<2023年更新!>タケモという2015年7月に設立されたメーカーをご存知でしょうか?国内登山用寝袋メーカーにて30年勤務した武本さんが”本物と呼べる良いものをより安く!”をポリシーに設立した寝袋シュラフのメーカーです。
当サイトは寝袋専門の情報サイトということもあり、2015年末に武本さんから相互リンク依頼のメールが着たのがきっかけで、私も存在を知りました。
※この記事は数年前に作成したものですが、一部情報が古くなっているので不定期で更新・追記しています。
著者PROFILE
経歴:大手アウトドアショップで寝袋・マットのコーナーを中心に約4年間の接客経験に加え、独自の調査・研究を重ね、寝袋・マットの情報を中心としたこのサイトを運営して10年以上。無積雪登山・雪山登山・クライミング・アイスクライミング・自転車旅行・車中泊旅行・ファミリーキャンプなど幅広くアウトドアを経験。(詳細プロフィール) 名前:Masaki T
実際に雪山で厳冬期モデルを使ってみました
ちょうど武本さんからメールを頂いたのが、これから雪山という時期だったため、厳冬期対応モデルのタケモ スリーピングバッグ9をサンプル提供していただき、実際に2016年の1月と2月の厳冬期の八ヶ岳登山で使ってみました。
結論から書くと、さすが国内登山用寝袋メーカーで長年勤務されていただけあって、そのエッセンスを大いに引き継いだ完成度の寝袋でした。
私はここ数年はモンベルの厳冬期用寝袋を使用したため、ストレッチしない他社の寝袋を使うと窮屈に感じるのではないか、と思っていましたが、実際にタケモ スリーピングバッグ9を使ってみると、広くもなく、狭くもない、必要以上のコールドスポット(冷えの原因となる隙間)が発生しない体を優しく包み込むような絶妙なフィット感に感心させられました。
実際に2つ雪山持っていって、比較しましたが、モンベルのような伸びはなく、そのままあぐらかくのも難しいですが、遊びが無い分、寝袋に入ってすぐに暖かいと感じました。
特に気に入ったのは、スリーピングバッグ9は、足裏のダウン封入量が非常に多く、ダウンの膨らもうとする力でパンパンになるくらい入っているのですが、それが素晴らしいと感じました。
実際にテントで寝ると、寝る人の身長にもよりますが、寝袋の足裏部分のダウンは、テントの生地と足裏に挟まれてに潰されることとが多々あります。そうなる理由としては、山では平坦な場所といっても緩やかに傾斜していることが多く、頭を山側に(高い位置)にもっていくため、寝ていると下っている側(つまり足側)に徐々にずれ落ちること、また、頭側にテントの生地が近いと視覚的に圧迫感があり、テントの生地が風でバタつくのと距離置くため、頭側は余裕を開けて、足側に詰めがちになるためです。
足裏のダウンが押しつぶされると、当然断熱力が低下しますから、足裏が冷えやすくなってきます。ところが、タケモのスリーピングバッグ9は、足裏のダウンが膨らみきれないくらいダウンがパンパンに入っていて、多少足元に体がずれ落ちてきても、テントの生地をそのまま外側に押してしまうため、足裏がほとんど冷えない構造になっていることがわかりました。これは素晴らしい!
その後1年間、耐久性を試すためキャンプ等で何度もこの寝袋を使い続けましたが、羽抜けはほどんど無く、さすがの一言です。(ただし、まだ洗濯は1度もしていませんので、洗濯耐久性は未確認です)
この寝袋は、タケモのホームページに記載されているように
昨今の登山用品は素材、機能の進化それに掛かる宣伝費などにより益々、高価格になっています。Takemoでは登山用寝袋として最低限ではなく、必要十分以上の素材と品質、構造にこだわりながら、インターネット販売に限定することで徹底的にコストを削減し低価格を実現しました。個人事業ではありますが大企業に負けない最高品質の寝袋をお届けいたします。
を体現した、非常にコストパフォーマンスに優れた厳冬期用寝袋でした。
Takemoの寝袋を使って数年経過しました。私は他のダウンのマミー型寝袋(モンベルなど)も使っていますが、今シーズンの冬に、自宅で寝る時の布団の保温力アップにTakemo スリーピングバッグ9と11のジッパーを連結させてほぼ毎日使ってみました。山岳対応の寝袋は非常に高品質にもかかわらず登山・キャンプ以外では押入れにしまったままなのでもったいない、何か日常でももっと活用できないか、と考えた末の試みです。数ヶ月使いつづけて実感したのは”ダウンの羽抜けの少なさ”です。ダウンの寝袋は、物によってはけっこう羽抜けが目立つものもあります(一晩使うとあちこちに羽が落ちたてたりする)が、羽抜けが非常に少なかったです。(まあ、収納袋に入れず出しっぱなしなので生地自体に強い圧力がかからない、というのもあると思います)
素材
生地
(デニール:合成繊維の太さを表す単位で、数字が小さいほど繊維が細くなり、生地も薄く軽くなる反面、強度は下がる。 リップストップ:格子状に強度の高い糸を配する織り方。かぎ裂き傷ができたとき格子の部分が傷を広がるのを防ぐ。登山用品のウェア等の生地にも広く採用されている織り方。)
モンベルの最軽量モデルのダウンハガー900シリーズは7デニール・ナイロン、ダウンハガー800シリーズは10デニール・ナイロン、ダウンハガー650シリーズは30デニール・ポリエステルが使われています。
それに比較すると、20デニールという太さは、最軽量ではありませんが、軽量な部類に入るかと思います。
撥水加工
タケモの寝袋に使われている生地は、すべて撥水加工になっています。撥水耐久性は表記がありませんのでわかりません。
※現在、他メーカーの山岳用のほとんどの寝袋の生地は撥水加工がされています。
ダウンの品質
750FPオーバーのホワイトダックダウンを使用しています。(FPとは:フィルパワーと読み、ダウンが持つロフト・かさ高の復元力を数値で表したものです。数値が高いほど高品質になります。)
他メーカーの寝袋のハイエンドモデルのほとんどは800FP、価格を抑えた汎用モデルは700FP~650FPを採用しています。
また、グースダウンとダックダウンでは、グースダウンの方がダウンボールが大きく、かさ高に優れていると言われていて、ドレープ性(体に滑らかにフィットする性質)、保温性、耐久性も優れているため、価格も高くなります。
そこで、低価格と高性能を実現するため、タケモでは750FPオーバーのホワイトダックダウンを採用していると思われます。
以上の素材から個人的見解を述べると、タケモの寝袋は、価格が高くなりがちな最新の最高素材をあえて使わず、他社に比べて購入しやすい価格を維持しながらも高品質を実現できる材料を採用しているのが伺えます。
ラインアップ
タケモのラインアップは、1シリーズのみですが、夏山から厳冬期登山まで対応しています。
- スリーピングバッグ 2
(ダウン量:200g、総重量:500g、最低使用温度:8℃、) - スリーピングバッグ 3
(ダウン量:300g、総重量:730g、最低使用温度:2℃) - スリーピングバッグ 5
(ダウン量:500g、総重量:960g、最低使用温度:-6℃) - スリーピングバッグ 7
(ダウン量:700g、総重量:1180g、最低使用温度:-15℃) - スリーピングバッグ 9
(ダウン量:900g、総重量:1440g、最低使用温度:-25℃) - スリーピングバッグ 11
(ダウン量:1100g、総重量:1650g、最低使用温度:-30℃)
見ての通り、商品名にはダウン量の数字が採用されているようです。
温度表記に関しては、日本でも最近普及してきている保温力表示規格ISO23537/EN13537は採用されていません。
表示されている最低使用温度は、使用できる限界の温度でその温度で使うと寒くてまともに寝れません。武本さんが元勤めていた会社の表記から考えても、快適使用温度は、表示温度におおむね5~10℃をプラスした温度と考えられます。
価格と返品保証
私が実際に手にとって見させていただいたタケモの寝袋はスリーピングバッグ 9 と スリーピングバッグ 11 に関しては、使われている素材、作りの割に販売価格が抑えられていて、総合的にコストパフォーマンに優れていると感じます。
ネット限定販売のため、実店舗での実物確認はできませんが、安心返品保証で不安を解消しています。
ネット通販での購入には現物が確認できないという不安がつきものです。Takemoではご安心頂ける物造りを心がけていますが、ご購入後、万が一、商品が思っていたものと違い、ご満足いただけなかった場合、商品到着後、1週間以内であれば未使用のものに限り返品可能です。商品代金を全額、返金致します。但し、返品にかかる送料はお客様のご負担でお願いいたします。
タケモの寝袋は、タケモのホームページとamazonで販売しているようですが、なぜかamazonの方が安く販売されています。決済システムも安心できますし、amazonでの購入がおすすめです。
購入者レビューと実売価格
販売開始から数年経過し、amazonでのレビュー数も着実に増えています。
以下、ご参考に。
以下amazonのリンクです。在庫状況、購入者レビュー、実売価格を確認できます。
- 夏の縦走やキャンプ
→ スリーピングバッグ 2 (総重量:500g、最低使用温度:8℃、) - 春先から夏の高山、秋口から冬の低山
→ スリーピングバッグ 3 (総重量:740g、最低使用温度:2℃) - 春先から秋口にかけて国内の2000m~3000m級の山岳
→ スリーピングバッグ 5 (総重量:960g、最低使用温度:-6℃) - 秋から冬の国内2000m~3000m級の山岳
→ スリーピングバッグ 7 (総重量:1180g、最低使用温度:-15℃) - 厳冬期の国内2000m~3000m級の山岳
→ スリーピングバッグ 9 (総重量:1440g、最低使用温度:-25℃) - 厳冬期の国内3000m級の山岳
→ スリーピングバッグ 11 (総重量:1650g、最低使用温度:-30℃)
参考リンク
在庫切れによる、再入荷情報は公式ページに掲載されています。
- 寝袋 の店 Takemo (タケモ) https://www.k-takemo.com/
著者PROFILE
2009年末から寝袋と関連装備に特化したこのサイトを開設。いつの間にか運営10年を超える老舗サイトに。ファミリーキャンプから無積雪期登山、厳冬期登山、バイクのキャンプツーリングに自転車旅行、車中泊など、アウトドアを幅広く経験。寝袋の宿泊数は100泊以上~500泊未満。狭い業界ですが、まだまだ知らないこと沢山あり、日々勉強中です☆
谷川岳の雪洞で宿泊
今まで様々な状況下で寝てきましたが、100泊以上経験してわかったのが、『保温力に余裕のある寝袋を用意すること』です。
雪山テントは換気にも注意(テントが埋まると酸欠に)
雨風や断熱材で守られた家と違い、アウトドアフィールドでの宿泊は天候や外気温の変化を大きく受けます。事前の天気予報より、当日の気温が-5℃程度低かった、などは日常茶飯事です。また、多くのキャンプ場は、最寄りの市街地よりも標高が高い事が多く、天気予報で知ることのできる最寄りの市街地の最低気温よりも気温が低いことが多いです。
自然の中で睡眠をとる体験は素晴らしいですが、寝袋の保温力が足りないと真夜中に早朝に目が冷めます。これは外気温は日の出前の早朝4~5時あたりが最も気温が下がり、また体温も下がっているためです。一度このタイミングで目が冷めてしまうと、身体が芯から冷え切っているため、ここからなかなか眠ることができません。そして、寝不足の状態になります。
楽しいアウトドア体験するはずだったのが、思わぬ寝不足でボーーっとしてしまうのは、もったいないです(しかも連泊でこれが続くとかなりキツイです)。少し汗ばむくらいの保温力の寝袋を選んで、ぜひ素敵なアウトドア体験を満喫してください☆
寝袋と(キャンプ用の)マットは2つで1つです。
キャンプ用のマットの役割は主に『断熱』と『寝心地を快適にする』の2つです。
『断熱』について・・・アウトドア用の寝袋の中綿として、化繊やダウンが使われていますため、小さく圧縮して収納し持ち運ぶ事ができます。寝袋を収納袋から出して広げると、徐々に中綿が膨らみますが、人間が寝袋に入ったときに身体と地面に挟まれた中綿はぺちゃんこに潰れるため、断熱力がほとんどなくなります。大概の地面は冷たく、身体の重みで密着した部分から体温が逃げ(ヒートロス、熱損失)て、底冷えします。この現象は、体温と地熱の温度差が大きい春・秋・冬ほど熱損失量も増えます。
これを防ぐため、キャンプ用のマットを使います。キャンプ用のマット体重がかかっても断熱効果が得られるよう設計されています。
『寝心地を快適にする』について・・・最近、畳の上で寝たことはありますか?痛くて寝れなかったという方もいるのではないでしょうか。昨今の快適用品の普及により、強い刺激に敏感になっています。よほどふかふかの芝生以外、寝袋のみで寝ると地面の凸凹や石があたって痛くてまともに寝れません。その衝撃を吸収する役割としてキャンプ用マットが使われます。キャンプ用マットは大きくクローズドセルマット(銀マットなど)とエア注入式の2種類あり、寝心地はエア注入式の方が良いです。
テントの中で寝袋の下に敷くマットは、様々な用途に合わせて、多数の商品があります。皆さんの用途にあった、快適に寝れるマットが見つかりますように☆
このシュラフ、期待を裏切らないので(2022年7月19日):前回、厳冬期赤岳山行用に寝袋#9を購入。外気温-15°の中、ぬくぬくの最高なテン泊が過ごせました。今回の夏期北ア山行用の寝袋もタケモ以外は考えられない。#3と#5で悩みましたが、オールマイティに使える3シーズン用の#5を選択。使うのが楽しみでなりません。自分の山旅生活にタケモの寝袋が使える奇跡の出会いに感謝しています。タケモ寝袋の大ファンです。
温かった(2022年12月5日):10月30日にスリーピングバッグ5を買った。とても良かった。軽く、暖かく。熟睡できた。今までの3シーズン用化繊綿とは次元が違った。雪が降り始めたのでスリーピングバッグ9を追加した。来週が楽しみです。