<2025年更新!>モンベルの化繊寝袋「シームレス バロウバッグ(EXP,#0,#1,#2,#3,#5)」と「シームレス アルパインバロウバッグ(EXP,#0,#1,#2,#3,#5,#7)」の特徴と違いを紹介します。

まずはシームレス バロウバッグから解説します。
「シームレス バロウバッグ」の特徴
- 中綿:エクセロフト
- 外側にスーパースパイラルストレッチで伸縮率「124%」
- 生地の噛み込みを軽減するパーツYKK
- サイズは、レギュラー(身長~183cm)とロング(身長~198cm)
シームレスバロウバッグは2022年に旧モデル「スーパースパイラルバロウバッグ」からリニューアルされたモデルです。化繊綿でもシームレス構造にして、縫い目を極限まで減らして温かい空気を蓄えるようリニューアルされました。



以下の新旧モデルの比較動画がとても参考になります!
中綿は化繊綿エクセロフト



エクセロフトという3種類の異なるポリエステル繊維綿をブレンドした柔らかく、回復力と保温力に優れた、特殊な化繊モデルです。
[出典:モンベル]



化繊綿「エクセロフト」を使用したモデル。キャンプ向けです。エクセロフトは化繊綿ながら非常に柔らかく、身体にフィットしやすいため寝心地も良いです☆
生地の噛み込みを軽減するパーツYKK
2020年以降のリニューアルモデルから
- ジッパーに『生地の噛み込みを軽減するパーツ(YKK製)』
が取り付けられています。(カタログにも記載されています。)
モンベルの寝袋は収縮する構造上、どうしてもジッパーが生地に噛み込みしやすかったですが、今回の変更により、より開閉しやすくなるだけでなく、生地裂けリスクも軽減されるでしょう。
ラインナップ
「シームレス バロウバッグ」の保温力別のラインナップは、
- EXP :○(使用可能温度:-18℃)
- #0:○(使用可能温度:-15℃)
- #1:○(使用可能温度:-12℃)
- #2:○(使用可能温度:-6℃)
- #3:○(使用可能温度:0℃)
- #5:○(使用可能温度:3℃)
- #7:×
になります。
わかりやすく表現すると、人間がまともに寝れる下限温度。一般的な男性(25歳/70kg/173cm)がシュラフの中で丸くなり、快適に寝ることができる温度域です。ただ、日本人より寒さに強い白人の体感による基準のため、日本人だと少し寒い温度です。詳しくは保温力表示規格ISO23537(EN13537)を参照)。



このモンベル独自の保温力表記は、はじめての方は戸惑いやすく、見慣れるとわかりやすい表記になります。
保温力表記に、寝袋の対応時期を追記すると、
- EXP(使用可能温度:-20℃程度)
⇒ 主に局地遠征、海外の高山遠征向け。 - #0(使用可能温度:-13℃程度)
⇒ 日本国内の厳冬期登山、キャンプ向け。 - #1(使用可能温度:-10℃程度)
⇒ 日本国内の残雪期登山、キャンプであれば厳冬期除いた3月~12月ぐらいか。 - #2(使用可能温度:-5℃程度)
⇒ 3.5シーズン。氷点下になる紅葉時期登山も対応。 - #3(使用可能温度:0℃程度)
⇒ 3シーズン用。2000m級登山では、9月中旬以降はしんどいかも。 - #5(使用可能温度:3℃程度)
⇒ 夏用。登山用としては使用期間短く、おすすめしない。 - #7(使用可能温度:7℃程度)
⇒ 夏用。主に平地キャンプ向け。バイク・自転車ツーリングなど。
ざっくりこのような感じになります。
登山での一番人気は軽量・コンパクト性、価格のバランスのとれた#3です。
「シームレス バロウバッグ」と「シームレス アルパインバロウバッグ」の違い
「シームレス バロウバッグ」(以下:SB)と「シームレス アルパインバロウバッグ」(以下:SAB)の違いは、
- 内側のストレッチの幅(SB:124% vs SAB:114%)
- サイドジッパーの長さ(SB:踵ぐらいまで vs SAB:膝ぐらいまで)
- ラインナップの違い(SB:EXPあり,#7無し vs SAB:EXP無し,#7あり )
という違いあります。



基本的に、「シームレス バロウバッグ」は快適性重視の汎用キャンプ向け、「シームレス アルパインバロウバッグ」は少しでも軽量化したい方向け となっています。
他モデルの重量を比較すると、
- シームレスダウンハガー 800 #3:重量555g
- ダウンハガー650#3:720g
- シームレスバロウバッグ#3:963g
- シームレスアルパインバロウバッグ#3:928g
の違いがあります。



シームレスバロウバッグとシームレスアルパインバロウバッグの差はわずかしかありません。
もともと重い化繊綿の寝袋ですから、快適性重視の方はEXPを用意し、軽量化モデルのシームレスアルパインバロウバッグは#7も用意している、と推測されます。



どちらも収納サイズも化繊綿モデルは大きくなるため、主にキャンパー向けになります。価格も購入しやすい金額です。
EXP,#0,#1,#2の収納袋はコンプレッションバッグが標準装備になっていて、ベルト締めで圧縮可能です。
化繊綿モデルは水濡れに強く(保温力が低下しにくい、濡れても乾きやすい)ため、陸上のキャンパーだけでなく、水濡れリスクが払拭できないカヤックなどのウォータースポーツ愛好家からも選ばれやすい寝袋です。



サイドジッパーは長いほうが温度調整しやすく、基本的にある程度の快適性を求める方はシームレスバロウバッグの方がおすすめです。
\ 競合・ライバル製品 /



軽量・コンパクトな化繊寝袋は、そんなに選択肢が多くありません。どうしても軽量化するとなるとダウンにはとてもかなわないのが大きな理由と思います。価格は1万円台からと購入しやすい価格になります。
※イスカとタケモは最低使用可能温度。快適使用温度は、表示温度におおむね5~10℃をプラスした温度です。

