モンベル ダウンハガー800 #3はモンベルのハイエンドモデルの3シーズン用寝袋です。軽量・コンパクトを実現しながら快適な寝心地を実現している、モンベルの主力のスリーピングバッグになります。
モンベル ダウンハガー800 #3
- 【価格】 ¥30,000 +税(レギュラー)
- 【中綿】800フィルパワー EXダウン(グースダウン)
- 【素材】表地:10デニール・バリスティック エアライト® ナイロン[撥水加工]
- 裏地:10デニール・バリスティック エアライト® ナイロン[帯電防止加工]
- 【重量】573g(595g) ※( )内はスタッフバッグを含む総重量です。
- 【カラー】バルサム(BASM)、サンライズレッド(SURD)
- 【サイズ】R/ZIP(右ジッパー)、L/ZIP(左ジッパー)
- 【収納サイズ】∅14×28cm(3.8L)
- 【コンフォート温度】4℃
- 【リミット温度】-1℃
- 【エクストリーム温度】-16℃
- 【適応身長】183cmまで
- 【機能】R(右)ジッパーモデルとL(左)ジッパーモデルから選べます(ジッパー長170cm) ※ジッパースライダーには生地の噛み込みを軽減するパーツを取り付けています。/ジョイント可能モデルとジョイントできます/スーパースパイラルストレッチ™ システム
- 【付属品】ストリージバッグ
最高級の800フィルパワーのダウンを使用し、リミット温度-1℃、総重量595g(収納袋込み)と軽量・コンパクトです。生地は撥水加工されています。
2020年にマイナーチェンジ
2020年になり、中綿がダウンの寝袋のメーカー型番が変更になり、スペックも微妙に変わっています。
メーカーに問い合わせたところ、主に2点の変更があるとのことでした。
- 寝袋のフード部分の形状変更 (保温力アップ)
- ジッパーのフラップ形状を変更 (保温力アップ)
写真で見ると、確かにフード部分のしぼみが変化しているのがわかります。
旧モデル
↓↓↓
新モデル
また、実物を確認したところ、2020モデルの中綿ダウンモデル(ダウンハガー900,800,650等)から
- ジッパーに『生地の噛み込みを軽減するパーツ(YKK製)』
が取り付けられています。(カタログにも記載されています。化繊モデル(バロウバッグ)は付いてません)
モンベルの寝袋は収縮する構造上、どうしてもジッパーが生地に噛み込みしやすかったですが、今回の変更により、より開閉しやすくなるだけでなく、生地裂けリスクも軽減されるでしょう。
モンベル ダウンハガー800 #3(レギュラーサイズ)の場合、新旧モデルを比較すると
- 旧モデル:リミット温度-2℃、重量:600g(収納袋込み)、価格 ¥27,500 +税
- 新モデル:リミット温度-1℃、重量:595g(収納袋込み)、価格 ¥30,000 +税
の違いあります。(マイナーチェンジですので旧モデルと僅かな違いに留まっています)
また、マイナーチェンジにより、メーカー型番も
- 旧モデル:メーカー型:#1121291(2015~2019年)
- 新モデル:メーカー型:#1121360(2020年~)
と変わっています。
切り替わり時期には、通販サイトで旧モデルが混在することあり、購入時に間違わないようご確認ください。
伸縮率135%
このモンベル ダウンハガーモデルの大きな特徴は、スーパースパイラルストレッチ システムという高い伸縮性を備えていることです。
この仕組はモンベルの特許で、生地自体のの伸縮性+ゴムの伸縮性により、高い伸縮性とフィット感を実現しています。伸縮性があるため、カタログに肩幅など横方向のサイズの記載がありませんが、ダウンハガー800 #3の肩部分を伸縮させると、おおよそ肩幅が80cm程度までのびましたので、就寝時に身体を動かしたときに十分なゆとりを感じることができると思います。
私自身がモンベルのスーパースパイラルストレッチシステムの寝袋を実際に使ってきています(因み私は無積雪期登山用に#2)が、腕や足をぐいっと動かしたい時にはかなりの幅で動かすことができ、静かに寝ている時には糸ゴムの力により体にフィットします。このシステムは、マミー型に寝なれない方には初心者の方には非常に優しい設計で、寝ている時のある程度の開放感と体と寝袋との寒い空間を極力無くすという相反する要素を解消しています。
長時間の登山後は、足が疲労して寝ている時に足を大きく動かしたくなるようなことがあるのですが、一般的なマミー型の寝袋で寝ているとパツーンと生地の内径で制限されフラストレーションになることがあるのですが、モンベルのストレッチする寝袋だと、ググッとある程度動かせるので長時間の睡眠でも、自宅の布団には及びませんが、ある程度快適に寝ることができています。ある程度力を入れて足を広げても、耐えれれる強度も持ち合わせています。
このストレッチするモンベルの寝袋は、
- マミー型に寝なれない初心者の方
- 何日・何泊も使用する方
- 身長が180cm程度でがっしり体型の男性
には、この寝袋をぜひ試してみて欲しいと思います。
ジッパーはR/ZIP(右ジッパー)がおすすめ
ジッパー(スライダー)が
- 寝袋の右側にあるR/ZIP:右ジッパー
- 寝袋の左側にあるL/ZIP:左ジッパー
があります。日本では一般的に右ジッパーが主流で、左ジッパーはほぼ2つの寝袋の連結用と考えてよいでしょう。そのため、ほとんどの方は右ジッパーを選び、2個買う時はもう一つを左ジッパーにしておこうかな、という感じです。(右・左側のジッパーについて詳しく知りたい方はこちら)
収納袋もストレッチ性あり収納しやすい
また、あまりフォーカスされない内容ですが、モンベルの寝袋は収納袋も多少のストレッチ性があり、初心者の方でも出し入れしやすくなっています。負荷のかかる部分には耐久性を考えた縫製がされていて、細かなところまで丁寧に設計されているのが伝わってきます。
レギュラー、ロング、Women’sモデルあり
サイズはレギュラーサイズ、ロングサイズ、Women’sモデルの3種類あり、保温力は同じですが価格や重量が異なります。ロングは大きくなった分だけ+59g重量が増えています。Women’sは重量が-26g減っていますが、足元のダウン量を20%アップして、デザインも明るい配色に変わっています。
購入者レビューと実売価格
モデルが切り替わったばかりで、新モデルの購入者レビューは見かけません。旧モデルをレビューをご参考に。
旧モデルをレビュー
「モンベル ダウンハガー800 #3 」の購入者レビューと実売価格
レギュラーサイズは、カラーがバルサム(緑)、サンライズレッド(赤)の2種類あり、ロングはバルサム(緑)のみになります。
レギュラーサイズ[適応身長:~183cm,重量:595g]
ロング[適応身長:~190cm,重量:654g]
- amazon
- 楽天
Women’s[適応身長:~173cm,重量:569g]
旧モデルをレビュー
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ストレッチが素晴らしい(2018年4月23日):スリーシーズン用に購入。152cmの身長で余裕ですっぽりです。女性用ということで丈が短くなった分の羽毛を足元に注入しているということですが、特に分厚い!とは思いませんでした。
腰から下まで入って胡坐をかけますので、テントの中で下半身をダウンにくるまったまま作業や食事ができ、極寒テントではありがたいです。夜寝ていて足が冷たくて眠れないときなども、ひざを曲げて足裏を手で揉んだりできます。一般的なシュラフでは膝でひっかかって曲げられないのです。ストレッチ最高です。
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著者PROFILE
2009年末から寝袋と関連装備に特化したこのサイトを開設。いつの間にか運営10年を超える老舗サイトに。ファミリーキャンプから無積雪期登山、厳冬期登山、バイクのキャンプツーリングに自転車旅行、車中泊など、アウトドアを幅広く経験。寝袋の宿泊数は100泊以上~500泊未満。狭い業界ですが、まだまだ知らないこと沢山あり、日々勉強中です☆
谷川岳の雪洞で宿泊
今まで様々な状況下で寝てきましたが、100泊以上経験してわかったのが、『保温力に余裕のある寝袋を用意すること』です。
雪山テントは換気にも注意(テントが埋まると酸欠に)
雨風や断熱材で守られた家と違い、アウトドアフィールドでの宿泊は天候や外気温の変化を大きく受けます。事前の天気予報より、当日の気温が-5℃程度低かった、などは日常茶飯事です。また、多くのキャンプ場は、最寄りの市街地よりも標高が高い事が多く、天気予報で知ることのできる最寄りの市街地の最低気温よりも気温が低いことが多いです。
自然の中で睡眠をとる体験は素晴らしいですが、寝袋の保温力が足りないと真夜中に早朝に目が冷めます。これは外気温は日の出前の早朝4~5時あたりが最も気温が下がり、また体温も下がっているためです。一度このタイミングで目が冷めてしまうと、身体が芯から冷え切っているため、ここからなかなか眠ることができません。そして、寝不足の状態になります。
楽しいアウトドア体験するはずだったのが、思わぬ寝不足でボーーっとしてしまうのは、もったいないです(しかも連泊でこれが続くとかなりキツイです)。少し汗ばむくらいの保温力の寝袋を選んで、ぜひ素敵なアウトドア体験を満喫してください☆
寝袋と(キャンプ用の)マットは2つで1つです。
キャンプ用のマットの役割は主に『断熱』と『寝心地を快適にする』の2つです。
『断熱』について・・・アウトドア用の寝袋の中綿として、化繊やダウンが使われていますため、小さく圧縮して収納し持ち運ぶ事ができます。寝袋を収納袋から出して広げると、徐々に中綿が膨らみますが、人間が寝袋に入ったときに身体と地面に挟まれた中綿はぺちゃんこに潰れるため、断熱力がほとんどなくなります。大概の地面は冷たく、身体の重みで密着した部分から体温が逃げ(ヒートロス、熱損失)て、底冷えします。この現象は、体温と地熱の温度差が大きい春・秋・冬ほど熱損失量も増えます。
これを防ぐため、キャンプ用のマットを使います。キャンプ用のマット体重がかかっても断熱効果が得られるよう設計されています。
『寝心地を快適にする』について・・・最近、畳の上で寝たことはありますか?痛くて寝れなかったという方もいるのではないでしょうか。昨今の快適用品の普及により、強い刺激に敏感になっています。よほどふかふかの芝生以外、寝袋のみで寝ると地面の凸凹や石があたって痛くてまともに寝れません。その衝撃を吸収する役割としてキャンプ用マットが使われます。キャンプ用マットは大きくクローズドセルマット(銀マットなど)とエア注入式の2種類あり、寝心地はエア注入式の方が良いです。
テントの中で寝袋の下に敷くマットは、様々な用途に合わせて、多数の商品があります。皆さんの用途にあった、快適に寝れるマットが見つかりますように☆
コンセプト通りの素晴らしい寝袋(2018年3月2日):まず、すべての気温に対応出来る寝袋はありません。どのメーカーも気温設定を表示しているのはそのためです。
環境に合わせて快適に過ごすためどの寝袋を選択するかはユーザー側に委ねられています。
この製品を3年使用していますが、コンセプト通りの仕様で、私の場合3℃程度なら快適に寝られます。0℃になると寒さを感じはじめます。つまりその点がコンセプト通りかと思います。なので0℃を下回る場合は選択肢から除外します。
同じレベルの気温設定になっている他社のマミー型と比べた場合、明らかな差が出るのは伸縮率です。むしろ伸びる方がフィットしてくるため暖かく、膝を開いたり足先を動かせるので封筒型より快適に感じる程です。これは他社にはない機能ですね。
表生地に撥水性のあるポルカテックスを使用してるせいか、よくあるテカテカ生地とは違いサラッとしていて肌触りが抜群で、裏生地も張り付いたり、他社の様ななカサカサ感も抑えられており快適です。
携行性としてはさすが800FP、コンプレッションサックを使えば純正サックより1/2~2/3程度まで圧縮出来ます。(ダウンにとってはストレスですが携行する間だけなので私はそうしてます。)
価格は安くはないと思いますが、この仕様でこの機能であれば荷物を極力抑えたい方にはこの価格でも納得ではないでしょうか。
個人的には今まで購入してきた寝袋の中で一番のお気に入りです。