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寝袋・シュラフを選ぶときに、保温力はとても重要な選択基準になります。

例えば、登山のテント泊で最低気温が5℃ぐらいまで低下すると予想される場合、その外気温でも快適に眠れるような3シーズン用の寝袋を選ぶのが最適です。

 

各メーカーの寝袋には

” 快適睡眠温度域 0℃ ”

とか、

” 最低使用温度 -6℃ ”

などと書かれているはずです。

 

ところで、いったいどうやってこの数値を算出しているのだろうと思ったことはありませんか?

 

実は、この数値の算出方法は各メーカーでバラバラなのです。

 

もっと簡単にいうと、ものさしが違うということです。

 

ある棒の長さを測るのに、ある会社はメートルで測るのに対し、別の会社ではインチで測定しているようなものです。

具体的には、例えばM社のある寝袋(使用可能温度域-10℃)とI社の寝袋(最低使用温度-10℃)があったとすると、それぞれの会社で評価方法が違うので、単純に比較できないということです。

 

実際にいくつかの会社の評価方法について書いてみたいと思います。(なんとなく見るだけでいいですよ。)

 

2023年追記

寝袋の保温力表示がISO23537(ISO国際規格)として規格化が一般化しています。詳しくは別ページでご確認ください。

 

○モンベル(日本)の寝袋の評価方法

温度域を決める科学的根拠「クロー値」

クロー値とは保温力の単位を示し、1クローは、気温21℃、湿度が50%、風速5cm/秒の室内で、安静状態にある人が平均皮膚温度33℃を維持するのに必要な保温性を表します。

クロー値の算出法は、温度センサーにつけた人形をスリーピングバッグに入れ、人工気象室に一定時間寝かせるサーマルマネキン法を採用(ASTMD1518に準拠)。

このクロー値は当社のテストデータに照合し、各温度息を割り出しています。

 

○イスカ(日本)の寝袋の評価方法

開発されたスリ-ピングバッグが実際にアウトドアで使用された場合に、設計通りの性能を発揮するかということは非常に重要なポイントです。

『東レ人工気象室・テクノラマ』での研究室テストにおいては、テスタ-に取り付けられた温度センサ-で測定される数値的デ-タの収集、またサ-マルイメ-ジャ-による放熱状況などの客観的測定と、テスタ-への問診による体感的な情報のチェックを2日間にわたって行います。

『テクノラマ』は地球上のあらゆる気象環境を再現することが可能な研究施設です。

私たちの場合は、雪上での幕営を想定し、室温は-20℃に設定され、さらに25cmの積雪をつくりだした状況でテストが進められます。

一日の行動で疲労した身体や不安定な天候、夜明け前の厳しい冷え込み、スペ-スの限られた窮屈なテント内部、湿気を帯びたスリ-ピングバッグでの使用感など、研究室の中だけでは決して想像できない状況こそが、実際にアウトドアでお使いになられる方々にとっては最も基本的で重要な問題です。

これらの要素を確認するためには、実際のフィ-ルドにおいての体感的なテストも不可欠な条件です。

 

○ドイター(ドイツ)の寝袋の評価方法

ヨーロピアン・ノームとは、EU諸国間における工業製品の基準となるもので、EN13537は、このうちシュラフに関する温度表記の算出について定義したものです。

個人の感覚でしか得られなかった使用温度を、共通の検査方法で算出し示したものです。

このヨーロピアンノームは、EUで販売されるシュラフの使用温度の測定基準を統一したもので、EU諸国間で販売されるすべてのシュラフに検査および表示が義務付けられています。

また、テストは認定された第三者の検査機関が行う非常に公平でわかりやすい画期的な基準となります。各メーカーが各自に使用温度の表示を行うのとは全く異なります。

 

ここまでちゃんと読んだ方でも、読まない方でも各メーカーで寝袋の保温力の評価方法がぜんぜん違うことがわかるとおもいます。

 

ハッキリ言ってこれは利用者にとってはとても不便な状況です。

何かしら規格基準が統一されるといいな~と思うしだいであります!

(各メーカーで書かれている保温力と実際が極端にずれることは無いはずなので、そこまで神経質にならなくても大丈夫だとおもいます。) 

 

 

この記事を書いた人寝袋選びで大切なこと寝袋とマットは2つで1つ

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著者: Masaki T

2009年末から寝袋と関連装備に特化したこのサイトを開設。いつの間にか運営10年を超える老舗サイトに。ファミリーキャンプから無積雪期登山、厳冬期登山、バイクのキャンプツーリングに自転車旅行、車中泊など、アウトドアを幅広く経験。寝袋の宿泊数は100泊以上~500泊未満。狭い業界ですが、まだまだ知らないこと沢山あり、日々勉強中です☆

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雪山 クローズドセルマット

谷川岳の雪洞で宿泊

今まで様々な状況下で寝てきましたが、100泊以上経験してわかったのが、『保温力に余裕のある寝袋を用意すること』です。

雪山 テント泊 八ヶ岳

雪山テントは換気にも注意(テントが埋まると酸欠に)

雨風や断熱材で守られた家と違い、アウトドアフィールドでの宿泊は天候や外気温の変化を大きく受けます。事前の天気予報より、当日の気温が-5℃程度低かった、などは日常茶飯事です。また、多くのキャンプ場は、最寄りの市街地よりも標高が高い事が多く、天気予報で知ることのできる最寄りの市街地の最低気温よりも気温が低いことが多いです。

自然の中で睡眠をとる体験は素晴らしいですが、寝袋の保温力が足りないと真夜中に早朝に目が冷めます。これは外気温は日の出前の早朝4~5時あたりが最も気温が下がり、また体温も下がっているためです。一度このタイミングで目が冷めてしまうと、身体が芯から冷え切っているため、ここからなかなか眠ることができません。そして、寝不足の状態になります。

楽しいアウトドア体験するはずだったのが、思わぬ寝不足でボーーっとしてしまうのは、もったいないです(しかも連泊でこれが続くとかなりキツイです)。少し汗ばむくらいの保温力の寝袋を選んで、ぜひ素敵なアウトドア体験を満喫してください☆

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山岳・登山用の寝袋マットの選び方の基本(無積雪期)

寝袋と(キャンプ用の)マットは2つで1つです。

キャンプ用のマットの役割は主に『断熱』と『寝心地を快適にする』の2つです。

『断熱』について・・・アウトドア用の寝袋の中綿として、化繊やダウンが使われていますため、小さく圧縮して収納し持ち運ぶ事ができます。寝袋を収納袋から出して広げると、徐々に中綿が膨らみますが、人間が寝袋に入ったときに身体と地面に挟まれた中綿はぺちゃんこに潰れるため、断熱力がほとんどなくなります。大概の地面は冷たく、身体の重みで密着した部分から体温が逃げ(ヒートロス、熱損失)て、底冷えします。この現象は、体温と地熱の温度差が大きい春・秋・冬ほど熱損失量も増えます。

これを防ぐため、キャンプ用のマットを使います。キャンプ用のマット体重がかかっても断熱効果が得られるよう設計されています。

登山ルート上のキャンプ場・テント場

『寝心地を快適にする』について・・・最近、畳の上で寝たことはありますか?痛くて寝れなかったという方もいるのではないでしょうか。昨今の快適用品の普及により、強い刺激に敏感になっています。よほどふかふかの芝生以外、寝袋のみで寝ると地面の凸凹や石があたって痛くてまともに寝れません。その衝撃を吸収する役割としてキャンプ用マットが使われます。キャンプ用マットは大きくクローズドセルマット(銀マットなど)とエア注入式の2種類あり、寝心地はエア注入式の方が良いです。

テントの中で寝袋の下に敷くマットは、様々な用途に合わせて、多数の商品があります。皆さんの用途にあった、快適に寝れるマットが見つかりますように☆

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