この記事では、熊撃退スプレーがどこで手に入るのか、実店舗と通販のメリット・デメリット、スプレー選びの正しい知識まで解説していきます。
記事のポイント
- 熊撃退スプレーはアウトドア用品店や通販サイトなどで購入可能
- 購入場所によって品揃えや価格、受けられるアドバイスが異なる
- スプレーは「お守り」ではなく、正しい知識と訓練が不可欠
- 法律や使用期限、保管方法など、知っておくべき注意点がある

経歴:北海道出身、登山歴15年以上。関東の大型の登山用品店で約4年間の勤務を経験。最近はヒグマやツキノワグマの対策用品の調査・研究にも注力。 名前:Masaki T
熊撃退スプレーはどこで売ってる?それぞれの特徴

熊撃退スプレーとの出会いの場は、主に3つのカテゴリーに分けられます。それぞれに個性があり、あなたのアウトドアスタイルに合った場所がきっと見つかるはずです。
「熊撃退スプレーって、一体どこに行けば出会えるんだろう?」その疑問、とてもよく分かります。
- アウトドア用品専門店・登山用品店:専門家たちの集う場所。
- インターネット通販サイト:品揃えの豊富さ。
- 一部のホームセンター、スポーツ用品店や狩猟用品店
それぞれの特徴を解説したいと思います。
アウトドア用品店・登山用品店


モンベルや好日山荘といった登山用品店では、熊撃退スプレーが、高確率で棚に並んでいます。
登山用品店は、高確率で熊スプレーの在庫あります。店舗によっては複数のメーカーのスプレーを取り扱っている可能性もあります。
登山業界では、熊スプレーの普及率も上がってきていると思いますので、スタッフさんの中に実際使っている方もいるかもしれませんので、その場合は詳しい接客を受けられるかもしれません。



実際に商品を手に取れるのも、大きなメリットです。自分の手の大きさに合うか、ホルスターへの収まりはどうか。カタログスペックだけでは分からない、フィーリングのようなものを確かめることができます。
ただし、お店によっては取り扱うブランドが限られていたり、少しだけ価格がお高めだったりすることも。でも、そこで得られる知識や安心感は、価格以上の価値があると感じる方も多いのではないでしょうか。
インターネット通販
amazonや楽天などの大手通販サイトは、まさに熊撃退スプレーの種類が豊富です。様々なブランドがずらりと並び、その品揃えには驚かされるばかり。自宅にいながら、世界中の製品を比較検討できます。



レビューの多さも、インターネット通販の大きな魅力です。実際に購入したユーザーの生の声は、製品選びの羅針盤になります。「小型でザックのポケットに収まりやすい」「噴射テストをしたら、想像以上の威力だった」など、良い点も少し気になる点も、包み隠さず語られています。たくさんの意見を参考にしながら、自分の中で「これだ!」という一本を見つけ出しやすいです。
また、Amazonでは購入から自宅に届くまで1日前後で入手可能なのも魅力です。
最近は、有名ブランド品の模造品や、アメリカでは熊スプレーと認定されていない対人用の催涙スプレーが熊スプレーとして販売されているケースもあります。
- 模造品対策
⇒信頼できる販売店で購入すること。 - 効果のある熊スプレーを選ぶ
⇒EPA(アメリカ合衆国環境保護庁)に熊スプレーとして登録されたものを推奨。
(缶の表面に**EPA Registration No.が明記され、『for deterring attacks by bears(熊の攻撃抑止用)』などの用途表示があります。)
上記2点でこの課題はクリアできると思います。



価格が比較的リーズナブルな傾向にあるのも、嬉しいポイント。セールやポイント還元をうまく利用すれば、お得に手に入れることも可能です。


意外な穴場?ホームセンター、スポーツ用品店、狩猟用品店


スポーツ用品店で販売していることも



地域のホームセンターや、スポーツ用品店、少しマニアックな狩猟用品店も、侮れない存在です。特に、熊の生息地に近い地域の店舗では、充実した品揃えの可能性があります。
すべての店舗で取り扱っているわけではないので、無駄足にならないための、ちょっとした大人の知恵、といったところでしょうか。ふらっと立ち寄ったお店で、運命の一本に出会えたら、それはもう最高のストーリーの始まりですね。
熊撃退スプレーを購入する前に|基礎知識
- 熊撃退スプレーの基礎知識 – それは命を守る最後の砦
- 熊撃退スプレーの仕組みと絶大な効果
- 人間用の催涙スプレーとの決定的な違い
- なぜ「ホームセンター」で購入するのか?そのメリットとは
熊撃退スプレーの基礎知識 – それは命を守る最後の砦


まず、熊撃退スプレーがどのようなものなのか、その仕組みや効果、催涙スプレーとの違いについて深く理解することから始めましょう。正しい知識を持つことが、適切な製品選びと効果的な使用の第一歩です。
熊撃退スプレーの使い方
(出典:Yellowstone National Park)
1-1. 熊撃退スプレーの仕組みと絶大な効果


熊撃退スプレーは、強力な催涙・催咳効果を持つトウガラシの辛味成分「カプサイシン」とその誘導体(カプサイシノイド)を主成分とした、高圧ガスで噴射するエアゾール製品です。その目的は、熊を傷つけることなく、その目、鼻、喉の粘膜に強烈な痛みと刺激を与え、一時的に行動能力を奪い、その隙に安全な場所へ避難する時間を稼ぐことです。
主な効果:
- 即効性の高い痛みと刺激: 噴射されたカプサイシン粒子を吸い込んだり、顔に浴びたりした熊は、灼けるような激しい痛みと呼吸困難に陥ります。
- 一時的な視界の喪失: 目に入ると、あまりの痛みに目を開けていることができなくなり、一時的に視力を奪います。
- 行動の無力化: 呼吸器系への刺激により、激しい咳や息苦しさを引き起こし、攻撃や追跡といった行動を継続できなくさせます。
重要なのは、これらの効果は一時的なものであるという点です。



熊に後遺症を残すことなく、撃退することを目的として設計されており、動物愛護の観点からも人道的な護身具とされています。グリズリー(ヒグマの亜種)の生息地である北米の国立公園などでは、レンジャーや登山者が携行を強く推奨、あるいは義務付けられているほど、その有効性は実証されています。
1-2. 人間用の催涙スプレーとの決定的な違い


時折、熊撃退スプレーと人間用の護身用催涙スプレーが混同されることがありますが、これらは全くの別物です。その違いを理解しておくことは、法律上の問題を避けるためにも非常に重要です。
項目 | 熊撃退スプレー (ベアスプレー) | 護身用催涙スプレー |
主成分 | 高濃度のカプサイシン (OCガス) | CNガス、CSガス、 低濃度のOCガスなど |
噴射距離 | 7m ~ 12m | 2m ~ 5m |
噴射時間 | 7秒 ~ 10秒 | 2秒 ~ 5秒 |
内容量 | 230g ~ 290g程度 | 20g ~ 60g程度 |
噴射パターン | 広範囲に拡散する霧状 (円錐状) | 直線的な液状 (ストリーム状)が多い |
主な目的 | 熊などの大型野生動物の撃退 | 人間(暴漢など)からの護身 |
法律上の扱い | 登山など正当な理由があれば携行可 | 正当な理由なき携行は軽犯罪法違反の疑い |



最大の違いは、その威力と噴射性能にあります。熊は人間よりもはるかに体が大きく、痛みに強い動物です。そのため、熊撃退スプレーは、より遠くから、より長時間、より広範囲に、高濃度のカプサイシンを噴射できるように設計されています。人間用の催涙スプレーを熊に使用しても、効果が薄いばかりか、かえって熊を興奮させてしまう危険性が高いです。
後悔しないための選び方と実践的な使い方
- 【最重要】噴射距離 – 熊との安全マージンを確保する
- 噴射時間 – 反撃の隙を与えないための持続力
- 内容量と重量 – 携帯性と性能のベストバランス
- 成分と濃度 – 効果を左右する核心部分
- 信頼できる主要メーカー・ブランド
- 使用前の準備と確認 – 怠りが命取りに
- 遭遇!その瞬間のためのステップ・バイ・ステップ
- 最も重要な「携行方法」 – 1秒を争うための備え
【最重要】噴射距離 – 熊との安全マージンを確保する


推奨:最低でも7m以上、できれば9m以上(米国国立公園局の基準)
熊撃退スプレーを選ぶ上で最も重要なスペックが噴射距離です。熊の突進スピードは時速50kmにも達すると言われ、10mの距離なら1秒もかからず到達してしまいます。噴射距離が長ければ長いほど、熊との間に安全な距離(マージン)を確保でき、冷静に対処する時間的・精神的な余裕が生まれます。
- ツキノワグマ対策: 本州以南に生息するツキノワグマが対象であれば、7m程度の噴射距離でも最低限の対応は可能です。
- ヒグマ対策: 北海道に生息するヒグマは、ツキノワグマよりも大型で攻撃性が高い場合があります。万全を期すなら、9m以上の長距離噴射が可能なモデルを強く推奨します。



製品に記載されている噴射距離は、無風状態での最大値です。実際のフィールドでは風の影響を受けるため、カタログスペックよりも短くなることを想定しておく必要があります。
噴射時間 – 反撃の隙を与えないための持続力
推奨:6秒以上(米国国立公園局の基準)
噴射時間もまた、噴射距離と並んで重要な要素です。興奮した熊に対しては、一度の短い噴射では効果が不十分な場合があります。突進してくる熊の動きに合わせて噴射方向を調整したり、一度撃退した熊が再度向かってきた場合に備えたりするためにも、噴射時間は基本的に長い方が有利です。



多くの製品は、断続的に「1秒噴射、停止、1秒噴射…」といった使い方が可能です。6秒以上の噴射時間があれば、数回に分けて使用する余裕が生まれます。
内容量と重量 – 携帯性と性能のベストバランス


推奨:230g(約8オンス)以上
内容量は、噴射時間と密接に関係します。当然、内容量が多ければ多いほど、噴射時間は長くなります。現在、市場で主流となっているのは230g前後のモデルです。これより小さい携帯用の小型モデルも存在しますが、噴射時間や距離が犠牲になるため、本格的な登山や熊の生息域に入る活動では、230g以上のモデルを標準と考えるべきです。
一方で、内容量が増えれば、スプレー缶本体のサイズと重量も増加します。ザックのショルダーハーネスなど、すぐに取り出せる場所に装着することを考えると、大きすぎたり重すぎたりすると行動の妨げになる可能性もあります。



ご自身の体力や活動スタイルに合わせて、許容できる範囲で最大容量のモデルを選ぶのが賢明です。
成分と濃度 – 効果を左右する核心部分
熊撃退スプレーの効果の源であるカプサイシン(OC: Oleoresin Capsicum)の濃度もチェックポイントですが、多くの製品では「OC濃度◯%」といった表記が統一されていません。そこで一つの信頼性の指標となるのが、米国環境保護庁(EPA)の登録を受けているかどうかです。
EPAは、製品の有効性と安全性について厳格な基準を設けており、この登録を受けている製品は、熊に対する撃退効果が公的に認められていることを意味します。北米で販売されている主要な熊撃退スプレー(カウンターアサルト、フロンティアーズマンなど)は、このEPA登録を受けています。
信頼できる主要メーカー・ブランド
どのメーカーを選べば良いか迷った場合は、以下の定番ブランドから選ぶのが間違いないでしょう。いずれも熊撃退スプレーの分野で長年の実績と高い評価を得ています。
カウンターアサルト (Counter Assault)


- 世界で初めて熊撃退スプレーを開発した、いわば”元祖”とも言えるメーカー。
- モンタナ大学の協力のもと開発され、その信頼性は折り紙付き。
- 噴射距離、噴射時間のバランスに優れたスタンダードモデル「CA230」と、容量・噴射距離を強化した「CA290(ストロンガー)」が主力。多くのホームセンターやアウトドア店で取り扱われています。


フロンティアーズマン (Frontiersman)


- 世界最大手の催涙スプレーメーカーであるセキュリティー・イクイップメント・コーポレーション(SEC社)のブランド。
- EPAが定める最大濃度(2.0%カプサイシノイド)を保証しており、強力な撃退効果を誇ります。
- 最大12mに達する長距離噴射モデルもあり、特にヒグマ対策として高い人気があります。


UDAP


- 創設者自身がグリズリーに襲われ、スプレーで生還した経験から製品開発を行っているメーカー。
- 実践に基づいた設計が特徴で、独自の噴射パターンを持つ製品などを展開しています。


使用前の準備と確認 – 怠りが命取りに


- 取扱説明書を必ず熟読する: メーカーや製品によって、安全クリップの外し方や噴射ボタンの押し方が微妙に異なります。購入したらすぐに説明書を読み、使い方を完全にマスターしてください。
- 有効期限を確認する: 熊撃退スプレーには3年~5年程度の有効期限があります。これは、主成分のカプサイシンが劣化や、内部のガス圧が徐々に低下により十分な噴射距離や噴射量を維持できなくなるためです。期限切れのスプレーは、本来の性能を発揮できない危険な「お守り」でしかありません。必ず期限内のものを使用しましょう。
- 練習用スプレー(イナー缶)で訓練する: 多くのメーカーは、中身が水や不活性ガスになっている練習用のスプレーを販売しています。これを使って、ホルスターから取り出し、安全クリップを外し、構えて噴射するまでの一連の動作を、体が覚えるまで繰り返し練習することが強く推奨されます。パニック状態でも無意識に体が動くレベルまで習熟しておくことが理想です。
遭遇!その瞬間のためのステップ・バイ・ステップ


万が一、熊と至近距離で遭遇し、威嚇や突進の兆候が見られた場合の使い方の手順です。
- 冷静に距離を保つ: まずは熊を刺激せず、静かに後ずさりして距離を取ることを試みます。スプレーはあくまで最後の手段です。
- ホルスターから抜き、構える: 後ずさりしながら、利き手とは逆の手でホルスターからスプレーを抜き、利き手に持ち替えます。この時、噴射口を熊の方向に向けます。
- 安全クリップを外す: 親指などで、カチッと音がするまで確実に安全クリップを外します。このクリップが外れていないと、絶対に噴射できません。練習が重要なのは、この動作を瞬時に行うためです。
- 風向きを確認する: 噴射されたカプサイシンは霧状に広がるため、風の影響を強く受けます。向かい風の状態で噴射すると、自分自身がスプレーを浴びてしまい、行動不能に陥る最悪の事態になります。必ず熊が風下に、自分が風上に立つ位置関係で噴射してください。
- 熊の顔(目・鼻・口)を狙う: 熊が5m~8mの距離まで近づいてきたら、躊躇せずに噴射します。狙うのは、粘膜が集中している顔、特に目や鼻です。胴体を狙っても効果は薄いです。
- 1~2秒の短い噴射を繰り返す: 最初から全量を噴射するのではなく、「プッ、プッ」と1~2秒の短い噴射を数回行い、弾道を確認しながら熊の顔にかかるように調整します。熊の突進が止まらない場合は、連続して噴射します。
- 噴射後は直ちに避難する: スプレーの効果で熊がひるんだり、後退したりしたら、その隙にすぐにその場を離れてください。スプレーを浴びた熊が、パニックで予期せぬ動きをすることもあります。決して熊の様子を見続けたり、近づいたりしてはいけません。
最も重要な「携行方法」 – 1秒を争うための備え





熊撃退スプレーをザックの中にしまっておくのは、全く意味がありません。 熊との遭遇は突然です。荷物を下ろしてザックの中からスプレーを探している時間はありません。
正しい携行場所:
- ザックのショルダーハーネス(胸の位置)
- 腰のベルト
これらの場所に、専用のホルスターを使って、利き手と反対側に装着するのが基本です。これにより、歩行中もすぐにスプレーに手が届き、瞬時に抜き取ることができます。ホルスターには、スプレーが不意に脱落するのを防ぐためのカバーやベルトが付いています。必ず専用ホルスターとセットで使用してください。
熊撃退スプレーのスペック比較


製品名・特徴 ①連続噴射時間 ②噴射距離 ③全重量 ④内容量 ⑤サイズ(直径×全長) ⑥対象動物 ⑦使用期限 | |
---|---|
![]() ![]() | カウンターアソールト CA290(ストロンガー) 『EPA認可の熊スプレー』 国内実績と性能から熊スプレー最強。 連続噴射時間、噴射距離、内容量すべてがTOPクラス。価格は高い。米国製。 積極的に熊生息地へ行く方、非常に熊遭遇リスクが高い地域にいる方向け。 ①約8秒 ②約12m ③約380g ④約290g ⑤φ59 mm× 215 mm ⑥ヒグマ&ツキノワグマ ⑦約4年 詳しい解説 (噴射動画など) | 最強
![]() ![]() | カウンターアソールト CA230 『EPA認可の熊スプレー』 信頼のブランド製。CA290よりスペック少し劣るがコンパクトに。価格は高い。米国製。 万が一の熊対応用など。 ①約7秒 ②約9.6m ③約290g ④約230g ⑤φ53 mm× 215 mm ⑥ヒグマ&ツキノワグマ ⑦約4年 詳しい解説 (噴射動画など) |
![]() ![]() | フロンティアーズマン ベアスプレー 272mL 『EPA認可の熊スプレー』 実はアメリカamazonで人気No.1の熊スプレー!人気・実績共に高い。米国セイバー社製。ホルスター付き。 積極的に熊生息地へ行く方、非常に熊遭遇リスクが高い地域にいる方かつ、カウンターアソールト ストロンガーとほぼ同等の製品をより安価で購入したい方。 ①約7 – 8秒 ②約12m ③約345g ④約272g ⑤φ53mm × 240mm ⑥ヒグマ&ツキノワグマ ⑦約4年 詳しい解説(噴射動画など) | アメリカ人気No.1
![]() ![]() | フロンティアーズマン ベアスプレー 234mL 『EPA認可の熊スプレー』 234mLは272mLより容量少なくサイズもコンパクト。でも射程距離は同じ12m!ホルスター付き。 万が一の熊対応用で、噴射距離とコンパクト性を両立したい方。 ①約6 – 7秒 ②約12m ③約304g ④約234g ⑤Φ5.3cm × 22cm ⑥ヒグマ&ツキノワグマ ⑦約4年 詳しい解説 (噴射動画など) |
![]() ![]() | UDAP 12HP 『EPA認可の熊スプレー』 アメリカamazonでも人気上位の米国UDAP社の熊スプレー。ヒグマ対応ながら、日本での実売価格が他ブランドの約半額で日本でも人気。ホルスター付き。 連続噴射時間は約4秒なので複数回の噴射ミスは避けたい。ヒグマ対応品の中では最安クラス。 ①約4秒 ②約9m ③225g ④ー ⑤φ51mm × 216mm ⑥ヒグマ&ツキノワグマ ⑦約4年 詳しい解説(噴射動画など) | 高コスパ
![]() ![]() | 熊一目散(くまいちもくさん) 日本で流通する熊スプレーのほとんどは米国産の中、国産2025年から国産開発・製造のスプレー。バイオ科学株式会社が酪農学園大学の佐藤喜和教授監修のもと開発。米国製と同等の性能。 スペックは米国製のEPA認可スプレーと同等の性能。大きな違いは「日本人が使い慣れたスプレーノズル」「誤噴射防止のキャップ付き」「専用ホルスター付き」です。キャップ付きだと速射性は落ちますが、小枝等の引っかかりによる誤噴射は起きない構造なのが安心。価格は少し高め。 ①約10秒 ②約10m ③275g ④280ml ⑤φ53mm × 205mm ⑥ヒグマ&ツキノワグマ ⑦約5年 詳しい解説(噴射動画など) | 国産スプレー
![]() ![]() | ポリスマグナム B-610 米国では対人用の催涙スプレーとして販売されているが、日本の販売代理店ではツキノワグマ対応と記載。全国の国公立機関や自治体で正式に採用との記載あり。噴射時間が約8秒と長く安心感がある。 個人的にはこの価格なら、より射程距離の長いヒグマ対応のスプレーでもいいかも?と思った。 ①約8秒 ②約6m ③440g ④250g ⑤φ54 mm× 235 mm ⑥ツキノワグマ ⑦約4年 |
![]() ![]() | ポリスマグナム B-609 米国では対人用の催涙スプレーとして販売されているが、日本の販売代理店ではツキノワグマ対応と記載。全国の国公立機関や自治体で正式に採用との記載あり。 コンパクトなので携帯性は優れるが、連続噴射時間は約2.5秒。一発勝負的な感じか。 ①約2~2.5秒 ②約5m ③163g ④105g ⑤φ38 mm × 172 mm ⑥ツキノワグマ ⑦3~5年 |
![]() ![]() | ペッパージェット TW-1000(63ml) 非常にコンパクトだが、水鉄砲のようにピューっと飛ぶため、かなりの狙い撃ちが必要。熊が接近しても落ち着いて狙い撃ちできる方向け。 ある意味、高難易度スプレー。 ①— ②— ③100g ④63g ⑤φ35 mm× 122 mm ⑥熊など野生動物 ⑦約2年 |
![]() ![]() | ペッパージェット TW-1000(40ml) 63mlよりさらに容量少なく、無いよりはいいレベルかも。 ①— ②— ③50g ④40g ⑤φ35 mm× 105 mm ⑥熊など野生動物 ⑦約2年 |
※「—」は公式情報未掲載の項目を示します。
出典:
- ペッパージェット TW-1000(40ml/63ml)…TW1000 公式サイト tw1000.com
- UDAP 12HP…UDAP Industries 公式サイト UDAP
- カウンターアソールト CA230…Counter Assault 公式サイト Counter Assault
- カウンターアソールト CA290…公式ホルスター付き製品ページ Gear Up For Outdoors
- フロンティアーズマン ベアスプレー…Montbell America 公式サイト モンベル
- ポリスマグナム B-610/B-609… Amazon
熊撃退スプレーの向いている人/向いていない人
向いている人
- 熊の生息域で、登山、キャンプ、渓流釣りなどのアウトドア活動を楽しむ人
- 「万が一」に備え、自分と家族の安全を確保したいと考えている人
- 道具を正しく理解し、責任を持って使用・管理できる人
- 自然への敬意を忘れず、熊との共存を願っている人
向いていない人
Q2: 一度噴射したら、もう使えませんか? A2: 中身が残っていても、一度噴射したスプレーは圧力が低下している可能性があり、いざという時に本来の性能を発揮できない恐れがあります。一度でも使用した場合は、新しいものに交換することを強くお勧めします。
Q3: 熊以外の動物にも効果はありますか? A3: 主に熊を対象としていますが、イノシシやシカなど、他の大型哺乳類にも効果が期待できるとされています。ただし、あくまで熊への効果を前提に設計されている製品です。
Q4: 訓練用のスプレーはどこで買えますか? A4: 熊撃退スプレーを販売しているアウトドア用品店や、[amazon]などの通販サイトで購入できます。「訓練用」「不活性」などのキーワードで探してみてください。
全体のまとめ
- 熊撃退スプレーはアウトドア用品店、通販、一部ホームセンターで販売。
- 店頭購入は専門家のアドバイスが、通販は品揃えとレビューが魅力。
- 購入時は「使用期限」と「製品の状態」を必ずチェック。
- 代表的な製品は「カウンターアサルト」と「フロンティアーズマン」。
- スプレーは最終手段。熊に会わない努力が最も重要。
- 正当な理由なく市街地で携帯すると、法律に触れる可能性も。
- 高温になる車内での保管は絶対に避けること。
- 飛行機への持ち込みは不可。現地調達や事前配送を。
- 「持っている安心感」が、冷静な判断に繋がることも。
熊撃退スプレーのよくある質問
熊が出没による人身被害の多い都道府県はありますか?
環境省の資料によると、2019年~2024年の熊による人身被害件数が多い都道府県トップ5は、北海道、青森県、岩手県、秋田県、新潟県、福島県、長野県がほぼ占めています。
本州はツキノワグマですが、北海道はより巨体のヒグマで気性も荒いと言われています。北海道は地域によってはヒグマ出没が頻度が多く社会問題になっています。


熊鈴と併用すべき?
クマと出会わない対策が第一。鈴・ラジオで存在を知らせ、スプレーは最終手段です。
クマの専門家の方曰く熊鈴の効果は
- 無風の開けた場所で最大300 m。
- 強風・沢音・密林では大幅に減衰。
- 「威嚇」ではなく“こちらの存在を知らせる手段” と割り切る。
と言われています。熊鈴は鈴型ではなく、音の大きなベル型が推奨です。
ただ、過去に人を襲って食べた熊は熊鈴の音を聞くと逆に寄ってくるという話もあり、過去にそういう事件があって解決していない山域では熊鈴は避けたほうが良いという意見もあります。
熊撃退スプレーの成分は何?


主成分はカプサイシンおよび関連カプサイシノイドでOC(Oleoresin Capsicum)と呼ばれます。これらは唐辛子に含まれる辛味成分で、哺乳類の粘膜や眼球のTRPV1受容体を強烈に刺激し、瞬時に痛覚・熱覚を引き起こします。
OCは溶剤(水溶性と油性がある)に溶かされ、ガス(窒素or二酸化炭素or代替フロンなど)と共にスプレー缶に詰めれれています。


最強の熊撃退スプレーはどれですか?





スペック的にも実績的にも「カウンターアソールト CA290」が最強だと思います。詳しくは下記ページをご参照。


売れている人気の熊撃退スプレーはどれですか?





価格が手頃でコンパクトな『ポリスマグナム B-609』が非常に人気です。ただしヒグマは非対応です。詳しくは下記ページをご参照。


カプサイシノイド濃度 が最大で2%なのはなぜですか?
米国環境保護庁(EPA)登録製品では総カプサイシノイド濃度 1〜2% が標準とされています。これは人体に対する非致死性と、野生動物に対する即効的な忌避効果のバランスを取った値であり、2%を超える処方は規制対象となり一般流通しません。


熊に遭遇した時の対処法ってあるの?



約50年クマ研究されてきた日本ツキノワグマ研究所 米田一彦さんの『熊に遭遇した時の対処法』の動画(約35分)が非常に有用です!
冬季は噴射力が落ちる?
気温0 °C付近でガス圧低下が起きる。内ポケット携行で温度を保つと良い。
人間にご誤噴射したらどうなる?


猛獣対策の熊撃退スプレーは対人用の護身用の催涙スプレーの何倍も強力な劇薬です。噴射物が僅かに目に入る・皮膚に付着するだけで数時間の痛みが続くようです
緊急時でも周囲に人がいる状況での使用も最大限の配慮が必要で、安易に噴射して自分にかかって動けなくなった例もあるようです。
誤噴射や被爆による応急処置
- 内容物が目に入った場合:すぐに流水で15分以上やさしく洗眼し、コンタクトレンズは5分以内に取り外す。
- 皮膚や衣服に付着した場合:衣類を脱ぎ、ただちに流水で15分以上洗い流す。
- 症状が改善しない場合は本製品を持参のうえ医療機関を受診する
海外や日本での誤噴射事故も複数件あります。


熊撃退スプレーって本当に必要?
その昔は仕事や研究調査で積極的にクマの生息域に入る方が携行するものでした。ところが近年は里山・市街地にも出没し被害が多くなる年もあり、出没頻度が多い地域では市町村がクマ撃退スプレーを推奨し、補助金がでている地域もあります。




熊に熊撃退スプレーを噴射している動画はありますか?
海外に実際に噴射している様子の動画がありました。熊が木に登ってるのはちょっと怖いですね。
熊スプレーは飛行機で運べますか?
スプレー缶は飛行機で荷物として運べません。例えば、東京から北海道まで行く場合は、熊撃退スプレーは「現地で購入」か「手持ちのスプレーを陸送」が必要になります。
以下の動画で輸送方法について解説されていて、参考になります。
熊撃退スプレーを使えば万が一襲われても助かりますか?
熊の専門家の方は「100%はないけれど90%助かる」と言われています。
過去、業務で9回襲われてますが、通常の5倍~10倍激しく攻撃してきた熊でも熊スプレーで撃退できた(以下の動画をご参照)
熊が近づいてきた時、熊撃退スプレーはどの距離で噴射したらよいですか?
5m~3m程度まで引き付けて噴射するのが推奨、と言われています。熊撃退スプレーのスペックは無風状態での測定値で、現実には風の影響を受けますので、確実に熊に届く距離が5m~3m程度と言われています。
10mだと風で飛ばされて効果がありません。5m,3m,2mと段階的に噴射します。最初の5mの距離での噴射でほとんどの熊が逃げます。
使用期限切れは使える?
刺激成分が劣化し効果が落ちる恐れがあるため推奨されていません。
使用期限の切れた熊撃退スプレーの処分方法は?
万が一用ですので、全く使用せずに使用期限を過ぎるケースがほとんどだと思います。
熊撃退スプレーは劇薬ですので、僅かに成分が目や皮膚に付着するだけで痛みが生じます。安全に処分する方法の動画がモンベルで紹介されていましたので、下記動画をご参考にしてください。


人気ページ


関連リンク
-
【2025年】熊撃退スプレーはどこで売ってる?実店舗と通販のメリット・デメリット
-
【注意】安い熊撃退スプレーで大丈夫!?模造品にご注意ください
-
【2025年】最強の熊撃退スプレーを含む10製品の比較表と人気ランキング
-
熊撃退スプレーのDCM(ホーマック/カーマ/ダイキ/サンワ/くろがね/ケーヨーデイツー)の取り扱い状況を調査&基礎知識を徹底解説
-
熊撃退スプレーのカインズの取り扱い状況を調査&基礎知識を徹底解説
-
熊撃退スプレーのコメリの取り扱い状況を調査
-
熊撃退スプレーのコーナンの取り扱い状況を調査&基礎知識を徹底解説
-
熊撃退スプレーを購入できるホームセンター(コメリ・カインズ・DCM・コーナン)等を調査
-
【ヒグマ対応】UDAP 熊撃退スプレーの実力は?特徴・注意点・使い方を徹底解説!(動画付き)
-
【2025年】近年の熊による人身被害事例(市街地・登山・山菜取り)(2021–2025)
-
【2025年】熊撃退スプレーの主な成分とその役割
-
【2025年】人間に熊撃退スプレーは危険!誤噴射リスクと具体的な事故例と応急処置
-
【2025年】熊撃退スプレーの携行はどんな仕事?利用者層拡大の流れ
-
【2025年】熊に遭遇した時の対処法|日本熊森協会と熊博士の解説動画を紹介
-
【2025年】熊撃退スプレーの噴射方法・使用法・注意点(動画付き)・助かった事例
-
【2025年】クマ撃退スプレー『カウンターアソールトCA230/CA290』の実力は?特徴・使い方・注意点・ホルスターを徹底解説!(動画付き)
-
【2025年】使用期限切れの熊撃退スプレーの処分方法
-
【2025年】熊避けスプレーで助かった人はいない?
-
【2025年1月〜5月】全国熊出没・被害ニュース詳細リポート
-
熊一目散(バイオ科学)の特徴とamazon等の購入・実売価格は?|国産熊撃退スプレー
-
環境省「クマ類の出没対応マニュアル」|国の熊対応の方針
-
羅臼岳ヒグマ事件(2025年)で熊撃退スプレーは使われたのか?|知床財団の報告書を解析
-
北アルプス・乗鞍岳(剣ヶ峰3026m)周辺で相次ぐクマ目撃と、長野県内の被害状況まとめ|登山者が今すぐできる安全対策
-
北アルプス薬師峠キャンプ場でツキノワグマ被害|テントと食料持ち去りの全貌(関連動画)