熊スプレーの輸送(飛行機・郵送など)に関する各種ルールを徹底的に解説し、北海道など遠方への釣行や登山遠征を計画している方々が、安全かつ合法的に熊スプレーを準備するための具体的な方法と注意点を網羅的にご紹介します。
今後、熊スプレーによるトラブルが発生するとルールが変更・厳格化される可能性もあります。
記事のポイント
- 熊スプレーの飛行機輸送は?
- 熊スプレーは郵送可能?
- 北海道遠征で熊スプレー持っていける?

経歴:北海道出身、登山歴15年以上。関東の大型の登山用品店で約4年間の勤務を経験。最近はヒグマやツキノワグマの対策用品の調査・研究にも注力。 名前:Masaki T
熊スプレーの飛行機輸送は?


知らずに持って行くと「没収」されます!
- なぜ熊スプレーは飛行機に持ち込めないのか?
- もし誤って持ち込もうとした場合の罰則
- 例外はあるのか?海外での事例との比較
なぜ熊スプレーは飛行機に持ち込めないのか?
熊スプレーが飛行機で輸送できない理由は、その成分と構造が航空法で定められた「危険物」に該当するためです。多くの人が「スプレー缶なら、化粧品や制汗スプレーと同じでは?」と疑問に思うかもしれませんが、熊スプレーはこれらとは全く異なる性質を持っています。
航空法における危険物の定義
航空法第86条第1項では、「爆発性又は易燃性を有する物件その他人に危害を与え、又は他の物件を損傷するおそれのあるもので、国土交通省令で定めるもの」を航空機で輸送することを禁止しています。この「国土交通省令で定めるもの」が、いわゆる「危険物」です。
国土交通省の「航空機による爆発物等の輸送基準等を定める告示」では、危険物が細かく分類されており、熊スプレーは主に以下の2つのカテゴリーに該当します。
- 高圧ガス (High-pressure Gas):内容物を長距離に、かつ強力に噴射するために、缶の内部は高圧のガスで充填されています。飛行機は上空を飛行する際、機内の気圧が地上よりも低く調整されます。この気圧の変化により、スプレー缶内部の圧力が相対的に高まり、容器が膨張、破裂、あるいは噴射弁の誤作動を引き起こす危険性が格段に高まります。
- 引火性・毒性ガス (Flammable/Toxic Gas):熊スプレーの噴射剤には、LPガス(液化石油ガス)などの可燃性ガスが使用されていることが多くあります。万が一、輸送中に缶が破損して内容物が漏れ出した場合、航空機内のわずかな静電気や火花でも引火し、火災につながる大惨事の引き金となり得ます。また、主成分であるカプサイシン類(唐辛子成分)は、狭く密閉された機内に充満した場合、乗客や乗員に深刻な健康被害(目や呼吸器系への激しい痛み、呼吸困難など)を及ぼす「毒性物質」と見なされます。



JAL(日本航空)やANA(全日空)などの航空会社のウェブサイトでも、危険物の代表例として「LPガス、LPGガス、DMEガスなどの引火性ガスや毒性のあるガスは機内持ち込みもお預かりもできません」と明記されており、熊スプレーはこれに該当します。
機内持ち込み・預け荷物の両方が不可である理由
- 機内持ち込みが不可な理由:客室内に持ち込んだ場合、前述の気圧変化による破裂・誤噴射のリスクに加え、万が一ハイジャックなどの犯罪行為に悪用された場合、催涙スプレーとして乗客や乗員を無力化する凶器となりうるため、保安上の観点からも固く禁じられています。
- 預け荷物が不可な理由:貨物室も客室と同様に気圧が調整されており、破裂やガス漏れのリスクは変わりません。むしろ、乗員の目が届かない貨物室内でガス漏れや引火が発生した場合、発見が遅れてより深刻な事態につながる危険性があります。そのため、預け荷物であっても一切の輸送が認められていません。
もし誤って持ち込もうとした場合の罰則
航空法違反による罰則規定
危険物を航空機へ持ち込もうとすると航空法等の罰則対象になり得ます。具体の罰則値は国交省等の一次情報を必ず参照してください。実務上の判断・最新運用は、利用航空会社(例:ANAの危険物案内)のページも確認。〔出典:ANA(危険物・スプレー類の取扱い)〕
保安検査で発見された場合の対応
手荷物検査(X線検査など)で熊スプレーが発見された場合、その場で所有権を放棄し、廃棄処分することになります。当然、スプレーを没収されたからといって、購入代金が返金されることはありません。高価な熊スプレーを空港で無駄にしないためにも、絶対に手荷物に入れないようにしてください。
特に、ザックのサイドポケットや雨蓋などに入れっぱなしにして、そのまま保安検査場に進んでしまうケースが後を絶ちません。遠征の準備をする際は、パッキングの最終段階で、ザックの全てのポケットを再確認する習慣をつけましょう。
例外はあるのか?海外での事例との比較
日本の国内線・国際線での取り扱い
日本国内線・国際線ともに、熊スプレーは機内持込・受託手荷物とも不可です。国内航空会社(ANA/JAL)は引火性ガス等を用いたスプレーの持込・預けを禁止しており、米国TSAも熊スプレーはCarry-on/Checkedともに禁止と明記しています。
アメリカ・カナダなど海外での対応の違い
米国TSAは熊スプレーを「機内持込み不可・受託不可(No/No)」と明記しています。TSAサイトにある一般の「self-defense spray(護身用スプレー)」の条件(118ml/2%)は熊スプレーには適用されません。日本発着便でも機内・受託とも不可です。最新の運用は利用航空会社の危険物案内をご確認ください。
関連リンク(複数)
ただし、これはあくまでアメリカ国内の規定であり、航空会社によっては独自の規定で禁止している場合もあります。また、カナダでも同様の規定が存在しますが、国や航空会社によってルールが異なるため、海外で熊スプレーの輸送を検討する場合は、必ず事前に利用する航空会社の最新の規定を確認する必要があります。
なぜ日本では例外が認められないのか
日本で例外が認められない背景には、国内で流通している熊スプレーの多くが、北米の航空輸送基準(特に容量や濃度)を満たしていないことや、万が一の事故が発生した際のリスクを最大限排除するという、日本の厳格な安全基準が関係していると考えられます。日本では「原則として危険物は輸送しない」というスタンスが徹底されています。
熊スプレーは郵送可能?


航空搭載は不可で、一般個人による宅配発送は実務上ほぼ不可と理解するのが安全です。日本郵便は航空危険物としてスプレー缶の航空便不可を明記、ヤマト運輸もスプレー缶は航空不可の案内があります。事業者の特別契約/陸送のみ等の例外的スキームはありますが、個人の通常発送は想定しない前提でご判断ください。



ただ、個人体験談で「陸送できた」等の情報もありますので、これについては後で記述します。
関連リンク(複数)
- 郵便法・各運送会社の規定
- 「雑貨」などと品名を偽って送った場合のリスク
- 陸送できた事例
郵便法・各運送会社の規定
荷物の輸送ルールは、運送会社ごとに定められていますが、危険物の取り扱いに関しては、消防法や高圧ガス保安法などの国内法規に準拠しているため、基本的なルールは共通しています。
日本郵便(ゆうパック)での取り扱い
日本郵便では、郵便法第16条に基づき、爆発性、発火性、その他の危険性のあるもので総務省令で定めるものを郵便物として差し出すことを禁じています。ゆうパックの「引受できないもの」のリストにも、「発火性・引火性のもの」としてスプレー缶が明記されており、熊スプレーは明確に引受不可となっています。一部の通販サイトでは「ゆうパックでの発送不可」と明記しているケースも見られます。
ヤマト運輸(宅急便)での取り扱い
ヤマト運輸の宅急便でも、危険物の輸送は固く禁じられています。「宅急便で送れないもの」として、「スプレー缶」が例示されており、特に熊スプレーは高圧ガスを使用した引火性・毒性のある製品であるため、輸送は受け付けられません。



ただし、一部のレンタルサービスでは、返却時にヤマト運輸を利用した「陸送」を指定している場合があります。これは、事業者として特別な契約や許可を得ている可能性が考えられます。



ヤマト運輸に「関東から北海道へ熊スプレーは陸送で送れますか?」と問い合わせしたところ、以下の返信が届きました。
平素はヤマト運輸をご利用いただきまして誠にありがとうございます。
お問い合わせいただきました件、恐れ入りますが航空輸送となるため
スプレー缶はお預かりできかねます。
ご不便をおかけいたしますが、何卒ご了承いただきますようお願い申し上げます。
佐川急便(飛脚宅配便)での取り扱い
佐川急便も同様に、危険物の輸送は行っていません。運送約款において、火薬類その他の危険品、人に危害を及ぼすおそれのある物品は引き受けを拒絶すると定めており、熊スプレーはこれに該当します。



一方で、Youtubeで「佐川急便で東京から北海道まで陸送で送った」という方もいます。
その他の運送会社の対応
西濃運輸、福山通運など、他の主要な運送会社もすべて同様の規定を設けており、個人が熊スプレーを荷物として送ることはできません。
「雑貨」などと品名を偽って送った場合のリスク
X線等で検査され、航空危険物や高圧ガスが判明した場合は差戻しや廃棄の可能性があります。偽装記載は約款違反。
発覚した場合のペナルティ
万が一、輸送の途中でX線検査などにより内容物が熊スプレーであると発覚した場合、荷物はその場で止められ、発送者に返送されるか、場合によっては廃棄処分となります。また、意図的に品名を偽って危険物を送る行為は、運送会社の運送約款違反にあたり、今後の利用を断られる可能性もあります。
輸送中の事故リスクと賠償責任
最も恐ろしいのは、輸送中に事故が発生した場合です。トラックの荷台は夏場には高温になり、スプレー缶が破裂する危険性があります。もし熊スプレーが原因で火災が発生したり、他の荷物を汚損・破損させたりした場合、発送者は莫大な損害賠償責任を問われることになります。人命に関わる重大な事故につながる可能性もゼロではありません。「バレなければ大丈夫」という安易な考えは、避けるのが無難です。
陸送できた事例?
WEB上で「ヤマト(クロネコ)や佐川で“陸送なら送れた/営業所止めで受け取れた”」という個人ブログ記事はいくつか確認できます。
今後ルールが変わる可能性もあるため、各配達業者に直接確認してください。



飛行機移動の場合、熊スプレーを東京⇒北海道へ陸送できたとして、帰りも北海道⇒東京に陸送することになり、ちょっと面倒です。「北海道での熊スプレーのレンタルサービス」もありますので、それも含めて検討されるのをおすすめします。
北海道遠征で熊スプレー持っていける?


飛行機も郵送もダメとなった場合、北海道のような遠隔地へ熊スプレーを持っていくにはどうすれば良いのでしょうか。ご安心ください。いくつかの確実で安全な方法があります。
- 飛行機・郵送がダメならどうすればいい?
- 現地(北海道)での購入・レンタルガイド
- フェリーでの熊スプレー輸送ルール
飛行機・郵送がダメならどうすればいい?
主な方法は以下の4つです。遠征のスタイルや日程、予算に合わせて最適な方法を選択しましょう。
- 解決策①:現地で購入する
- 解決策②:現地でレンタルする
- 解決策③:フェリーを利用する
現地(北海道)での購入・レンタルガイド



北海道では熊スプレーの需要が高いため、購入やレンタルが比較的容易に行えます。事前にどこで手に入れられるかを調べておくと、現地到着後、スムーズに行動を開始できます。
購入できる場所



現地で購入しても、本州へ帰宅する際に持ち帰り(飛行機は不可)ですので、その点も含めて検討が必要です。
北海道内の以下のような店舗で取り扱いがあります。ただし、店舗の規模や時期によっては在庫がない場合もあるため、事前に電話などで確認しておくと確実です。
- アウトドア専門店
- 秀岳荘 (Shugakuso):札幌市(白石店、北大店)、旭川市に店舗を構える老舗。品揃えが豊富で、スタッフも専門知識を持っているため、製品選びの相談にも乗ってもらえます。
- モンベル (mont-bell):札幌市内に数店舗、大雪、利尻などにも店舗があります。自社製品だけでなく、カウンターアソルトなどの定番熊スプレーも取り扱っています。
- ICI石井スポーツ:札幌市内に店舗があり、登山用品の専門店として信頼性が高いです。
- MyLoch(マイロッホ):札幌市手稲区とサッポロファクトリーにあるアウトドア&フィッシング専門店。
- 大型ホームセンター
- DCM(旧ホーマック):道内各地に多数の店舗があり、害獣対策コーナーやアウトドア用品コーナーで販売されています。比較的手に入れやすい選択肢の一つです。
- ジョイフルエーケー:札幌市、帯広市、北広島市などにある超大型ホームセンター。アウトドア・狩猟関連コーナーが充実しており、取り扱いの可能性は非常に高いです。
- 釣具店
- つり具センター:札幌市を中心に道内数店舗を展開。渓流釣りなどで山に入る釣り人の需要に応え、熊スプレーを置いていることが多いです。
- アメリカ屋漁具:札幌市にある大型釣具店。
- その他
- 空港関連施設での販売は限定的で、在庫は流動的です。“空港で買えばOK”と誤解されやすいため、基本は札幌市内の登山店・HC(例:秀岳荘、DCM、ジョイフルAK 等)や釣具店での事前在庫確認→現地購入を推奨します。
レンタルサービスの紹介



行政機関によるレンタルと、民間業者のレンタルがあります。
数日間の遠征のために高価な熊スプレーを購入するのは躊躇われる、という方にはレンタルがおすすめです。使用後の処分に困ることもなく、コストを抑えることができます。
- レンタルを行っている事業者
- 知床自然センター(知床財団):18歳以上+写真付身分証必須、使用方法の説明に15–20分。事前予約不可、在庫に限り。〔出典:知床自然センター〕
- 環境省 ルサ・羅臼VC 等:24時間1,000円の案内例。最新は各施設告知を確認。〔出典:環境省 ルサFH〕
- なんでもリサイクル ビッグバン:道内多数店舗でレンタル・使用時は別途2万円請求等の注意事項を公開。〔出典:公式レンタル案内・告知〕
- 美幌観光物産協会:地域の公式案内に携行推奨・貸出情報。〔出典:KCT/協会ページ〕
- 北海道のモンベル:
- 料金相場とレンタル期間
- 料金は事業者によって異なりますが、1日あたり1,000円~1,500円程度が相場です。長期になるほど割引がある場合もあります。
- 多くの場合、デポジット(保証金)として15,000円~20,000円程度を預け、スプレーを噴射した場合や紛失した場合は、デポジットが返金されない(=買取扱いとなる)仕組みになっています。
- レンタル期間は、1日から1週間程度まで様々です。
購入・レンタル時の注意点
- 使用期限の確認:熊スプレーには使用期限があります。購入・レンタルする際には、必ず缶に記載されている有効期限を確認し、十分な期間が残っているものを選びましょう。
- 成分と性能の確認:有効成分であるカプサイシン濃度や、噴射距離、噴射時間などを確認しましょう。信頼性の高い定番モデル(カウンターアソルト、フロンティアーズマンなど)を選ぶのが無難です。
- ホルスターの有無:熊スプレーは、いざという時に瞬時に取り出せなければ意味がありません。ザックのショルダーハーネスや腰ベルトに装着できる専用のホルスターが付属しているか、または別途購入できるかを確認しましょう。
フェリーでの熊スプレー輸送ルール
自動車やバイクで北海道へ向かう場合、フェリーを利用することになります。フェリーは飛行機と異なり、危険物の輸送規制が比較的緩やかですが、各社で独自のルールを定めているため、事前の確認が不可欠です。
各フェリー会社の規定(一般的な傾向)
多くのフェリー会社では、「危険物船舶運送及び貯蔵規則」に基づき、ガソリンやガスボンベなど、特に危険性が高い物品の持ち込みを厳しく制限しています。熊スプレーの扱いについては、明確に記載されていないことが多いのが現状です。
旅客フェリーは危険物の持込み禁止が原則です。エアゾール等は手荷物でも車両積載でも不可が基本。輸送が必要な場合は、危険物積載車両としての事前申請・指定便(特定便)など貨物扱い手続きになります。
以下は、主要なフェリー会社の一般的な対応ですが、必ず乗船前に電話などで直接問い合わせ、最新の規定を確認してください。
車両なし(徒歩)での乗船の場合
徒歩で乗船し、手荷物として熊スプレーを持ち込む場合は、より厳しい対応となる可能性があります。保安上の観点から、客室への持ち込みを断られるケースも考えられます。この場合も、必ず事前にフェリー会社に問い合わせ、指示を仰ぐ必要があります。
持ち込み時の注意点
- 保管場所:車内に置く際は、直射日光が当たるダッシュボードの上などは避け、トランクや座席の下など、なるべく涼しく安定した場所に保管してください。夏場の車内は非常に高温になり、缶が破裂する危険があります。
- 誤噴射防止:セーフティクリップが確実にかかっていることを確認し、他の荷物の下敷きになったり、衝撃が加わったりしないように注意して積載してください。
以上、ご参考に慣れば幸いです。
熊撃退スプレーのスペック比較


製品名・特徴 ①連続噴射時間 ②噴射距離 ③全重量 ④内容量 ⑤サイズ(直径×全長) ⑥対象動物 ⑦使用期限 | |
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![]() ![]() | カウンターアソールト CA290(ストロンガー) 『EPA認可の熊スプレー』 国内実績と性能から熊スプレー最強。 連続噴射時間、噴射距離、内容量すべてがTOPクラス。価格は高い。米国製。 積極的に熊生息地へ行く方、非常に熊遭遇リスクが高い地域にいる方向け。 ①約8秒 ②約12m ③約380g ④約290g ⑤φ59 mm× 215 mm ⑥ヒグマ&ツキノワグマ ⑦約4年 詳しい解説 (噴射動画など) | 最強
![]() ![]() | カウンターアソールト CA230 『EPA認可の熊スプレー』 信頼のブランド製。CA290よりスペック少し劣るがコンパクトに。価格は高い。米国製。 万が一の熊対応用など。 ①約7秒 ②約9.6m ③約290g ④約230g ⑤φ53 mm× 215 mm ⑥ヒグマ&ツキノワグマ ⑦約4年 詳しい解説 (噴射動画など) |
![]() ![]() | フロンティアーズマン ベアスプレー 272mL 『EPA認可の熊スプレー』 実はアメリカamazonで人気No.1の熊スプレー!人気・実績共に高い。米国セイバー社製。ホルスター付き。 積極的に熊生息地へ行く方、非常に熊遭遇リスクが高い地域にいる方かつ、カウンターアソールト ストロンガーとほぼ同等の製品をより安価で購入したい方。 ①約7 – 8秒 ②約12m ③約345g ④約272g ⑤φ53mm × 240mm ⑥ヒグマ&ツキノワグマ ⑦約4年 詳しい解説(噴射動画など) | アメリカ人気No.1
![]() ![]() | フロンティアーズマン ベアスプレー 234mL 『EPA認可の熊スプレー』 234mLは272mLより容量少なくサイズもコンパクト。でも射程距離は同じ12m!ホルスター付き。 万が一の熊対応用で、噴射距離とコンパクト性を両立したい方。 ①約6 – 7秒 ②約12m ③約304g ④約234g ⑤Φ5.3cm × 22cm ⑥ヒグマ&ツキノワグマ ⑦約4年 詳しい解説 (噴射動画など) |
![]() ![]() | UDAP 12HP 『EPA認可の熊スプレー』 アメリカamazonでも人気上位の米国UDAP社の熊スプレー。ヒグマ対応ながら、日本での実売価格が他ブランドの約半額で日本でも人気。ホルスター付き。 連続噴射時間は約4秒なので複数回の噴射ミスは避けたい。ヒグマ対応品の中では最安クラス。 ①約4秒 ②約9m ③225g ④ー ⑤φ51mm × 216mm ⑥ヒグマ&ツキノワグマ ⑦約4年 詳しい解説(噴射動画など) | 高コスパ
![]() ![]() | 熊一目散(くまいちもくさん) 国産スプレーのため米国EPA認可ではないが、同等の性能で開発 日本で流通する熊スプレーのほとんどは米国産の中、国産2025年から国産開発・製造のスプレー。バイオ科学株式会社が酪農学園大学の佐藤喜和教授監修のもと開発。米国製と同等の性能。 スペックは米国製のEPA認可スプレーと同等の性能。大きな違いは「日本人が使い慣れたスプレーノズル」「誤噴射防止のキャップ付き」「専用ホルスター付き」です。キャップ付きだと速射性は落ちますが、小枝等の引っかかりによる誤噴射は起きない構造なのが安心。価格は少し高め。 ①約10秒 ②約10m ③275g ④280ml ⑤φ53mm × 205mm ⑥ヒグマ&ツキノワグマ ⑦約5年 詳しい解説(噴射動画など) | 国産スプレー
![]() ![]() | ポリスマグナム B-610 米国では対人用の催涙スプレーとして販売されているが、日本の販売店ではツキノワグマ対応と記載。 個人的にはこの価格なら、より射程距離の長いヒグマ対応のスプレーでもいいかも?と思った。 ①約8秒 ②約6m ③440g ④250g ⑤φ54 mm× 235 mm ⑥ツキノワグマ ⑦約4年 |
![]() ![]() | ポリスマグナム B-609 米国では対人用の催涙スプレーとして販売されているが、日本の販売店ではツキノワグマ対応と記載。 コンパクトなので携帯性は優れるが、連続噴射時間は約2.5秒。一発勝負的な感じか。 ①約2~2.5秒 ②約5m ③163g ④105g ⑤φ38 mm × 172 mm ⑥ツキノワグマ ⑦3~5年 |
![]() ![]() | ペッパージェット TW-1000(63ml) 非常にコンパクトだが、水鉄砲のようにピューっと飛ぶため、かなりの狙い撃ちが必要。熊が接近しても落ち着いて狙い撃ちできる方向け。 ある意味、高難易度スプレー。 ①— ②— ③100g ④63g ⑤φ35 mm× 122 mm ⑥熊など野生動物 ⑦約2年 |
![]() ![]() | ペッパージェット TW-1000(40ml) 63mlよりさらに容量少なく、無いよりはいいレベルかも。 ①— ②— ③50g ④40g ⑤φ35 mm× 105 mm ⑥熊など野生動物 ⑦約2年 |
※「—」は公式情報未掲載の項目を示します。
出典:
- ペッパージェット TW-1000(40ml/63ml)…TW1000 公式サイト tw1000.com
- UDAP 12HP…UDAP Industries 公式サイト UDAP
- カウンターアソールト CA230…Counter Assault 公式サイト Counter Assault
- カウンターアソールト CA290…公式ホルスター付き製品ページ Gear Up For Outdoors
- フロンティアーズマン ベアスプレー…Montbell America 公式サイト モンベル
- ポリスマグナム B-610/B-609… Amazon
熊撃退スプレーのよくある質問
熊が出没による人身被害の多い都道府県はありますか?
環境省の資料によると、2019年~2024年の熊による人身被害件数が多い都道府県トップ5は、北海道、青森県、岩手県、秋田県、新潟県、福島県、長野県がほぼ占めています。
本州はツキノワグマですが、北海道はより巨体のヒグマで気性も荒いと言われています。北海道は地域によってはヒグマ出没が頻度が多く社会問題になっています。


熊鈴と併用すべき?
クマと出会わない対策が第一。鈴・ラジオで存在を知らせ、スプレーは最終手段です。
クマの専門家の方曰く熊鈴の効果は
- 無風の開けた場所で最大300 m。
- 強風・沢音・密林では大幅に減衰。
- 「威嚇」ではなく“こちらの存在を知らせる手段” と割り切る。
と言われています。熊鈴は鈴型ではなく、音の大きなベル型が推奨です。
ただ、過去に人を襲って食べた熊は熊鈴の音を聞くと逆に寄ってくるという話もあり、過去にそういう事件があって解決していない山域では熊鈴は避けたほうが良いという意見もあります。
熊撃退スプレーの成分は何?


主成分はカプサイシンおよび関連カプサイシノイドでOC(Oleoresin Capsicum)と呼ばれます。これらは唐辛子に含まれる辛味成分で、哺乳類の粘膜や眼球のTRPV1受容体を強烈に刺激し、瞬時に痛覚・熱覚を引き起こします。
OCは溶剤(水溶性と油性がある)に溶かされ、ガス(窒素or二酸化炭素or代替フロンなど)と共にスプレー缶に詰めれれています。


最強の熊撃退スプレーはどれですか?





スペック的にも実績的にも「カウンターアソールト CA290」が最強だと思います。詳しくは下記ページをご参照。


売れている人気の熊撃退スプレーはどれですか?





価格が手頃でコンパクトな『ポリスマグナム B-609』が非常に人気です。ただしヒグマは非対応です。詳しくは下記ページをご参照。


カプサイシノイド濃度 が最大で2%なのはなぜですか?
米国環境保護庁(EPA)登録製品では総カプサイシノイド濃度 1〜2% が標準とされています。これは人体に対する非致死性と、野生動物に対する即効的な忌避効果のバランスを取った値であり、2%を超える処方は規制対象となり一般流通しません。


熊に遭遇した時の対処法ってあるの?



約50年クマ研究されてきた日本ツキノワグマ研究所 米田一彦さんの『熊に遭遇した時の対処法』の動画(約35分)が非常に有用です!
冬季は噴射力が落ちる?
気温0 °C付近でガス圧低下が起きる。内ポケット携行で温度を保つと良い。
人間にご誤噴射したらどうなる?


猛獣対策の熊撃退スプレーは対人用の護身用の催涙スプレーの何倍も強力な劇薬です。噴射物が僅かに目に入る・皮膚に付着するだけで数時間の痛みが続くようです
緊急時でも周囲に人がいる状況での使用も最大限の配慮が必要で、安易に噴射して自分にかかって動けなくなった例もあるようです。
誤噴射や被爆による応急処置
- 内容物が目に入った場合:すぐに流水で15分以上やさしく洗眼し、コンタクトレンズは5分以内に取り外す。
- 皮膚や衣服に付着した場合:衣類を脱ぎ、ただちに流水で15分以上洗い流す。
- 症状が改善しない場合は本製品を持参のうえ医療機関を受診する
海外や日本での誤噴射事故も複数件あります。


熊撃退スプレーって本当に必要?
その昔は仕事や研究調査で積極的にクマの生息域に入る方が携行するものでした。ところが近年は里山・市街地にも出没し被害が多くなる年もあり、出没頻度が多い地域では市町村がクマ撃退スプレーを推奨し、補助金がでている地域もあります。




熊に熊撃退スプレーを噴射している動画はありますか?
海外に実際に噴射している様子の動画がありました。熊が木に登ってるのはちょっと怖いですね。
熊スプレーは飛行機で運べますか?
スプレー缶は飛行機で荷物として運べません。例えば、東京から北海道まで行く場合は、熊撃退スプレーは「現地で購入」か「手持ちのスプレーを陸送」が必要になります。
以下の動画で輸送方法について解説されていて、参考になります。
熊撃退スプレーを使えば万が一襲われても助かりますか?
熊の専門家の方は「100%はないけれど90%助かる」と言われています。
過去、業務で9回襲われてますが、通常の5倍~10倍激しく攻撃してきた熊でも熊スプレーで撃退できた(以下の動画をご参照)
熊が近づいてきた時、熊撃退スプレーはどの距離で噴射したらよいですか?
5m~3m程度まで引き付けて噴射するのが推奨、と言われています。熊撃退スプレーのスペックは無風状態での測定値で、現実には風の影響を受けますので、確実に熊に届く距離が5m~3m程度と言われています。
10mだと風で飛ばされて効果がありません。5m,3m,2mと段階的に噴射します。最初の5mの距離での噴射でほとんどの熊が逃げます。
使用期限切れは使える?
刺激成分が劣化し効果が落ちる恐れがあるため推奨されていません。
使用期限の切れた熊撃退スプレーの処分方法は?
万が一用ですので、全く使用せずに使用期限を過ぎるケースがほとんどだと思います。
熊撃退スプレーは劇薬ですので、僅かに成分が目や皮膚に付着するだけで痛みが生じます。安全に処分する方法の動画がモンベルで紹介されていましたので、下記動画をご参考にしてください。


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