<2024年更新!>モンベル「ダウンハガー 650(#0,#1,#2,#3,#5)」の特徴(ダウン品質:650FPの(ダック)ダウン、生地の噛み込みを軽減するパーツYKK、ラインナップ)と注意点をご紹介☆
「ダウンハガー 650」の特徴
[出典:モンベル]
650FPダックダウンを使用したモデル。価格もハイエンドモデルより手頃です。
- ダウン品質:650FPのダックダウン
- 外側・内側にスーパースパイラルストレッチで伸縮率「124%」
- サイズは、レギュラー(身長~183cm)とロング(身長~198cm)
ダウン品質:650FPの(ダック)ダウン
中綿として、650FPの(ダック)ダウンが採用されています。
“FP(フィルパワー)”とは、その復元力を数値で表したダウンの性能を評価する基準の一です。フィルパワーとは、1オンス(約28.4g)のダウンをシリンダー内で圧縮し、一定の温度、湿度の条件下で、それが何立方インチに復元するかを測定したものです。
フィルパワーの数値が高いほどダウンの空気含有量が多く、その大量に含まれる空気の断熱効果によって保温性に優れるため、数値の高いものほど良質なダウンと言うことになります。一般的に550フィルパワー以上で高品質とされ、700から800フィルパワーのものが最も良質とされています。
主に寝袋で使用されるダウンとして、グース(がちょう)とダック(かも・あひる)の2種類です。グースはダックよりも身体が大きく羽毛自体も大きく、羽枝の密度が高く太くなっています。そのため、グースダウンはダックよりも単位グラムあたりの保温力が高く、より寝袋の軽量化に繋がります。また、グースダウンは羽毛自体の撥水性能が優れていてダックダウンよりも水濡れに強いと言われています。ただ、グースダウンはダックダウンよりも価格が高く、どの寝袋メーカーでもハイエンド製品に使われる傾向があります。因みに、カタログ表示でただ単に”ダウン”としか書かれていたいものはダックダウンの可能性が高いです。
650FPのダックダウンは、昨今の軽量化が求められる登山用品として使われることは少なく、どちらかというとキャンプやタウン向けのダウン製品で使われるケースが多い印象です。
生地の噛み込みを軽減するパーツYKK
2020年以降のリニューアルモデルから
- ジッパーに『生地の噛み込みを軽減するパーツ(YKK製)』
が取り付けられています。(カタログにも記載されています。)
モンベルの寝袋は収縮する構造上、どうしてもジッパーが生地に噛み込みしやすかったですが、今回の変更により、より開閉しやすくなるだけでなく、生地裂けリスクも軽減されるでしょう。
ラインナップ
「ダウンハガー 650」の保温力別のラインナップは、
- EXP :×
- #0:○(使用可能温度:-15℃)
- #1:○(使用可能温度:-12℃)
- #2:○(使用可能温度:-7℃)
- #3:○(使用可能温度:-2℃)
- #5:○(使用可能温度:3℃)
- #7:×
になります。
わかりやすく表現すると、人間がまともに寝れる下限温度。一般的な男性(25歳/70kg/173cm)がシュラフの中で丸くなり、快適に寝ることができる温度域です。ただ、日本人より寒さに強い白人の体感による基準のため、日本人だと少し寒い温度です。詳しくは保温力表示規格ISO23537(EN13537)を参照)。
このモンベル独自の保温力表記は、はじめての方は戸惑いやすく、見慣れるとわかりやすい表記になります。
保温力表記に、寝袋の対応時期を追記すると、
- EXP(使用可能温度:-20℃程度)
⇒ 主に局地遠征、海外の高山遠征向け。 - #0(使用可能温度:-13℃程度)
⇒ 日本国内の厳冬期登山、キャンプ向け。 - #1(使用可能温度:-10℃程度)
⇒ 日本国内の残雪期登山、キャンプであれば厳冬期除いた3月~12月ぐらいか。 - #2(使用可能温度:-5℃程度)
⇒ 3.5シーズン。氷点下になる紅葉時期登山も対応。 - #3(使用可能温度:0℃程度)
⇒ 3シーズン用。2000m級登山では、9月中旬以降はしんどいかも。 - #5(使用可能温度:3℃程度)
⇒ 夏用。登山用としては使用期間短く、おすすめしない。 - #7(使用可能温度:7℃程度)
⇒ 夏用。主に平地キャンプ向け。バイク・自転車ツーリングなど。
ざっくりこのような感じになります。
基本はキャンプ向けだが登山使用も可能
ダウンハガー650は、隔壁のある以前からある構造のモデルで扱いやすいと思います。生地も30デニールポリエステルなので強度もあります。
ハイエンドモデルと比べると、
- シームレスダウンハガー 800 #3:重量555g
- ダウンハガー650#3:720g
と、165gの差があり、収納サイズも大きくなりますが、
- 車・バイク移動のキャンプ
- 登山目的だが予算を抑えたい
という方にも対応できるモデルです。
平地キャンプの利用がメインの方で登山対応できる寝袋を探されている方におすすめです。私も旧モデルになりますが、#0を登山・キャンプ・車中泊用途で10年以上使ってきています。
\ 競合・ライバル製品 /
このクラスの寝袋は、他のメーカーも購入しやすい価格帯になっています。
※イスカとタケモは最低使用可能温度。快適使用温度は、表示温度におおむね5~10℃をプラスした温度です。
著者PROFILE
2009年末から寝袋と関連装備に特化したこのサイトを開設。いつの間にか運営10年を超える老舗サイトに。ファミリーキャンプから無積雪期登山、厳冬期登山、バイクのキャンプツーリングに自転車旅行、車中泊など、アウトドアを幅広く経験。寝袋の宿泊数は100泊以上~500泊未満。狭い業界ですが、まだまだ知らないこと沢山あり、日々勉強中です☆
谷川岳の雪洞で宿泊
今まで様々な状況下で寝てきましたが、100泊以上経験してわかったのが、『保温力に余裕のある寝袋を用意すること』です。
雪山テントは換気にも注意(テントが埋まると酸欠に)
雨風や断熱材で守られた家と違い、アウトドアフィールドでの宿泊は天候や外気温の変化を大きく受けます。事前の天気予報より、当日の気温が-5℃程度低かった、などは日常茶飯事です。また、多くのキャンプ場は、最寄りの市街地よりも標高が高い事が多く、天気予報で知ることのできる最寄りの市街地の最低気温よりも気温が低いことが多いです。
自然の中で睡眠をとる体験は素晴らしいですが、寝袋の保温力が足りないと真夜中に早朝に目が冷めます。これは外気温は日の出前の早朝4~5時あたりが最も気温が下がり、また体温も下がっているためです。一度このタイミングで目が冷めてしまうと、身体が芯から冷え切っているため、ここからなかなか眠ることができません。そして、寝不足の状態になります。
楽しいアウトドア体験するはずだったのが、思わぬ寝不足でボーーっとしてしまうのは、もったいないです(しかも連泊でこれが続くとかなりキツイです)。少し汗ばむくらいの保温力の寝袋を選んで、ぜひ素敵なアウトドア体験を満喫してください☆
寝袋と(キャンプ用の)マットは2つで1つです。
キャンプ用のマットの役割は主に『断熱』と『寝心地を快適にする』の2つです。
『断熱』について・・・アウトドア用の寝袋の中綿として、化繊やダウンが使われていますため、小さく圧縮して収納し持ち運ぶ事ができます。寝袋を収納袋から出して広げると、徐々に中綿が膨らみますが、人間が寝袋に入ったときに身体と地面に挟まれた中綿はぺちゃんこに潰れるため、断熱力がほとんどなくなります。大概の地面は冷たく、身体の重みで密着した部分から体温が逃げ(ヒートロス、熱損失)て、底冷えします。この現象は、体温と地熱の温度差が大きい春・秋・冬ほど熱損失量も増えます。
これを防ぐため、キャンプ用のマットを使います。キャンプ用のマット体重がかかっても断熱効果が得られるよう設計されています。
『寝心地を快適にする』について・・・最近、畳の上で寝たことはありますか?痛くて寝れなかったという方もいるのではないでしょうか。昨今の快適用品の普及により、強い刺激に敏感になっています。よほどふかふかの芝生以外、寝袋のみで寝ると地面の凸凹や石があたって痛くてまともに寝れません。その衝撃を吸収する役割としてキャンプ用マットが使われます。キャンプ用マットは大きくクローズドセルマット(銀マットなど)とエア注入式の2種類あり、寝心地はエア注入式の方が良いです。
テントの中で寝袋の下に敷くマットは、様々な用途に合わせて、多数の商品があります。皆さんの用途にあった、快適に寝れるマットが見つかりますように☆