは絶対にNGです。
  • 至近距離でばったり出会ったとき:クマの攻撃は顔や頭に集中しやすいため、環境省マニュアルでは両腕で顔や頭を守り、すぐにうつ伏せになる姿勢がすすめられています。
    熊撃退スプレーを持っていれば、目・鼻などの粘膜に届くようクマの顔に向けて噴射し、その場を離れます。
  • スプレーを持つときの注意:噴射できる時間は数秒と短く、向かい風では自分にかかってしまうこともあります。
    ザックの中ではなく腰や胸のホルスターなど、片手ですぐ抜ける位置に付け、買ったら使用期限と安全装置の外し方まで確認しておきましょう。
    環境省の推奨要件(噴射距離7.5m以上・噴射時間6秒以上など)を満たしているかは、最強の熊撃退スプレー比較表・おすすめ人気ランキングで見ると確認しやすいです。

<出典: 環境省|クマ類の出没対応マニュアル(概要版PDF)>

6. 錯誤捕獲(意図しないクマの捕獲)を防ぐには

6. 錯誤捕獲(意図しないクマの捕獲)への対策

シカやイノシシ用のわなにクマがかかってしまうのが「錯誤捕獲」です。わなにかかったクマは興奮していて、外しに近づいた人が襲われる危険もあります。わなの構造点検、止め金具の見直し、脱出口付きの檻の採用、設置場所の見直しを定期的に行いましょう。

どこで・どのくらい錯誤捕獲が起きているかを記録しておくことも、計画的な管理には欠かせません。 <出典: 環境省|特定鳥獣保護・管理計画ガイドライン(クマ編)令和8年度版/ 環境省|クマ類の出没対応マニュアル(全文PDF)>

7. 2025〜2026年の制度改正と国の最新動向

2024年からの主な動きを、起きた順に並べました。制度がここ2年でどれだけ変わったかが一目でわかります。

8. 現場で使える簡易対応フロー(テンプレ)

8. 現場で使える簡易対応フロー(テンプレ)
  1. 通報を受けたら:場所・頭数・動き・時間帯・人通り・親子連れか・エサになるものの有無を確認
    → 危ない範囲を立ち入り禁止にして広報
  2. 関係機関へ一斉連絡:警察・消防・学校・猟友会・担当課に同時に知らせる
  3. 対応を決める:エリア・危険度・緊急性をもとに、追い払い/捕獲/放獣を判断
  4. 対応を実行:追い払い(音・花火など)/囲い込み/箱わな・くくりわな/麻酔銃
    または緊急銃猟(市町村長の判断・委託捕獲者が実施)
  5. 収束・記録:けが人や二次被害がないか確認し、記録と痕跡の採取を行ったうえで、住民に再発防止を呼びかける

<出典: 環境省|クマ類出没対応構築事業 成果報告集(PDF)/ 環境省|クマ類の出没対応マニュアル(全文PDF)>

9. 役割分担チェックリスト(例)

9. 役割分担チェックリスト(例)
  • 自治体:連絡網の運用/現地の指揮・広報/許可手続き/被害の記録・検証/放獣体制の整備
    緊急銃猟の事前準備(実施要領づくり・訓練・保険加入など)
  • 警察:住民の避難誘導・交通規制/銃を使う際の調整・現場の安全確保
  • 消防・救急:救助・搬送・現場の安全確保の補助
  • 猟友会・専門職:追い払い・わな・麻酔・捕獲の実施/個体識別と記録/錯誤捕獲の対策
  • 学校・教育委員会:登下校ルートの一時変更や教職員の付き添い、保護者への連絡

<出典: 環境省|特定鳥獣保護・管理計画ガイドライン(クマ編)令和8年度版/ 環境省|クマ類の出没対応マニュアル(概要版PDF)>

10. 住民向け周知テンプレ(掲示・回覧用)

  • 最近の出没情報:〇月〇日〇時ごろ、〇〇付近でクマが目撃されました。
  • みなさんへのお願い:生ごみ・柿や栗などの果実・ペットのエサを外に置かないでください。
    納屋・車庫・鶏舎の戸締りをお願いします。
    山や川べりに入るときは、クマ鈴や熊撃退スプレーを持ち、できるだけ複数人で行動してください。
  • もしクマに出会ったら:走らず、ゆっくり後ずさりして離れてください。
    至近距離で突然出会ったときは、両腕で顔と頭を守ってうつ伏せになってください。スプレーを持っていればクマの顔に向けて噴射します。

<出典: 環境省|クマの出没情報(速報値・PDF)/ 環境省|クマ類の出没対応マニュアル(概要版PDF)>

11. よくある質問・誤解と正しい理解

  • 「環境省のクマ類出没対応マニュアルはいつのもの?」→現在公開されているのは2021年(令和3年)3月の改定版です。
    2007年版から14年ぶりの改定で、市街地出没への対応や事例が加わりました。
  • 「2026年版の新しいマニュアルはある?」→2026年9月時点ではまだ公開されていません。
    環境省は2026年度に改定業務を発注しており、それまでは2021年版と2026年4月改定のガイドライン、緊急銃猟ガイドラインを合わせて読むのが確実です。
  • 「クマを見たら、どこに連絡すればいい?」→人に危険が迫っているときや市街地で見かけたときは、迷わず110番を。
    山すそでの目撃などは、市町村の担当窓口に連絡しましょう。連絡先は自治体のホームページや広報で事前に確認しておくと安心です。
  • 「環境省は熊撃退スプレーをすすめている?」→はい。マニュアルでも山に入るときの携帯がすすめられています。
    2026年8月には性能の推奨要件(噴射距離7.5m以上・噴射時間6秒以上など)も公表され、「どれでもよい」わけではないことがはっきりしました。
  • 「クマは見つけしだい全部捕獲すればいい」→そうではありません。
    2026年の改定で生活圏での捕獲は強化されましたが、奥山のクマのすみかでは、地域の個体群を絶やさないことが前提です。捕獲は、人の生活圏に出てくる個体や危険な個体に重点を置いて行います。
  • 「学習放獣すればもう出てこない」→必ずしもそうとは限りません。
    やり方・場所・個体によって効果に差があり、そもそも放してよい個体かどうかの判断がいちばん大切です。
  • 「緊急銃猟なら猟銃を持っている人が自分の判断で撃てる」→誤りです。
    市町村長の判断のもと、市町村から委託された捕獲者が、安全確保などの条件を満たしたうえで行う制度です。無許可で撃てば法律違反になります。
  • 「クマを見たら大声で追い払えばいい」→状況によってはクマを興奮させ、かえって危険になることがあります。
    まずは距離をとって安全な場所に移り、自治体や警察に通報して判断を任せましょう。
  • 「スプレーは持っているだけで安心」→噴射時間が短く風の影響も受けるため、すぐ抜ける位置に付けて使い方を確認しておかないと、いざというときに役立ちません(詳しくは5章を参照)。
    製品によって性能差も大きいので、選ぶときは熊撃退スプレーの比較表・おすすめ人気ランキングで見るのが近道です。

<出典: 環境省|クマ類の出没対応マニュアル(全文PDF)/ 環境省|特定鳥獣保護・管理計画ガイドライン(クマ編)令和8年度版>

12. 統計・モニタリング(運用の指標)

これから山菜採りや登山、キャンプで山に入る方は、出発前に自治体の出没情報を確認し、クマ鈴と熊撃退スプレーを身につけておきましょう。スプレーをまだ持っていない方は、最強の熊撃退スプレー比較表・おすすめ人気ランキングで見ると選びやすくなります。

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