近年、登山やキャンプで熊スプレーの携行が普及しつつありますが、熊スプレーのホルダー(ホルスター)には「純正」「社外製(モンベル)」「自作(100均)」といった多様な種類があり、使い勝手や安全性に大きな違いがあります。本記事では、それぞれの特徴や選び方のポイントを比較し、登山中にすぐ取り出せる最適な携行方法を詳しく解説します。

ホルダー選びは遭遇時に0.5〜1秒でグリップできる位置にあるかどうかで抑止成功率が変わると言われています。
バックパック内部保管は避け、ベルトや胸元など“前面で素早く抜ける位置”が基本です。
記事のポイント
- 熊スプレーの主なホルダー(ホルスター)の種類と取り付け位置
- ホルダーは純正品、社外品(モンベル等)、自作(100均等)のどれが最適?
- 純正品vs社外品(モンベル等)vs自作(100均等)の比較表


経歴:北海道出身、登山歴15年以上。関東の大型の登山用品店で約4年間の勤務を経験。最近はヒグマやツキノワグマの対策用品の調査・研究にも注力。 名前:Masaki T
熊スプレーの主なホルダー(ホルスター)の種類と取り付け位置
ホルダー選びで最も大切なことは、ただ一つ。「いざという時に、ストレスなく、確実にスプレーを構えられるか」です。一方で、いざという時以外は出番が無いアイテムでもあります。



頭で考えるのと、実際に体に装着するのとでは、感覚が違うこともあります。各種ホルダーの特徴を把握したうえで、最終的には「これだ」という直感的なしっくり感かもしれません。
- ベルト(ヒップ)ホルダー
- チェスト(胸)ホルスター/ハーネス
- ランニングベルト型(スキャットベルト系)
- チェストバッグの下部
- 手で持つ
ベルト(ヒップ)ホルダー




- 想定シーン:登山・ハイキング・釣り・写真撮影など歩行主体
- メリット:装着が簡単、ザック有無を問わない、手が自然に伸びる高さ
- 注意点:走行時のバウンス、座る・屈む動作での干渉



多くのメーカーが採用しているスタンダードなホルダーです。基本形ですね。
チェスト(胸)ホルスター/ハーネス




- 想定シーン:素早い初動重視、藪漕ぎ・渓流で手元が忙しいとき
- メリット:向きが安定し、体の中心で手が届く、レイヤーの上からでも扱いやすい
- 注意点:胸前の機材(カメラ等)と干渉、暑さ(夏場)



胸側が最も取り出しが早いと言われていて、熊との遭遇リスクが非常に高い状況で推奨されます。
チェストベルトやリュック等が必要ですし、熊スプレ
ーが視界に入りやすいため、良くも悪くも気になります。
ベルト(ヒップ)ホルダーだと、歩行時に前後に動かす手が当たりやすいですが、胸側装着はそれがないので、登山のように長時間の歩行には向いています。
ランニングベルト型(スキャットベルト系)




- 想定シーン:トレイルラン、自転車、軽装ハイク
- メリット:ノーバウンス設計、素早い抜差し、軽量通気
- 注意点:収納量が限られる、ボトル等と同時携行の相性



ある程度の抜差し易さを維持しつつ、熊スプレーをほとんど意識せず携行したい方に向いています。
トレランのように登山道を走る場合でも、他の携行方法より揺れにくいです。
ただ、登山ではリュック・ザックとの干渉が起きやすく、荷物が熊スプレーだけであれば良いですが、他の荷物もある場合は干渉しにくいトレラン用リュックを選ぶなど、工夫が必要です。
チェストバッグの下部


- 想定シーン:登山
- メリット:素早い抜差し
- 注意点:暑さ(夏場)、バウンス



登山向けのチェストバッグの下部に取り付ける方法もあります。上手に取り付ければ素早い抜差しも維持できると思います。
ただ、歩行時の前後の揺れでスプレーも前後に跳ねる可能性大。跳ねないような工夫が必要です。
手で持つ




- 想定シーン:すぐ近くに熊がいる、遭遇可能性が非常に高い状況
- メリット:すぐに噴射できる
- 注意点:転倒、片手が塞がる



ホルスターを使わず「手で持つ」のも携行方法の一つです。
知床でフクロウの生態調査をされている方は「知床の森を歩くときはいつでも発射できるように常に構えて歩く」と言われていましたし「上高地のガイドさんがずーっと噴射できるように手で持っていた」という話も聞いたことあります。
登山等で遠方から熊を発見した場合や非常に遭遇率の高い状況では、すぐに対応できる”手持ち”にならざる終えないと思います。
ホルダーは純正品、社外品(モンベル等)、自作(100均等)のどれがいい?



ホルダー選びの道は、大きく三つに分かれています。「純正品」という王道、「社外品」という個性豊かな脇道、そして「自作」という冒険の道です。
- 主要な熊撃退スプレー缶のサイズ
- 純正品vs社外品(モンベル等)vs自作(100均等)の比較表
- 純正品のホルダーという王道
- 社外品(モンベル等)のホルダー
- 自作(100均等)のホルダー
主要な熊撃退スプレー缶のサイズは?


まず最初に知っていただきたいのが、日本で販売されている主要な熊撃退スプレーの缶のサイズです。



基本的に米国製造の熊スプレー缶のサイズ(直径)はほぼ同じものがおおいです。
- カウンターアソールト CA290(ストロンガー)
⇒ 直径φ59 mm × 高さ215 mm - カウンターアソールト CA230
⇒ 直径φ53 mm × 高さ215 mm - フロンティアーズマン ベアスプレー 272mL
⇒ 直径φ53mm × 高さ240mm - フロンティアーズマン ベアスプレー 234mL
⇒ 直径φ53mm × 高さ220mm - UDAPの熊スプレー
⇒ 直径φ51mm × 高さ216mm - 熊一目散(くまいちもくさん)
⇒ φ53mm × 高さ205mm
スプレー缶の直径はφ51mm~φ53 mmが多く、 CA290(ストロンガー)を除いた各メーカーのホルダー(ホルスター)は互換性があると思われます。
純正品vs社外品(モンベル等)vs自作(100均等)の比較表
項目 | 純正品 | 社外品(モンベル等) | 自作(100均等) |
フィット感 | ◎(専用設計で完璧) | 〇(汎用性がある) | △(工夫次第) |
信頼性・耐久性 | ◎(メーカー保証) | 〇(ブランドによる) | △(自己責任) |
コスト | 〇(比較的高価) | 〇(中程度) | ◎(非常に安価) |
入手性 | 〇(専門店や通販) | ◎(アウトドアショップ等) | ◎(100円ショップ等) |
カスタマイズ性 | ×(ほぼ不可) | △(限定的) | ◎(自由自在) |
満足感・愛着 | 〇 | 〇 | ◎(プライスレス) |
純正品のホルダーという王道


カウンターアソールトの純正ホルダー


フロンティアーズマンの純正ホルダー
何よりもまず、その完璧なフィット感。これにより、行動中にホルダーの中でスプレーがガタつくことがなく、精神的なストレスがありません。



メーカーが幾度となくテストを繰り返したであろう耐久性や安全性も、大きな安心材料です。
価格は社外品や自作に比べて高くなる傾向がありますが、それは「安心」と「信頼」という、目に見えない価値への投資と考えることができます。その意味で、純正品を選ぶことは、最も理にかない、そして確実な選択肢の一つと言えるでしょう。
カウンターアソールト


カウンターアソールト対応のホルダー・ホルスターは、本国のアメリカ製以外にも日本代理店などが設計したホルスターがあるようです。
フロンティアーズマン





フロンティアーズマンは、購入時に熊スプレー本体にベルト用ホルスターが付属しています。もっと違うものを選ぶ場合は、社外品になると思います。(社外品に関しては後述)
UDAP







UDAPには、布製のソフトケースと、ハードケースのホルスターがあります。


ハードケースは、メーカーのHPでは
- アメリカ製
- 熊よけスプレーをすぐに使えるようにしておく
- 熊よけスプレーをクリップで留められるので便利
- ベルトを着用する必要はありません
- すべてのクマよけスプレー缶に適合
- 静かに、簡単に熊よけスプレーのトリガーにアクセスできます
- ホルスターデザインから撃つ
と記載されています。
UDAPの熊スプレーとホルスター



ベルトを着用せずとも、ズボンを直接クリップで挟み込んで使えるのは他のホルダー・ホルスターにはない手軽さですね。
- UDAPの熊スプレー缶の直径がφ51mm
- カウンターアソールト CA230 φ53 mm
- フロンティアーズマン ベアスプレー φ53mm
- カウンターアソールト CA290(ストロンガー) φ59 mm
ですので、他社製スプレーでも近い数値のものは、使えるかもしれませんね。(実物で確認してません。)
ハードケースのホルスターは、単体でも販売されています。価格も1500円程度です。
社外品(モンベル等)のホルダーという選択


モンベル製のホルスター


ミステリーランチ ホルスター
純正品という絶対的な安定感も素晴らしいですが、社外品には「かゆいところに手が届く」ような、ユニークな魅力と発見があります。



社外品メーカーは、純正品を研究し尽くした上で、「もっとこうだったら良いのに」というユーザーの声を形にしてくれる存在です。それは、素材の違いであったり、取り付け方法の多様性であったり、あるいはデザイン性の高さなど様々です。
社外製の中には、熊スプレーのセーフティークリップを覆ったり、落下しないような工夫がされているものもあります。(純正ホルスターはあまり付いていません)



これにより、枝等の引っ掛かりでクリップの落下・解除されるのを防ぐことができ、より安心して携行することができます。
モンベルのホルスター


出典:montbell
モンベルのネオプレン製のホルダーは、純正品にはないクッション性でスプレーを衝撃から守るという、新しい価値を提案してくれます。



上部も保護するため、クリップ落下や誤発射も起きにくい構造です。
モンベルのホルスターは、輸入販売しているフロンティアーズマンの熊スプレーに合うように設計されていますので、他メーカー製でも類似のサイズであれば使えると思います。
ミステリーランチ ホルスター








- ほとんどのカウンターアソールト、フロンティアーズマン、UDAPに適合
(一般的なサイズより大きいカウンターアソールトのストロンガーはダメみたいです) - 缶をしっかりと固定する耐久性のある伸縮性のある側面
- 伸縮性のあるショックコード、クイックドローアクセスと調整機能
- コードロックによる調整可能なセキュリティ
- PALSウェブに取り付けるか、ベルクロでストラップに垂直に取り付けます
- ベアーズスプレーは腰に装着すればホルスターに入れたまま撃つことができる



登山やハンティング用ザックの世界的なブランドでもあるミステリーランチ の熊スプレーのホルスター。日本でも販売されており、評価が高いです。ただ、作りが凝っていることもあり、他のホルスターに比べて価格は高めです。
自作(100均等)のホルダーという創造の道



もしあなたが、既製品にしっくりこない、あるいは自分だけの道具を作り上げることに喜びを感じるタイプなら、「自作」という道が目の前に開けています。
この道の魅力は、何と言ってもその無限の自由度と、驚くほどの低コストにあります。最も手軽なのは、100円ショップで手に入る「細身のボトルホルダー」を流用する方法です。
少し手を加えて、ザックへの取り付け方法を工夫したり、飛び出し防止のゴム紐を追加したり。そうやって自分仕様に育てていく過程は、もはや趣味の領域です。



もちろん、耐久性や安全性はすべて自己責任となります。激しい山行で壊れてしまうかもしれません。しかし、試行錯誤を繰り返し、自分にとっての「完璧」を追求する時間は、何物にも代えがたいものかもしれません。
自作ホルダーの関連動画がありますので、ご参考に☆
熊スプレーのホルダー・ホルスターまとめ


- 即応性が最優先:0.5〜1秒で掴める前面配置(ショルダー/チェスト/腰前)が基本。ザック内収納は避けます。
- 選択肢は3系統:純正/社外/自作。迷う場合は純正か信頼ブランドから。
- フィットと保持:缶径・底形状・セーフティ干渉を確認し、揺れや前屈でも落ちない二重固定(面ファスナー+バンジー等)を。
- 抜きやすさの検証:片手で「抜く→構える→安全解除→短射」が連続できるか現場でテスト。
- 社外活用のコツ:モンベルやミステリーランチなど。覆いやコードで保持力を補強。ネオプレンは緩衝性に利点。
各ホルダーの実売価格
- カウンターアソールト対応のホルダー・ホルスタ一覧
- UDAP 熊撃退スプレー ベアースプレー ホルスター(ホルスター単品)
- モンベル スプレー ホルスター
各社の熊撃退スプレーのスペック比較


製品名・特徴 ①連続噴射時間 ②噴射距離 ③全重量 ④内容量 ⑤サイズ(直径×全長) ⑥対象動物 ⑦使用期限 | |
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![]() ![]() | カウンターアソールト CA290(ストロンガー) 『EPA認可の熊スプレー』 国内実績と性能から熊スプレー最強。 連続噴射時間、噴射距離、内容量すべてがTOPクラス。価格は高い。米国製。 積極的に熊生息地へ行く方、非常に熊遭遇リスクが高い地域にいる方向け。 ①約8秒 ②約12m ③約380g ④約290g ⑤φ59 mm× 215 mm ⑥ヒグマ&ツキノワグマ ⑦約4年 詳しい解説 (噴射動画など) | 最強
![]() ![]() | カウンターアソールト CA230 『EPA認可の熊スプレー』 信頼のブランド製。CA290よりスペック少し劣るがコンパクトに。価格は高い。米国製。 万が一の熊対応用など。 ①約7秒 ②約9.6m ③約290g ④約230g ⑤φ53 mm× 215 mm ⑥ヒグマ&ツキノワグマ ⑦約4年 詳しい解説 (噴射動画など) |
![]() ![]() | フロンティアーズマン ベアスプレー 272mL 『EPA認可の熊スプレー』 実はアメリカamazonで人気No.1の熊スプレー!人気・実績共に高い。米国セイバー社製。ホルスター付き。 積極的に熊生息地へ行く方、非常に熊遭遇リスクが高い地域にいる方かつ、カウンターアソールト ストロンガーとほぼ同等の製品をより安価で購入したい方。 ①約7 – 8秒 ②約12m ③約345g ④約272g ⑤φ53mm × 240mm ⑥ヒグマ&ツキノワグマ ⑦約4年 詳しい解説(噴射動画など) | アメリカ人気No.1
![]() ![]() | フロンティアーズマン ベアスプレー 234mL 『EPA認可の熊スプレー』 234mLは272mLより容量少なくサイズもコンパクト。でも射程距離は同じ12m!ホルスター付き。 万が一の熊対応用で、噴射距離とコンパクト性を両立したい方。 ①約6 – 7秒 ②約12m ③約304g ④約234g ⑤Φ5.3cm × 22cm ⑥ヒグマ&ツキノワグマ ⑦約4年 詳しい解説 (噴射動画など) |
![]() ![]() | UDAP 12HP 『EPA認可の熊スプレー』 アメリカamazonでも人気上位の米国UDAP社の熊スプレー。ヒグマ対応ながら、日本での実売価格が他ブランドの約半額で日本でも人気。ホルスター付き。 連続噴射時間は約4秒なので複数回の噴射ミスは避けたい。ヒグマ対応品の中では最安クラス。 ①約4秒 ②約9m ③225g ④ー ⑤φ51mm × 216mm ⑥ヒグマ&ツキノワグマ ⑦約4年 詳しい解説(噴射動画など) | 高コスパ
![]() ![]() | 熊一目散(くまいちもくさん) 国産スプレーのため米国EPA認可ではないが、同等の性能で開発 日本で流通する熊スプレーのほとんどは米国産の中、国産2025年から国産開発・製造のスプレー。バイオ科学株式会社が酪農学園大学の佐藤喜和教授監修のもと開発。米国製と同等の性能。 スペックは米国製のEPA認可スプレーと同等の性能。大きな違いは「日本人が使い慣れたスプレーノズル」「誤噴射防止のキャップ付き」「専用ホルスター付き」です。キャップ付きだと速射性は落ちますが、小枝等の引っかかりによる誤噴射は起きない構造なのが安心。価格は少し高め。 ①約10秒 ②約10m ③275g ④280ml ⑤φ53mm × 205mm ⑥ヒグマ&ツキノワグマ ⑦約5年 詳しい解説(噴射動画など) | 国産スプレー
![]() ![]() | ポリスマグナム B-610 米国では対人用の催涙スプレーとして販売されているが、日本の販売店ではツキノワグマ対応と記載。 個人的にはこの価格なら、より射程距離の長いヒグマ対応のスプレーでもいいかも?と思った。 ①約8秒 ②約6m ③440g ④250g ⑤φ54 mm× 235 mm ⑥ツキノワグマ ⑦約4年 |
![]() ![]() | ポリスマグナム B-609 米国では対人用の催涙スプレーとして販売されているが、日本の販売店ではツキノワグマ対応と記載。 コンパクトなので携帯性は優れるが、連続噴射時間は約2.5秒。一発勝負的な感じか。 ①約2~2.5秒 ②約5m ③163g ④105g ⑤φ38 mm × 172 mm ⑥ツキノワグマ ⑦3~5年 |
![]() ![]() | ペッパージェット TW-1000(63ml) 非常にコンパクトだが、水鉄砲のようにピューっと飛ぶため、かなりの狙い撃ちが必要。熊が接近しても落ち着いて狙い撃ちできる方向け。 ある意味、高難易度スプレー。 ①— ②— ③100g ④63g ⑤φ35 mm× 122 mm ⑥熊など野生動物 ⑦約2年 |
![]() ![]() | ペッパージェット TW-1000(40ml) 63mlよりさらに容量少なく、無いよりはいいレベルかも。 ①— ②— ③50g ④40g ⑤φ35 mm× 105 mm ⑥熊など野生動物 ⑦約2年 |
※「—」は公式情報未掲載の項目を示します。
出典:
- ペッパージェット TW-1000(40ml/63ml)…TW1000 公式サイト tw1000.com
- UDAP 12HP…UDAP Industries 公式サイト UDAP
- カウンターアソールト CA230…Counter Assault 公式サイト Counter Assault
- カウンターアソールト CA290…公式ホルスター付き製品ページ Gear Up For Outdoors
- フロンティアーズマン ベアスプレー…Montbell America 公式サイト モンベル
- ポリスマグナム B-610/B-609… Amazon
熊撃退スプレーのよくある質問
熊が出没による人身被害の多い都道府県はありますか?
環境省の資料によると、2019年~2024年の熊による人身被害件数が多い都道府県トップ5は、北海道、青森県、岩手県、秋田県、新潟県、福島県、長野県がほぼ占めています。
本州はツキノワグマですが、北海道はより巨体のヒグマで気性も荒いと言われています。北海道は地域によってはヒグマ出没が頻度が多く社会問題になっています。


熊鈴と併用すべき?
クマと出会わない対策が第一。鈴・ラジオで存在を知らせ、スプレーは最終手段です。
クマの専門家の方曰く熊鈴の効果は
- 無風の開けた場所で最大300 m。
- 強風・沢音・密林では大幅に減衰。
- 「威嚇」ではなく“こちらの存在を知らせる手段” と割り切る。
と言われています。熊鈴は鈴型ではなく、音の大きなベル型が推奨です。
ただ、過去に人を襲って食べた熊は熊鈴の音を聞くと逆に寄ってくるという話もあり、過去にそういう事件があって解決していない山域では熊鈴は避けたほうが良いという意見もあります。
熊撃退スプレーの成分は何?


主成分はカプサイシンおよび関連カプサイシノイドでOC(Oleoresin Capsicum)と呼ばれます。これらは唐辛子に含まれる辛味成分で、哺乳類の粘膜や眼球のTRPV1受容体を強烈に刺激し、瞬時に痛覚・熱覚を引き起こします。
OCは溶剤(水溶性と油性がある)に溶かされ、ガス(窒素or二酸化炭素or代替フロンなど)と共にスプレー缶に詰めれれています。


最強の熊撃退スプレーはどれですか?





スペック的にも実績的にも「カウンターアソールト CA290」が最強だと思います。詳しくは下記ページをご参照。


売れている人気の熊撃退スプレーはどれですか?





価格が手頃でコンパクトな『ポリスマグナム B-609』が非常に人気です。ただしヒグマは非対応です。詳しくは下記ページをご参照。


カプサイシノイド濃度 が最大で2%なのはなぜですか?
米国環境保護庁(EPA)登録製品では総カプサイシノイド濃度 1〜2% が標準とされています。これは人体に対する非致死性と、野生動物に対する即効的な忌避効果のバランスを取った値であり、2%を超える処方は規制対象となり一般流通しません。


熊に遭遇した時の対処法ってあるの?



約50年クマ研究されてきた日本ツキノワグマ研究所 米田一彦さんの『熊に遭遇した時の対処法』の動画(約35分)が非常に有用です!
冬季は噴射力が落ちる?
気温0 °C付近でガス圧低下が起きる。内ポケット携行で温度を保つと良い。
人間にご誤噴射したらどうなる?


猛獣対策の熊撃退スプレーは対人用の護身用の催涙スプレーの何倍も強力な劇薬です。噴射物が僅かに目に入る・皮膚に付着するだけで数時間の痛みが続くようです
緊急時でも周囲に人がいる状況での使用も最大限の配慮が必要で、安易に噴射して自分にかかって動けなくなった例もあるようです。
誤噴射や被爆による応急処置
- 内容物が目に入った場合:すぐに流水で15分以上やさしく洗眼し、コンタクトレンズは5分以内に取り外す。
- 皮膚や衣服に付着した場合:衣類を脱ぎ、ただちに流水で15分以上洗い流す。
- 症状が改善しない場合は本製品を持参のうえ医療機関を受診する
海外や日本での誤噴射事故も複数件あります。


熊撃退スプレーって本当に必要?
その昔は仕事や研究調査で積極的にクマの生息域に入る方が携行するものでした。ところが近年は里山・市街地にも出没し被害が多くなる年もあり、出没頻度が多い地域では市町村がクマ撃退スプレーを推奨し、補助金がでている地域もあります。




熊に熊撃退スプレーを噴射している動画はありますか?
海外に実際に噴射している様子の動画がありました。熊が木に登ってるのはちょっと怖いですね。
熊スプレーは飛行機で運べますか?
スプレー缶は飛行機で荷物として運べません。例えば、東京から北海道まで行く場合は、熊撃退スプレーは「現地で購入」か「手持ちのスプレーを陸送」が必要になります。
以下の動画で輸送方法について解説されていて、参考になります。
熊撃退スプレーを使えば万が一襲われても助かりますか?
熊の専門家の方は「100%はないけれど90%助かる」と言われています。
過去、業務で9回襲われてますが、通常の5倍~10倍激しく攻撃してきた熊でも熊スプレーで撃退できた(以下の動画をご参照)
熊が近づいてきた時、熊撃退スプレーはどの距離で噴射したらよいですか?
5m~3m程度まで引き付けて噴射するのが推奨、と言われています。熊撃退スプレーのスペックは無風状態での測定値で、現実には風の影響を受けますので、確実に熊に届く距離が5m~3m程度と言われています。
10mだと風で飛ばされて効果がありません。5m,3m,2mと段階的に噴射します。最初の5mの距離での噴射でほとんどの熊が逃げます。
使用期限切れは使える?
刺激成分が劣化し効果が落ちる恐れがあるため推奨されていません。
使用期限の切れた熊撃退スプレーの処分方法は?
万が一用ですので、全く使用せずに使用期限を過ぎるケースがほとんどだと思います。
熊撃退スプレーは劇薬ですので、僅かに成分が目や皮膚に付着するだけで痛みが生じます。安全に処分する方法の動画がモンベルで紹介されていましたので、下記動画をご参考にしてください。


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