「本物と呼べる良いものをより安く」という熱いコンセプトを掲げる「タケモ」。その冬用モデル「タケモ スリーピングバッグ7(シュラフ7)」は、知る人ぞ知る名品との呼び声も高い寝袋です。国内の2000m~3000m級の秋冬登山にも対応するスペックを持ちながら、驚くべき価格設定を実現しています。
記事のポイント
- 圧倒的なコストパフォーマンス:大手メーカーの同等クラス(冬山対応)の寝袋と比較し、非常に高いコストパフォーマンスを誇ります。
- 高品質なダウンを充填:750フィルパワーのホワイトダックダウンを700gも封入し、高い保温力を実現しています。
- 堅実な作りと素材:撥水加工された20Dポリエステルリップストップ生地やボックス構造など、冬用として信頼できる堅実な仕様です。
- 温度表記への理解が必要:メーカー独自の「最低使用温度-15℃」表記であり、国際基準(ISO)とは異なる点に注意が必要です。
著者PROFILE

名前:Masaki T
経歴:大手アウトドアショップで寝袋・マットのコーナーを中心に約4年間の接客経験に加え、独自の調査・研究を重ね、アウトドア情報を発信し15年以上。無積雪登山・雪山登山・クライミング・アイスクライミング・自転車旅行・車中泊旅行・ファミリーキャンプなど幅広くアウトドアを経験。(詳細プロフィール)
結論|タケモ スリーピングバッグ7はこんな人におすすめ


タケモ スリーピングバッグ7は、「冬用ダウンシュラフの最初の⼀張りを、賢く⼿に⼊れたい⼈」に最適な選択肢のひとつと言えるでしょう。
具体的には、「冬キャンプや⾞中泊に挑戦したいが、いきなり⾼額な装備は躊躇してしまう」「登⼭⽤としても使える、信頼できる品質の寝袋を、できるだけコストを抑えて導⼊したい」と考える20代から50代の男性に、強くおすすめできます。



⾼品質なダウンをたっぷり使いながらも、販売⽅法をインターネットに絞るなどの⼯夫で驚きの価格を実現しています。この「堅実さ」と「正直さ」が、タケモの寝袋が持つ最⼤の魅⼒です。
- 総合評価レビュー(暖かさ・快適さ・コスパを星で評価)
- 一言でいうとどんな寝袋?(ポジション・コンセプト)
- おすすめできる人・おすすめシーン(登山・車中泊・キャンプなど)
- おすすめしにくい人・シーンとその理由
- このレビューの前提条件(使用環境・気温・マット等の装備)
総合評価レビュー(暖かさ・快適さ・コスパを星で評価)


総合評価:★★★★☆ (4.5 / 5.0)
- 暖かさ:★★★★☆ (4.0)750FPのダウンを700gも使用しており、スペック上の保温力は十分です。ボックス構造やネックチューブもしっかり機能し、冬のキャンプ場や車中泊で寒さを感じることは少ないでしょう。ただし、厳冬期の3000m級登山など、極限環境下での絶対的な安心感としては、最高級モデル(800FP超)に一歩譲る可能性を考慮し、星4つとしました。
- 快適さ:★★★★☆ (4.0)肌触りの良い20Dポリエステル生地と、ふかふかのダウンが体を包み込み、寝心地は非常に良好です。マミー型としては標準的なサイズ感で、窮屈すぎない設計も好感が持てます。ファスナーの噛み込み軽減パーツ(2025年モデルより)の採用も嬉しいポイントです。軽さを最優先したモデルではないため、その点で星を一つ減らしましたが、快適性は高いレベルにあります。
- コスパ:★★★★★ (5.0)文句なしの星5つです。これがタケモ7の真骨頂と言えます。同等クラス(冬山対応、ダウン量700g前後)の寝袋を大手メーカーで探した場合、価格は5万円台後半から6万円台になることも珍しくありません。それが3万円台後半で手に入るというのは、まさに「驚異的」という言葉がふさわしいです。品質と価格のバランスが、あまりにも優れています。



星の評価、特にコストパフォーマンスには心の底から「!」が灯る思いです。この価格でこの品質のダウンシュラフが手に入るというのは、数年前では考えられなかったことかもしれません。初めて冬用寝袋を手にする方が、このタケモ7で素晴らしい冬のアウトドア体験をスタートできたなら…と想像するだけで、こちらまで嬉しくなってしまいます。暖かさや快適さも、この価格帯としては十分すぎるほどの実力を持っていると思います。
一言でいうとどんな寝袋?(ポジション・コンセプト)


「実直な職⼈が作った、価格以上の価値を持つ冬の相棒」
タケモ スリーピングバッグ7の立ち位置は、非常に明確です。「華美な装飾や、最先端すぎ(で高価)な素材は追わない。しかし、寝袋としての基本性能である『暖かさ』と『耐久性』、そして『品質』には絶対に妥協しない。」そんな実直な意志を感じさせます。



コンセプトは、メーカーが掲げる「本物と呼べる良いものをより安く」という言葉にすべて集約されています。インターネット販売に特化し、広告費などを抑えることで、高品質な750FPダウンや堅牢な20D生地、丁寧な縫製(ボックス構造)といった「本物」の仕様を、信じられないような価格で提供しています。
この寝袋は、ブランドロゴのステータス性を求めるのではなく、「本当に良いものを、賢く選びたい」と考える、地に足の着いた大人のためのプロダクトです。派手さはありませんが、手にしたときに「ああ、これは信頼できるな」と、じんわりとした喜びを感じさせてくれる。そんな、玄人好みの逸品と言えるでしょう。



まさに「縁の下の力持ち」といった存在ですね。主役を張る派手さはないかもしれませんが、いざという時(つまり、寒い夜)に、これ以上ないほどの安心感で支えてくれる。そんな寝袋です。この実直さが、アウトドア愛好家の心を掴んでいるのだと思います。「良いものは高い」という常識を、良い意味で裏切ってくれた時の驚きと嬉しさ。それを体現しているのが、このタケモ7ですね。
おすすめできる人・おすすめシーン(登山・車中泊・キャンプなど)
この寝袋が輝くのは、確かな保温力とコストパフォーマンスが求められるシーンです。
おすすめできる人
- 冬キャンプ(平地〜標高1000m程度)に挑戦したいキャンパー電源サイトに頼らず、本格的な冬キャンプを楽しみたい方に最適です。700gのダウン量は、氷点下(-5℃前後)の環境でも十分な保温力を発揮するでしょう。
- 冬の車中泊を快適に過ごしたい人エンジン停止後の冷え込む車内でも、この寝袋があれば朝までぐっすり眠れる安心感があります。
- 秋〜初冬の登山(2000m級)をメインにする登山者「厳冬期の3000m峰」は少し心もとないかもしれませんが、晩秋の北アルプスや、冬の八ヶ岳(営業小屋泊の予備)など、信頼できる保温着として活躍します。
- コストを抑えて冬用装備を揃えたい学生や若手社会人「冬山を始めたいが、装備一式が高すぎる…」という悩みに対する、素晴らしい答えの一つです。
おすすめシーン
- 気温が0℃から-10℃程度まで下がる可能性がある環境
- 積雪期のキャンプ場
- 冬の釣りや天体観測など、夜間にじっとしていることが多いアクティビティ



「冬」と聞くと身構えてしまいますが、この寝袋が一つあるだけで、行動できる季節の幅がぐっと広がります。特に冬キャンプや車中泊での「朝まで寒さで起きなかった」という経験は、何物にも代えがたい喜びがあります。初めての冬用シュラフとしてこれを選び、雪景色の静かな朝を迎える…。そんな感動を、ぜひ味わってみてほしいですね。コストを理由に冬を諦めていた方にこそ、強く背中を押してくれる存在です。
おすすめしにくい人・シーンとその理由


素晴らしい寝袋である一方、その特性ゆえに、すべての人に最適というわけではありません。
おすすめしにくい人
- 装備の軽量化を最優先するウルトラライト(UL)志向の登山者総重量1180gは、冬用としては標準的ですが、最軽量クラス(1000g以下)ではありません。モンベルやナンガの軽量モデルと比較すると、数百グラムの差があります。
- 厳冬期の3000m級など、極限的な登山を主戦場とする人メーカー表記の「最低使用温度-15℃」は、あくまで目安です。「快適」に眠れる温度はそれよりも高くなります。命に直結する環境下では、ISO基準で快適温度が-10℃以下を示すような、さらに上位のモデルを選ぶ方が賢明です。
- ブランドのステータス性や最新機能を重視する人タケモは品質で勝負するブランドです。防水透湿素材や伸縮ストレッチ機能など、大手メーカーが採用する最新機能は搭載されていません。
おすすめしにくいシーン
- ISO基準で「限界温度-20℃」以下が求められるような極寒地
- 少しでも荷物を軽くしたい、数日間にわたる冬期縦走



正直にお伝えすると、この寝袋で「冬の槍ヶ岳山頂でビバーク」は推奨できません。やはり「適材適所」がありますから。タケモ7の魅力は「手の届く価格で、ほとんどの冬のアウトドアをカバーできる」点です。しかし、その「ほとんど」を超える極限の領域を目指す場合は、コストが上がっても、より高い安全マージンを持つ選択(例えばタケモの9や11、あるいは他社のエクスペディションモデル)が必要になります。この見極めが、安全なアウトドアには不可欠ですね。(タケモの9と11の使用経験あります)
このレビューの前提条件(使用環境・気温・マット等の装備)



寝袋の性能は、単体では発揮されません。どのような環境で、どのように使うかが非常に重要です。
このレビューは、以下の条件を前提として評価しています。
- 使用環境:
- 秋から冬(11月〜3月)の平地キャンプ場、または標高1000m前後の高原キャンプ場。
- 冬の車中泊(アイドリングストップ)。
- 晩秋〜初冬の2000m級山岳(無人小屋泊またはテント泊)。
- 想定気温は0℃ 〜 -10℃の範囲。
- 服装:
- 就寝時は、汗で濡れた日中の服は着替え、乾いた状態のベースレイヤー(メリノウールや化繊の長袖・タイツ)を着用。
- 気温に応じて、薄手のダウンジャケットやフリース、ダウンパンツを追加で着用することを想定しています。
- スリーピングマット:
- 寝袋の保温力は、地面からの冷気を遮断するマットがあって初めて機能します。
- R値4.0以上(例:サーマレスト ネオエアーXサーモ、ニーモ テンサーインシュレーテッドなど)の冬用エアマット、またはR値の高いクローズドセルマット(例:サーマレスト Zライトソル)とエアマットの併用を前提とします。



ここ、とても大事なポイントです! よく「-15℃対応って書いてあったのに寒かった」という声を聞きますが、その原因がペラペラの銀マットだったら底冷えして全然無理です!せっかくの高品質ダウンも、地面からの冷気には勝てません。タケモ7の性能をフルに引き出すためにも、R値の高い「冬用マット」の準備は絶対に忘れないでください。このコンビがあってこそ、冬の夜が快適になります。
タケモ スリーピングバッグ7(シュラフ7)の「特徴(スペック・機能)と注意点」を詳しく解説


タケモ スリーピングバッグ7が、なぜこれほどまでに注目されるのか。その秘密は、価格からは想像しにくい「堅実なスペック」にあります。ここでは、その特徴と、購入前に知っておくべき注意点を詳しく見ていきましょう。
- 基本スペック一覧表(サイズ・重量・収納サイズ・形状)
- 中綿素材・構造とフィルパワー(ダウン or 化繊の違い)
- 対応温度域と快適に眠れる気温の目安(ISO23537基準)
- 表地・裏地の素材と耐久性(生地の強さ・防水性・肌触り)
- 価格帯とコスパ評価|同メーカーの人気寝袋との簡易比較
基本スペック一覧表(サイズ・重量・収納サイズ・形状)
まずは、この寝袋の「骨格」とも言える基本スペックを確認します。
| 項目 | スペック |
| 形状 | マミー型 |
| 全長 | 205cm |
| 肩幅(内周囲) | 158cm |
| 足元(内周囲) | 104cm |
| 総重量 | 約1,180g |
| 収納サイズ | φ20cm × 37cm |
| 付属品 | ストリージバッグ(長期保管用メッシュバッグ) |



総重量1180g。これは冬用ダウンシュラフとしては「標準的」な重さです。決して超軽量ではありませんが、その分、生地の耐久性(20D・デニール)を確保しているとも言えます。収納サイズもφ20x37cmと、冬用としては常識的な範囲。ザックの容量を圧迫しすぎない、良いバランスです。そして、見逃せないのが「ストリージバッグ」が標準で付属する点。ダウンのロフト(かさ高)を維持するため、家での保管は必須です。これが付いてくるのは、本当に良心的ですね。
中綿素材・構造とフィルパワー(ダウン or 化繊の違い)
タケモ7の心臓部、それは保温材である「ダウン」です。
- 中綿素材: ホワイトダックダウン (ダウン90% / フェザー10%)
- フィルパワー(FP): 750FP
- 充填量: 700g
- 構造: ボックス構造
アウトドア用寝袋の中綿には、水濡れに強い「化学繊維(化繊)」と、軽くて保温力が高く、コンパクトになる「ダウン」があります。タケモ7は、冬用に求められる高い保温性とコンパクトさを両立するため、高品質なダウンを採用しています。



750FPという数値は、ダウンの「かさ高性(膨らむ力)」を示すもので、一般的に600FP以上が良質、700FP以上が高品質とされます。750FPは、高級ダウンジャケットなどにも使われる、非常に品質の高いダウンです。
その高品質ダウンを700gも充填しています。これが暖かさの源です。
さらに、構造が「ボックス構造」である点も重要です。これは、寝袋の表地と裏地の間に「壁(メッシュ)」を設け、ダウンが小さな箱(ボックス)に分かれて入る構造です。これにより、ダウンが偏るのを防ぎ、縫い目から熱が逃げる「コールドスポット」を最小限に抑えます。コストはかかりますが、ダウンの性能を最大限に引き出すための、冬用シュラフには必須の構造です。
注意点



750FPのダウンを700g。このスペックだけで、もう「おっ!」と声が出そうになります。この組み合わせは、大手メーカーであれば確実に5万円以上の値札が付くレベルです。安価な寝袋が、縫い目(コールドスポット)だらけの「シングルキルト構造」を採用する中で、しっかりと「ボックス構造」を採用している点に、タケモの本気と誠実さを感じずにはいられません。これは「価格なり」ではなく、間違いなく「価格以上」の暖かさを提供してくれるという証左です。
対応温度域と快適に眠れる気温の目安(ISO23537基準)
ここが、タケモ7を選ぶ上で最も重要な注意点です。
- メーカー表記: 最低使用温度 -15℃



多くの海外ブランドや、国内大手メーカー(モンベル、ナンガなど)は、「ISO23537(またはEN13537)」という国際的な統一基準で温度表記をしています。この基準では、以下のように温度が区分されます。



昨今、寝袋の保温力表示として、国際規格のISO23537(旧 EN13537)が採用されることが一般的です。
寝袋の保温力表示の国際規格
ISO23537って何?


- コンフォート温度(快適温度)
標準的な女性(25歳・体重60kg・身長160cm相当)が丸くならずにリラックスして寝ていられる下限温度
⇒自宅で普通に寝ている感じに近い温度 - リミット温度(下限温度・最低使用可能温度)※メーカーで日本語表現が異なる
標準的な男性(25歳・体重70kg・身長173cm相当)が体をすぼめて丸まりながら 8時間眠れる下限温度
⇒いわゆる「耐えられるギリギリの実用下限」に近い温度。 - エクストリーム温度(限界温度)
標準的な女性が 命の危険ギリギリで約6時間耐えられる下限温度
⇒低体温症や凍傷のリスクが高く、ここを基準にシュラフを選ぶのはNG。メーカーによっては最近あえて表示しないことが増えた。



寝袋選びでは、通常は①と②を参考に選びます。
ISO23537の温度表記は日本人には寒い?!
この寝袋の保温力の表示規格はヨーロッパ人が作った規格です。



彼らは日本人よりも寒さに強い人種です。(日本人が長袖・長ズボンでも、欧米人は短パン・Tシャツだったりしますよね。そう、彼らは日本人より寒く感じにくいのです)
私は今までテント泊で夏山から冬山まで計100泊以上、使ってきた寝袋も5個以上ありますし、複数の山仲間とテント泊してきましたが、日本人がこの温度表記を鵜呑みにするのは正直無理あると思っています。
日本人と欧米人の体感温度の差は過去いろいろ調べましたが「約3~5℃違うのでは?」と考えています。
日本人の目安となる温度は?
日本人の目安となる温度は、
- 日本人男性:コンフォート温度(快適温度)とリミット温度(下限温度・最低使用可能温度)の中間の温度 (例:快適温度5℃、最低使用可能温度0℃の場合、3℃くらいがまともに寝れる目安)
- 日本人女性:コンフォート温度(快適温度)
ぐらいじゃないかと、経験上感じています。
マットの断熱力も重要
特に外気温が10℃以下ぐらいになるとマットの断熱力も重要になっています。小さく圧縮できる寝袋は、体重がかかる部分はペチャンコに潰れて断熱できません。体重が乗っても身体と地面の間を断熱できるマットが重要です。特に氷点下になると、マットの性能は死活問題になります。
ISO23537の詳しい内容については↓





しかし、タケモの「最低使用温度 -15℃」は、このISO基準に準拠したものではありません。これはメーカー独自のテストや経験則に基づく「参考値」です。
では、ISO基準に当てはめるとどうなるでしょうか。
スペック(750FP, 700g)が近い他社製品を見ると、イスカの「エアドライト670」(750FP, 670g)が同じくメーカー基準「最低使用温度-15℃」と表記しています。また、ナンガの「オーロラライト750DX」(760FP, 750g)はISO基準で「快適-8℃ / 下限(限界)-16℃」となっています。
これらの情報から推測すると、タケモ7の性能は、ISO基準における「下限(限界)温度」が-15℃前後に相当すると考えるのが妥当でしょう。



つまり、「快適に眠れる温度」は、それよりも高い-5℃〜-8℃程度と見積もっておくのが安全です。
ここ、本当に大切なので繰り返します。「-15℃」という数字だけを見て、「-15℃の環境でTシャツ一枚で快適に眠れる」と誤解してはいけません。これは、あくまで「装備を整え、寒さに慣れた人がギリギリ耐えられるかもしれない」という目安です。タケモ7を安全に使うなら、「-5℃くらいまでなら快適、-10℃近くなるとしっかり着込む必要がある」と考えるのが現実的です。この温度表記の違いを理解することが、冬のアウトドアで命を守る第一歩になります。
表地・裏地の素材と耐久性(生地の強さ・防水性・肌触り)


寝袋の「着心地」や「丈夫さ」を決めるのが生地です。
- 表地・裏地: 20デニール ポリエステルリップストップ
- 加工: 撥水加工



「デニール(D)」は糸の太さを示す単位で、数字が小さいほど薄く軽く、大きいほど厚く丈夫になります。
最軽量クラスの寝袋が7Dや10Dを採用する中で、タケモ7は「20D」を採用しています。これは、軽さよりも「耐久性」を重視した、非常に堅実な選択です。薄すぎる生地は枝や岩での引っかけに気を使いますが、20Dあれば安心感があります。



また、「リップストップ」とは、格子状に太い繊維を織り込むことで、万が一生地が裂けても、それ以上広がりにくくする加工です。
素材は「ポリエステル」です。ナイロンに比べると、吸湿性が低く(濡れても乾きやすい)、紫外線劣化に強い特性があります。肌触りもサラリとしており、寝袋に潜り込むときの感触も良好です。
表面には「撥水加工」が施されており、テント内の結露や、ちょっとした水滴を弾いてくれます。ただし、「防水」ではないため、シュラフカバーなしで雨に濡れることはできません。
20Dポリエステルの採用は、個人的に「わかっているな」と感じるポイントです。最軽量を謳う10D以下の生地は、確かに魅力的ですが、扱うのに少し神経を使います。その点、20Dあれば、キャンプや車中泊で多少ラフに扱ってもへこたれません。この「気兼ねなく使える安心感」は、道具としてとても重要です。撥水加工も結露対策として最低限の機能は果たしてくれます。この生地の選択からも、タケモの実直な道具作りへの姿勢が伝わってきますね。
価格帯とコスパ評価|同メーカーの人気寝袋との簡易比較
タケモ マミー型寝袋 簡易比較
| モデル名 | ダウン量 | FP | 総重量 | 最低使用温度 |
| スリーピングバッグ 5 | 500g | 750 | 960g | -6℃ |
| スリーピングバッグ 7 | 700g | 750 | 1180g | -15℃ |
| スリーピングバッグ 9 | 900g | 750 | 1440g | -25℃ |
「7」にするか「5」にするか迷う方も多いようですが、
- 「3シーズンがメインで、冬はキャンプしない」→ 5
- 「冬キャンプや車中泊、晩秋の登山がしたい」→ 7
- 「厳冬期の2000m級の雪山登山・冬キャンプ」→ 9
という選択が基本になるでしょう。「大は小を兼ねる」とも言いますが、夏場に「7」は暑すぎるため、ご自身のメインシーズンで選ぶのが賢明です。



私はタケモ9を雪山登山でも使ってきていますが、基本的にこれで日本国内の冬をカバーできます。下界の冬であれば北海道など雪国除けばタケモ7で対応できると思います。
タケモ スリーピングバッグ7(シュラフ7)の口コミ・関連動画


タケモ スリーピングバッグ7(シュラフ7)の口コミ
タケモは主にインターネットで販売されているため、購入者のレビューもネット上に多く見られます。特にYahoo!ショッピングの公式ストアでは、高い評価(5点満点中4.8点以上など)が目立ちます。



[amazon]や[楽天]では、時期によって取り扱いがない場合や、レビューが少ないこともありますが、Yahoo!ショッピングや個人ブログ、アウトドアメディア(BE-PAL, YAMA HACKなど)では、以下のような好意的な声が多く見つかります。
良い口コミ
- 「(Yahoo!ショッピングレビューより)とにかくコストパフォーマンスが最高です。このスペックでこの価格は他ではありえない。」
- 「(Yahoo!ショッピングレビューより)ふかふかで、とても暖かい。氷点下のキャンプでも朝までぐっすり眠れました。」
- 「(YAMA HACK掲載のInstagramレビューより)他のメーカーと同スペックの中では圧倒的に安い。品質は縫製がしっかりしている点と、足元のダウン量もしっかりしています。」
- 「(BE-PALレビュー記事より)3年使っているが、収納袋から出すとすぐにふっくら膨らむ。保温性もほとんど新品時と変わらない。」
気になる口コミ・注意点
- 「(レビューブログより)マミー型なので、封筒型に比べるとやや窮屈に感じる人もいるかもしれない。」
- 「(レビューブログより)最軽量モデルではないので、軽さを追求する人には向かない。」
全体として、「価格」と「暖かさ(品質)」のバランスに驚き、満足している声が圧倒的に多い印象です。
タケモ スリーピングバッグ7(シュラフ7)の関連動画



実際に使用している様子や、生地の質感、ダウンの膨らみ(ロフト)は、動画で確認するのが一番分かりやすいです。
- タイトル例: 「この品質でこの価格はヤバい!Takemo(タケモ)の寝袋を紹介します」
- 内容: 実際の開封、収納袋から出した直後の膨らみ具合、生地の質感、ファスナーの動き、中に入った時のサイズ感などをレビューされています。「肌触りが最高」「軽い」「思ったより内側が広い」といった好意的なコメントが印象的です。
圧倒的コストパフォーマンス
最も注目すべきは価格です。
タケモ7は、同等の保温力を持つライバル製品が5万円台後半〜6万円台後半であるのに対し、3万円台後半という、ほぼ「6割〜7割」の価格設定になっています。
軽量性(モンベル)や防水透湿性(ナンガ)といった付加価値を求めないのであれば、タケモ7のコストパフォーマンスは、他を寄せ付けないほど圧倒的です。
タケモ スリーピングバッグ7(シュラフ7)の向いている人/向いていない人
【向いている人】
- 冬キャンプや車中泊を始めたい人
- 品質と価格のバランスを最重要視する賢明な消費者
- 道具に耐久性を求める人(20D生地)
- 「知る人ぞ知る」こだわりのブランドが好きな人
- 大手メーカー品は高すぎると感じている人
【向いていない人】
- 1gでも軽い装備を求めるUL(ウルトラライト)志向の人
- シュラフカバーなしで使える防水透湿性を求める人(ナンガなどが候補)
- モンベルのストレッチ機能など、快適性のための付加機能を求める人
- 厳冬期の3000m級など、極限環境での使用を考えている人
- 国際基準(ISO)の温度表記でないと不安な人
タケモ スリーピングバッグ7(シュラフ7)のよくある質問
Q1: 本当に-15℃でも眠れますか?
A1: メーカー表記の「最低使用温度-15℃」は、あくまで参考値です。ISO基準の限界温度(Limit)に近いと考えられます。寒さに慣れた人が、冬用マットや防寒着を併用して「耐えられる」温度であり、「快適に眠れる」温度は-5℃〜-8℃程度を目安に考えるのが安全です。
Q2: シュラフカバーは必要ですか?
A2: 生地には撥水加工が施されていますが、防水ではありません。テント内の結露が多い場合や、雪の吹き込みが予想される場合は、シュラフカバーを併用することを強く推奨します。カバーは保温力の向上にも寄与します。
Q3: 洗濯やメンテナンスは?
A3: ダウン製品のため、家庭での洗濯は推奨されません。ダウン専用の洗剤を使い、浴槽で押し洗いすることも可能ですが、乾燥に時間と手間がかかります。シーズン終わりに、寝袋専門のクリーニングサービス(例:ナンガの「シュラフお預かりサービス」、ジャブジャブなど)に出すのが最も確実です。
Q4: 「5」と「7」で迷っています。
A4: ご自身の活動フィールドで判断するのが一番です。氷点下になる可能性が少しでもある場所(冬キャンプ、晩秋の標高が高い場所)へ行くなら「7」をおすすめします。「7」は夏には暑すぎますが、「5」では冬は越せません。ご自身の「最も寒い時期」に合わせて選んでみてください。
全体のまとめ


- タケモ7は「本物を安く」を体現する、高コスパな冬用寝袋。
- 750FPの高品質ダウンを700gも使用し、保温力が高い。
- 熱が逃げにくい「ボックス構造」を採用した本格仕様。
- メーカー表記「最低-15℃」はISO基準ではなく、快適目安は-5℃前後。
- ライバル他社(ナンガ、イスカ等)の同等品と比べ、価格が約6〜7割。
- 生地は20Dポリを採用し、耐久性を重視した堅実な作り。
- 総重量1180gは、最軽量ではないが冬用として標準的。
- 冬キャンプ、車中泊、晩秋登山に最適なスペック。
- ダウンの性能維持に必須の「ストリージバッグ」が付属する。
- コストを抑えて冬用装備を揃えたい人に、強くおすすめできる逸品。
タケモ スリーピングバッグ7は、「価格」と「品質」という、時に相反する二つの要素を、驚くべき高次元で両立させた寝袋です。
大手メーカーの同等品に匹敵する「750FP / 700gダウン / ボックス構造」という本格的な冬用スペックを備えながら、価格はその6割程度。この圧倒的なコストパフォーマンスは、「本物を安く」というメーカーの哲学が本物であることの証明です。
もちろん、最軽量でもなければ、最新の機能(防水透湿やストレッチ)もありません。しかし、「冬の夜に、安心して暖かく眠る」という寝袋本来の目的を、これ以上ないほど誠実に、そして手の届きやすい価格で実現してくれます。
冬のアウトドアへの第一歩を踏み出したいけれど、装備の価格に足がすくんでいた。そんな20代〜50代の男性にとって、このタケモ7は、最も信頼でき、そして最も優しい「相棒」となってくれるはずです。この寝袋がもたらす暖かい夜と、冬のアウトドアの素晴らしい体験は、きっと価格以上の価値があると感じさせてくれるでしょう。
実売価格



タケモのシュラフは高品質なので、レビュー評価も非常に高いです☆価格やポイント還元率は、購入時に各サイトでご確認ください。
Amazon、楽天では大型イベントセール、タイムセール、値引きクーポン、ポイントアップキャンペーンで実質売価は変動します。
ユーザーレビュー(amazon)
- コスパ:この値段でこの性能はコスパがいい。この価格でこの品質なら別のグレードも欲しくなる:11月の祖母山(大分)で使用しました。当日の気温は10度と高く、気温に対してかなりオーバースペック気味だったため暑くて寝られませんでした。普段は自宅でも使用しており20度前後の室温でジッパーを開き掛け布団として使用しています。表面の肌触りがよくロフトも均等に配置されているためストレスがなく、家庭用の毛布で寝るよりも寝つきがいいです。強いて気になる点を挙げるなら、私自身、大の字で寝たいタイプなのでシュラフとして使う場合は窮屈感がありますが、これはシュラフ自体が向いていないのだと思います。(タケモさんのシュラフに非はない)また、ジッパーの開閉はスムースですが開閉時の音が少し大きいように思います。山小屋なんかで夜中にシュラフから出る時は気を使うかもしれません。(といっても一般的なテントなどのチャックと同じ程度の音量ですので、そんなもんだと思っています)総じて大変良い買い物でした。
- 間違いないシュラフです:この価格帯のシュラフでは間違いなくコスパが高く、長く使える商品だと思います。1月に千葉でデイキャンプ(夕方〜夜20時過ぎ位)に試しで使ってみました感想ですが、外気温は6度程度でしょうか。重ね着して使用すれば耐えられるかな?と言った感想でした。(テント内にはマットとアルミシート使用)足元には多めのダウンが注入されているとの事でしたがサスガに足元の冷えは凌げませんでした。これは商品のせいではなく、致し方ないと思います。確か限界温度−6度の商品ですが、5度下回る状況ではかなり工夫しないと厳しいのでは?と思いますので冬や早春時期にキャンプする方で寒がりな人は限界温度のさらに低い商品にする方がいいと思いました。モノは間違いなくいい商品です。これから本格的に宿泊で使用したいと思います。
- -1℃環境での使用:標高400m程度の、あまり日が入らない山間で使用しました。気温系でその日の気温を測ったところ、夜中に最低気温-1℃を記録していましたが、一度も目覚める事なく朝まで熟睡できました。


