ヒグマ&ツキノワグマ対策用品として、モンベルが数ある熊撃退スプレーの中から選び抜き、正規代理店として販売しているのが、米国SABRE(セーバー)社が製造する「フロンティアーズマン(Frontiersman)」シリーズです。

なぜモンベルがこの製品を選んだのか、その具体的なスペックや特徴を他社製品との比較を視野に入れながら徹底的に解剖していきます。
記事のポイント
- なぜモンベルは「フロンティアーズマン」!?
- 製品仕様の詳細分析 – スペックが語る実力
- 主要他社製品との徹底比較分析


経歴:北海道出身、登山歴15年以上。関東の大型の登山用品店で約4年間の勤務を経験。最近はヒグマやツキノワグマの対策用品の調査・研究にも注力。 名前:Masaki T
なぜモンベルは「フロンティアーズマン」!? – 信頼性へのこだわり


フロンティアーズマン
マックス ベアスプレー 234mL


フロンティアーズマン
マックス ベアスプレー 272mL



私自身、アウトドア業界を15年以上見てきていますが、モンベルは単なる販売店ではありません。
自社で製品を開発するメーカーであり、同時に世界中から優れたアウトドア用品を選び抜いて日本のユーザーに紹介する「セレクター」でもあります。
そのモンベルがフロンティアーズマンを選んだ背景には、同社の企業理念とも合致する「安全性」と「信頼性」への強いこだわりが見て取れます。
- 米国環境保護庁(EPA)による認証
- 製造メーカーSABRE社の実績
- 日本市場への適合性
米国環境保護庁(EPA)による認証


フロンティアーズマンが持つ最大の強みの一つが、米国環境保護庁(EPA – Environmental Protection Agency)の厳格な基準をクリアし、正式に「熊撃退用スプレー」として登録されていることです。
EPAは、製品の有効成分(MC濃度が1.0%〜2.0%の範囲内であること)や安全性、環境への影響などを厳しく審査します。このEPA認証の有無は、製品の性能と信頼性を客観的に証明する最も重要な指標と言えます。



モンベルは、この公的な「お墨付き」を極めて重視したと考えられます。
製造メーカーSABRE社の実績
製造元であるSABRE社は、護身用スプレーの分野で世界的なシェアを誇るトップメーカーです。世界中の警察や法執行機関に製品を供給しており、その品質管理体制には定評があります。自社で高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)試験施設を持ち、製造ロットごとにカプサイシノイド濃度を厳密に検査することで、製品の効力にバラつきがないことを保証しています。



このようなメーカーの信頼性が、モンベルの選択基準において重要な要素となったことは間違いありません。
日本市場への適合性


モンベルは、日本のフィールドやユーザーに合わせた製品を提供することに長けています。フロンティアーズマンの噴射性能や操作性が、日本の主要な熊であるツキノワグマ、そして北海道のヒグマに対して有効であり、かつ日本のユーザーが扱いやすいと判断した結果でしょう。
製品仕様の詳細分析 – スペックが語る実力


現在、モンベルが主に取り扱っているのは「フロンティアーズマン マックス ベアスプレー」の2つのサイズモデルです。その具体的なスペックを分析し、他社製品と比較するための基準を見ていきましょう。


フロンティアーズマン
マックス ベアスプレー 234mL


フロンティアーズマン
マックス ベアスプレー 272mL
- 有効成分と濃度
- 噴射性能
- 安全性と操作性
- 内容量と重量
有効成分と濃度


成分: カプサイシン(トウガラシ抽出成分)2%、不活性成分98%
この「カプサイシン2%」という表記は、MC(主要カプサイシノイド)濃度が2.0%であることを示しています。



これは、米国環境保護庁(EPA)が定める上限値であり、現在市場に存在する熊撃退スプレーの中で最高レベルの濃度です。
多くの競合製品がMC濃度1.x%台である中、この2.0%という数値は、フロンティアーズマンが「威力」を最重要視して設計されていることの証左です。熊に対して、より迅速かつ強力な効果が期待できます。
噴射性能


噴射距離: 12m(両モデル共通)
この12mという噴射距離も、業界トップクラスのスペックです。



熊の突進速度は時速40km以上、秒速に換算すると約11mにも達すると言われています。
つまり、わずか1秒で10m以上の距離を詰めてくる相手に対して、少しでも遠くから噴射できることは、精神的な余裕と安全マージンを確保する上で決定的に重要です。
噴射時間
- 272mLモデル:約7〜8秒
- 234mLモデル:約6〜7秒
7秒以上の連続噴射時間は、十分な長さと言えます。これにより、突進してくる熊に対して軌道修正をしたり、一度撃退した熊が再度向かってくるような最悪の事態にも対処できる可能性が残ります。
噴射パターン: 広範囲に拡散する霧状(円錐状)
これは熊撃退スプレーのスタンダードな方式であり、緊急時に正確な照準が困難な状況でも、熊の顔面を捉えやすいです。
噴射された刺激物が広範囲に壁(バリア)を形成し、熊がそれを吸い込み、目に浴びる確率を最大化します。
安全性と操作性


- セーフティクリップ: 誤噴射を防止するための安全クリップが付属しています。このクリップは、緊急時に親指一本で素早く取り外せるように設計されています。
- グローインザダーク(蓄光): 安全クリップには、暗闇で光る蓄光素材が採用されており、夜間や早朝・夕暮れの薄暗い状況でも、スプレーのヘッド部分を視認しやすくなっています。これは、テント内での不意の遭遇など、視界が悪い状況での操作性を大きく向上させる実践的な機能です。
- 操作ヘッド: 噴射レバー部分には指をかけるループが設けられており、これにより缶をしっかりとホールドし、噴射口の向きを間違えることなく、確実に熊の方向へ構えることができます。
内容量と重量
- 272mLモデル:345g
- 234mLモデル:305g
いつ使うかわからない道具は、軽量化を追求する登山者にとっては、この重量は決して無視できません。しかし、これは万が一の際に生命を守るための「保険」です。



一般的な500mLのペットボトル飲料が約500gであることを考えれば、許容できなくはない重量と言えるでしょうか。もう少し軽量内容量(安心感)と重量のバランスを考慮して、どちらのモデルを選ぶか検討することになります。
動画
米国セイバー社の製品紹介



英語わからなくても十分理解できます!
主要他社製品との徹底比較分析 – 最強の一本はどれ?





モンベルが扱うフロンティアーズマンが優れた製品であることは間違いありません。しかし、市場には他にも歴史と実績のあるブランドや、独自の特徴を持つ製品が存在します。
ここでは、代表的な競合製品を取り上げ、前章で分析した項目に沿ってフロンティアーズマンと徹底的に比較することで、それぞれの長所と短所、そしてどのようなユーザーに適しているのかを分析します。
- 比較対象製品の選定
- 熊撃退スプレーの適切な選び方と実践的な使用法
- 実践的な使用法
- 熊撃退スプレーのよくある質問
比較対象製品の選定
ここでは、日本国内で比較的入手しやすく、多くのユーザーに支持されている代表的な3つのブランドを選定しました。
- カウンターアソールト(Counter Assault): 熊撃退スプレーの「元祖」。世界で初めて製品化され、その長い歴史と数々の実証データに裏打ちされた信頼性は絶大です。いわば業界のスタンダードであり、比較の基準となる存在です。
- UDAP(ユーディーエーピー): 創設者自身がグリズリーに襲われ、スプレーで生還したという経験から設立されたブランドです。独自の噴射パターンなどに特徴があります。
各製品のスペック比較


製品名・特徴 ①連続噴射時間 ②噴射距離 ③全重量 ④内容量 ⑤サイズ(直径×全長) ⑥対象動物 ⑦使用期限 | |
---|---|
![]() ![]() | カウンターアソールト CA290(ストロンガー) 『EPA認可の熊スプレー』 国内実績と性能から熊スプレー最強。 連続噴射時間、噴射距離、内容量すべてがTOPクラス。価格は高い。米国製。 積極的に熊生息地へ行く方、非常に熊遭遇リスクが高い地域にいる方向け。 ①約8秒 ②約12m ③約380g ④約290g ⑤φ59 mm× 215 mm ⑥ヒグマ&ツキノワグマ ⑦約4年 詳しい解説 (噴射動画など) | 最強
![]() ![]() | カウンターアソールト CA230 『EPA認可の熊スプレー』 信頼のブランド製。CA290よりスペック少し劣るがコンパクトに。価格は高い。米国製。 万が一の熊対応用など。 ①約7秒 ②約9.6m ③約290g ④約230g ⑤φ53 mm× 215 mm ⑥ヒグマ&ツキノワグマ ⑦約4年 詳しい解説 (噴射動画など) |
![]() ![]() | フロンティアーズマン ベアスプレー 272mL 『EPA認可の熊スプレー』 実はアメリカamazonで人気No.1の熊スプレー!人気・実績共に高い。米国セイバー社製。ホルスター付き。 積極的に熊生息地へ行く方、非常に熊遭遇リスクが高い地域にいる方かつ、カウンターアソールト ストロンガーとほぼ同等の製品をより安価で購入したい方。 ①約7 – 8秒 ②約12m ③約345g ④約272g ⑤φ53mm × 240mm ⑥ヒグマ&ツキノワグマ ⑦約4年 詳しい解説(噴射動画など) | アメリカ人気No.1
![]() ![]() | フロンティアーズマン ベアスプレー 234mL 『EPA認可の熊スプレー』 234mLは272mLより容量少なくサイズもコンパクト。でも射程距離は同じ12m!ホルスター付き。 万が一の熊対応用で、噴射距離とコンパクト性を両立したい方。 ①約6 – 7秒 ②約12m ③約304g ④約234g ⑤Φ5.3cm × 22cm ⑥ヒグマ&ツキノワグマ ⑦約4年 詳しい解説 (噴射動画など) |
![]() ![]() | UDAP 12HP 『EPA認可の熊スプレー』 アメリカamazonでも人気上位の米国UDAP社の熊スプレー。ヒグマ対応ながら、日本での実売価格が他ブランドの約半額で日本でも人気。ホルスター付き。 連続噴射時間は約4秒なので複数回の噴射ミスは避けたい。ヒグマ対応品の中では最安クラス。 ①約4秒 ②約9m ③225g ④ー ⑤φ51mm × 216mm ⑥ヒグマ&ツキノワグマ ⑦約4年 詳しい解説(噴射動画など) | 高コスパ
![]() ![]() | 熊一目散(くまいちもくさん) 国産スプレーのため米国EPA認可ではないが、同等の性能で開発 日本で流通する熊スプレーのほとんどは米国産の中、国産2025年から国産開発・製造のスプレー。バイオ科学株式会社が酪農学園大学の佐藤喜和教授監修のもと開発。米国製と同等の性能。 スペックは米国製のEPA認可スプレーと同等の性能。大きな違いは「日本人が使い慣れたスプレーノズル」「誤噴射防止のキャップ付き」「専用ホルスター付き」です。キャップ付きだと速射性は落ちますが、小枝等の引っかかりによる誤噴射は起きない構造なのが安心。価格は少し高め。 ①約10秒 ②約10m ③275g ④280ml ⑤φ53mm × 205mm ⑥ヒグマ&ツキノワグマ ⑦約5年 詳しい解説(噴射動画など) | 国産スプレー
![]() ![]() | ポリスマグナム B-610 米国では対人用の催涙スプレーとして販売されているが、日本の販売店ではツキノワグマ対応と記載。 個人的にはこの価格なら、より射程距離の長いヒグマ対応のスプレーでもいいかも?と思った。 ①約8秒 ②約6m ③440g ④250g ⑤φ54 mm× 235 mm ⑥ツキノワグマ ⑦約4年 |
![]() ![]() | ポリスマグナム B-609 米国では対人用の催涙スプレーとして販売されているが、日本の販売店ではツキノワグマ対応と記載。 コンパクトなので携帯性は優れるが、連続噴射時間は約2.5秒。一発勝負的な感じか。 ①約2~2.5秒 ②約5m ③163g ④105g ⑤φ38 mm × 172 mm ⑥ツキノワグマ ⑦3~5年 |
![]() ![]() | ペッパージェット TW-1000(63ml) 非常にコンパクトだが、水鉄砲のようにピューっと飛ぶため、かなりの狙い撃ちが必要。熊が接近しても落ち着いて狙い撃ちできる方向け。 ある意味、高難易度スプレー。 ①— ②— ③100g ④63g ⑤φ35 mm× 122 mm ⑥熊など野生動物 ⑦約2年 |
![]() ![]() | ペッパージェット TW-1000(40ml) 63mlよりさらに容量少なく、無いよりはいいレベルかも。 ①— ②— ③50g ④40g ⑤φ35 mm× 105 mm ⑥熊など野生動物 ⑦約2年 |
※「—」は公式情報未掲載の項目を示します。
出典:
- ペッパージェット TW-1000(40ml/63ml)…TW1000 公式サイト tw1000.com
- UDAP 12HP…UDAP Industries 公式サイト UDAP
- カウンターアソールト CA230…Counter Assault 公式サイト Counter Assault
- カウンターアソールト CA290…公式ホルスター付き製品ページ Gear Up For Outdoors
- フロンティアーズマン ベアスプレー…Montbell America 公式サイト モンベル
- ポリスマグナム B-610/B-609… Amazon



スペック上は、フロンティアーズマンがMC濃度と噴射距離という2大要素において他をリードしており、「最強」の呼び声にふさわしい性能を持ちます。しかし、カウンターアソールトの歴史と実績に根差した信頼性や、UDAPは特定のニーズに応える尖った性能を持ちます。
モンベルの製品は、単にスペックが高いだけでなく、「高いスペックの製品を、日本中の誰もが、安心して、正しい知識と共に手に入れられる」という流通と教育のシステムを含めて評価する必要があります。これこそが、他社製品にはない、モンベルが提供する熊撃退スプレーの最大の「違い」であり、価値とも言えます。
熊撃退スプレーの選び方と使用法
熊撃退スプレーの適切な選び方と実践的な使用法とは!?
熊撃退スプレーの適切な選び方と実践的な使用法


熊撃退スプレーは、万が一の遭遇に備えるための「最後の切り札」です。その効果を最大限に引き出すには、製品を正しく選び、使い方をあらかじめ習熟しておくことが極めて重要です。
自分に合ったスプレーの選び方 🤔
どのスプレーも同じではありません。ご自身の活動内容や訪れる場所に合わせて、最適な一本を選ぶ必要があります。
有効成分(MC濃度)と噴射性能で選ぶ





最も重要なのが基本スペックの確認です。
- 濃度(MC濃度): スプレーの威力を示す主要カプサイシノイド(MC)濃度を確認しましょう。米国環境保護庁(EPA)の基準である**1.0%〜2.0%**の製品が信頼の目安です。数値が高いほど強力です。
- 噴射距離: 熊の突進は非常に速いため、距離は8m以上、できれば10mを超える製品が望ましいです。距離が長いほど、安全な間合いを確保できます。
- 噴射時間: 内容量に比例し、最低でも4秒以上、できれば7秒以上噴射できる製品を選ぶと、冷静に対処する余裕が生まれます。
活動エリアと想定される熊で選ぶ



どこで、どんな熊に遭遇する可能性があるかで選びます。
- 北海道(ヒグマ): 大型で危険度の高いヒグマが生息するエリアでは、スペックに一切の妥協は禁物です。MC濃度2.0%、噴射距離10m以上の最高性能モデルを選びましょう。
- 本州・四国(ツキノワグマ): ヒグマよりは小型ですが、非常に危険であることに変わりはありません。ヒグマ対策に準じた高性能なスプレーが推奨されます。
信頼性と入手しやすさで選ぶ



公的な認証やブランドの実績も大切な判断基準です。
- EPA認証: 米国で販売される熊撃退スプレーには、**米国環境保護庁(EPA)**の認証が義務付けられています。この認証は、性能と安全性の客観的な証です。
- ブランドと入手性: 「カウンターアソールト」のような歴史あるブランドや、「フロンティアーズマン」のようにモンベルなどの専門店で入手しやすく、説明を受けられる製品は初心者にも安心です。
実践的な使用法 🏃♂️
最高の道具も、使えなければ意味がありません。いざという時に体が動くよう、手順を理解し、訓練しておくことが生死を分けます。
最も重要な携行方法



スプレーは「即座に、無意識に、利き手で」取り出せる場所に携帯するのが鉄則です。
- 推奨される場所: ザックのショルダーハーネス(胸の位置)や、腰のベルトに専用ホルスターで装着します。
- 絶対にダメな場所: ザックの中や雨蓋、サイドポケットは、取り出すのに時間がかかりすぎるため絶対にやめましょう。
遭遇から噴射までの思考訓練



パニックに陥らないよう、頭の中で何度もシミュレーションしておきましょう。
- 状況判断: 熊との距離、風向き(自分が風上になるように)を瞬時に確認します。
- 準備: スプレーをホルスターから抜き、安全クリップを外して両手でしっかり構えます。
- 噴射のタイミング: 熊が明らかにこちらへ突進してきたら、躊躇なく噴射します。有効射程距離(例:10m)より少し近い7〜8mが目安です。
- 狙う場所と噴射方法: 熊の**顔(鼻・目)**を狙い、1〜2秒の短い噴射を断続的に行います。「シュー、シュー」と噴射し、熊が向きを変えるまで続けます。
訓練の重要性(訓練用スプレーの活用)



知識だけでは体は動きません。
- 訓練用スプレー(イナーター): 中身が水や不活性ガスになっている訓練用スプレーを使い、実際に噴射してみることを強く推奨します。ホルスターから抜く、構える、噴射するという一連の流れを体に覚え込ませることで、本番での成功率が劇的に向上します。
熊撃退スプレーのよくある質問
熊が出没による人身被害の多い都道府県はありますか?
環境省の資料によると、2019年~2024年の熊による人身被害件数が多い都道府県トップ5は、北海道、青森県、岩手県、秋田県、新潟県、福島県、長野県がほぼ占めています。
本州はツキノワグマですが、北海道はより巨体のヒグマで気性も荒いと言われています。北海道は地域によってはヒグマ出没が頻度が多く社会問題になっています。


熊鈴と併用すべき?
クマと出会わない対策が第一。鈴・ラジオで存在を知らせ、スプレーは最終手段です。
クマの専門家の方曰く熊鈴の効果は
- 無風の開けた場所で最大300 m。
- 強風・沢音・密林では大幅に減衰。
- 「威嚇」ではなく“こちらの存在を知らせる手段” と割り切る。
と言われています。熊鈴は鈴型ではなく、音の大きなベル型が推奨です。
ただ、過去に人を襲って食べた熊は熊鈴の音を聞くと逆に寄ってくるという話もあり、過去にそういう事件があって解決していない山域では熊鈴は避けたほうが良いという意見もあります。
熊撃退スプレーの成分は何?


主成分はカプサイシンおよび関連カプサイシノイドでOC(Oleoresin Capsicum)と呼ばれます。これらは唐辛子に含まれる辛味成分で、哺乳類の粘膜や眼球のTRPV1受容体を強烈に刺激し、瞬時に痛覚・熱覚を引き起こします。
OCは溶剤(水溶性と油性がある)に溶かされ、ガス(窒素or二酸化炭素or代替フロンなど)と共にスプレー缶に詰めれれています。


最強の熊撃退スプレーはどれですか?





スペック的にも実績的にも「カウンターアソールト CA290」が最強だと思います。詳しくは下記ページをご参照。


売れている人気の熊撃退スプレーはどれですか?





価格が手頃でコンパクトな『ポリスマグナム B-609』が非常に人気です。ただしヒグマは非対応です。詳しくは下記ページをご参照。


カプサイシノイド濃度 が最大で2%なのはなぜですか?
米国環境保護庁(EPA)登録製品では総カプサイシノイド濃度 1〜2% が標準とされています。これは人体に対する非致死性と、野生動物に対する即効的な忌避効果のバランスを取った値であり、2%を超える処方は規制対象となり一般流通しません。


熊に遭遇した時の対処法ってあるの?



約50年クマ研究されてきた日本ツキノワグマ研究所 米田一彦さんの『熊に遭遇した時の対処法』の動画(約35分)が非常に有用です!
冬季は噴射力が落ちる?
気温0 °C付近でガス圧低下が起きる。内ポケット携行で温度を保つと良い。
人間にご誤噴射したらどうなる?


猛獣対策の熊撃退スプレーは対人用の護身用の催涙スプレーの何倍も強力な劇薬です。噴射物が僅かに目に入る・皮膚に付着するだけで数時間の痛みが続くようです
緊急時でも周囲に人がいる状況での使用も最大限の配慮が必要で、安易に噴射して自分にかかって動けなくなった例もあるようです。
誤噴射や被爆による応急処置
- 内容物が目に入った場合:すぐに流水で15分以上やさしく洗眼し、コンタクトレンズは5分以内に取り外す。
- 皮膚や衣服に付着した場合:衣類を脱ぎ、ただちに流水で15分以上洗い流す。
- 症状が改善しない場合は本製品を持参のうえ医療機関を受診する
海外や日本での誤噴射事故も複数件あります。


熊撃退スプレーって本当に必要?
その昔は仕事や研究調査で積極的にクマの生息域に入る方が携行するものでした。ところが近年は里山・市街地にも出没し被害が多くなる年もあり、出没頻度が多い地域では市町村がクマ撃退スプレーを推奨し、補助金がでている地域もあります。




熊に熊撃退スプレーを噴射している動画はありますか?
海外に実際に噴射している様子の動画がありました。熊が木に登ってるのはちょっと怖いですね。
熊スプレーは飛行機で運べますか?
スプレー缶は飛行機で荷物として運べません。例えば、東京から北海道まで行く場合は、熊撃退スプレーは「現地で購入」か「手持ちのスプレーを陸送」が必要になります。
以下の動画で輸送方法について解説されていて、参考になります。
熊撃退スプレーを使えば万が一襲われても助かりますか?
熊の専門家の方は「100%はないけれど90%助かる」と言われています。
過去、業務で9回襲われてますが、通常の5倍~10倍激しく攻撃してきた熊でも熊スプレーで撃退できた(以下の動画をご参照)
熊が近づいてきた時、熊撃退スプレーはどの距離で噴射したらよいですか?
5m~3m程度まで引き付けて噴射するのが推奨、と言われています。熊撃退スプレーのスペックは無風状態での測定値で、現実には風の影響を受けますので、確実に熊に届く距離が5m~3m程度と言われています。
10mだと風で飛ばされて効果がありません。5m,3m,2mと段階的に噴射します。最初の5mの距離での噴射でほとんどの熊が逃げます。
使用期限切れは使える?
刺激成分が劣化し効果が落ちる恐れがあるため推奨されていません。
使用期限の切れた熊撃退スプレーの処分方法は?
万が一用ですので、全く使用せずに使用期限を過ぎるケースがほとんどだと思います。
熊撃退スプレーは劇薬ですので、僅かに成分が目や皮膚に付着するだけで痛みが生じます。安全に処分する方法の動画がモンベルで紹介されていましたので、下記動画をご参考にしてください。


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