山岳・登山向けのマミー型寝袋は、中綿がダウンか化繊綿かで大きく分けることができます。ダウンの中でも最軽量・コンパクトなハイエンドモデルと、もう少し安価な素材を利用したお手頃価格モデルがあります。化繊綿は、全体的にダウンよりも重量が重くなる傾向がありますが、企業努力によりダウン並の重量の寝袋もわずかながらあります。
- お手頃価格3シーズン用のダウン寝袋一覧[価格2~2.5万]
- 最軽量・コンパクトな3シーズン用のダウン寝袋一覧[価格2.5~3万]
- 軽量・コンパクトな3シーズン用の化繊綿の寝袋一覧
基本的に国内メーカーを中心に紹介しています。同程度の性能の海外メーカーの寝袋は多数ありますが、国内メーカー製よりも1.5倍程度価格が上がります。国内メーカー製は、日本人の体型に合わせて設計されていること、また万が一の修理対応を考えると、初心者におすすめです。
価格は、メーカー希望価格を掲載していますが、通販サイトでの実売価格はそれよりも安価のことが多い(イベントセール、ポイント還元アップ等で大きく値動きする場合もある)ため、都度確認して、どれが良いか検討されることをおすすめします。
近年、消費税10%、ダウン価格の上昇により、登山用の寝袋が値上がりしています。大手メーカーでは約10%程度価格が上がりました。これから始める初心者には費用的にハードルが高くなっています。その状況を踏まえ、ハイエンドモデルに比べて使用する材料のグレード(ダウンで言えば)を少し落として(例:ダウンを800FPグースダウン⇒720FPダックダウン)、購入しやすい価格帯を実現している製品もあります。価格も手頃で性能も必要十分との口コミも見られ、優先的に購入しやすいモデルを以下に紹介したいと思います。
お手頃価格3シーズン用のダウン寝袋一覧[価格2~2.5万]
タケモ スリーピングバッグ 3 [2℃,740g]
タケモ スリーピングバッグ 3
- 価格 : ¥22,000 +税
- サイズ : 内周囲 肩回り 158cm 全長 205cm 足元回り 104cm
- 重量 : 740g
- 素材:表地 裏地 ポリエステル100% 20Dのポリエステルリップストップ
- 中綿 : ホワイトダックダウン ダウン90% フェザー10% 300g 750フィルパワー
- 構造 : ボックス構造 シングルドラフトチューブ&ネックチューブ
- 収納サイズ : φ15cmX28cm
- 参考使用温度 : 最低使用温度 2℃
- 付属 : ストリージバッグSサイズ φ25cmX60cm
takemoは長年、某国内登山用寝袋メーカーにて30年勤務されていた武本さんが、「本物と呼べる良いものを安く!」のポリシーで2015年に設立したメーカーで、スリーピングバッグ 3は3シーズン向けの保温力の寝袋になります。
生地には撥水加工された、強くて軽い20Dのポリエステルリップストップを使用しています。保温材には750FPと高品質の、ホワイトダックダウンを300g封入。ダウンのかさ高性を最も引き出せるボックス構造を採用することにより、高い保温力を発揮します。ファスナーには温度調節の容易なYKK製170cmのコイルファスナーを使用しています。また、長期保管に最適なストリージバッグSサイズを標準装備しています。
実はこの寝袋サイトを運営しているご縁で、創業して間もない頃に雪山用のスリーピングバッグ9を提供していただき、約1年間使用しました。寝袋を見ただけで、どこのメーカーに勤務されていたかはすぐわかりましたが、そのエッセンスが活かされた寝袋になっていました。細部を見ると、簡素化されています(例えばコードロック、ゴム紐など)が、それが実使用に問題があるわけではありません。ホームページに「Takemoでは登山用寝袋として最低限ではなく、必要十分以上の素材と品質、構造にこだわりながら、インターネット販売に限定することで徹底的にコストを削減し低価格を実現しました。」と書かれていますが、その言葉通りに製品化された寝袋だと感じました。寝袋を購入する十分な予算があり最軽量・コンパクトのもの選びたい方はハイエンドモデルが良いですが、できれば予算を抑えたいという方にはtakemoの寝袋は十分選択肢に入ると思います。
ネット販売のみのため実物を確認することができませんが、縫製もしっかりしていて、むしろこの価格で完成度が高く感じます。2016年頃から主にamazonで販売していますが、どの寝袋も購入者レビューが非常に高評価です。
難点を上げるとすれば、生産数がそれほど多くないようで、時期になると早めに売り切れになってしまうこと、一旦在庫切れになると、再入荷まで数ヶ月かかることです。
「タケモ スリーピングバッグ 3」の購入者レビューと実売価格
※メーカー希望価格より、amazonでの販売価格がさらに安くなっいてます。
イスカ エア 300SL[2℃,570g]
イスカ エア 300SL
- 価格 : 25,920円(税込)
- 羽毛量 : 300g(90/10・720フィルパワー)
- サイズ : 肩幅78×全長208cm
- 収納サイズ : 直径14×24cm(収納スタッフバッグ付)
- 重量 : 570g
- カラー : グリーン
- 対応温度 : 2℃(コンフォート温度3.6℃、リミット温度-1.6℃)
- 適応身長 : 170~185cm(レギュラーサイズ)
- 構造 : 上部ボックス構造 、下部シングル構造、立体フード、YKKコイルジッパー、足元ゆったり設計
- 収納ケース : コーデュラ製
【メーカー説明】夏の北アルプスにぴったりの保温性能を持っており、春から夏のテント泊に最適な「ソリッドモデル」です。保温性と軽量性の優れたバランスは、はじめてのテント泊の方々にもおすすめします。 狭すぎず広すぎない独自の「3D構造」に、高品質な720フィルパワーのダウンを300g使用してコストパフォーマンスにも優れています。 限られたダウンを有効に活用し効果的に保温性を高めるために、寒さに敏感な足元部分と寝袋の胸側はボックス構造、体重のかかる背中側はシングル構造で仕上げて、保温性と軽量性を両立させています。 アウターシェルには、長期にわたって性能の低下が少ない超撥水性能を持ち、引き裂き強度、耐摩耗性、耐熱性にも優れた、耐久性のある「ナイロン66」を使用、ずっと快適にご愛用いただくための設定です。 軽量で耐久性に優れ、収納しやすい2段階構造のシリコン素材の収納袋が付属します。
イスカ エア 300SLは、ハイエンドモデルのエア 280xの中綿を800フィルパワー ホワイトグースダウンから720フィルパワーのダウン(おそらくダックダウン)に変えただけのモデルです。重量が20gしか変わりませんが、価格が約5千円も下がります。
メーカーの方から、「グースダウンの方が羽自体が大きく、撥水力も優れるがどうしても価格が高くなってしまう」と伺っています。ダウンの違いでこれほど価格が変わるのは驚きですが、普通に登山を楽しむなら、この水準でも十分のような感じがします。
サイズはレギュラーサイズのみになります。
- 夏の2000m級まで(2017年8月27日):購入し、8月中に縦走と1泊のテント泊で使用しました。3シーズンシュラフとしては重量も携帯性も申し分無いです。20gしか変わらない280Xに+4000円払う必要はないと思います。
- 軽量化に必携。(2018年7月30日):夏から、春、秋に最良のシュラフ。コンパクトで軽量で。軽量化に必携。
「イスカ エア 300SL」の購入者レビューと実売価格
モンベル ダウンハガー650 #3 [-2℃,720g]
モンベル ダウンハガー650 #3
- 【価格】¥23,500 +税
- 【中綿】650フィルパワー ダウン
- 【素材】表地:30デニール・スーパーマルチ・ポリエステル・タフタ[撥水加工],裏地:30デニール・スーパーマルチ・ポリエステル・タフタ
- 【重量】695g(720g) ※( )内はスタッフバッグを含む総重量です。
- 【カラー】バルサム(BASM)
- 【サイズ】R/ZIP(右ジッパー)、L/ZIP(左ジッパー)
- 【収納サイズ】∅15×30cm(4.7L)
- 【コンフォート温度】3℃
- 【リミット温度】-2℃
- 【エクストリーム温度】-18℃
- 【適応身長】183cmまで
- 【機能】R(右)ジッパーモデル(ジッパー長 170cm) ※ジッパースライダーには生地の噛み込みを軽減するパーツを取り付けています/ジョイント可能モデルとジョイントできます/スーパースパイラルストレッチ™ システム
- 【付属品】ストリージバッグ
上位モデルのダウンハガー800 #3と同じくスーパースパイラルストレッチシステムのため、伸縮率135%になっています。
上位モデルと比較すると、生地の繊維が30デニールと太く(重量増)、ダウンも650フィルパワー(おそらくダックダウン)のため、重量が720gになっています。
メーカーに問い合わせたところ、主に2点の変更があるとのことでした。
- 寝袋のフード部分の形状変更 (保温力アップ)
- ジッパーのフラップ形状を変更 (保温力アップ)
写真で見ると、確かにフード部分のしぼみが変化しているのがわかります。
また、実物を確認したところ、2020モデルの中綿ダウンモデル(ダウンハガー900,800,650等)から
- ジッパーに『生地の噛み込みを軽減するパーツ(YKK製)』
が取り付けられています。(カタログにも記載されています。化繊モデル(バロウバッグ)は付いてません)
モンベルの寝袋は収縮する構造上、どうしてもジッパーが生地に噛み込みしやすかったですが、今回の変更により、より開閉しやすくなるだけでなく、生地裂けリスクも軽減されるでしょう。
また、2019年モデルまでは生地に40デニールナイロンが使われていましたが、2020年モデルより30デニールポリエステルになり、旧モデル858g⇒新モデル720gと138gも軽量化されました。
- ダウンハガー800 #3(伸縮率:135%、重量:595g、価格¥30,000 +税)
- ダウンハガー650 #3(伸縮率:135%、重量:720g、価格¥23,500 +税)
重量は125g増えます。
旧モデルでは、重量と収納サイズが多少大きくなるため、キャンプ用中心かな、というスペックでしたが、新モデルでは十分登山用とでも使えるスペックになってきています。
「モンベル ダウンハガー650 #3」の購入者レビューと実売価格
最軽量3シーズン用のダウン寝袋一覧[価格2.5~3万]
モンベル ダウンハガー800 #3 [-2℃,600g]
モンベル ダウンハガー800 #3
- 【価格】 ¥30,000 +税(レギュラー)
- 【中綿】800フィルパワー EXダウン(グースダウン)
- 【素材】表地:10デニール・バリスティック エアライト® ナイロン[撥水加工]、裏地:10デニール・バリスティック エアライト® ナイロン[帯電防止加工]
- 【重量】573g(595g) ※( )内はスタッフバッグを含む総重量です。
- 【カラー】バルサム(BASM)、サンライズレッド(SURD)
- 【サイズ】R/ZIP(右ジッパー)、L/ZIP(左ジッパー)
- 【収納サイズ】∅14×28cm(3.8L)
- 【コンフォート温度】4℃
- 【リミット温度】-1℃
- 【エクストリーム温度】-16℃
- 【適応身長】183cmまで
- 【機能】R(右)ジッパーモデルとL(左)ジッパーモデルから選べます(ジッパー長170cm) ※ジッパースライダーには生地の噛み込みを軽減するパーツを取り付けています。/ジョイント可能モデルとジョイントできます/スーパースパイラルストレッチ™ システム
- 【付属品】ストリージバッグ
モンベル ダウンハガー800 #3はモンベルのハイエンドモデルの3シーズン用寝袋です。軽量・コンパクトを実現しながら快適な寝心地を実現している、モンベルの主力のスリーピングバッグになります。
最高級の800フィルパワーのダウンを使用し、リミット温度-1℃、総重量595g(収納袋込み)と軽量・コンパクトです。生地は撥水加工されています。
2020年にマイナーチェンジ
メーカーに問い合わせたところ、主に2点の変更があるとのことでした。
- 寝袋のフード部分の形状変更 (保温力アップ)
- ジッパーのフラップ形状を変更 (保温力アップ)
写真で見ると、確かにフード部分のしぼみが変化しているのがわかります。
旧モデル
↓↓↓
新モデル
また、実物を確認したところ、2020モデルの中綿ダウンモデル(ダウンハガー900,800,650等)から
- ジッパーに『生地の噛み込みを軽減するパーツ(YKK製)』
が取り付けられています。(カタログにも記載されています。化繊モデル(バロウバッグ)は付いてません)
モンベルの寝袋は収縮する構造上、どうしてもジッパーが生地に噛み込みしやすかったですが、今回の変更により、より開閉しやすくなるだけでなく、生地裂けリスクも軽減されるでしょう。
モンベル ダウンハガー800 #3(レギュラーサイズ)の場合、新旧モデルを比較すると
- 旧モデル:リミット温度-2℃、重量:600g(収納袋込み)、価格 ¥27,500 +税
- 新モデル:リミット温度-1℃、重量:595g(収納袋込み)、価格 ¥30,000 +税
の違いあります。(マイナーチェンジですので旧モデルと僅かな違いに留まっています)
また、マイナーチェンジにより、メーカー型番も
- 旧モデル:メーカー型:#1121291(2015~2019年)
- 新モデル:メーカー型:#1121360(2020年~)
と変わっています。
切り替わり時期には、通販サイトで旧モデルが混在することあり、購入時に間違わないようご確認ください。
このモンベル ダウンハガーモデルの大きな特徴は、スーパースパイラルストレッチ システムという高い伸縮性を備えていることです。
この仕組はモンベルの特許で、生地自体のの伸縮性+ゴムの伸縮性により、高い伸縮性とフィット感を実現しています。伸縮性があるため、カタログに肩幅など横方向のサイズの記載がありませんが、ダウンハガー800 #3の肩部分を伸縮させると、おおよそ肩幅が80cm程度までのびましたので、就寝時に身体を動かしたときに十分なゆとりを感じることができると思います。
私自身がモンベルのスーパースパイラルストレッチシステムの寝袋を実際に使ってきています(因み私は無積雪期登山用に#2)が、腕や足をぐいっと動かしたい時にはかなりの幅で動かすことができ、静かに寝ている時には糸ゴムの力により体にフィットします。このシステムは、マミー型に寝なれない方には初心者の方には非常に優しい設計で、寝ている時のある程度の開放感と体と寝袋との寒い空間を極力無くすという相反する要素を解消しています。
長時間の登山後は、足が疲労して寝ている時に足を大きく動かしたくなるようなことがあるのですが、一般的なマミー型の寝袋で寝ているとパツーンと生地の内径で制限されフラストレーションになることがあるのですが、モンベルのストレッチする寝袋だと、ググッとある程度動かせるので長時間の睡眠でも、自宅の布団には及びませんが、ある程度快適に寝ることができています。ある程度力を入れて足を広げても、耐えれれる強度も持ち合わせています。
長時間の登山後は、足が疲労して寝ている時に足を大きく動かしたくなるようなことがあるのですが、一般的なマミー型の寝袋で寝ているとパツーンと生地の内径で制限されフラストレーションになることがあるのですが、モンベルのストレッチする寝袋だと、ググッとある程度動かせるので長時間の睡眠でも、自宅の布団には及びませんが、ある程度快適に寝ることができています。ある程度力を入れて足を広げても、耐えれれる強度も持ち合わせています。
このストレッチするモンベルの寝袋は、
- マミー型に寝なれない初心者の方
- 何日・何泊も使用する方
- 身長が180cm程度でがっしり体型の男性
には、この寝袋をぜひ試してみて欲しいと思います。
ジッパー(スライダー)が寝袋の右側にあるR/ZIP:右ジッパーと、左側にあるL/ZIP:左ジッパーがあります。日本では一般的に右ジッパーが主流で、左ジッパーはほぼ2つの寝袋の連結用と考えてよいでしょう。そのため、ほとんどの方は右ジッパーを選び、2個買う時はもう一つを左ジッパーにしておこうかな、という感じです。(右・左側のジッパーについて詳しく知りたい方はこちら)
また、あまりフォーカスされない内容ですが、モンベルの寝袋は収納袋も多少のストレッチ性があり、初心者の方でも出し入れしやすくなっています。負荷のかかる部分には耐久性を考えた縫製がされていて、細かなところまで丁寧に設計されているのが伝わってきます。
サイズはレギュラーサイズ、ロングサイズ、Women’sモデルの3種類あり、保温力は同じですが価格や重量が異なります。ロングは大きくなった分だけ+59g重量が増えています。Women’sは重量が-26g減っていますが、足元のダウン量を20%アップして、デザインも明るい配色に変わっています。
モデルが切り替わったばかりで、新モデルの購入者レビューは見かけません。旧モデルをレビューをご参考に。
旧モデルをレビュー
-
コンセプト通りの素晴らしい寝袋(2018年3月2日):まず、すべての気温に対応出来る寝袋はありません。どのメーカーも気温設定を表示しているのはそのためです。
環境に合わせて快適に過ごすためどの寝袋を選択するかはユーザー側に委ねられています。
この製品を3年使用していますが、コンセプト通りの仕様で、私の場合3℃程度なら快適に寝られます。0℃になると寒さを感じはじめます。つまりその点がコンセプト通りかと思います。なので0℃を下回る場合は選択肢から除外します。
同じレベルの気温設定になっている他社のマミー型と比べた場合、明らかな差が出るのは伸縮率です。むしろ伸びる方がフィットしてくるため暖かく、膝を開いたり足先を動かせるので封筒型より快適に感じる程です。これは他社にはない機能ですね。表生地に撥水性のあるポルカテックスを使用してるせいか、よくあるテカテカ生地とは違いサラッとしていて肌触りが抜群で、裏生地も張り付いたり、他社の様ななカサカサ感も抑えられており快適です。
携行性としてはさすが800FP、コンプレッションサックを使えば純正サックより1/2~2/3程度まで圧縮出来ます。(ダウンにとってはストレスですが携行する間だけなので私はそうしてます。)
価格は安くはないと思いますが、この仕様でこの機能であれば荷物を極力抑えたい方にはこの価格でも納得ではないでしょうか。
個人的には今まで購入してきた寝袋の中で一番のお気に入りです。
「モンベル ダウンハガー800 #3 」の購入者レビューと実売価格
レギュラーサイズは、カラーがバルサム(緑)、サンライズレッド(赤)の2種類あり、ロングはバルサム(緑)のみになります。
レギュラーサイズ[適応身長:~183cm,重量:595g]
ロング[適応身長:~190cm,重量:654g]
- amazon
- 楽天
Women’s[適応身長:~173cm,重量:569g]
旧モデルをレビュー
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ストレッチが素晴らしい(2018年4月23日):スリーシーズン用に購入。152cmの身長で余裕ですっぽりです。女性用ということで丈が短くなった分の羽毛を足元に注入しているということですが、特に分厚い!とは思いませんでした。
腰から下まで入って胡坐をかけますので、テントの中で下半身をダウンにくるまったまま作業や食事ができ、極寒テントではありがたいです。夜寝ていて足が冷たくて眠れないときなども、ひざを曲げて足裏を手で揉んだりできます。一般的なシュラフでは膝でひっかかって曲げられないのです。ストレッチ最高です。
モンベル アルパインダウンハガー800 #3 [0℃,550g]
モンベル アルパインダウンハガー800 #3
- 【価格】 ¥28,000 +税
- 【中綿】800フィルパワー EXダウン(グースダウン)
- 【素材】表地:10デニール・バリスティック エアライト® ナイロン[撥水加工],裏地:10デニール・バリスティック エアライト® ナイロン[帯電防止加工]
- 【重量】528g(550g) ※( )内はスタッフバッグを含む総重量です。
- 【カラー】バルサム(BASM)
- 【収納サイズ】∅13×26cm(3.0L)
- 【コンフォート温度】6℃
- 【リミット温度】1℃
- 【エクストリーム温度】-14℃
- 【適応身長】183cmまで
- 【機能】R(右)ジッパーモデル(ジッパー長150cm) ※ジッパースライダーには生地の噛み込みを軽減するパーツを取り付けています/スパイラルストレッチ™ システム
- 【付属品】ストリージバッグ
アルパインダウンハガー800モデルは、ダウンハガー800モデルと同じ生地とダウンを使用しながらより軽量化したモデルです。
スペックをよく見ると、同じ#3でも、ダウンハガー800 #3はリミット温度が-1℃・重量595g、アルパインダウンハガー800 #3はリミット温度が1℃・重量550gと、保温力2℃低くなっていて、重量が45g軽くなっています。
軽量化のため、糸ゴムを使用していませんのでゴム糸による身体へのフィット感はありません。
スパイラルストレッチシステムという、生地のみの伸縮でストレッチします。スーパースパイラルストレッチとスパイラルストレッチを比較すると、数字では伸縮率135%と120%と15%となっていますが、実際に入り比べると明らかな差を感じます。スーパースパイラルストレッチはぐぐっと伸びる感じがあるのに対し、スパイラルストレッチは多少伸びてるかな、という感じです。
また、写真をよく見ると分かるのですが、スパイラルストレッチのモデルは、ジッパー(スライダー)の長さがスーパースパイラルストレッチのモデルよりも少し短くなっています。ジッパーを短くすることにより更に軽量化しているのですが、この僅かなジッパーの長さの違いが気温の暖かいときの使い勝手に差がでます。寝袋のリミット温度よりずっと気温が高い時に足元までジッパーを全開にして毛布のように体の上にかける、といった使い方をするのですが、スパイラルストレッチの長さだと足元が筒状に残ってしまうため、膝より下の保温力が下げられず筒の中に入れると暑い、足を外に出すと寒いとなってしまいます。
3シーズン用の寝袋のみ持っている場合、夏から秋の登山でこれを使い回すことになるため、基本的にはスーパースパイラルストレッチの方が、温度調節の汎用性があり、最初の1つ目におすすめです。
そういった内容を把握した上で、あえてこのモデルを選ぶのは、使い勝手よりグラム単位で軽量したい方です。例えば、長期間連泊する方、滑落リスクの高い登山ルートを登る方、アルパインクライマー(崖のような場所をロープとカラビナで安全確保しながら登る方)など、重量増は体力の消耗やバランスのとりにくさにつながるため、安全のために可能な限り軽量・コンパクトを選ぶ傾向があります。
スパイラルストレッチシステムのアルパインダウンハガー800 #3は高難易度向けの寝袋になります。
「モンベル アルパインダウンハガー800 #3 」の購入者レビューと実売価格
- amazon
- 楽天
イスカ エア 280x[2℃,550g]
イスカ エア 280x
- 価格30,240円(税込)
- 羽毛量 : 280g(90/10 800フィルパワー ハンドピック ホワイトグースダウン)
- サイズ : 肩幅78×全長208cm
- 収納サイズ : 直径14×24cm(収納スタッフバッグ付)
- 重量 : 550g カラー : グリーン
- 対応温度 : 2℃(コンフォート温度3.6℃、リミット温度-1.6℃)
- 適応身長 : 170~185cm(レギュラーサイズ)
- 構造 : 上部ボックス構造 、下部シングル構造、立体フード、YKKコイルジッパー、足元ゆったり設計
- 収納ケース : コーデュラ製
日本の夏山の定番、春から夏のテント泊をベースに、夏の北アルプスにぴったりの保温性能を持った「エアモデル」です。保温性と軽量性の優れたバランスは、はじめてのテント泊の方々にもおすすめします。狭すぎず広すぎない独自の「3D構造」に、最高品質の800フィルパワーのホワイトグースダウンを有効に活用し、効果的に保温性を高めるために、寒さに敏感な足元部分と寝袋の胸側はボックス構造、体重のかかる背中側はシングル構造で仕上げて、保温性と軽量性を両立させています。アウターシェルには、長期にわたって性能の低下が少ない超撥水性能を持ち、引き裂き強度、耐摩耗性、耐熱性にも優れた、耐久性のある「ナイロン66」を使用、ずっと快適にご愛用いただくための設定です。軽量で耐久性に優れ、収納しやすい2段階構造のシリコン素材の収納袋が付属します。
マミー型に寝なれない初心者向けとなると、どうしてもストレッチして開放感のあるモンベル製が大きなアドバンテージがあるのは否定できないのですが、イスカの寝袋も細部にこだわりが感じられる創業1972年の歴史ある日本の寝袋メーカーです。
マミー型の寝袋を革新的なアイデアでストレッチさせているモンベルに対し、マミー型の形をそのまま身体の曲線に添うような立体的な形状になっています。
登山の玄人の方々から支持されているメーカーで、エア 280xは登山向けの3シーズン用寝袋のハイエンド製品になります。
保温力はメーカー独自指標の保温力2℃とヨーロピアンノームEN13537の測定結果(リミット温度-1.6℃)の2種類の表示しています。
ジャムストッパーという、ジッパーの生地の噛み込みを防止する工夫がされていて、定評があります。(モンベルは結構生地を噛み込みます。)
ストレッチはありませんが、重量がモンベル アルパインダウンハガー800 #3 [0℃,573g]より軽量ですので、保温力を下げずに軽量化したい方におすすめです。
サイズはレギュラーサイズとショートサイズがあります。私の体格ではレギュラーサイズに入ると少しピッタリ感がでますが、ショートサイズも肩幅がレギュラーと同じのため、女性は適度なゆとりが感じられると思います。
- コンパクトで防寒もできる(2019年4月29日):軽くて小さいのでアウトドアのみならず宿泊先が決まっていない旅の際にも念のため持ち歩いています。こんなに持ち運びしやすいのに、冬でなければ十分な防寒力もあります!もっと安い寝袋もありますが、これはお金を払う価値があります。
「イスカ エア 280x」の購入者レビューと実売価格
レギュラーサイズ[適応身長:~185cm,重量:550g]
ショートサイズ[適応身長:~172cm,重量:530g]
軽量・コンパクトな3シーズン用の化繊綿の寝袋一覧
一般的に化繊綿の寝袋は、高品質ダウンと同じ保温力にするために、1.5倍程度の中綿重量が必要となり、収納サイズも2倍以上大きくなるため、長時間持ち運ぶ登山用として、ほとんど選択肢に入りませんでした。
近年、特殊な素材が開発され、重量も収納サイズもそれまでの化繊綿よりもずっと小さく、ダウン寝袋に近づいたものもいくつかあります。とはいうものの、寝袋としての総合点は、ダウンにはとても及びません。ダウン特有の入って間もなくふわっと暖かくなり優しく包まれる感じは、化繊綿からはあまり感じられません。
しかし、化繊綿には”濡れても保温力が落ちにくい”という特徴があるため、連泊が多い方、沢登りなど水濡れのリスクのあるアクティビティをする方からは根強い支持があります。
ファイントラック ポリゴンネスト イエロー[0℃,695g]
ファイントラック ポリゴンネスト イエロー
- 価格 ¥38,280 (税込)
- 重量 695g
- 保温力 T Comfort:7℃、T Limit:3℃
- 素材 表:ナイロン100%、裏:ナイロン100%、中間層:ポリエステル100%(ファインポリゴン®)
- 原産国 日本
- 注釈 身長185cmまで 収納サイズ:Φ17cm×30cm
<春~秋に対応するオールラウンドモデル>
世界初のシート状立体保温素材ファインポリゴン®を使用した、3シーズン用モデルのスリーピングバッグです。濡れによる保温力の低下を抑えながら、驚きの速乾性を実現。テント内の結露や身体からの発汗による濡れ、また山行中やテント内で起こる不意の水濡れに優れた対応力を発揮し、連泊の縦走などで想定される保温力損失のリスクを軽減できます。縫製箇所を最小限にした構造は、防寒性能が低下するコールドスポットが発生しにくく、効率的な保温効果を発揮。また、一般的な化繊綿のスリーピングバッグと比較して軽量コンパクト性も実現しています。
■濡れても保温力の低下が少ない
■速く乾く
■コールドスポットが少ない効率的な保温効果
■足元までのファスナー付き
■足元に吊り下げ干し用のループ付き
とても斬新な保温シートにより、高品質ダウンの寝袋に近い軽量性・コンパクト性を実現しています。
ただ、寝心地が独特で、気になる方には気になる独特のカサカサ音が発生します。
今まで利用者のレビューを何度も見てきていますが、好みが分かれる寝袋のようです。過去にダウン寝袋の濡れによる保温力低下に悩まされていた方には高評価ですが、そこまで悩みが無かった方にはイマイチ、と反応が分かれるようです。
上の動画でも”10日間、台湾の沢登りでダウンシュラフの中身がごろごろと塊になり・・・”とあるように、どんな天候でも山で連泊するハードユーザー向けの寝袋と言えるかもしれません。
レギュラーサイズ(身長185cmまで)とショートサイズ(身長165cmまで)があります。
「ファイントラック ポリゴン モデル」の購入者レビューと実売価格
マウンテンハードウェア ハイパーラミナ スパーク[0℃,737g]
マウンテンハードウェア ハイパーラミナ スパーク
- 価格:¥28,080(税込)
- リミット温度:0℃
- サイズ: レギュラー 内部全長:198cm 肩周囲:160cm 腰周囲:147cm 足部周囲:99cm
- 収納サイズ:15×33cm
- ロフト:8cm
- ジッパー: LH
- 重量:737g(レギュラーサイズ)
- 素材: シェル:22D ドビー(タクテルナイロン100%)
- 中綿:サーマルQ 60g/平方メートル
- サーミックマイクロライニング:ファイバープルーフナイロン(ナイロン100%)
-独自構造でコールドスポットをなし、ゾーニングで冷えやすい部位をケアする化繊綿シュラフ-
独自の中綿と仕様で、軽さを手に入れた化繊スリーピングバッグ。巧みなマミーカットで無駄なく体にフィット。保温性を3つのゾーンに分け、体幹と足元を手厚くケアするレイアウトに。ハーフレングスのセンタージッパーは出入りがしやすく、軽量性にも寄与しています。使用目安:夏の縦走登山や春秋のキャンプなど
ハイパーラミナ スパークは今までの化繊シュラフにはない「高い圧縮性」と、「保温性」と「軽量性」のバランスとが評価され米国バックパッカー誌”EDITOR’S CHOICE 2015″を受賞しています。(化繊タイプのシュラフとしては史上初のようです)。
リミット温度が0℃の化繊綿の寝袋で重量が737gと、登山用としても十分選択肢に入る重さになっていますが、この数値を実現するために、
- ウェルデッドラミナ構造(縫い目が無く、コールドスポットが発生しない)
- ゾーン別インシュレーション(場所により保温材の量を変え、保温と重量の最適化)
といった技術が使われています。
出典:マウンテンハードウェア
ジッパーがセンタージッパーで開け締めしやすいですが、軽量・保温力向上のため、長さが下半身までありません。
アメリカの寝袋なので、レギュラーサイズでも内部全長:198cm、肩周囲:160cmとゆったり目で、小柄な方だと内側がだいぶ余ってしまうサイズ感です。
登山用として気になる点としては、収納サイズです。コンプレッションバッグ機能付きの収納袋ですが、強く圧縮しても、同保温力のダウンの寝袋のサイズと比較すると、2倍ぐらい大きくなってしまいます。
アメリカのメーカーホームページやアメリカamazonに掲載されている利用者の評価は高いです。(リンク貼っておきます)
日本でも販売されていますので、興味のある方はマウンテンハードウェアのショップに足を運んでみてください。
「マウンテンハードウェア ハイパーラミナ スパーク」の購入者レビューと実売価格
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著者PROFILE
2009年末から寝袋と関連装備に特化したこのサイトを開設。いつの間にか運営10年を超える老舗サイトに。ファミリーキャンプから無積雪期登山、厳冬期登山、バイクのキャンプツーリングに自転車旅行、車中泊など、アウトドアを幅広く経験。寝袋の宿泊数は100泊以上~500泊未満。狭い業界ですが、まだまだ知らないこと沢山あり、日々勉強中です☆
谷川岳の雪洞で宿泊
今まで様々な状況下で寝てきましたが、100泊以上経験してわかったのが、『保温力に余裕のある寝袋を用意すること』です。
雪山テントは換気にも注意(テントが埋まると酸欠に)
雨風や断熱材で守られた家と違い、アウトドアフィールドでの宿泊は天候や外気温の変化を大きく受けます。事前の天気予報より、当日の気温が-5℃程度低かった、などは日常茶飯事です。また、多くのキャンプ場は、最寄りの市街地よりも標高が高い事が多く、天気予報で知ることのできる最寄りの市街地の最低気温よりも気温が低いことが多いです。
自然の中で睡眠をとる体験は素晴らしいですが、寝袋の保温力が足りないと真夜中に早朝に目が冷めます。これは外気温は日の出前の早朝4~5時あたりが最も気温が下がり、また体温も下がっているためです。一度このタイミングで目が冷めてしまうと、身体が芯から冷え切っているため、ここからなかなか眠ることができません。そして、寝不足の状態になります。
楽しいアウトドア体験するはずだったのが、思わぬ寝不足でボーーっとしてしまうのは、もったいないです(しかも連泊でこれが続くとかなりキツイです)。少し汗ばむくらいの保温力の寝袋を選んで、ぜひ素敵なアウトドア体験を満喫してください☆
寝袋と(キャンプ用の)マットは2つで1つです。
キャンプ用のマットの役割は主に『断熱』と『寝心地を快適にする』の2つです。
『断熱』について・・・アウトドア用の寝袋の中綿として、化繊やダウンが使われていますため、小さく圧縮して収納し持ち運ぶ事ができます。寝袋を収納袋から出して広げると、徐々に中綿が膨らみますが、人間が寝袋に入ったときに身体と地面に挟まれた中綿はぺちゃんこに潰れるため、断熱力がほとんどなくなります。大概の地面は冷たく、身体の重みで密着した部分から体温が逃げ(ヒートロス、熱損失)て、底冷えします。この現象は、体温と地熱の温度差が大きい春・秋・冬ほど熱損失量も増えます。
これを防ぐため、キャンプ用のマットを使います。キャンプ用のマット体重がかかっても断熱効果が得られるよう設計されています。
『寝心地を快適にする』について・・・最近、畳の上で寝たことはありますか?痛くて寝れなかったという方もいるのではないでしょうか。昨今の快適用品の普及により、強い刺激に敏感になっています。よほどふかふかの芝生以外、寝袋のみで寝ると地面の凸凹や石があたって痛くてまともに寝れません。その衝撃を吸収する役割としてキャンプ用マットが使われます。キャンプ用マットは大きくクローズドセルマット(銀マットなど)とエア注入式の2種類あり、寝心地はエア注入式の方が良いです。
テントの中で寝袋の下に敷くマットは、様々な用途に合わせて、多数の商品があります。皆さんの用途にあった、快適に寝れるマットが見つかりますように☆
見た目は至ってシンプルなのに、痒い所に手が届く作り。
冷えを感じやすい足元のダウン量が多くなっていたり、開き止めのベルクロが内外二か所付いていたり、収納袋の口が二重になっていて撤収の際の収納が楽だったり。あって当たり前の部分を押さえつつ、プラス要素があって嬉しいです。使用後のメンテナンスや収納の仕方などについての説明書きが付属しているところにも、作り手の温かさを感じます。