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【2026年】近年の熊による人身被害事例(市街地・登山・山菜取り)(2021–2026)

近年の熊による人身被害事例(2021–2025)

2021年以降、全国各地でツキノワグマ・ヒグマによる人身被害が増加し、里山だけでなく住宅地や市街地でも重大事故が相次いでいます。2025年は被害者数が年間239人・死亡者数14人超(速報値)と統計開始以来の最悪記録を更新。直近6年間(2021〜2026年)に報道された主な襲撃事例を年別に整理し、傾向と対策をまとめました。

記事のポイント

  • 近年の熊による人身被害事例(2021〜2026年)
  • 2025年は過去最悪:年間239人・死亡14人超(環境省速報値)
  • 年度別被害件数の推移(速報値含む)
  • クマによる人身被害件数 ― “多かった県” 年度別トップ5
  • 事故防止のポイント
熊撃退スプレーの使用テストの管理人Masaki T
所有する熊撃退スプレー フロンテァーズマンとUDAP

名前:Masaki T [ profile ]
経歴:北海道出身、登山歴15年以上。関東の大型の登山用品店で約4年間の勤務を経験。熊撃退スプレーを家族分の2本所有(フロンテァーズマン,UDAP)し、出没リスクの高い地域では携行。自分自身も勉強しつつ適正な情報発信を心がけています

日本の熊研究機関日本クマネットワーク(JBN)/日本熊森協会/知床財団/信州ツキノワグマ研究会

お知らせ(2026/03/13)
img001 【2026年】近年の熊による人身被害事例(市街地・登山・山菜取り)(2021–2026)

熊撃退スプレーは昨年末から在庫切れ&入荷待ちのオンパレードでしたが、冬の間に熊スプレーの在庫が復活しています。ただ登山専門店の方から「昨年の熊被害がすごかったので今年は早い段階から用意される方が増えています」と言われていました。


熊スプレーの各メーカーの特徴・スペックは下記ページに記載しています。

↓↓↓


目次

近年の熊による人身被害事例


2026年(令和8年)― 冬眠明け前から出没相次ぐ(速報)

2026年は統計上は令和7(2025)年度の継続期間(4月以降が令和8年度)にあたるため、1〜3月の被害は「令和7年度」として集計されます。環境省は令和8年2月末時点の速報値を2026年3月9日に公表しており、年度累計として2025年の記録的被害がそのまま継続する形となっています。冬眠からの早期覚醒が各地で確認されており、春の山菜シーズンを前に専門家が強い警戒を呼びかけています。

  • 2026年1月(冬季)|東北・北陸各地
    例年であれば冬眠中の時期にもかかわらず、東北・北陸各地でクマの出没情報が相次いだ。日本農業新聞(2026年1月15日)は「環境省が4〜9月末の人身被害が全国20道県の99件108人に上り過去最悪ペースと発表した」と報道。冬季の出没増加を専門家は「ドングリ凶作の影響で冬眠が遅れた個体が人里周辺をうろついている」と分析。
    出典:日本農業新聞
  • 2026年1月下旬〜2月|東北各地
    青森県は「ツキノワグマ出没注意報」を令和8年1月31日まで継続。秋田県でも注意報が続いており、複数の自治体が冬季の農作業や早朝の外出に対する注意を呼びかけた。
    出典:青森県秋田県
  • 2026年2月〜3月|北海道・東北(冬眠明け前の早期目撃)
    2026年3月20日時点で北海道(標茶町・遠軽町など)、青森県(八戸市)、三重県(紀北町)などで相次いで目撃情報が報告された。北海道・遠軽町では19日・20日と連日目撃があり、警察が「冬眠から目覚め活動を始める時季」として注意を呼びかけ。
    出典:クママップ
  • 2026年度予算・対策の動向
    政府は2026年度のクマ対策予算として過去最大規模の62億円を計上(2025年度の34億円から大幅増)。「ガバメントハンター」(公務員として任用する狩猟者)の支援強化や科学的個体数管理の推進が盛り込まれた。また、秋田県は2026年度予算案で「人口減対策とクマ対策に重点を置いた」予算編成を実施。環境省は引き続き令和8年2月末時点の人身被害速報値を更新中(3月9日付)。
    出典:日テレNEWS NNN環境省

⚠️ 2026年春シーズンの注意情報(2026年3月時点)

専門家によると、2025年秋の大凶作で十分な栄養を蓄えられなかったクマが冬眠明けから積極的に採食行動をとる可能性が高く、2026年春(4〜6月)の山菜・タケノコシーズンは例年以上の警戒が必要とされています。群馬県(2026年2月19日更新)は「春先にかけて冬眠から目覚めたクマがエサを求めて行動範囲が広がることが想定される」として住民に注意を呼びかけています。

出典:群馬県ホームページ

2025年(令和7年)― 統計開始以来の最悪年

2025年は熊による人身被害が深刻化した年として記録に残りました。年間被害者数239人・死亡者数14人以上(環境省速報値)と、2023年の記録(219人・6人)を大幅に塗り替え、統計開始(2006年度)以来の過去最悪を更新。被害は春から秋にかけて途切れなく続き、10月だけで88人が被害を受けるという異常事態となりました。また、2025年の「今年の漢字」が「熊」に選ばれるほど社会的インパクトの大きな年となりました。

  • 4月9日|長野県 飯山市
    物置の整理中にクマと鉢合わせた60代男性が噛まれ重傷。その後、同じ個体が住宅内部に侵入し、90代男性と60代女性を負傷させた。県警と猟友会が捕獲を試みる。
    出典:朝日新聞デジタル
  • 4月22日|群馬県 片品村(尾瀬国立公園)
    バックカントリースキー中の男性がクマに覆いかぶさられ負傷(全治1週間)。
    出典:尾瀬保護財団
  • 5月3日|長野県 軽井沢町・追分
    山菜採りの方が負傷(同地区では6/3にも散策中の方が負傷)。
    出典:軽井沢町
  • 5月15日|新潟県 南魚沼市
    60代男性が顔や腕など負傷。県は「出没警戒注意報」を発表。
    出典:新潟日報
  • 6月4日|新潟県 長岡市(栃尾地域)
    出没に伴う人身被害を市が公表。
    出典:長岡市防災ポータル
  • 6月22日|長野県 大町市
    タケノコ採り中、男性2名が襲われ1名死亡・1名負傷。
    出典:長野県TBS NEWS DIG
  • 6月26日|長野県 上松町
    森林組合職員の男性2名が作業後の下山途中に襲われ負傷。
    出典:TBS NEWS DIGFNNプライムオンライン
  • 6月28日|山梨県 北杜市
    ツキノワグマによる人身被害を県が公表(8/3には身延町でも発生)。
    出典:山梨県
  • 6月30日|栃木県 那須塩原市
    男性が後頭部を咬まれ重傷。
    出典:栃木県
  • 6月30日|岩手県 盛岡市
    中学校正門付近で草刈り中の81歳男性が襲われ頭部負傷。
    出典:テレ朝NEWS
  • 7月4日|岩手県 北上市
    自宅住家内で女性がクマに襲われ死亡。後日、同一個体を駆除。
    出典:Wikipedia 熊害(1980年度以降の日本)
  • 7月12日|北海道 福島町(住宅地)
    新聞配達中の52歳男性が死亡。18日に駆除されたクマとDNAが一致し、2021年の致死事故個体と判明。
    出典:FNNプライムオンラインUHB北海道文化放送
  • 7月31日|秋田県 北秋田市
    障害者施設屋外で女性がクマに襲われ、後日死亡。
    出典:Wikipedia 熊害
  • 8月14日|北海道 知床半島・羅臼岳(岩尾別コース)
    下山中の20代男性がヒグマに襲われ死亡。翌15日に親子グマ3頭を現場で駆除。知床財団が事故概要を公表。
    出典:知床財団林野庁北海道森林管理局
  • 9月12日|宮城県 富谷市・富谷新町(市街地)
    散歩中の60代男性が背後からクマに襲われ頭部など負傷。命に別条なし。
    出典:富谷市宮城県
  • 10月3日|宮城県 栗原市・栗駒山
    キノコ採りのグループがクマと遭遇。75歳女性が死亡、もう1名の女性が行方不明。
    出典:FNNプライムオンラインTBS NEWS DIG
  • 10月7日|群馬県 沼田市・恩田町(スーパーマーケット店内)
    店内に侵入した成獣のクマ1頭により男性客など2人が負傷。クマは逃走。
    出典:FNNプライムオンラインテレ朝NEWS
  • 10月8日|岩手県 北上市・夏油大橋近くの山林
    行方不明だった73歳男性の遺体を発見。遺体のそばにクマ。警察が「クマに襲われ死亡」と断定(10/14発表)。遺体の一部に食害が確認された。
    出典:テレ朝NEWS
  • 10月10日|岩手県 雫石町・長山早坂の林
    キノコ採りに出かけた71歳男性の遺体を発見。クマに襲われた可能性が高いと報道。
    出典:FNNプライムオンライン
  • 10月12日|岩手県 盛岡市・乙部(住宅敷地内)
    72歳男性が子グマ2頭のうち1頭に襲われ、頭部など軽傷。
    出典:FNNプライムオンラインTBS NEWS DIG
  • 10月15日|岩手県 雫石町・御明神(山林/箱わな点検)
    箱わなに掛かった個体の確認中、81歳男性が飛び出したクマに襲われ負傷。
    出典:TBS NEWS DIGFNNプライムオンライン
  • 10月16日|秋田県 秋田市・手形大沢(秋田大学近くの市道)
    夜間に64歳男性がクマに襲われ、頭や腕を負傷。
    出典:AKT秋田テレビ
  • 10月16日|秋田県 大館市・自宅裏の畑
    農作業中の80代女性が顔などをひっかかれ負傷。
    出典:AKT秋田テレビFNNプライムオンライン
  • 10月16日|岩手県 北上市・瀬美温泉(露天風呂付近)
    清掃作業中の60代男性従業員が行方不明。現場に血痕や散乱物を確認。
    出典:FNNプライムオンライン
  • 10月27日|秋田県 雄和町
    女性がクマに襲われ死亡(断定:後日)。
    出典:秋田県
  • 10月30日|秋田県 秋田市(令和7年度)
    10月30日現在、秋田県の人身被害は年間58件66名(秋田県発表)と、県内最悪ペースで推移。
    出典:秋田県ホームページ
  • 11月1日|山形県 南陽市
    市の職員がパトロール中にクマに襲われ手を骨折の重傷。
    出典:山形県
  • 12月4日|長野県 野沢温泉村
    除雪作業をしていた男性がクマに顔と足を襲われ重傷。
    出典:東京写真(全国クマ人身被害記録)
  • 12月20日|宮城県 大和町
    猟友会男性がクマに襲われ死亡。檻のクマは駆除。
    出典:宮城県
  • 12月26日|秋田県 秋田市・大森山動物園駐車場
    通勤途中の動物園職員(男性)がクマに右肩や脇腹を噛まれ負傷。冬季にもかかわらず市街地への出没が続いた。
    出典:東京写真(全国クマ人身被害記録)

2024年(令和6年)

  • 6月3日|北海道 雨竜町
    林道調査中の道職員がヒグマに襲われ負傷。北海道は周辺4町村に「ヒグマ注意報」を発令。
    出典:UHB北海道文化放送
  • 6月25日|青森県 八甲田山系
    タケノコ採りを兼ねた登山中の80代女性がツキノワグマに襲われ死亡。登山道の一部が一時閉鎖。
    出典:朝日新聞デジタル
  • 11月30日〜12月2日|秋田県 秋田市(スーパー店内)
    スーパー店内にクマが侵入、従業員を負傷させ店内に居座り。55時間後に捕獲・殺処分。
    出典:Wikipedia 熊害(1980年度以降の日本)
  • 2024年度全体
    年間人身被害件数は79件・被害者数85人(令和6年度確定値)。前年の198件・219人から大幅減少したが、アーバンベア(市街地出没クマ)の問題は継続。
    出典:環境省

2023年(令和5年)― 統計史上最多(当時)

  • 10月9日|秋田県 秋田市
    住宅街で男女4人が相次いでクマに襲われ負傷。
    出典:朝日新聞デジタル
  • 10月19日|秋田県 北秋田市
    早朝、駅前や住宅密集地で女子高校生を含む5名が立て続けに襲われ重軽傷。
    出典:朝日新聞デジタル
  • 10月29日〜31日|北海道 大千軒岳
    登山中の消防署員3名がヒグマに襲われ1名死亡・2名負傷。前後して北大生が同山で行方不明となり、クマの関与が疑われた。
    出典:朝日新聞デジタル
  • 6〜10月|北海道・東北各地
    山菜採りや渓流釣り中の単独行動者を中心に負傷事故が続発。年間被害件数198件・被害者219人で当時の統計開始以来最多を記録。6人死亡。
    出典:環境省NNNドットコム

2022年(令和4年)

  • 2021〜2022年発生(2022年8月16日公表)|青森県 十和利山
    「十和利山熊襲撃事件」の検証報告が公表。2016〜2022年にかけて4人死亡・4人重軽傷。複数個体が関与し、捕獲遅れが被害拡大を招いたと指摘。本州史上最悪の獣害事件として記録された。
    出典:Wikipedia 十和利山熊襲撃事件
  • 2022年度全体
    年間被害件数71件・被害者75人・死亡2人(確定値)。前年比減少も夏以降高水準で推移。
    出典:環境省

2021年(令和3年)

  • 6月18日|北海道 札幌市手稲区・東区
    市街地を9kmにわたり徘徊したヒグマが自衛隊員2名を含む4名を負傷させ、交通が一時遮断。クマは札幌丘珠空港近くで駆除された(「札幌市東区ヒグマ襲撃事件」)。
    出典:朝日新聞デジタル
  • 7月30日|北海道 斜里町(知床半島)
    昆布漁の男性(40代)がヒグマに襲われ死亡。現場付近では前年から同一個体とみられる目撃が複数回報告されていた。
    出典:朝日新聞デジタル
  • 2021年度全体
    年間被害件数80件・被害者81人・死亡2人(確定値)。札幌市街地事故などが大きく報道された。
    出典:環境省

登山中に発生した主なクマ人身被害 ― 代表的な6事例

事例概要・出典
2025-08-14
羅臼岳(知床)・北海道
熊種:ヒグマ
死亡1
下山中の20代男性がヒグマに襲われ死亡。翌日、親子グマ3頭を現場で駆除。
出典:知床財団
2024-06-25
八甲田山系・青森県
熊種:ツキノワグマ
死亡1
タケノコ採りを兼ねた登山中の女性(80代)がツキノワグマに襲われ死亡。入山規制が半径3kmで続行。
出典:朝日新聞デジタル
2023-10-31
大千軒岳(1072m)・北海道
熊種:ヒグマ
死亡1・負傷3
北大生行方不明ルートの下見中、消防署員3人をヒグマが襲撃。うち1人死亡・2人負傷。同一個体が北大生も襲ったと判断。
出典:朝日新聞デジタル
2022-10-01
二子山西岳(1165m)・埼玉県
熊種:ツキノワグマ
負傷0(物損)
岩稜帯下降中の登山者が親子グマに繰り返し突進される動画が拡散。ヘルメットに噛み跡。
出典:YAMAP
2009-09-19
乗鞍岳・岐阜県/長野県境
熊種:ツキノワグマ
負傷9
観光登山者・バスターミナル職員ら9人が連休中に襲われ重軽傷。バスターミナル建物内にも侵入。
出典:Wikipedia 乗鞍岳クマ襲撃事件
1970-07-26-29
カムイエクウチカウシ山・北海道
熊種:ヒグマ
死亡3
福岡大学ワンダーフォーゲル部5名を雌ヒグマが執拗に襲撃。3名死亡・日本山岳史上最悪級の獣害。
出典:Wikipedia 福岡大ワンゲル部ヒグマ事件

ポイント

  • 春(山菜期)と秋(堅果期)に集中:餌不足と子連れ母グマの防衛行動が重なるため。
  • 日高山脈・八甲田・東北〜北海道の広葉樹帯が特に多発
  • 母子グマは最も攻撃性が高い。距離が取れない岩稜や藪の薄暗い登山道は要注意。

登山者ができる最低限の対策

  1. 単独行を避け、行動音(鈴・声)を絶やさない
  2. 熊撃退スプレーは”取り出せる位置”で携行、使用期限を毎年確認
  3. テント泊・行動中とも食料・ごみは密閉し、匂いを残さない
  4. 出没情報と林道閉鎖情報を出発前に自治体・警察・林野庁サイトで確認
  5. 遭遇時は距離を保ち、背を向けず後退。子グマを見ても近寄らない

年度別被害件数の推移(速報値含む)

年度・件数・人数・死亡備考・出典
2025(令和7)※速報
217件以上 / 239人 / 死亡14人以上
統計開始(2006年度)以来の過去最悪。農作業中の被害が全体の約2割(52件53人)を占める(日本農業新聞調べ)。
出典:環境省速報値(PDF)日本農業新聞
2024(令和6)
79件 / 85人 / 死亡—
前年比大幅減。ただしアーバンベアは依然活発で年末にも秋田市スーパーへの侵入事案が発生。
出典:環境省
2023(令和5)
198件 / 219人 / 死亡6人
当時の統計開始以来最多。秋田・岩手・東北で被害集中。
出典:環境省
2022(令和4)
71件 / 75人 / 死亡2人
前年比減少も夏以降高水準で推移。
出典:環境省
2021(令和3)
80件 / 81人 / 死亡2人
札幌市街地事故などが大きく報道された。
出典:環境省

※令和7(2025)年度の件数・人数は環境省速報値・報道各社情報に基づく。今後修正される場合があります。


クマによる人身被害件数 ― “多かった県” 年度別トップ5

年度トップ5(順位/件数または人数)・出典
R07(2025)※速報
4〜9月被害者数
①岩手 ~22人 ②秋田 ~19人 ③長野 ④福島 ⑤青森
秋田県は年間66人(11月時点)。
出典:環境省速報東洋経済オンライン
R06(2024)※速報
3月末現在
①長野 12件 ②岩手 10件 ③秋田 10件 ④福島 6件 ⑤青森 4件
出典:環境省(PDF)
R05(2023)①秋田 62件 ②岩手 46件 ③福島 15件 ④青森 10件 ⑤北海道 6件
出典:環境省(PDF)
R04(2022)①岩手 23件 ②福島 7件 ③秋田 6件 ④宮城 5件 ⑤北海道 3件
出典:環境省(PDF)
R03(2021)①岩手 14件 ②秋田 12件 ③北海道 9件 ④福島 3件 ⑤宮城 2件
出典:環境省(PDF)
R02(2020)①岩手 27件 ②新潟 17件 ③福井 12件 ④福島 9件 ⑤秋田 8件
出典:環境省(PDF)

ざっくり傾向

  1. 東北+北海道が圧倒的
    秋田・岩手・福島・青森は毎年上位常連。とくに秋田(R05: 62件)は突出。北海道はヒグマ、他道県はツキノワグマが主体。
  2. 2025年は岩手・秋田が再び最多争い
    R07速報では岩手(4〜9月22人)・秋田(年間66人)が突出。出没件数も岩手3453件・秋田3089件(4〜8月)と前年の数倍規模に膨れ上がった。
  3. 日本海側に波及
    新潟(R01・R02)・富山・福井・石川など日本海側でのランキング入りが目立つ。ブナ類の凶作年+高温少雨で山地餌が不足しやすい。
  4. 長野が近年急浮上
    R06速報で長野が12件で初の首位。里山・住宅地への出没と高齢者農作業中の事故が増加し、R07は複数の死亡事例が発生。
  5. “岩手はほぼ毎年トップ3”
    6年間でほぼ常にトップ3以内。広域に分布する若年グマの行動圏拡大が続いている。

傾向分析

1. 事故の季節性

春(4〜6月)は冬眠明けでエネルギーを必要とする母グマ・若グマが活発化し、山菜採りや渓流釣りで人が山に入るタイミングと重なります。初夏(6〜7月)はサクランボやブルーベリーなど低地果樹の収穫期と重なり、里山〜果樹園での遭遇が目立ちます。盛夏(7〜8月)は水場を求めて渓流や沢筋を移動する個体が多く、渓流釣りやキャンプ場での事故が散発します。秋(9〜11月)はブナ科堅果の豊凶に左右され、不作年は餌不足から広範囲を徘徊し市街地侵入が急増。2025年秋はドングリ等の大凶作が重なり、10月だけで88人という異常事態に発展しました。冬(12〜3月)は基本的に冬眠期ですが、暖冬や若齢個体では冬眠に入らず餌を求めて徘徊する例が増えており、2025〜2026年冬には東北・北陸で複数の冬季被害が報告されています。

2. 出没域の拡大と屋内侵入

1970年代比で平均500m低い標高域まで定着が進んだ地域もあります。耕作放棄地の拡大と放置果樹が「供給源」となり、夜間に住宅地へ侵入する個体が増加。2025年には長野県飯山市での家屋侵入(窓ガラス破壊)、群馬県沼田市のスーパーマーケット侵入など、完全な屋内・施設内侵入事例が相次ぎました。高速道路の防音壁や河川敷を通って市街地中心部まで達する新しい行動パターンも観察されています。

3. 「捕食目的」とみられる事例の増加

従来、クマ類の攻撃は「身を守るため」や「子グマを守るため」がほとんどとされていました。しかし2025年秋には、複数人で行動していても襲われる、最初から意図的に攻撃する事例が各地で発生。岩手県北上市では遺体の一部に食害が確認され、2016年の十和利山事件と類似した「人を学習的に狙う個体」の存在が専門家から指摘されています。日本クマネットワーク(JBN)も「これまでの出没メカニズムでは説明できない事例がある」と声明を発表しました。

4. 環境要因の変化

気候変動による暖冬・長雨でブナ科の結実サイクルが不規則化し、不作年の頻度が上昇しています。間伐不足で暗い林内が増え採食域が拡大。キャンプブームによる残飯や観光地周辺のゴミ置き場が行動圏に組み込まれています。日本クマネットワークの分析では、2018年までの40年間でクマ類の分布は約2倍に拡大しており、この傾向は継続中です。

5. 行政・社会対応の課題

高齢化で大型獣の捕獲担い手が不足し、対応が後手に回りやすい状況が続いています。自治体間で出没データベースが統合されておらず、広域移動個体の追跡が困難です。2025年末には環境省が警察・自衛官OBへの捕獲協力依頼を開始するなど、人材確保策が本格化しています。また、2025年12月には「緊急銃猟制度」の活用が一層推進されました。


事故防止のポイント

行動局面推奨対策
登山・渓流釣り◆ 単独行動を避け、熊鈴・ホイッスル・熊撃退スプレーを常備
◆ 早朝・夕暮れ・悪天候後の行動に特に注意
山菜採り・キノコ採り◆ 出没情報の確認を必ず行い、複数名で行動
◆ 熊鈴だけでなく定期的に声を出して存在を知らせる
里山・農作業◆ ラジオ等で音を出し存在を知らせる
◆ 作業前に周囲の見通しを確保し、一人作業を避ける
住宅周辺◆ 果樹・野菜・生ゴミを屋外に放置しない
◆ ペットフード・ビニール温室の管理を徹底する
市街地◆ 出没情報を行政サイトや防災アプリで確認
◆ 早朝・夕暮れの単独外出を控える
◆ 出没情報のある地域ではスプレー携行を検討

おわりに

2025年は「クマ被害元年」ともいえる転換点となりました。統計上もメディア報道上も、熊による人身被害は「まれな山の事故」から「身近なリスク」へと変化しています。特に2025年は死者14人超・被害者239人と過去最悪を更新し、今年の漢字が「熊」に選ばれたことがその社会的インパクトを象徴しています。

2026年も引き続き被害が予想され、春の山菜・タケノコシーズンから警戒が必要です。環境省によると令和8年2月末時点でもクマの出没情報が北海道や東北で確認されており、冬眠明けの3月以降は特に注意が必要です。地域ごとの出没情報を常に更新し、装備と行動計画の両面で「クマに出会わない・襲われない」対策を徹底してください。

参考資料

熊撃退スプレーのよくある質問

撃退スプレーの選び方と購入

最強の熊撃退スプレーはどれですか?
COUNTER ASSAULT ca290 2 【2026年】近年の熊による人身被害事例(市街地・登山・山菜取り)(2021–2026)
img001 【2026年】近年の熊による人身被害事例(市街地・登山・山菜取り)(2021–2026)

スペック的にも実績的にも「カウンターアソールト CA290 ストロンガー」が最強だと思います。詳しくは下記ページをご参照。

売れている人気の熊撃退スプレーはどれですか?
61k3lk DyNL. AC SL1500 【2026年】近年の熊による人身被害事例(市街地・登山・山菜取り)(2021–2026)
img001 【2026年】近年の熊による人身被害事例(市街地・登山・山菜取り)(2021–2026)

ツキノワグマ&ヒグマ対応の『米国UDAP社 12HP ベアスプレー 』が米国でEPA登録されたスプレー(米国で熊スプレーとして認可)の中では低価格のため非常に人気です。詳しくは下記ページをご参照。

安い熊スプレーでも大丈夫ですか?
【注意】安い熊撃退スプレーで大丈夫!?模造品にご注意ください

熊スプレーの法整備がされていない日本では、近年、関係者の中で「熊スプレーの模造品」を懸念する声が上がっています。

img001 【2026年】近年の熊による人身被害事例(市街地・登山・山菜取り)(2021–2026)

実際に遭遇した時に効果が期待できない・実践的ではない熊スプレーも販売されていて、安価な傾向があります。

熊撃退スプレーはどこで購入できる?
熊撃退スプレーはどこで売ってる?実店舗と通販のメリット・デメリット

オンラインショップでの取扱は実質amazonでの販売が多くを占めています。実店舗では、アウトドアショップやホームセンター等で購入可能です。

詳しくは下記ページをご参照ください。

熊撃退スプレーの成分と仕様

熊撃退スプレーの成分は何?
熊撃退スプレーの主な成分とその役割

主成分はカプサイシンおよび関連カプサイシノイドでOC(Oleoresin Capsicum)と呼ばれます。これらは唐辛子に含まれる辛味成分で、哺乳類の粘膜や眼球のTRPV1受容体を強烈に刺激し、瞬時に痛覚・熱覚を引き起こします。

OCは溶剤(水溶性と油性がある)に溶かされ、ガス(窒素or二酸化炭素or代替フロンなど)と共にスプレー缶に詰めれれています。

カプサイシノイド濃度 が最大で2%なのはなぜですか?
熊撃退スプレーの主な成分とその役割

米国環境保護庁(EPA)登録製品では総カプサイシノイド濃度 1〜2% が標準とされています。これは人体に対する非致死性と、野生動物に対する即効的な忌避効果のバランスを取った値であり、2%を超える処方は規制対象となり一般流通しません。

熊撃退スプレーの効果と必要性

熊撃退スプレーって本当に必要?

その昔は仕事や研究調査で積極的にクマの生息域に入る方が携行するものでした。ところが近年は里山・市街地にも出没し被害が多くなる年もあり、出没頻度が多い地域では市町村がクマ撃退スプレーを推奨し、補助金がでている地域もあります。

熊スプレーは効果ある?助かった人はいない?
熊撃退スプレーは本当に効果がある?科学的根拠と限界

熊スプレーの先進国の米国でも日本でも助かった実例が複数報告されています。

熊撃退スプレーを使えば万が一襲われても助かりますか?

熊の専門家の方は「100%はないけれど90%助かる」と言われています。

過去、業務で9回襲われてますが、通常の5倍~10倍激しく攻撃してきた熊でも熊スプレーで撃退できた(以下の動画をご参照)

殺虫剤や自作スプレーが熊スプレーの代用になりますか?
熊スプレーの代用品(殺虫剤/催涙スプレー)と自作スプレーは高リスク!

結論として、殺虫剤(スズメバチ等)や自作では専用設計された熊スプレーと同等の効果は期待できないです。詳しい理由は、下記ページにまとめました。

熊撃退スプレーの使い方

熊が近づいてきた時、熊撃退スプレーはどの距離で噴射したらよいですか?

5m~3m程度まで引き付けて噴射するのが推奨、と言われています。熊撃退スプレーのスペックは無風状態での測定値で、現実には風の影響を受けますので、確実に熊に届く距離が5m~3m程度と言われています。

10mだと風で飛ばされて効果がありません。5m,3m,2mと段階的に噴射します。最初の5mの距離での噴射でほとんどの熊が逃げます。

冬季は噴射力が落ちる?

気温0 °C付近でガス圧低下が起きます。内ポケット携行で温度を保つのを推奨します。

熊に熊撃退スプレーを噴射している動画はありますか?
bear spray used 【2026年】近年の熊による人身被害事例(市街地・登山・山菜取り)(2021–2026)

海外に実際に噴射している様子の動画が複数あります。

img001 【2026年】近年の熊による人身被害事例(市街地・登山・山菜取り)(2021–2026)

最近はAI生成の架空動画もありますので、投稿日の古いものをピックアップしました。

熊がどのように人間に近づいてくるかわかります。

熊が木に登ってるのはちょっと怖いですね。

熊が淡々と近づいてくる

熊が少しずつ距離を縮めてくる

熊撃退スプレーの取り扱いと注意事項

人間にご誤噴射したらどうなる?
人間に熊撃退スプレーは危険!誤噴射リスクと具体的な事故例と応急処置

猛獣対策の熊撃退スプレーは対人用の護身用の催涙スプレーの何倍も強力な劇薬です。噴射物が僅かに目に入る・皮膚に付着するだけで数時間の痛みが続くようです

緊急時でも周囲に人がいる状況での使用も最大限の配慮が必要で、安易に噴射して自分にかかって動けなくなった例もあるようです。

誤噴射や被爆による応急処置

  • 内容物が目に入った場合:すぐに流水で15分以上やさしく洗眼し、コンタクトレンズは5分以内に取り外す。
  • 皮膚や衣服に付着した場合:衣類を脱ぎ、ただちに流水で15分以上洗い流す。
  • 症状が改善しない場合は本製品を持参のうえ医療機関を受診する

海外や日本での誤噴射事故も複数件あります。

熊撃退スプレーが目に入ると失明しますか?
熊スプレーと失明のリスク:米国における規制と医学的見地からの詳細解説

熊スプレーの先進国の米国では情報が蓄積されており、結論としては、米国の医学的見解に基づいても、熊スプレーが永久的な失明を引き起こす可能性は「極めて稀」と言われています。

img001 【2026年】近年の熊による人身被害事例(市街地・登山・山菜取り)(2021–2026)

誤曝露後の米国の救急医療における最重要の対処は、「絶対にこすらない」ことと、「最低15分間の徹底的な洗浄」となっているようです。

熊スプレーは飛行機で運べますか?
【最新】熊スプレーの飛行機・郵送・北海道遠征の持ち運びルールと注意点

スプレー缶は飛行機で荷物として運べません。例えば、東京から北海道まで行く場合は、熊撃退スプレーは「現地で購入」か「手持ちのスプレーを陸送」が必要になります。

使用期限切れは使える?

刺激成分が劣化し効果が落ちる恐れがあるため推奨されていません。

img001 【2026年】近年の熊による人身被害事例(市街地・登山・山菜取り)(2021–2026)

多くの熊スプレーの使用期限は3~4年程度です。

使用期限の切れた熊撃退スプレーの処分方法は?

万が一用ですので、全く使用せずに使用期限を過ぎるケースがほとんどだと思います。

熊撃退スプレーは劇薬ですので、僅かに成分が目や皮膚に付着するだけで痛みが生じます。安全に処分する方法が公開されていますので、下記ページにまとめました。

熊に関する知識と対策

熊が出没による人身被害の多い都道府県はありますか?

環境省の資料によると、2019年~2024年の熊による人身被害件数が多い都道府県トップ5は、北海道、青森県、岩手県、秋田県、新潟県、福島県、長野県がほぼ占めています。

img001 【2026年】近年の熊による人身被害事例(市街地・登山・山菜取り)(2021–2026)

本州はツキノワグマですが、北海道はより巨体のヒグマで気性も荒いと言われています。

熊鈴と併用すべき?

クマと出会わない対策が第一。鈴・ラジオで存在を知らせ、スプレーは最終手段です。

クマの専門家の方曰く熊鈴の効果は

  • 無風の開けた場所で最大300 m。
  • 強風・沢音・密林では大幅に減衰。
  • 「威嚇」ではなく“こちらの存在を知らせる手段” と割り切る。

と言われています。熊鈴は鈴型ではなく、音の大きなベル型が推奨です。

img001 【2026年】近年の熊による人身被害事例(市街地・登山・山菜取り)(2021–2026)

ただ、『過去に人を襲って食べた熊は熊鈴の音を聞くと逆に寄ってくる』という話もあり、過去にそういう事件があって解決していない山域では熊鈴は避けたほうが良いという意見もあります。

熊に遭遇した時の対処法ってあるの?
img001 【2026年】近年の熊による人身被害事例(市街地・登山・山菜取り)(2021–2026)

約50年クマ研究されてきた日本ツキノワグマ研究所 米田一彦さんの『熊に遭遇した時の対処法』の動画(約35分)が非常に有用です!

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