日本の停電回数は、最新公表値で1需要家あたり年間0.13回、停電時間は24分です。2026年8月時点の公的データをもとに、日本の停電統計、地震・台風による大規模停電、復旧までの日数、停電への備えをわかりやすく解説します。

OCCTO(電力広域的運営推進機関)や気象庁、内閣府などの公的データをもとに、実際に地震・台風でどれくらいの規模の停電が起きたのかをまとめました。
2026年7月に起きた熊本地震の停電状況もふまえながら、いざというときに役立つポータブル電源の選び方もあわせてご紹介します。
この記事でわかること
- 日本の停電回数・停電時間の最新統計(2020〜2024年度)
- 地震・台風など災害別の大規模停電事例と停電戸数(2026年最新事例つき)
- 停電復旧までにかかる日数の目安(災害の種類別)
- 能登半島地震(2024年)や熊本地震(2026年)の停電状況と復旧の違い
- 南海トラフ巨大地震で想定されている停電規模
- 防災用ポータブル電源の選び方と2026年最新モデル紹介


名前:Masaki T
経歴:2019年にポータブル電源を初めて購入して以来、現在まで日常的に活用しています。防災やアウトドア(キャンプ・車中泊)など用途は幅広いですが、特にPC電源としての使用経験が豊富です。
日本の大手電機メーカーで、回路設計エンジニアとして約5年勤務。実使用と技術の両面から、信頼性の高い情報発信を心がけています。
ポタ電の失敗&後悔25選 ポタ電源の火災・事故・リコール情報
主な参照先:日本ポータブル電源協会/経済産業省/製品評価技術基盤機構
日本の停電は「国際比較でも少ない水準」、でもゼロではありません


「電気が急に止まる」なんて、日本で暮らしていると想像しにくいですよね。コンビニは24時間明るいままですし、信号機も雨の日や真夜中でも当たり前のように動き続けています。それくらい、日本の電力インフラはしっかりしているんです。
実際のデータを見てみましょう。電力広域的運営推進機関(OCCTO)が2025年12月に公表し、2026年2月6日に一部訂正した最新の報告書によると、2024年度の1需要家あたりの年間停電回数は0.13回、年間停電時間は24分でした。2020〜2024年度の5年間でみると、年間停電回数は0.13〜0.17回、停電時間は10〜37分の範囲で推移しており、5年間の平均では年間0.15回・約25分となっています(OCCTO「電気の質に関する報告書 2024年度実績」を参照)。
| 年度 | 1需要家あたり年間停電回数 | 1需要家あたり年間停電時間 |
|---|---|---|
| 2020年度 | 0.17回 | 27分 |
| 2021年度 | 0.13回 | 10分 |
| 2022年度 | 0.16回 | 25分 |
| 2023年度 | 0.15回 | 37分 |
| 2024年度 | 0.13回 | 24分 |
| 5年間平均 | 0.15回 | 25分 |
出典:OCCTO「電気の質に関する報告書 2024年度実績」(低圧電灯需要家、事故停電・作業停電の合計)
「2026年の記事なのに、なぜ2024年度のデータ?」と思われるかもしれません。OCCTOの「電気の質に関する報告書」は年度実績を集計したうえで翌年度に公表される仕組みのため、2026年8月時点で確認できる最新の実績は2024年度分(2025年12月公表)となります。
この安定感は、長年の積み重ねの結果でもあります。1985年度には0.90回・年間128分だったものが、インフラ整備とメンテナンス技術の向上により2015年度には0.13回・21分まで縮小したとされています(NTTファシリティーズ「企業を脅かす停電リスクの現状」を参照)。
- 海外と比べても「低い水準」、ただし単純比較には注意
海外と比べても「低い水準」、ただし単純比較には注意
OCCTOの最新報告書には、米国主要州(カリフォルニア州・テキサス州・ニューヨーク州)との比較データも掲載されています。
それによると、2020〜2024年の1需要家あたりの年間停電回数・停電時間は、米国主要州に対して日本が低い水準で推移しています。ただし、集計の対象期間や停電の定義(自然災害によるものを含むかどうかなど)は国・地域によって異なるため、数値の単純比較には注意が必要だとOCCTO自身も注記しています。
ただし、これはあくまで平時の数字です。台風や地震のような大きな災害が起きると、この数字とはまったく違う規模の停電が発生することがあります。次の章では、実際にどのくらいの規模の停電が起きたのか、過去の事例を見ていきましょう。
地震・台風で停電はどのくらい起きる?過去の事例から見る停電の規模





ここでは、実際に地震や台風で停電が起きたときの規模を、代表的な事例とともに振り返ります。同じ「大規模停電」でも、原因や地域によって戸数や復旧までの日数は大きく変わることがわかります。
- 2011年3月:東日本大震災での停電
- 2018年9月:北海道胆振東部地震と日本初の「ブラックアウト」
- 2019年9月:台風15号(令和元年房総半島台風)による大規模停電
- 2021年2月:福島県沖地震での停電
- 2025年9月:台風15号による静岡県内の停電
- 2026年7月:令和8年熊本地震での停電
2011年3月:東日本大震災での停電
2011年3月11日、マグニチュード9.0という巨大地震が東北地方を襲いました。発電所や送配電設備が広い範囲でダメージを受け、東北電力管内で最大約466万戸、東京電力管内でも約405万世帯が停電したとされています(経済産業省「3月11日の地震により東北電力で発生した広域停電の概要」・リスク対策.com「徹底解説①停電はなぜ起きる」などを参照)。電力不足への懸念から、3月14日以降は首都圏を中心に計画停電(輪番停電)も実施され、被害の大きかった地域では完全復旧まで3か月以上かかったという記録も残っています。
この停電の影響は被災地だけにとどまらず、製造業を中心に多くの企業が生産停止や減産を迫られ、日本経済全体に大きな影響を及ぼしました。
2018年9月:北海道胆振東部地震と日本初の「ブラックアウト」
2018年9月6日午前3時7分、最大震度7の地震が北海道を襲いました。このとき起きたのが、日本で初めての「ブラックアウト」、つまり電力会社の管轄エリア全域が停電するという前例のない事態です。北海道全域で最大約295万戸が停電したとされています(資源エネルギー庁「日本初の”ブラックアウト”、その時一体何が起きたのか」を参照)。
それでも発生から約2日間で99%が復旧しており、比較的スピーディな対応だったと評価されています。ただし、北海道庁の試算では停電による商工関係の売上への影響額は約1,318億円にのぼったとされ、停電が地域経済に与えるインパクトの大きさを物語る事例となりました。
2019年9月:台風15号(令和元年房総半島台風)による大規模停電
2019年9月9日未明、台風15号(のちの「令和元年房総半島台風」)が千葉市付近に上陸しました。関東全域で最大約93万戸が停電し(経済産業省発表の最大供給支障戸数は約934,900戸)、なかでも千葉県には停電全体の約7割が集中したとされています。暴風で飛ばされたものが電線や電柱にぶつかり、配電設備が大きなダメージを受けたことが原因のひとつです(経済産業省「令和元年台風第15号による被害・対応状況について」を参照)。千葉県内では停電の解消までに2週間以上かかった地域もあり、多くの方が長い間、不便な生活を強いられました。
同じ年ではありませんが、2018年の台風21号でも関西圏を中心に最大約240万戸が停電の影響を受けました(ホンダ発電機「国内の大規模停電事例」を参照)。電柱1,000本以上が倒れ、山間部では作業員が現場にたどり着けなかったことも、復旧が長引いた理由のひとつです。
2021年2月:福島県沖地震での停電
2021年2月13日深夜、福島県沖でマグニチュード7.3、最大震度6強の地震が発生しました。安全確保のため福島県・宮城県沿岸の火力発電所6か所が緊急停止し、電力供給力が急激に落ち込んだ結果、広いエリアで停電が起こりました。東京電力パワーグリッド管内で最大約83〜86万軒、東北電力ネットワーク管内を含めると約95万戸規模の停電が発生したとされています(資源エネルギー庁「2月13日、なぜ東京エリアで停電が起こったのか」などを参照)。震源から遠く離れた東京でも停電が起きたことから、当時は驚きをもって受け止められました。
このときは東京エリアで約3時間、東北エリアでも翌朝にはほぼ全域で復旧しました。発電設備への直接的な被害が比較的少なかったことに加え、他エリアからの電力融通がうまく機能したことが、早期復旧につながったと考えられています。
2025年9月:台風15号による静岡県内の停電
2025年9月4日から5日にかけて、台風15号が高知県から和歌山県、東海地方を経て千葉県東方へと抜けていきました。静岡県では線状降水帯が発生して記録的な大雨となったほか、静岡県中部などで竜巻をともなう激しい突風が発生しました。静岡県が2025年11月28日に公表した最終報によると、県内の被害は死者1人・重傷15人・軽傷75人、住家被害は全壊76棟・半壊319棟・一部破損1,752棟・床上浸水22棟・床下浸水191棟にのぼりました(静岡県「台風第15号による被害状況について【第37報】」を参照)。
停電については、静岡県のまとめで東京電力管内・中部電力管内をあわせた最大停電戸数は約22,950戸と発表されています(静岡県「台風第15号による被害状況について【第18報】」を参照)。中部電力が9月7日16時時点に公表した「約10,130戸」という数字がSNS等で引用されることもありますが、これは最大値ではなく、その時点でまだ停電が続いていた戸数です。静岡県の資料によると、電柱の建替や電線の敷設工事など電力会社側の設備復旧は完了した一方、屋内配線等の不良により停電が継続している建物もあったとされています。なお、同資料では被害原因(竜巻・大雨等の内訳)は明らかにされておらず、大雨に加え、竜巻などの突風によっても大きな被害が発生しました。
2026年7月:令和8年熊本地震での停電
記憶に新しいのが、2026年7月28日16時27分に発生した熊本県熊本地方の地震です。マグニチュード7.1、熊本県宇城市と氷川町では最大震度7を観測し、有明海・八代海には津波注意報も発表されました(気象庁「令和8年熊本地震」ポータルサイトを参照)。震度7の観測は2024年の能登半島地震以来、熊本県内では2016年の熊本地震以来10年3か月ぶりのことでした。
九州電力送配電によると、地震発生直後の7月28日17時9分時点で熊本県内の最大停電戸数は48,530戸にのぼりました。同社は7月31日16時44分、損傷した高圧配電線への送電を完了したと発表しています(日本経済新聞「熊本地震、被災地への電力供給が復旧」を参照)。ここで注意したいのが「復旧」の意味です。高圧配電線への送電完了は、地域全体に電気を送る大もとの回路が復旧したことを指しており、各家庭に電気を引き込む引込線や、その先の屋内配線の断線などによる個別の停電は別扱いとなります。九州電力送配電は、低圧配電線や引込線の被害についても復旧作業を進め、1週間程度をめどに早期復旧を目指すとしていました。発生から3日というスピードで基幹的な系統が復旧したのは、能登半島地震で1か月近くかかったケースと比べると早いペースでした。
2024年能登半島地震の停電状況と長期化の背景
2024年(令和6年)1月1日16時10分、石川県能登地方でマグニチュード7.6の地震が発生しました。北陸電力管内では最大約4万戸が停電したとされています(経済産業省「令和6年能登半島地震に伴う被害について」を参照)。



停電の主な原因は、送電線や変電所ではなく、街なかの配電設備の損傷でした。
電柱は約2,160本が傾き、約500本が折れ、配電線の断線・混線も約1,210か所で確認されたとの記録があります(電気事業連合会「Enelog63号」を参照)。
- なぜ復旧にこれほどの時間がかかったのか
なぜ復旧にこれほどの時間がかかったのか
2016年の熊本地震では発生から5日目にほぼ完全復旧したとされています。一方、能登半島地震では発生7日目の時点で停電率がまだ約40%もあり、東日本大震災の同じ時期(約6%)と比べても、復旧のペースが遅いことが指摘されていました(日本経済新聞2024年1月の報道を参照)。
復旧が長引いた背景には、いくつもの事情が重なっていました。能登半島の先端部は山道が多く、土砂崩れや地割れで道路のあちこちが寸断されてしまったのです。作業員が現場にたどり着けない、重機が入れない、通信障害で情報共有もままならないという状況が重なり、復旧作業の多くを人の手に頼らざるを得なかったといいます。
1月末には停電戸数は約2,500戸まで減少したものの、輪島市・珠洲市などの一部地域ではさらに復旧が長引きました。全国の電力会社から延べ4,754人もの応援要員と、高圧発電機車・高所作業車が投入されましたが、孤立した地域にたどり着くまでには相当の時間がかかったといいます(経済産業省「令和6年能登半島地震の電力・ガスにおける復旧対応等について」を参照)。
停電はどれくらいで復旧するのか|災害別の目安
大きな災害が起きると、停電の復旧までには数日以上かかることが少なくありません。ここまで見てきた事例をもとに、災害の種類別に復旧までの目安を整理してみましょう。
地震による停電は、揺れや津波で送電設備がどれだけ傷んだかによって、復旧までの時間が大きく変わります。2018年の大阪府北部地震(震度6弱)では約48時間後には99%が復旧した一方、東日本大震災では完全復旧までに3か月以上かかった地域もありました。2026年の熊本地震のように高圧配電線への送電が約3日で完了したケースもあれば、能登半島地震のように孤立地域の復旧に1か月近くかかったケースもあり、設備の被害状況が直接復旧のスピードを左右するため、地震直後に正確な見通しを立てるのは難しいとされています(Jackery「停電の復旧までにかかる時間」などを参照)。
台風による停電は、倒木や飛来物、塩害が電柱や配電線を傷めるため、山間部や孤立した地域が多いほど復旧が遅れる傾向があります。2019年の台風15号では完全復旧まで2週間以上かかった地域がある一方、2025年の台風15号では静岡県内の停電の多くが数日ほどで解消しました。大雪による停電は電線への着雪が主な原因で、2022年の新潟県の事例では約9日間を要したとの報告があります。
ここまで見てきた事例をあらためて一覧にすると、次のようになります。同じ「大規模停電」でも、災害の種類や被災地の地形、道路の被害状況によって、最大戸数も復旧までの日数もかなり幅があることがわかります。
| 災害名 | 発生時期 | 最大停電戸数 | 復旧の目安 |
|---|---|---|---|
| 東日本大震災 | 2011年3月 | 東北電力管内 約466万戸/東京電力管内 約405万世帯 | 3日後に約8割、8日後にほぼ解消(津波被災地を除く) |
| 北海道胆振東部地震 | 2018年9月 | 約295万戸(道内全域) | 約2日で99%復旧 |
| 台風15号(房総半島台風) | 2019年9月 | 約93万戸(関東全域) | 千葉県内の一部で2週間以上 |
| 福島県沖地震 | 2021年2月 | 約95万戸(東京電力・東北電力管内) | 東京は約3時間、東北は翌朝までにほぼ解消 |
| 能登半島地震 | 2024年1月 | 約4万戸(北陸電力管内) | 7日後も停電率約40%、孤立地域は1か月近く |
| 台風15号 | 2025年9月 | 約22,950戸(静岡県内) | 電力会社側の設備復旧は完了、一部建物では屋内配線等による停電が継続 |
| 令和8年熊本地震 | 2026年7月 | 48,530戸(熊本県内) | 高圧配電線は3日で送電完了、個別復旧は1週間程度が目標 |
過去の事例を見る限り、大規模停電の多くは数日〜1週間程度で大部分が解消していますが、孤立した地域や設備の被害が大きかった地域では、さらに時間がかかる可能性がある点には注意が必要です。
- 「3日分」を備えの目安として
「3日分」を備えの目安として



内閣府では、食料や飲料水などについて「最低3日間、できれば1週間分」の備蓄を推奨しています
(内閣府「自然災害への備えは万全ですか?」を参照)。
非常用電源について、これと同じ「3日分」という公的な基準があるわけではありませんが、考え方の参考にはなります。まずは「停電後の3日間に、何を動かしたいか」を書き出してみると、必要な容量が具体的に見えてきます。とくに医療機器を使っている方や、高齢者・乳幼児のいるご家庭にとって、停電時の電力確保は生活に直結する大切な問題です。
また、将来のリスクとして南海トラフ巨大地震や首都直下地震の発生が想定されています。中央防災会議が2025年3月に公表した最新の被害想定によると、南海トラフ巨大地震(最大クラス)が発生した場合、電力は全国で約2,610万軒〜約2,950万軒が停電すると見込まれています。特に被害の大きい地域では、発災直後に9割が停電し、3日後の時点でもなお6割が停電したままという想定が示されています(中央防災会議「南海トラフ巨大地震 最大クラス地震における被害想定について」を参照)。
停電への備えとしてのポータブル電源の役割





ポータブル電源とは、大容量のリチウムイオン電池に、充放電の回路やコンセント、USB出力などを組み合わせた持ち運びできる蓄電池のことです。
家庭用コンセントや太陽光パネル、車のシガーソケットなどから充電でき、停電時にはスマートフォンや照明、医療機器、小型家電などを動かすことができます。
かつては一部のアウトドア愛好家やキャンパーのアイテムでしたが、2018年の北海道ブラックアウトや2019年の台風による長期停電をきっかけに、防災・備蓄用途としての関心が急速に高まりました。今では自治体の避難所に配備される例も出てきています。国内でも知名度の高い主要ブランドとして、EcoFlow(エコフロー)、Jackery(ジャクリ)、Anker(アンカー)などが挙げられ、選べる機種は豊富です。
- 防災用途には「1,000Wh前後」が現実的な目安
防災用途には「1,000Wh前後」が現実的な目安





容量の単位は「Wh(ワット時)」で表されます。必要な容量の目安は「消費電力(W)×使用時間(h)×日数」で計算できます。
例えば50Wのスマートフォン充電・照明を1日5時間×3日使う場合は理論上約750Whですが、実際にはAC変換時のロスなどがあるため、計算値より少し余裕をもって選ぶのが安心です。一方で1,200W前後の電気ケトルを毎日何度も使うと、容量はあっという間に減っていきます。同じ「1,000Wh」でも、何を動かすかによって心もとない容量にも、十分すぎる容量にもなり得るということです。
スマートフォンの充電(1回あたり約10〜15Wh程度)・照明・通信機器など、消費電力の小さい機器を中心とした最低限の電力確保であれば、1,000Wh前後は検討しやすい容量帯といえます。定格出力(同時に取り出せる電力の上限)は、1,500W前後あれば炊飯器や電気ケトル、小型電子レンジなど一般的な家電の多くをカバーできる可能性がありますが、こうした高出力の家電を長時間・頻繁に使うことを想定するなら、より大容量のモデルも検討候補になるでしょう。
防災向けポータブル電源:主要3ブランドの2026年最新モデル



ここでは、2026年現在、国内市場で存在感のある3つのブランドの特徴を紹介します。
各商品のスペックは変更される場合があるので、購入前には各社の公式サイトで最新情報をご確認ください。
- Jackery(ジャクリ)
- EcoFlow(エコフロー)
- Anker(アンカー)
Jackery(ジャクリ)





2012年にアメリカで誕生し、日本では株式会社Jackery Japanが展開するブランドです。
ホームセンターや家電量販店でも常設展示され、読者投票の家電アワード「家電大賞2025-2026」では防災・アウトドア家電部門で4年連続金賞を受賞しています。防災用途の主力モデルは、2026年7月発売の「Jackery ポータブル電源 1000 New V3」(容量1,024Wh・定格1,500W/瞬間最大3,000W・リン酸鉄・充放電サイクル6,000回・約10.6kg)です。より大容量が必要な場合は「1500 New」や「2000 New」も選択肢になります。最新スペックはJackery公式サイトでご確認ください。
EcoFlow(エコフロー)





中国・深センに本社を置くエコフロー・テクノロジーが展開するブランドで、急速充電性能の高さが特徴です。
主力の「EcoFlow DELTA 3 Plus」は容量1,024Wh・定格1,500Wで、最速56分でフル充電が可能。独自の「X-Boost」機能で定格を超える最大2,000Wの家電にも対応でき、10ミリ秒未満のUPS機能やIP54防塵防滴規格も備えています。最新スペックはEcoFlow公式サイトでご確認ください。
Anker(アンカー)





モバイルバッテリーで広く知られるAnkerが展開する「Solixシリーズ」は、耐衝撃性能とアフターサポートの充実で評価を集め、全国の自治体避難所への導入も広がっています。
主力の「Anker Solix C1000 Gen 2」(2025年5月予約販売開始)は容量1,024Wh・定格1,550Wで、独自の急速充電技術「HyperFlash」により54分でフル充電可能。前モデルから約7%小型化・約12%軽量化し、専用アプリでの遠隔操作にも対応しています。最新スペックはAnker公式サイトでご確認ください。
防災用ポータブル電源を選ぶときに確認したい5つのポイント


- バッテリーの種類:リン酸鉄か三元系か
- 容量(Wh)と定格出力(W)
- UPS機能(無停電電源装置機能)の有無
- ソーラー充電への対応
- 保証内容と国内サポート体制
1. バッテリーの種類:リン酸鉄か三元系か





ポータブル電源のバッテリーには、大きく分けて「リン酸鉄リチウムイオン電池(LFP)」と「三元系リチウムイオン電池(NMC)」の2種類があります。
リン酸鉄は熱に強く、過充電・過放電にも強いのが特徴で、充放電サイクルが3,000〜4,000回以上と長寿命なものが多くなっています。長期保存や繰り返しの使用を考えると、防災用途にはリン酸鉄採用モデルのほうが向いているといえるでしょう。
2. 容量(Wh)と定格出力(W)





容量が大きいほど長時間使えますが、そのぶん重くなり、価格も上がります。
定格出力は「同時に何ワットまで使えるか」を示す数値です。炊飯器(約400〜700W程度)や電気ケトル(約700〜1,300W程度)を使いたい場合は、1,500W以上の出力があると安心して使えそうです。機器ごとに消費電力は異なるので、購入前に使いたい家電の定格消費電力を確認しておきましょう。
3. UPS機能(無停電電源装置機能)の有無





UPS機能(Uninterruptible Power Supply)とは、停電が起きた瞬間に自動でバックアップ電源に切り替わる機能のことです。
切り替えにかかる時間が短いモデルほど、パソコンや精密機器への影響を抑えやすい傾向があります。EcoFlow DELTA 3 Plusなどは10ミリ秒未満での切り替えをうたっています。医療機器での使用を検討している場合は、事前に医療機関や製造元に相談しておくと安心です。
4. ソーラー充電への対応





停電が長引くと、コンセントからの充電ができなくなってしまいます。
ソーラーパネルでの充電に対応していれば、3日以上の停電を想定した備えとして心強い存在になります。各社から対応するソーラーパネルが販売されているので、セットで用意しておくと安心感が増すはずです。
5. 保証内容と国内サポート体制





長く使うものだからこそ、メーカー保証の年数や国内サポート窓口の有無は、事前に確認しておきたいポイントです。
Jackery・EcoFlowは製品登録で最大5年保証を提供していると表記されています。Ankerは国内サポート体制の充実さで知られており、会員登録でさらに保証期間が延びるモデルもあります。いずれも最新の保証内容は各社公式サイトでご確認ください。
よくある質問
Q. 日本では年に何回くらい停電しますか?
OCCTOの最新データ(2024年度実績)では、1需要家あたり年間0.13回、停電時間は24分です。2020〜2024年度の5年平均でみても、年間0.15回・約25分と、平時の停電はごくまれにしか起こりません。ただし、これは事故停電・作業停電の平均値であり、地震や台風などの大規模災害時の停電は別に発生します。
Q. なぜ2026年の記事なのに、2024年度のデータを使っているのですか?
OCCTOの「電気の質に関する報告書」は、年度が終わってから実績を集計し、翌年度に公表する仕組みになっています。2024年度(2024年4月〜2025年3月)の実績は2025年12月に公表されたもので、2026年8月時点ではこれが確認できる最新のデータです。
Q. 大規模災害時の停電は何日くらい続きますか?
災害の種類や規模によって大きく異なります。本記事で紹介した事例では、数時間〜2日程度で大部分が復旧したケース (福島県沖地震、北海道胆振東部地震) がある一方、能登半島地震のように孤立地域で1か月近くかかったケースもあります。「高圧配電線への送電完了」と「すべての家庭の停電解消」は必ずしも同じタイミングではない点にも注意が必要です。
Q. ポータブル電源は1,000Whあれば何日くらい使えますか?
使う家電によって大きく変わるため、「1,000Whで3日間安心」と一概には言えません。目安の計算式は「消費電力(W)×使用時間(h)×日数」です。
例えば50Wのスマホ充電・照明を1日5時間×3日使う場合は理論上約750Whで足りますが、実際にはAC変換時のロスなどがあるため、計算値より少し余裕をもって容量を選ぶと安心です。
一方、1,200W前後の電気ケトルを長時間使うと数回でかなりの容量を消費します。1,000Wh前後は、スマートフォン・照明・通信機器など消費電力の小さい機器を中心とした最低限の電力確保であれば検討しやすい容量帯、というのが実情に近い言い方です。
まとめ:「止まらない電気」への信頼と、もしものときの備え



日本の電力インフラは、国際比較でも停電の少なさが際立つ、高い水準の安定性を保っています。
送配電の保全に携わる人たちが24時間体制で監視・点検を続け、日々張りめぐらされた配電網を維持していることが、その安心を支えているのです。
とはいえ、地震・台風・大雪は電力設備にも大きな影響を与えることがあります。東日本大震災では東北電力管内で最大約466万戸・東京電力管内で約405万世帯、北海道胆振東部地震では最大約295万戸、2019年の台風15号では最大約93万戸が停電の影響を受けました。
2025年の台風15号では静岡県内で最大約22,950戸、2024年の能登半島地震では最大約4万戸が停電し、能登では孤立した地域で電気のない状態が1か月近く続いたところもあります。
一方、2026年7月の熊本地震では最大48,530戸が停電したものの、基幹となる高圧配電線への送電は3日ほどで完了しました。同じ「大規模停電」でも、被害の場所やアクセスのしやすさ、そして「どこまでが復旧したと言えるか」によって、印象は大きく変わってくるのです。
こうした過去の事例からも、停電への備えとしては「まず3日間をどう乗り切るか」を考えておくことがひとつの目安になりそうです。スマートフォンの充電や照明、医療機器、情報収集用のラジオ・小型テレビなどをまかなえる1,000Wh前後のポータブル電源は、停電の初期段階を乗り切るための選択肢のひとつになるでしょう。
アウトドアでも、日常の節電でも、そして万が一の停電でも活躍する一台は、これからの暮らしにそっと寄り添ってくれる存在です。焦らず、ご自身やご家族の生活スタイルに合ったモデルをじっくり選んでみてくださいね。
ポータブル電源
関連リンク





