日本で熊対策用品として販売されている熊撃退スプレーで”ツキノワグマ用”や”ヒグマ用”などの記載がありますが、米国の公的基準・メーカー体系・国内外の実務ガイドのどれを見ても「ツキノワグマ用」「ヒグマ用」といった種別で分けたベアスプレーは想定されていません。ベアスプレーはクマ全般に対する抑止具として設計・登録されます。

日本で販売されている熊撃退スプレーの多くは米国製です。
熊対策において日本よりも米国の方が歴史が長く法整備も進んでいますが、米国では「〇〇クマ専用のスプレー」というのは無いようで、熊撃退スプレーはグリズリーやクロクマなどクマ全般を対象としています。しかし、日本では「〇〇専用の熊スプレー」と記載された製品も販売されており、日本の熊の専門家の方がこの件について警鐘を鳴らすような投稿もあります。
また、日本においては法整備されていないために、熊への効果が不透明なスプレーが熊スプレーとして販売されているようで、その点についても記載したいと思っています。
記事のポイント
- ツキノワグマ専用/ヒグマ専用の熊撃退スプレー??
- なぜ、日本では〇〇熊専用のスプレーがあるのか?
- 熊専門家の推奨する熊撃退スプレーの選び方


経歴:北海道出身、登山歴15年以上。関東の大型の登山用品店で約4年間の勤務を経験。最近はヒグマやツキノワグマの対策用品の調査・研究にも注力。 名前:Masaki T
ツキノワグマ専用/ヒグマ専用の熊撃退スプレー??


日本では「ヒグマ・ツキノワグマに対応した熊スプレー」以外に「ツキノワグマ専用の熊スプレー」と書かれたスプレーも販売されています。



私もそういうカテゴライズがあるんだ、と思っていましたが、それについて警鐘を鳴らすような記事が2025年9月に投稿されました
- クマ対策に「クマスプレーもどき」が氾濫
- 米国における熊スプレーの実情
- アメリカ(北米)の熊スプレーは、〇〇専用スプレーが無い
クマ対策に「クマスプレーもどき」が氾濫


以下、Yahooの「クマ対策に「クマスプレーもどき」が氾濫する罪深さ 対人用「催涙スプレー」のケースも 専門家は「規制」訴え」の記事の転載になります。
ある登山用品店で、よく売れているというその一つを見せてもらった。
「クマよけの『お守り』のような製品です」
■英語の商品説明に「クマ」の表記なし
そう言って紹介してくれたのは、手のひらに乗るサイズの外国製スプレー。価格は6000円ほどで、スプレー上部のボタンを押すと、液状のトウガラシの辛味成分「カプサイシン」が噴射されるという。射程は約5メートルだ。
「クマに襲われたら、ピンポイントで目を狙ってください」(店員)
突進してくるクマに対して、果たしてそんなことが可能なのか、と思いつつ、パッケージを手に取った。英語で書かれた商品説明のどこにもクマについての記述はない。「pepper spray(催涙スプレー)」とも記されている。
クマを撃退する効果が本当にある製品なのか。店員に尋ねたが、明確な回答はなかった。
■「クマスプレーもどき」を専門家も危惧
実はいま、クマの撃退効果がないとみられる「クマスプレーもどき」が、ネット通販や実店舗で複数売られている。記者が提示された商品もそのひとつだ。
「クマ用に作られていない『クマスプレー』が広まれば、効果を信じて使用した人が、最悪、命の危険にさらされかねない。非常に危険です」
そう指摘するのは、ヒグマ学習センター代表の前田菜穂子さんだ。
前田さんは、学芸員として「のぼりべつクマ牧場」の博物館(北海道登別市)に勤めていた際、ヒグマの撃退方法について研究を重ねた人物だ。1986年、世界で初めて商品化されたクマスプレー「カウンターアソールト」の開発にも寄与した。当時、前田さんは日本のクマにも効果があるか、試作品で実験した。
■米国には「クマスプレー」の製品基準
「煙が出るくらいの濃塩酸を置く、火柱で脅すなど、20種類ほどの方法を試しましたが、ヒグマは逃げなかった。ところが、カウンターアソールトを噴射すると、一発で逃げ去った」(前田さん)
噴射成分のカプサイシンが感覚神経に作用すると、猛烈な痛みを生じる。メーカーは、人に付着しても皮膚に炎症を起こしたり、失明したりするなどの健康被害はもたらさないとしてきたが、前田さんは念のために自らを実験台にした。
「顔面に吹き付けると、息が詰まるほどの痛みでうずくまりました。目も開けられない。でも60分たったら、痛みは消え、普通に行動できました」(同)
米国では、カウンターアソールトの誕生後、環境保護局(EPA)が「クマスプレー」の製品基準を設けたという。催涙スプレーを「クマスプレー」と称して販売することも法律で禁止されている。
■手のひらサイズはありえない
催涙スプレーとクマスプレーの違いは何か。メーカーのホームページによると、どちらもカプサイシンを主成分としているが、仕様が異なるという。
対人用の催涙スプレーは、射程は5メートルほどで、液状のカプサイシンが真っすぐに飛ぶように設計されているものが一般的だ。噴射した液体が暴漢以外の人に当たるのを避けるためだ。カプサイシンの濃度も1%前後に抑えられている。
クマスプレーのカプサイシン濃度は、EPAの上限基準2%の製品が多い。噴射すると、霧状のカプサイシンが拡散しながら飛ぶ。慌てるなどして狙いが不正確であってもクマの顔面に当たりやすくするためだ。
EPAの基準では、射程は7メートル60センチ以上、噴射時間は6秒以上。十分な飛距離と噴射時間を確保するため、内容物は225グラム以上でなければならない。
この容量を確保すると、スプレー缶は500ミリリットルのペットボトルよりもひと回りほど小さなサイズになる。つまり、米国の基準では「手のひらサイズのクマスプレー」など存在しないのだ。
■クマスプレーに関する規制が日本にない
だが、日本は違う。
「クマスプレーに関する規制は今のところ日本にはありません。米国で催涙スプレーとして販売されている製品を、日本に輸入して、クマスプレーとして売っても違法ではない。こうした製品が野放し状態なのです」(同)
実際、国内では10年以上前から、クマに対する効果が不明な「クマスプレー」と称する商品が販売されてきた。急増したのは、年間で219人(うち6人死亡)ものクマによる人身被害が発生した2023年度以降だという。
「クマ被害がクローズアップされ、クマスプレーの需要が高くなった。それを商機ととらえ、販売業者が増えたのでしょう」(同)
■事故の同行者所持は「催涙スプレー」
Amazonなどネット通販サイトで「クマスプレー」を検索すると、数十種類の商品が表示される。多くは外国製で、特に米国製が目立つ。複数の関係者によると、8月14日に北海道・知床の羅臼岳で下山中の男性がヒグマに襲われて亡くなる事故が起きた際、同行していた友人が所持していた製品もその一つだという。
この製品は、米国では「催涙スプレー」として販売されているが、8月21日に知床財団が出した調査速報によると、国内では「クマスプレー」とうたわれて販売されていた。
報告書には「ヒグマに対応した製品ではない」とも記されている。
「この製品の商品説明に『ツキノワグマ専用』と書かれているからです。しかし、ツキノワグマに本当に効くのか。サイトには何の根拠も示されていない。おそらく、ヒグマとツキノワグマ、どちらに対しても効果は実証されていないと思われます」(関係者)
■商品説明に「誤解を与える記述」と専門家
以前からこの製品は、クマ研究者らの間では知られてきた。商品説明にはなぜか、「米国産のベアスプレーは日本国内ではエゾヒグマ専用のスプレーですのでクロクマ(ツキノワグマ)には催涙剤(カプサイシン)濃度が強烈すぎて使用不可」「万一でも使用すると極度の対人間恐怖症となり人間を襲うようになる」などと記されている。
日ごろからクマスプレーを携帯して調査に当たる研究者の目には、この説明書きは消費者に誤解を与え、クマスプレーを持つのを躊躇させかねない記述と映る。
■選ぶならEPA認可製品を
カウンターアソールトの輸入代理店、有限会社アウトバックの藤村正樹代表取締役は、「クマスプレーはEPAが認可した製品、もしくはそれに準ずるものを選んでほしい」と訴える。
具体的には「Counter Assault」「Frontiersman」「Griz Guard」「Guard Alaska」「UDAP」などのブランドだ。国産では「熊一目散」(バイオ科学・徳島県阿南市)がEPAの性能ガイドラインに準拠して設計されている。
ヒグマ学習センター代表、前田菜穂子さんの講演



「クマスプレーはEPA(アメリカ合衆国環境保護庁)が認可した製品、もしくはそれに準ずるものを選んでほしい」と言われていますが、米国では熊スプレーとして認めることのできる一定度の基準を超えた製品にのみ熊スプレー(Bear Spray)として販売できるよう制度化されています。
米国における熊スプレーの実情


アメリカ(北米)に生息する野生のクマは基本的に3種類



アメリカ(北米)に生息する野生のクマは基本的に3種類です。
- アメリカグマ(American black bear / Ursus americanus)
北米で最も分布が広い種です。森林から海岸、亜高山帯まで幅広い環境に適応します。米国内ではアラスカを含め広範囲に生息しています。 - ヒグマ(Brown bear / Ursus arctos)
同じ“ヒグマ”の中に、内陸の**グリズリー(U. a. horribilis)やアラスカ・コディアック島のコディアック(U. a. middendorffi)**といった亜種・地域個体群名があります。米国では主にアラスカ、一部はロッキー山脈周辺の州に分布します。 - ホッキョクグマ(Polar bear / Ursus maritimus)
海氷に依存する“海生のクマ”で、米国ではアラスカの北極海沿岸域に生息します。米国内では米魚類野生生物局(USFWS)の管轄下にあります。
アメリカ(北米)の熊スプレーは、〇〇専用スプレーが無い



調査の結果、北米の熊スプレーに「クロクマ用」「ヒグマ(グリズリー)用」「ホッキョクグマ用」といった“種別専用”モデルは基本的にありません。
米国ではEPA登録の“bear deterrent”として一括管理され、有効成分(CRC=カプサイシン及び関連カプサイシノイド)は1~2%が基準です。種別で濃度や設計が分かれる運用にはなっていません。選ぶ際はEPA登録・射程・噴霧時間・携行性を見ます。なおホッキョクグマにも近接遭遇で有効とする研究と行政資料がありつつ、現地では他の対策併用も示されているようです。
なぜ、日本では〇〇熊専用のスプレーがあるのか?


本来ベアスプレーは「クマ全般向け」の道具です。アメリカの正式ルール(EPA登録)では、ツキノワ・ヒグマ・ホッキョクグマなど種ごとに分けていません。日本で「〇〇熊専用」と見かけるのは、主に表示や売り方の事情によるものです。
- 理由①:公的な共通ルールが日本にない
- 理由②:マーケティング(売りやすさ)
- 理由③:対人用スプレーと混同されやすい
理由①:公的な共通ルールが日本にない
アメリカにはEPA登録制度があり、「有効成分1〜2%」「クマ抑止用」といった条件が法律に基づいて厳格に定められています。



メーカーがこの基準に従って登録しない限り、正式に“ベアスプレー”として販売できません。そのため、米国市場ではどのブランドであっても表示や性能の枠組みが共通化され、利用者が混乱する余地がほとんどありません。
一方で日本には同等の認証制度が存在せず、性能や用途の定義が統一されていません。その結果、表現やラベルの内容がメーカーや販売店ごとにまちまちで、説明文や広告表記に差が出やすくなります。
こうした環境下では、「ヒグマ用」「ツキノワ用」といった地域や対象を限定するような言い回しが自然に生まれてしまい、あたかも専用品があるかのように受け止められやすいのです。
理由②:マーケティング(売りやすさ)


北海道=ヒグマ、本州=ツキノワという地域イメージに合わせて訴求されるケースがよく見られます。たとえば北海道で販売される場合は「ヒグマ用」と強調した方が利用者に直感的に伝わりやすく、本州の登山者には「ツキノワ用」と書いた方が親近感を持たれやすいのです。



また、ネット検索では「ヒグマ スプレー」「ツキノワグマ 対策」といったキーワードが実際に多く使われているため、販売側が検索結果にヒットしやすくする狙いも考えられます。
しかし実際の製品スペックに違いはなく、成分や噴霧性能は共通であり、表記上の工夫として区別しているだけにすぎません。
理由③:対人用スプレーと混同されやすい
日本では対人用の低濃度OCスプレー(護身用)も広く流通しており、女性の防犯用品コーナーやネット通販などでも手に入ります。



これらは本来、人への護身を目的とした製品ですが、外見が似ていることや「唐辛子成分」という共通点から、熊よけスプレーと並んで紹介されたり、同じカテゴリーで販売されることも考えられます。
その結果、消費者が「人間用の低濃度タイプ=小型で弱めだからツキノワグマ用」「本格的なベアスプレー=強めだからヒグマ用」といった誤った印象を抱きやすくなります。
実際には成分濃度や噴霧性能に明確な差があり、対人用スプレーはクマ抑止には十分な効果を持たない可能性が高いのですが、こうした混同によって誤解が広まってしまうのです。
熊専門家の推奨する熊撃退スプレーの選び方


熊撃退スプレーを選ぶときに本当に大切なのは、「〇〇熊専用」といった表示ではなく、科学的根拠と公的基準に基づいた性能です。専門家は、成分濃度・噴霧距離・噴霧時間・携行性といった要素を重視して選ぶべきだと強調しています。
- ポイント①:EPA登録の有無
- ポイント②:有効成分濃度(CRC/MC%)
- ポイント③:噴霧距離と噴霧時間
- ポイント④:携行性と操作性
- ポイント⑤:信頼できるメーカーを選ぶ
ポイント①:EPA登録の有無


アメリカの熊撃退スプレーは、EPA(米国環境保護庁)の登録により「クマ抑止用」として明確に区別されています。登録を受けるためには、成分の種類や濃度、噴霧性能が厳格に審査されます。



ラベルには必ず 「for deterring attacks by bears」 と記載され、**有効成分(カプサイシノイド:CRC/MC)が1〜2%**であることが明示されています。
日本では同等の制度が存在しないため、正規輸入品かどうか、ラベル表示やEPA登録番号を確認することが非常に重要です。専門家は「EPA登録の有無を最優先に確認すべき」としています。
ポイント②:有効成分濃度(CRC/MC%)


1〜2%の範囲で設計されているものが国際的基準。特に2.0%が法律上の上限であり、最も強力です。



対人用スプレーは通常0.2〜1.3%程度と低く、熊に対して十分な効果を期待できません。遭遇時に頼れるかどうかは、この濃度差が大きく影響します。
専門家は必ず CRC 2.0%の製品を推奨しており、携行者の安全性を最大限に高めると考えられています。
ポイント③:噴霧距離と噴霧時間


推奨される射程は7〜12m程度。短すぎると安全距離が取れず、逆に長すぎても霧が薄くなり効果が減少する可能性があります。



噴霧時間は4〜8秒以上が望ましく、複数回に分けてバースト噴射できる設計が理想です。これにより、突進してくる熊に対しても連続して防御できます。
製品ごとに性能差があるため、購入前にはラベルや公式サイトで必ず数値を確認し、使用シーンに合ったモデルを選ぶことが推奨されます。
ポイント④:携行性と操作性


熊との遭遇は突然起こるため、1〜2秒以内に取り出して構えられる位置に装着することが必須です。リュックの奥にしまうのは意味がありません。



専用ホルスターが付属する製品を選ぶと安心で、ベルトやショルダーストラップに取り付けられるタイプが推奨されます。


グローブをしていても使えるか、寒冷環境で作動するかも重要なチェックポイントです。冬山登山や北海道での利用を考えると、低温での作動試験済みかどうかが鍵となります。
ポイント⑤:信頼できるメーカーを選ぶ
実績あるメーカー(例:カウンターアソールト UDAP, セイバー社 フロンティアーズマン)は、米国国立公園のレンジャーや野生動物研究者にも広く採用されています。これは信頼性の高さを裏付ける実例です。



模造品や低品質品もネット上で出回っているため、公式輸入代理店や信頼できる販売ルートから購入することが強く推奨されます。専門家は「安さよりも確実性」を重視するよう呼びかけています。


製品名・特徴 ①連続噴射時間 ②噴射距離 ③全重量 ④内容量 ⑤サイズ(直径×全長) ⑥対象動物 ⑦使用期限 | |
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![]() ![]() | カウンターアソールト CA290(ストロンガー) 『EPA認可の熊スプレー』 国内実績と性能から熊スプレー最強。 連続噴射時間、噴射距離、内容量すべてがTOPクラス。価格は高い。米国製。 積極的に熊生息地へ行く方、非常に熊遭遇リスクが高い地域にいる方向け。 ①約8秒 ②約12m ③約380g ④約290g ⑤φ59 mm× 215 mm ⑥ヒグマ&ツキノワグマ ⑦約4年 詳しい解説 (噴射動画など) | 最強
![]() ![]() | カウンターアソールト CA230 『EPA認可の熊スプレー』 信頼のブランド製。CA290よりスペック少し劣るがコンパクトに。価格は高い。米国製。 万が一の熊対応用など。 ①約7秒 ②約9.6m ③約290g ④約230g ⑤φ53 mm× 215 mm ⑥ヒグマ&ツキノワグマ ⑦約4年 詳しい解説 (噴射動画など) |
![]() ![]() | フロンティアーズマン ベアスプレー 272mL 『EPA認可の熊スプレー』 実はアメリカamazonで人気No.1の熊スプレー!人気・実績共に高い。米国セイバー社製。ホルスター付き。 積極的に熊生息地へ行く方、非常に熊遭遇リスクが高い地域にいる方かつ、カウンターアソールト ストロンガーとほぼ同等の製品をより安価で購入したい方。 ①約7 – 8秒 ②約12m ③約345g ④約272g ⑤φ53mm × 240mm ⑥ヒグマ&ツキノワグマ ⑦約4年 詳しい解説(噴射動画など) | アメリカ人気No.1
![]() ![]() | フロンティアーズマン ベアスプレー 234mL 『EPA認可の熊スプレー』 234mLは272mLより容量少なくサイズもコンパクト。でも射程距離は同じ12m!ホルスター付き。 万が一の熊対応用で、噴射距離とコンパクト性を両立したい方。 ①約6 – 7秒 ②約12m ③約304g ④約234g ⑤Φ5.3cm × 22cm ⑥ヒグマ&ツキノワグマ ⑦約4年 詳しい解説 (噴射動画など) |
![]() ![]() | UDAP 12HP 『EPA認可の熊スプレー』 アメリカamazonでも人気上位の米国UDAP社の熊スプレー。ヒグマ対応ながら、日本での実売価格が他ブランドの約半額で日本でも人気。ホルスター付き。 連続噴射時間は約4秒なので複数回の噴射ミスは避けたい。ヒグマ対応品の中では最安クラス。 ①約4秒 ②約9m ③225g ④ー ⑤φ51mm × 216mm ⑥ヒグマ&ツキノワグマ ⑦約4年 詳しい解説(噴射動画など) | 高コスパ
![]() ![]() | 熊一目散(くまいちもくさん) 国産スプレーのため米国EPA認可ではないが、同等の性能で開発 日本で流通する熊スプレーのほとんどは米国産の中、国産2025年から国産開発・製造のスプレー。バイオ科学株式会社が酪農学園大学の佐藤喜和教授監修のもと開発。米国製と同等の性能。 スペックは米国製のEPA認可スプレーと同等の性能。大きな違いは「日本人が使い慣れたスプレーノズル」「誤噴射防止のキャップ付き」「専用ホルスター付き」です。キャップ付きだと速射性は落ちますが、小枝等の引っかかりによる誤噴射は起きない構造なのが安心。価格は少し高め。 ①約10秒 ②約10m ③275g ④280ml ⑤φ53mm × 205mm ⑥ヒグマ&ツキノワグマ ⑦約5年 詳しい解説(噴射動画など) | 国産スプレー
![]() ![]() | ポリスマグナム B-610 米国では対人用の催涙スプレーとして販売されているが、日本の販売店ではツキノワグマ対応と記載。 個人的にはこの価格なら、より射程距離の長いヒグマ対応のスプレーでもいいかも?と思った。 ①約8秒 ②約6m ③440g ④250g ⑤φ54 mm× 235 mm ⑥ツキノワグマ ⑦約4年 |
![]() ![]() | ポリスマグナム B-609 米国では対人用の催涙スプレーとして販売されているが、日本の販売店ではツキノワグマ対応と記載。 コンパクトなので携帯性は優れるが、連続噴射時間は約2.5秒。一発勝負的な感じか。 ①約2~2.5秒 ②約5m ③163g ④105g ⑤φ38 mm × 172 mm ⑥ツキノワグマ ⑦3~5年 |
![]() ![]() | ペッパージェット TW-1000(63ml) 非常にコンパクトだが、水鉄砲のようにピューっと飛ぶため、かなりの狙い撃ちが必要。熊が接近しても落ち着いて狙い撃ちできる方向け。 ある意味、高難易度スプレー。 ①— ②— ③100g ④63g ⑤φ35 mm× 122 mm ⑥熊など野生動物 ⑦約2年 |
![]() ![]() | ペッパージェット TW-1000(40ml) 63mlよりさらに容量少なく、無いよりはいいレベルかも。 ①— ②— ③50g ④40g ⑤φ35 mm× 105 mm ⑥熊など野生動物 ⑦約2年 |
※「—」は公式情報未掲載の項目を示します。
出典:
- ペッパージェット TW-1000(40ml/63ml)…TW1000 公式サイト tw1000.com
- UDAP 12HP…UDAP Industries 公式サイト UDAP
- カウンターアソールト CA230…Counter Assault 公式サイト Counter Assault
- カウンターアソールト CA290…公式ホルスター付き製品ページ Gear Up For Outdoors
- フロンティアーズマン ベアスプレー…Montbell America 公式サイト モンベル
- ポリスマグナム B-610/B-609… Amazon
熊撃退スプレーのよくある質問
熊が出没による人身被害の多い都道府県はありますか?
環境省の資料によると、2019年~2024年の熊による人身被害件数が多い都道府県トップ5は、北海道、青森県、岩手県、秋田県、新潟県、福島県、長野県がほぼ占めています。
本州はツキノワグマですが、北海道はより巨体のヒグマで気性も荒いと言われています。北海道は地域によってはヒグマ出没が頻度が多く社会問題になっています。


熊鈴と併用すべき?
クマと出会わない対策が第一。鈴・ラジオで存在を知らせ、スプレーは最終手段です。
クマの専門家の方曰く熊鈴の効果は
- 無風の開けた場所で最大300 m。
- 強風・沢音・密林では大幅に減衰。
- 「威嚇」ではなく“こちらの存在を知らせる手段” と割り切る。
と言われています。熊鈴は鈴型ではなく、音の大きなベル型が推奨です。
ただ、過去に人を襲って食べた熊は熊鈴の音を聞くと逆に寄ってくるという話もあり、過去にそういう事件があって解決していない山域では熊鈴は避けたほうが良いという意見もあります。
熊撃退スプレーの成分は何?


主成分はカプサイシンおよび関連カプサイシノイドでOC(Oleoresin Capsicum)と呼ばれます。これらは唐辛子に含まれる辛味成分で、哺乳類の粘膜や眼球のTRPV1受容体を強烈に刺激し、瞬時に痛覚・熱覚を引き起こします。
OCは溶剤(水溶性と油性がある)に溶かされ、ガス(窒素or二酸化炭素or代替フロンなど)と共にスプレー缶に詰めれれています。


最強の熊撃退スプレーはどれですか?





スペック的にも実績的にも「カウンターアソールト CA290」が最強だと思います。詳しくは下記ページをご参照。


売れている人気の熊撃退スプレーはどれですか?





価格が手頃でコンパクトな『ポリスマグナム B-609』が非常に人気です。ただしヒグマは非対応です。詳しくは下記ページをご参照。


カプサイシノイド濃度 が最大で2%なのはなぜですか?
米国環境保護庁(EPA)登録製品では総カプサイシノイド濃度 1〜2% が標準とされています。これは人体に対する非致死性と、野生動物に対する即効的な忌避効果のバランスを取った値であり、2%を超える処方は規制対象となり一般流通しません。


熊に遭遇した時の対処法ってあるの?



約50年クマ研究されてきた日本ツキノワグマ研究所 米田一彦さんの『熊に遭遇した時の対処法』の動画(約35分)が非常に有用です!
冬季は噴射力が落ちる?
気温0 °C付近でガス圧低下が起きる。内ポケット携行で温度を保つと良い。
人間にご誤噴射したらどうなる?


猛獣対策の熊撃退スプレーは対人用の護身用の催涙スプレーの何倍も強力な劇薬です。噴射物が僅かに目に入る・皮膚に付着するだけで数時間の痛みが続くようです
緊急時でも周囲に人がいる状況での使用も最大限の配慮が必要で、安易に噴射して自分にかかって動けなくなった例もあるようです。
誤噴射や被爆による応急処置
- 内容物が目に入った場合:すぐに流水で15分以上やさしく洗眼し、コンタクトレンズは5分以内に取り外す。
- 皮膚や衣服に付着した場合:衣類を脱ぎ、ただちに流水で15分以上洗い流す。
- 症状が改善しない場合は本製品を持参のうえ医療機関を受診する
海外や日本での誤噴射事故も複数件あります。


熊撃退スプレーって本当に必要?
その昔は仕事や研究調査で積極的にクマの生息域に入る方が携行するものでした。ところが近年は里山・市街地にも出没し被害が多くなる年もあり、出没頻度が多い地域では市町村がクマ撃退スプレーを推奨し、補助金がでている地域もあります。




熊に熊撃退スプレーを噴射している動画はありますか?
海外に実際に噴射している様子の動画がありました。熊が木に登ってるのはちょっと怖いですね。
熊スプレーは飛行機で運べますか?
スプレー缶は飛行機で荷物として運べません。例えば、東京から北海道まで行く場合は、熊撃退スプレーは「現地で購入」か「手持ちのスプレーを陸送」が必要になります。
以下の動画で輸送方法について解説されていて、参考になります。
熊撃退スプレーを使えば万が一襲われても助かりますか?
熊の専門家の方は「100%はないけれど90%助かる」と言われています。
過去、業務で9回襲われてますが、通常の5倍~10倍激しく攻撃してきた熊でも熊スプレーで撃退できた(以下の動画をご参照)
熊が近づいてきた時、熊撃退スプレーはどの距離で噴射したらよいですか?
5m~3m程度まで引き付けて噴射するのが推奨、と言われています。熊撃退スプレーのスペックは無風状態での測定値で、現実には風の影響を受けますので、確実に熊に届く距離が5m~3m程度と言われています。
10mだと風で飛ばされて効果がありません。5m,3m,2mと段階的に噴射します。最初の5mの距離での噴射でほとんどの熊が逃げます。
使用期限切れは使える?
刺激成分が劣化し効果が落ちる恐れがあるため推奨されていません。
使用期限の切れた熊撃退スプレーの処分方法は?
万が一用ですので、全く使用せずに使用期限を過ぎるケースがほとんどだと思います。
熊撃退スプレーは劇薬ですので、僅かに成分が目や皮膚に付着するだけで痛みが生じます。安全に処分する方法の動画がモンベルで紹介されていましたので、下記動画をご参考にしてください。


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