アウトドア愛好家の間で静かなる熱狂を巻き起こしている「タケモ(Takemo)」の寝袋。大手メーカーに匹敵する高品質なダウンと縫製技術を持ちながら、驚異的なコストパフォーマンスを実現しています。イスカ譲りの技術的背景、代表・武本氏の哲学、実際の保温性、収納性、そして競合他社との詳細な比較までを網羅。なぜタケモが選ばれるのか、タケモ(takemo)の寝袋(シュラフ)を1年間以上使用した経験も踏まえ、その真価と選び方をレビューします。

私はタケモの寝袋を2種類もっています。今まで登山・キャンプで何年も使ってきました! 最軽量を求めない方には、性能・価格のコスパが非常に高くすごく良い寝袋だと実感しています☆
記事のポイント
- イスカ出身の系譜:代表の武本幸司氏は名門シュラフメーカー「イスカ」出身。そのノウハウと中国提携工場の高度な縫製技術が、安価ながら本格的な山岳スペックを実現しています。
- 驚異的なコストパフォーマンス:広告費と流通コストを極限までカットしたD2Cモデルにより、同等スペックの他社製品より数万円単位で安価に提供されています。
- 実用重視の750FPダックダウン:高級なグースではなくあえて高品質なダックダウンを採用し、日本の冬山でも通用する暖かさと手の届きやすい価格を両立しています。
- 進化するディテール:ユーザーの声を受け、2025年モデルからはYKK製ファスナー噛み込み軽減パーツを全モデルに採用するなど、改良が続けられています。
著者PROFILE


名前:Masaki T
経歴:大手アウトドアショップで寝袋・マットのコーナーを中心に約4年間の接客経験に加え、独自の調査・研究を重ね、アウトドア情報を発信し15年以上。無積雪登山・雪山登山・クライミング・アイスクライミング・自転車旅行・車中泊旅行・ファミリーキャンプなど幅広くアウトドアを経験。(詳細プロフィール)
タケモ(Takemo)の寝袋はなぜ評判が良い?知る人ぞ知る3つの特徴
山で静かな夜を過ごすとき、頼りになるのは一枚の寝袋です。多くの登山者やキャンパーが、モンベルやナンガといった有名ブランドのカタログを広げ、その価格に頭を抱える経験をしたことがあるでしょう。そんな中、2015年に彗星のごとく現れ、またたく間に「知る人ぞ知る名品」としての地位を確立したのが和歌山県に拠点を置くTakemo(タケモ)です。



なぜ、これほどまでに評価されるのでしょうか。単に「安いから」だけでは、過酷な自然環境に挑む登山者・キャンパーの心は掴めません。そこには、長年の経験に裏打ちされた確かな技術と、作り手の情熱、そして「本物」を届けたいという執念が隠されています。まずは、タケモというブランドが持つ、他にはない3つの強みについて深く掘り下げていきましょう。
- 【品質】イスカ(ISUKA)譲りの縫製技術とふかふかのダウン
- 【コスパ】有名メーカーと同スペックでも圧倒的に安い理由
- あえての「ダックダウン」採用がもたらす実用的なメリット
【品質】イスカ(ISUKA)譲りの縫製技術とふかふかのダウン
タケモを語る上で欠かせないのが、そのルーツと「人」の物語です。ブランド代表の武本幸司氏は、日本を代表するシュラフ専門メーカー「イスカ(ISUKA)」の出身です。イスカといえば、「心あるモノづくり」を掲げ、質実剛健な作りと日本人の体型に合った裁断で、多くのアルピニストから絶大な信頼を得ている老舗ブランドです。そのイスカで長年培われたノウハウ、素材への審美眼、そして縫製へのこだわりが、タケモの製品には色濃く反映されています。



多くの安価な寝袋、特にAmazonなどで見かける「謎の中華ブランド」との決定的な違いは、構造への理解度にあります。寝袋は単にダウンを詰めれば温かくなるわけではありません。身体のラインに沿うようなカッティング、冷気の侵入を防ぐドラフトチューブ、首元を温めるショルダーウォーマーなど、細部の設計が保温性を左右します。タケモの寝袋は、これらの山岳用シュラフとして必須の機能を、基本に忠実に、そして丁寧に作り込んでいます。
製造拠点についても触れておく必要があります。タケモの製品は中国の工場で製造されていますが、これは単なるコストダウンのためだけではありません。武本氏が長年の経験で見極めた「信頼できる縫製技術を持つ工場」と契約しているのです。



実際、縫製ラインの管理が行き届いており、ダウンの偏りを防ぐバッフル構造(ボックス構造)の仕上がりも非常に美しいのが特徴です。
私はモンベルやマウンテンイクイップメントなどのダウンの寝袋も使ってきていますが、タケモは袋から出した瞬間に空気を吸って大きく膨らむ「ロフト感」は、大手メーカーの高級ラインに全く見劣りしません。
「安かろう悪かろう」ではなく、「プロの目で選んだ工場で作る」のがタケモ流。イスカの遺伝子を受け継ぐその設計思想は、使うたびに安心感を与えてくれます。
【コスパ】有名メーカーと同スペックでも圧倒的に安い理由
タケモの最大の魅力であり、多くのユーザーが驚愕するのがその価格です。例えば、冬山入門用として人気の高い「ダウン量700gクラス」の寝袋で比較してみると、その差は歴然としています。



一般的な国内大手メーカーの同等スペック品(750〜800フィルパワーのダウンを使用)が4万円台後半から6万円台で販売されているのに対し、タケモの同等モデル(スリーピングバッグ7)は約3.5万円(税込)で販売されています。これは、実に数万円もの価格差となります。なぜ、これほどの安さが実現できるのでしょうか。その秘密は、徹底的なコストカットとビジネスモデルにあります。
第一に、広告宣伝費の削減です。タケモはテレビCMや雑誌広告といった高額なプロモーションを一切行っていません。情報は公式サイト、SNS、そして実際に使用したユーザーの口コミ(ブログやYouTubeなど)によってのみ広まっています。「YAMAHACK」や「おるやま登山ブログ」などで紹介されることはありますが、これらはユーザーやメディア側からの自発的な発信が多くを占めます。莫大な広告費が製品価格に上乗せされないため、純粋な製品原価に近い価格での提供が可能となっています。
第二に、流通経路の単純化(D2C)です。タケモは基本的にインターネット通販(公式サイトやBASEショップ)に特化しており、卸売業者や小売店を通さない直販スタイルをとっています。通常、メーカーから消費者に届くまでには、商社や問屋、小売店など複数の中間業者が介在し、それぞれにマージンが発生します。タケモはこの中間マージンを完全にカットすることで、製造原価に近い価格でユーザーに届けることができるのです。
第三に、運営コストの最小化です。タケモは和歌山県橋本市を拠点とする個人事業であり、大規模な本社ビルや多数の従業員を抱えていません。固定費を極限まで抑えることで、利益率を低く設定しても事業が継続できる体制を整えています。「本物と呼べる良いものをより安く!」というコンセプトは、こうした企業努力の積み重ねによって支えられているのです。



広告費を削り、中間業者を通さず、良いものを安く届ける。この潔いビジネスモデルこそが、私たちユーザーにとって最大のメリットを生み出しているのです。
あえての「ダックダウン」採用がもたらす実用的なメリット



タケモの寝袋がコストパフォーマンスに優れているもう一つの理由に、ダウンの種類の選定があります。高級寝袋の多くが「グースダウン(ガチョウ)」を使用しているのに対し、タケモは主に「ホワイトダックダウン(アヒル)」を採用しています。
一般的に、グースダウンの方がダウンボールが大きく、同じ重量であればより多くの空気を含んで膨らむ(フィルパワーが高い)とされています。また、グースの方がニオイが少ないとも言われています。しかし、近年の精製技術の向上により、ダックダウンでも十分な高品質を維持できるようになりました。タケモが採用しているのは750フィルパワー(FP)のホワイトダックダウンです。
「グースでなければ暖かくない」というのは誤解です。750FPあれば、日本の厳冬期の山岳エリアでも十分に対応できる断熱層(デッドエア)を確保できます。あえて最高級のグースを使わず、実用十分な高品質ダックダウンを選択することで、大幅なコストダウンに成功しているのです。90%ダウン、10%フェザーという配合比率も、ロフトの維持とコストのバランスを考え抜いた黄金比と言えます。



また、表地・裏地ともに20D(デニール)のポリエステルリップストップを使用している点も見逃せません。最近の超軽量シュラフでは10Dや7Dといった極薄ナイロンが流行ですが、薄すぎる生地は破れやすく、取り扱いに気を使います。
(私はその昔、モンベルのハイエンドの寝袋のジッパー開閉で噛んで生地が避けたことあります)
一方で、20Dという厚みは、軽さと耐久性のバランスが非常に良く、岩場やテント内での擦れにも強いという実用的なメリットがあります。さらに、ポリエステルはナイロンに比べて吸湿性が低く、乾きやすいという特性もあります。結露が発生しやすい日本の山岳環境において、この素材選びは非常に合理的です。



最高級素材だけが正解ではありません。「必要な性能」を見極め、素材を厳選する姿勢。これこそが、タケモが多くの実用派キャンパーに支持される理由なのです。
【実機レビュー】タケモのシュラフを実際にキャンプで使ってみた感想
スペック上の数値がいかに優れていても、実際のフィールドで快適に眠れなければ意味がありません。ここでは、実際にタケモのシュラフを様々な環境で使用したユーザーの声や、詳細なスペックデータを基に、その肌触り、保温性、そして使い勝手を検証した結果を、余すところなくお伝えします。



カタログスペックでは分からない、実際にフィールドで使うことで見えてくる、タケモの真の実力を詳しくレポートします。
- 実際に雪山で厳冬期モデルを使ってみました
- メリットだけじゃない?収納サイズと重量のリアルな評価
- 気になる「獣臭」と「ファスナー」の真実|2025年モデルの改善点
実際に雪山で厳冬期モデルを使ってみました
厳冬期対応モデルのタケモ スリーピングバッグ9を実際に1月と2月の厳冬期の八ヶ岳登山で使ってみました。





結論から書くと、さすが国内登山用寝袋メーカーで長年勤務されていただけあって、そのエッセンスを大いに引き継いだ完成度の寝袋でした。
私はここ数年はモンベルの厳冬期用寝袋を使用したため、ストレッチしない他社の寝袋を使うと窮屈に感じるのではないか、と思っていましたが、実際にタケモ スリーピングバッグ9を使ってみると、広くもなく、狭くもない、必要以上のコールドスポット(冷えの原因となる隙間)が発生しない体を優しく包み込むような絶妙なフィット感に感心させられました。
実際に2つ雪山持っていって、比較しましたが、モンベルのような伸びはなく、そのままあぐらかくのも難しいですが、遊びが無い分、寝袋に入ってすぐに暖かいと感じました。


左:モンベル#0 右:タケモ9
特に気に入ったのは、スリーピングバッグ9は、足裏のダウン封入量が非常に多く、ダウンの膨らもうとする力でパンパンになるくらい入っているのですが、それが素晴らしいと感じました。


足裏部分のダウンが多くて温かい!
実際にテントで寝ると、寝る人の身長にもよりますが、寝袋の足裏部分のダウンは、テントの生地と足裏に挟まれてに潰されることとが多々あります。そうなる理由としては、山では平坦な場所といっても緩やかに傾斜していることが多く、頭を山側に(高い位置)にもっていくため、寝ていると下っている側(つまり足側)に徐々にずれ落ちること、また、頭側にテントの生地が近いと視覚的に圧迫感があり、テントの生地が風でバタつくのと距離置くため、頭側は余裕を開けて、足側に詰めがちになるためです。
足裏のダウンが押しつぶされると、当然断熱力が低下しますから、足裏が冷えやすくなってきます。ところが、タケモのスリーピングバッグ9は、足裏のダウンが膨らみきれないくらいダウンがパンパンに入っていて、多少足元に体がずれ落ちてきても、テントの生地をそのまま外側に押してしまうため、足裏がほとんど冷えない構造になっていることがわかりました。これは素晴らしい!



その後1年間、耐久性を試すためキャンプ等で何度もこの寝袋を使い続けましたが、羽抜けはほどんど無く、さすがの一言です。(ただし、まだ洗濯は1度もしていませんので、洗濯耐久性は未確認です)
この寝袋は、タケモのホームページに記載されているように
- 昨今の登山用品は素材、機能の進化それに掛かる宣伝費などにより益々、高価格になっています。
- Takemoでは登山用寝袋として最低限ではなく、必要十分以上の素材と品質、構造にこだわりながら、インターネット販売に限定することで徹底的にコストを削減し低価格を実現しました。
- 個人事業ではありますが大企業に負けない最高品質の寝袋をお届けいたします。
を体現した、非常にコストパフォーマンスに優れた厳冬期用寝袋でした。


Takemoの寝袋を使って数年経過しました。私は他のダウンのマミー型寝袋(モンベルなど)も使っていますが、今シーズンの冬に、自宅で寝る時の布団の保温力アップにTakemo スリーピングバッグ9と11のジッパーを連結させてほぼ毎日使ってみました。山岳対応の寝袋は非常に高品質にもかかわらず登山・キャンプ以外では押入れにしまったままなのでもったいない、何か日常でももっと活用できないか、と考えた末の試みです。数ヶ月使いつづけて実感したのは”ダウンの羽抜けの少なさ”です。ダウンの寝袋は、物によってはけっこう羽抜けが目立つものもあります(一晩使うとあちこちに羽が落ちたてたりする)が、羽抜けが非常に少なかったです。(まあ、収納袋に入れず出しっぱなしなので生地自体に強い圧力がかからない、というのもあると思います)
メリットだけじゃない?収納サイズと重量のリアルな評価



もちろん、良い点ばかりではありません。購入後に「こんなはずじゃなかった」と思わないよう、気になる点についても正直にお話ししましょう。
まず挙げられるのが、収納サイズと重量です。タケモの寝袋は、モンベルの「ダウンハガー800」やナンガの「オーロラライト」などのトップモデルと比較すると、収納時のサイズが若干大きく、重量も重くなります。 例えば、タケモのスリーピングバッグ7(700gダウン封入)は総重量が約1,180g、収納サイズはφ20cm×37cmです。対して、モンベルのシームレスダウンハガー800 #1(同等クラス)は総重量866g、収納サイズφ16cm×32cmです。



この約300gの差と、ひと回り大きな収納サイズは、バックパック一つで移動する登山者にとっては無視できない要素です。タケモが20Dという耐久性のある生地を使用し、750FPという「最高級ではないが十分な」ダウンを使用している結果です。ウルトラライト(UL)ハイキングのように、1gでも軽く、少しでも小さくしたいというスタイルの人には、少し嵩張ると感じるかもしれません。
また、付属の収納袋(スタッフバッグ)が多少タイトに作られているという点も、多くのユーザーが指摘するところです。「入れるのにコツがいる」「撤収時に汗だくになる」といった声も聞かれます。



私はダウンの寝袋を複数メーカーの使ってきていますが、タケモが特にタイトということは無いです。平均的な感じですが、そもそも初心者の方には山岳対応できるダウン寝袋を収納袋に入れるのがある程度慣れ・コツが必要です。
ダウンシュラフの収納方法



特に冬山などの極寒環境で、手がかじかんでいる状態での収納は苦労するかもしれません。ただし、これはダウンの反発力が強い(=ロフトが高い)ことの裏返しでもあります。対策として、コンプレッション機能付きの別売りスタッフバッグを用意するか、少し大きめの袋に入れ替えてパッキングするのも一つの賢い運用方法です。
少しの重さと大きさは、耐久性と価格のトレードオフ。収納のキツさは「ダウンが元気な証拠」と捉えましょう。少しの工夫で解決できます。
気になる「獣臭」と「ファスナー」の真実|2025年モデルの改善点
ダウンシュラフを選ぶ際、避けて通れない話題が「獣臭(ダウン特有のニオイ)」です。タケモはダックダウンを使用しているため、グースダウンに比べてニオイが強いのではないか?と心配される方も多いでしょう。



結論から言えば、「個体差はあるが、ほとんど気にならないレベル」というのが大半のユーザーの評価です。公式サイトでも「洗浄には細心の注意を払っている」と明記されており、購入直後や湿度の高い時期には多少ニオイを感じることがあるものの、風通しの良い場所で陰干しをすることで、ニオイは徐々に抜けていきます。
あるユーザーは「ニトリの布団程度のニオイで気にならなかった」と表現し、別のユーザーは「無臭と言ってもいいほどだった」と述べています。一方で、ニオイに敏感なユーザーからは「最初は少し気になったが、2回目からは消えた」という報告もあります。獣臭対策として、使用前に一度広げて空気を入れ替えることが推奨されています。
そして、もう一つ特筆すべき大きな改善点があります。それはファスナーの噛み込みです。かつてのレビューでは「生地を噛み込みやすく、閉口した」という指摘が散見されました。生地が柔らかいがゆえに、スライダーが生地を巻き込んでしまう現象です。 しかし、タケモはこの声に真摯に向き合いました。2025年製造分からは、YKK製の「噛み込み軽減パーツ(K-YOS)」が全モデルに標準採用されることになりました。


このパーツは、スライダー部分にプラスチックのガードを取り付けることで、生地の巻き込みを物理的に防ぐものです。これにより、内側からファスナーを上げる際のストレスが劇的に解消されました。
ユーザーの声を製品改良に直結させるこの姿勢こそが、タケモが信頼される所以です。



ニオイは「生き物の恵み」である証拠ですが、適切な処理で最小限に抑えられています。そして、噛み込み対策の導入は朗報!ストレスフリーな開閉は、寒い夜には本当にありがたい機能です。
失敗しないタケモ寝袋の選び方|季節別のおすすめ番手はこれ
タケモのラインナップは、「スリーピングバッグ」の後に続く数字(番手)で分類されています。この数字はダウンの封入量を示唆していますが、実際にはダウン量だけでなく、構造や対応温度も異なります。ここでは、あなたのキャンプスタイルや登山プランに合わせた、最適なモデルの選び方を詳細なスペックと共に伝授します。
- 「2・3・5・7・9・11」どれを選ぶ?キャンプスタイル別推奨モデル
- 【スリーピングバッグ 2】夏山・インナー利用に特化した最軽量モデル
- 【スリーピングバッグ 3】夏の高山・ミニマリスト向け(軽量コンパクト)
- 【スリーピングバッグ 5】春・夏・秋を遊び尽くす3シーズンの王道
- 【スリーピングバッグ 7】冬キャンプデビューに最適!圧倒的人気のベストセラー
- 【スリーピングバッグ 9】厳冬期の雪山&寒がりさんへの最終兵器
- 【スリーピングバッグ 11】国内最強クラスの保温力!極地仕様
- タケモの寝袋が「向いている人/向いていない人」
- よくある質問
「2・3・5・7・9・11」どれを選ぶ?キャンプスタイル別推奨モデル
タケモのラインナップは数字(番手)がダウン量を示しており、わかりやすいのが特徴です。しかし、単純なダウン量の違いだけでなく、実は構造やサイズにも違いがあります。ここでは、あなたの遊び方に最適なモデルを選べるよう、各番手を詳しく解説します。



数字が大きくなるほど暖かく、重くなります。ご自身の使用シーン(特に季節と標高)をイメージしながら読み進めてください。
- 夏の縦走やキャンプ
→ スリーピングバッグ 2 (総重量:500g、最低使用温度:8℃、) - 春先から夏の高山、秋口から冬の低山
→ スリーピングバッグ 3 (総重量:740g、最低使用温度:2℃) - 春先から秋口にかけて国内の2000m~3000m級の山岳
→ スリーピングバッグ 5 (総重量:960g、最低使用温度:-6℃) - 秋から冬の国内2000m~3000m級の山岳
→ スリーピングバッグ 7 (総重量:1180g、最低使用温度:-15℃) - 厳冬期の国内2000m~3000m級の山岳
→ スリーピングバッグ 9 (総重量:1440g、最低使用温度:-25℃) - 厳冬期の国内3000m級の山岳
→ スリーピングバッグ 11 (総重量:1650g、最低使用温度:-30℃)
【スリーピングバッグ 2】夏山・インナー利用に特化した最軽量モデル


スペックと特徴
- ダウン量:200g (750FP)
- 総重量:約500g
- 最低使用温度:8℃
- 構造:シングル構造(シングルキルト)
タケモのラインナップで最も軽く、コンパクトなモデルです。最大の特徴は「シングル構造」を採用している点です。表地と裏地を直接縫い合わせているため、縫い目部分にはダウンがなく、保温力は控えめですが、圧倒的な軽さと涼しさを実現しています。
おすすめのシチュエーション



真夏の低山キャンプや、山小屋泊でのシーツ代わり、または冬用シュラフの中に入れて保温力をブーストさせる「インナーシュラフ」としての活用に最適です。単体での使用は暖かい時期に限られますが、一つ持っておくと年中使える便利なアイテムです。


【スリーピングバッグ 3】夏の高山・ミニマリスト向け(軽量コンパクト)


スペックと特徴
- ダウン量:300g (750FP)
- 総重量:約730g
- 最低使用温度:2℃
- 構造:ボックス構造
弟分の「2」がシングルキルト構造であるのに対し、この「3」からは「ボックス構造(箱マチ)」が採用されています。これにより、ダウンがしっかりと膨らみ、コールドスポット(冷気の侵入箇所)ができにくくなっています。軽量モデルながら本格的な山岳仕様の作りです。
おすすめのシチュエーション



夏の北アルプス縦走や、荷物を極限まで減らしたいキャンプツーリングに最適です。また、すでに3シーズン用の寝袋を持っている方が、冬用のインナーシュラフ(重ねて使用)として追加購入するのにも適しています。


【スリーピングバッグ 5】春・夏・秋を遊び尽くす3シーズンの王道


スペックと特徴
- ダウン量:500g (750FP)
- 総重量:約960g
- 最低使用温度:-6℃
- 構造:ボックス構造
日本の山岳エリアで最も汎用性が高い「ダウン500gクラス」のモデルです。各社がしのぎを削るこのカテゴリにおいて、タケモは圧倒的なコストパフォーマンスを見せつけます。収納サイズ(φ17cm×34cm)と重量のバランスが良く、バックパックの容量を圧迫しすぎません。
おすすめのシチュエーション



ゴールデンウィークの残雪登山から、晩秋の紅葉キャンプまで幅広くカバーします。標高2000m〜3000m級の夏山登山で、寒がりな方が安心して眠るための選択肢としてもベストです。「とりあえず最初の一本」として購入しても後悔しない万能選手です。


【スリーピングバッグ 7】冬キャンプデビューに最適!圧倒的人気のベストセラー


スペックと特徴
- ダウン量:700g (750FP)
- 総重量:約1,180g
- 最低使用温度:-15℃
- 構造:ボックス構造
他社の冬用エントリーモデルが600g程度のダウン量であることが多い中、タケモは惜しみなく700gを封入しています。シングルドラフトチューブとネックチューブを装備し、首元やファスナーからの冷気を遮断します。
おすすめのシチュエーション



初めて冬のキャンプに挑戦する方、晩秋から冬の低山ハイク、そして車中泊に最適です。平地の冬キャンプであれば、このモデルを選んでおけば凍えることはまずありません。「安くて暖かい冬用寝袋」を探しているなら、これ一択と言っても過言ではありません。


【スリーピングバッグ 9】厳冬期の雪山&寒がりさんへの最終兵器


スペックと特徴(7との違い)
- ダウン量:900g (750FP)
- 総重量:約1,440g
- 最低使用温度:-25℃
- 構造:ボックス構造(ダブルドラフトチューブ)
ここからがいわゆる「厳冬期仕様」となります。「7」との決定的な違いは、ドラフトチューブが上下にある「ダブル構造」に進化した点です。ファスナー部分を両側から挟み込むようにガードするため、冷気の侵入をより強固に防ぎます。また、サイズも一回り大きくなり(肩回り165cm/全長208cm)、厚着をして寝ても窮屈になりにくい設計になっています。
おすすめのシチュエーション
本格的な雪山登山や、北海道・東北の冬キャンプにおすすめです。また、「7でも寒いかもしれない」と不安な極度の寒がりの方にとっても、この過剰なほどの暖かさは大きな安心感となります。


【スリーピングバッグ 11】国内最強クラスの保温力!極地仕様


スペックと特徴
- ダウン量:1,100g (750FP)
- 総重量:約1,640g
- 最低使用温度:-30℃
- 構造:ボックス構造(ダブルドラフトチューブ)
タケモのラインナップで最強の保温力を誇るフラッグシップモデルです。ダウン1.1kgという量は、まるで高級羽毛布団を丸めて持ち運ぶようなボリューム感です。当然、収納サイズは大きくなります(φ24cm×42cm)が、その分、絶対的な暖かさが約束されています。
おすすめのシチュエーション
国内の3000m級冬山、極寒地での天体観測や写真撮影の待機など、動きが少なく体が冷えやすい状況に最適です。絶対に寒さを感じたくない方、暖房のない過酷な環境で快適に眠るための究極の選択肢です。



「大は小を兼ねる」と言いますが、寝袋に関しては「暖かさは正義」です。特に冬のキャンプでは、寒くて眠れない夜ほど辛いものはありません。寒がりな方は少し余裕を持った番手選びをおすすめします。


タケモの寝袋が「向いている人/向いていない人」
タケモの寝袋が向いている人
- コストパフォーマンスを最優先する人: 限られた予算の中で、最大限の暖かさを手に入れたい方に最適です。
- 実用主義のキャンパー・登山者: ブランド名よりも、実際のフィールドでガシガシ使える耐久性と機能を重視する方。
- 初めて冬用シュラフを買う人: 失敗したくない最初の一本として、価格と性能のバランスが取れたタケモは最良の選択です。
- 寒がりの人: 安価なモデルでもダウン量が豊富なため、冷え性の方でも安心して眠れます。
タケモの寝袋が向いていない人
- 1gでも軽くしたいULハイカー: 重さと収納サイズでは、最新の軽量モデル(モンベルの#1など)に一歩譲ります。
- 絶対的なブランドステータスを求める人: 有名ブランドのロゴに所有欲を感じる方には、少し物足りないかもしれません。
- 極度のニオイ敏感な人: ほとんど気にならないレベルですが、ダックダウン特有のニオイが絶対に許せない場合は、超高級グースダウン製品(10万円クラス)を検討すべきかもしれません。



「道具は使ってこそ」と考える方にとって、タケモは最高の相棒になります。逆に、極限の軽量化を目指すストイックな山行には、もう少し予算を出して専用品を選ぶのが正解かもしれません。
よくある質問
- Q. 洗濯はできますか?
A. はい、可能です。ダウンは皮脂汚れなどでロフト(膨らみ)が落ちるため、定期的な洗濯が推奨されています。ご家庭での手洗い、またはコインランドリーの羽毛布団用コース(洗濯ネット必須)で洗うことができます。中性洗剤を使用し、しっかりと乾燥させることが重要です。乾燥機を使用することで、ダウンのロフトが回復し、ふっくらとした状態が蘇ります。 - Q. 保管方法は?
A. 使用後は湿気を抜くために風通しの良い場所で乾燥させてください。長期間使わない場合は、付属の小さなスタッフバッグに入れっぱなしにせず、大きめの保管用バッグ(ストリージバッグ)に入れて、ダウンを潰さないように保管するのが長持ちの秘訣です。タケモの一部のモデルには、保管用のストリージバッグが付属している場合もあります。 - Q. 結露で濡れた場合は?
A. タケモの生地には撥水加工が施されていますが、防水ではありません。テント内の結露が激しい場合や、雪山で使用する場合は、別売りの「シュラフカバー」を併用することを強くおすすめします。これにより、濡れによる保温力の低下を防ぐことができます。



メンテナンスさえしっかりすれば、ダウンシュラフは10年以上使えますよ。
全体のまとめ
- イスカ出身の確かな技術と経験が息づく
- 広告費カットで驚異のコスパを実現した
- 750FPダックダウンで実用十分な暖かさ
- 20D生地は丈夫でラフな使用にも耐える
- 最新モデルはファスナー噛み込みを改善
- スリーピングバッグ7は冬の最強コスパ品
- 収納サイズは少し大きいが許容範囲内だ
- モンベルやナンガより数万円安く買える
- 浮いた予算でマットへの投資が可能になる
- 実用派のキャンパーに愛される名品



タケモの寝袋を選ぶということは、単に「安さ」を選ぶということではありません。それは、ブランド名に惑わされず「本質」を見極める賢い選択であり、浮いた予算で新たな旅の可能性を広げることでもあります。イスカ譲りの確かな技術と、代表・武本氏の情熱が詰まったこの寝袋は、皆様の野外活動を温かく、そして力強く支えてくれるでしょう。
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