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山岳・登山向けの寝袋のサイズ選び-縦方向:長さ・全長・適応身長

全長は寝袋の縦方向の長さを表す数値です。ただ、この数値(全長208cmなど)では利用者の使用感があまりわからないため、親切なメーカーは適応身長(頭頂部と足裏部の中綿の嵩高・ロフトを潰さず快適に利用できる身長の上限値。身長180cm以下など)で表現してくれています。

寝袋の全長のみ記載されている場合は、おおよそですが、

  • 全長[cm]-(25~32)[cm ] ≒ 適応身長

となるようです。(※メーカーにより構造が異なりますので、確実な数値はメーカーや代理店に直接問い合わせてください。)

目次

サイズは3種類

通常、日本で流通している登山用寝袋の多くは、

  • ロングサイズ:身長195cm以下、大柄な方向け。
  • レギュラーサイズ:身長180cm以下
  • ショートサイズ:身長165cm以下、女性向け

の3サイズがあります。(メーカーにより各サイズの上限値は数センチ異なります)

寝袋の適応身長より使用者の身長が小さすぎると足裏の空間が広くなっていき、それだけ足元が温まりにくくなってしまいます。逆に適応身長上限値を超えた場合は、頭と足が押されるような窮屈感が出るだけでなく、中綿の膨らみを圧迫して断熱力を低下させてしまいます。そのため、自分の身長に合ったサイズを選ぶことを推奨します。

適応身長の上限値の場合は判断が難しい

例えば、身長が185cmの方なら、大抵のメーカーのレギュラーサイズでは明らかに縦方向も横方向もきつくなり「ロングサイズですね」となり、155cmの女性なら、レギュラーでは足元がガバガバに余ってしまって「ショートサイズですね」となります。

ところが、登山用の寝袋選びで難しいのは、適応身長の上限値付近の方です。例えば、身長が180cmの方が適応身長180cmの寝袋が適切かどうか、というと判断が難しいところがあります。基本的に身長の比例して肩幅も大きくなり、適応身長に近づくと縦方向だけでなく、横方向や寝袋内での寝る時の姿勢替え(膝を曲げるなど)の窮屈感が増してきます。

また、これは応用編ですが、足元が寒くて靴下を2枚履きするしたり、フットウォーマー(象足)を履いたときに更に窮屈になってしまいます。あまりに寒かった場合にナルゲンボトルにお湯を入れて湯たんぽとして足元に入れることもあるのですが、適応身長ピタピタだと、これが難しくなります。

私は身長が176.5cmですが、いままで様々なメーカーの登山用のレギュラーサイズの寝袋に入ってきて、縦方向でキツイと感じたことがありません。そして、実際に登山で寝袋を使ってきて、ある程度の余裕はあった方が何かと使いやすいと感じています。

私の体感ですが、自分の身長と適応身長の上限値が5cm以上離れているなら、ある程度の余裕と汎用性があります。しかし、上限値との差がわずかしか無いは、実際にお店で購入を検討している寝袋に入って、そのサイズ感で良いか、確認して納得して購入されることをおすすめします。(メーカーによってはサイズの違いで価格が異なります)

実際に寝ると身長より伸びる

身長は立った状態で測定しますが、人間は仰向けになって寝ると自然と足の爪先が下がります。

上のアニメーションは、実際にマットを敷いた上に私が寝た時の足先の動きです。最初は身長を測定する時のように力を入れて踵を直角にして、それからリラックスした時の様子です。下にメジャーを置いていますが約5cmほどつま先が動いています。

この動く幅は個人差があります。試しに妻に同じように寝てもらい測定したところ、私より足が小さいにもかかわらず約7cmも動きました。

今までに幾人も寝袋に入って寝る様子を見てきましたが、適応身長よりも数センチ低い身長の方が寝袋に入った時、明らかに足先がパッツンパッツンになって足裏の中綿の膨らみを潰している様子を見てきて、最初はなぜそうなるのかわからず疑問に感じていましたが、ある時この”寝ると足先が下がる”現象が原因であるとわかりました。(寝袋に入ると足の動きが見えないため、気づくのにある程度の期間かかりました)

この動きは力を抜くと自然と起こるものですが、ある程度押す力を持っているため、寝袋の足裏がふわっと柔らかくダウンが膨らんだのような反発力の弱い作りだと簡単に膨らみを潰してしまいます。足は元々冷えやすい場所にもかかわらず、足裏のダウンを潰してしまっては、なおさら足の熱が外に逃げてしまいます。

先程、”適応身長の上限値に近い身長の方は実際に製品に入って確認した方がよい”と書いたのは、この意味も含んでいます。

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著者PROFILE

この記事を書いた人寝袋選びで大切なこと寝袋とマットは2つで1つ

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著者: Masaki T

2009年末から寝袋と関連装備に特化したこのサイトを開設。いつの間にか運営10年を超える老舗サイトに。ファミリーキャンプから無積雪期登山、厳冬期登山、バイクのキャンプツーリングに自転車旅行、車中泊など、アウトドアを幅広く経験。寝袋の宿泊数は100泊以上~500泊未満。狭い業界ですが、まだまだ知らないこと沢山あり、日々勉強中です☆

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今まで様々な状況下で寝てきましたが、100泊以上経験してわかったのが、『保温力に余裕のある寝袋を用意すること』です。

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雪山テントは換気にも注意(テントが埋まると酸欠に)

雨風や断熱材で守られた家と違い、アウトドアフィールドでの宿泊は天候や外気温の変化を大きく受けます。事前の天気予報より、当日の気温が-5℃程度低かった、などは日常茶飯事です。また、多くのキャンプ場は、最寄りの市街地よりも標高が高い事が多く、天気予報で知ることのできる最寄りの市街地の最低気温よりも気温が低いことが多いです。

自然の中で睡眠をとる体験は素晴らしいですが、寝袋の保温力が足りないと真夜中に早朝に目が冷めます。これは外気温は日の出前の早朝4~5時あたりが最も気温が下がり、また体温も下がっているためです。一度このタイミングで目が冷めてしまうと、身体が芯から冷え切っているため、ここからなかなか眠ることができません。そして、寝不足の状態になります。

楽しいアウトドア体験するはずだったのが、思わぬ寝不足でボーーっとしてしまうのは、もったいないです(しかも連泊でこれが続くとかなりキツイです)。少し汗ばむくらいの保温力の寝袋を選んで、ぜひ素敵なアウトドア体験を満喫してください☆

山岳・登山用の寝袋マットの選び方の基本(無積雪期)

寝袋と(キャンプ用の)マットは2つで1つです。

キャンプ用のマットの役割は主に『断熱』と『寝心地を快適にする』の2つです。

『断熱』について・・・アウトドア用の寝袋の中綿として、化繊やダウンが使われていますため、小さく圧縮して収納し持ち運ぶ事ができます。寝袋を収納袋から出して広げると、徐々に中綿が膨らみますが、人間が寝袋に入ったときに身体と地面に挟まれた中綿はぺちゃんこに潰れるため、断熱力がほとんどなくなります。大概の地面は冷たく、身体の重みで密着した部分から体温が逃げ(ヒートロス、熱損失)て、底冷えします。この現象は、体温と地熱の温度差が大きい春・秋・冬ほど熱損失量も増えます。

これを防ぐため、キャンプ用のマットを使います。キャンプ用のマット体重がかかっても断熱効果が得られるよう設計されています。

登山ルート上のキャンプ場・テント場

『寝心地を快適にする』について・・・最近、畳の上で寝たことはありますか?痛くて寝れなかったという方もいるのではないでしょうか。昨今の快適用品の普及により、強い刺激に敏感になっています。よほどふかふかの芝生以外、寝袋のみで寝ると地面の凸凹や石があたって痛くてまともに寝れません。その衝撃を吸収する役割としてキャンプ用マットが使われます。キャンプ用マットは大きくクローズドセルマット(銀マットなど)とエア注入式の2種類あり、寝心地はエア注入式の方が良いです。

テントの中で寝袋の下に敷くマットは、様々な用途に合わせて、多数の商品があります。皆さんの用途にあった、快適に寝れるマットが見つかりますように☆

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