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モンベルからタイベックを使用したスリーピングバッグカバーが発売されることになりました。

2018年まで発売していたポルカテックススリーピングバックカバー(撥水ナイロンでできた非防水シュラフカバー)の後継モデルと伺っています。

手頃な価格で寝袋の外部からの防水対策をしたい、保温力を上げたい、荷物を軽くしたい、といった需要に応えるような製品と言えるのかもしれません。

モンベル タイベックシュラフカバー
モンベル タイベックシュラフカバー  [出典:モンベル]

製品情報・仕様

軽量で携行に便利なスリーピングバッグカバーです。保水しにくく、寝袋を蒸れや結露から守る適度な透湿性・通気性を備え、快適な睡眠をサポートします。単体での使用はできません。※防水性はありません。

【価格】価格 ¥5,800 +税

【素材】タイベック(ポリエチレン)
【重量】148g(154g)
【カラー】ホワイト(WT)
【サイズ】最大長225×最大幅84cm
【収納サイズ】9×5×19cm

【透湿性】7,000g/m²・24hrs(JIS L-1099B-1法)

※この対応表が想定するスリーピングバッグのシリーズは、以下の通りです
ダウンハガー900、ダウンハガー800、ダウンハガー800 Women's、ダウンハガー650、バロウバッグ
アルパイン ダウンハガー 800、アルパイン ダウンハガー 650、アルパイン バロウバッグ

 

個人的見解

シュラフカバーはあれば便利な登山アイテム

私も山で何度もテント泊してわかったのですが、シュラフカバーはあれば便利な登山アイテムです。

何度も山で寝泊まりすればわかることですが、天候が変わりやすく、湿度も高くなりがちな標高の高い山では、結露だけでなく、テントを出入りで雨が吹き込んでくる、飲み物をこぼしてしまうなど、寝袋が濡れてしまうような状況は良くあることです。

近年販売されている登山・山岳向けの寝袋・シュラフは、使われている生地が撥水加工されており、少々の水滴は弾きます。しかし、それは水滴がテントの結露や水・お茶をこぼしたなどで生地の上に多少乗った時に大いに活躍しますが、長時間の圧着する水濡れ(雨や結露等で濡れたマットの上に寝た場合にこの状況になります)の場合は生地が濡れてきます。テント1泊であれば、それでも大して問題になりませんが、連泊する場合、その生地が濡れた寝袋を小さな収納袋に圧縮して入れますから、この濡れが徐々に中綿全体に広がり、ダウンが濡れると保温力が下がります。翌日もその寝袋を使い続けるのは単に保温力といったスペック的な話だけでなく、湿った寝袋で寝ることこと事態が、心地よいとは言えません。

寝袋全体をシュラフカバーの薄い生地で包み込めば、寝袋外部からのあらゆる濡れ・汚れの影響からほぼほぼ保護されることになり、大雨でも落ち着いて寝れる、テントを設置したまま登ってる間どのような天候になろうとも寝袋は確実に濡れない、といった安心感に繋がります。

シュラフカバーの素材

シュラフカバーの素材として、高性能なのはゴアテックスのシュラフカバーと認知されています。厳しい氷点下にも対応し、高い撥水性能、防水性能(耐水圧)、透湿性、強度、耐用年数を兼ね備えています。それはまるで、強固な城のように寝袋を保護します。

ただ、重量(2レイヤー、3レイヤーで異なる。200~400g程度)と何より価格(ゴアテックスのシュラフカバーは1.5~2万円程度)が購入をためらう原因でもありました。

価格のことを考えれば、もっと廉価な防水透湿性素材を使った1万円程度のシュラフカバーもありますが、(具体的なメーカー、製品名は挙げませんが)”冬期使用には推奨しない”、”経年劣化により防水性能が5年程度で劣化する”といった話をメーカーから伺っています。

「もっと価格が手頃で耐久性の高いシュラフカバーは無いのだろうか?」そんな市場の需要に答えるように、現れたのがタイベックや類似の素材を使ったシュラフカバーです。透湿性、防水性があり、価格も6~8千円程度です。

タイベックとは

タイベックとは、デュポン社が独自開発した高密度ポリエチレン不織布で、主に建築資材として使われているものです。住宅の外壁の内側に使用され、建築中の住宅でタイベックと書かれた白いシートが壁の内側を覆っている姿を良く見ます。

建物を何年も保護する建築資材のため、通気性、透湿性、軽量、強度があり、耐用年数も長いのが特徴です。(詳細はタイベックの日本語ページで確認できます。

タイベック®は100%高密度ポリエチレンの連続性極細長繊維(0.5-10ミクロン)がランダムに絡み合いシートを形成しています。繊維を高圧で紡糸(フラッシュスパン)し、それを動いているベルト上にクモの巣状に積層し、繊維を熱と圧力だけで結合させます。紡糸スピードと結合条件を変えることにより、ハードタイプ・ソフトタイプを製造することができます。

近年、このタイベック、もしくは類似品がアウトドア用として流用されるようになってきました。

他社のタイベックのシュラフカバーの使用経験

実はこのタイベック等の素材を使用したシュラフカバーは、生地自体にはある程度の防水・透湿性能はありますが、生地の縫い目にシームテープ処理(縫い目の穴から水が染み込んでこないように防水テープを貼り付ける)がされていません。そのため、”完全防水”とは書かれていません。

実は、モンベルのではない他社のタイベックのシュラフカバー(Delta Gear ULタイベック シュラフ)を使ってきています。

「Delta Gear ULタイベック シュラフ」の購入者レビューと実売価格(amazon)

既にゴアテックスのシュラフカバーを持っているため、このタイベックのシュラフカバーは、山仲間への貸出用としての出番が多く、何度も使ってきていますが、機能面だけ考えればこれでもシュラフカバーとして十分かな、というのが正直な感想です。

生地の質感(生地のしなやかさ、滑らかさ、撥水性能など)は、手持のゴアテックスのシュラフカバーには到底及びません。

ただ、外部からの水濡れを考えると、完全防水ではない、と言っても、水の中に浸かるわけではないですし、例え縫い目から水が滲んできてもシュラフの生地自体が撥水加工されているため、深刻な水濡れになるとは考えにくいです。

内部(人間が寝た時に発汗する水分)を外に放出できるかは、シュラフカバーの透湿性が大きく関わってきます。タイベックの透湿性はゴアテックスやその他の防水透湿素材の1/2以下のようです。

以上から、タイベックのシュラフカバーは、主に気温が高めの夏山期間、テント内での利用においては有効な簡易的なシュラフカバーと言えるでしょう。

保温力の向上に関しては、寝袋をシュラフカバーで包むだけで2~3℃程度の保温力が上がりますが、カバー内側がアルミ蒸着でされているものは身体からの放射熱の反射により、より高い保温能力が期待できます。

 

モンベル タイベック スリーピングバッグカバー まとめ

モンベルの「タイベック スリーピングバッグカバー」に話を戻します。(実はこの記事を書いている時点で、まだ入荷待ちの状況で店頭に並んでいないため現物を見れていません。2018/04下旬発売の予定)

他社が発掘した”この手頃な価格で必要十分な性能と軽量なシュラフカバーを”の市場の流れに、モンベルも追従する形で発売されたように感じます。

アルミ蒸着のタイベックではなく、シンプルで軽量なタイベックを利用してきています。【重量】148g(袋込み154g)と非常に軽量です。ただ、【透湿性】7,000g/m²・24hrs(JIS L-1099B-1法)と、同社のブリーズドライテックのシュラフカバーの1/4程度の透湿性です。また、タイベック自体の耐水圧は1000mm程度(膝を付いたら染み出す程度、ブリーズドライテックは20000mmで桁違い)です。

現状、1サイズのみとなっていて、モンベル シュラフの#3,#5,#7のみの対応となっています。これを付けるとモンベルシュラフの特徴であるストレッチもシュラフカバーの横幅で制限されるため、十分に生かされなくなります。

軽量で携行に便利なスリーピングバッグカバーです。保水しにくく、寝袋を蒸れや結露から守る適度な透湿性・通気性を備え、快適な睡眠をサポートします。単体での使用はできません。※防水性はありません。

手頃な価格で寝袋の外部からの防水対策をしたい、保温力を上げたい、荷物を軽くしたい、といった需要に応えるような製品と言えるのかもしれません。

個人的には、結露が発生しやすい(シュラフカバーの内側、外側の気温差が広がる)く、シュラフの結露による濡れが深刻になる冬期(雪山)に使うのは、避けるのが無難と思います。また、いろいろ調べてみると、シームテープ処理していない簡易的なカバーは、大雨でテント内が浸水した場合などには染み込んで寝袋自体が濡れてしまう事例も掲載されていました。

今後、購入者の購入者レビューがamazon等で掲載されていくと思いますので、興味のある方は、それを参考に検討されることをおすすめします。

モンベル タイベックシュラフカバー

「モンベル タイベック スリーピングバッグカバー」の購入者レビューと実売価格

 

また、今まで販売されてきている類似品も掲載しておきますので、比較検討する際の参考にしてみてください。

タイベック、類似の素材のシュラフカバー 一覧

Delta Gear ULタイベック シュラフ

タイベックシルバーを使用したシュラフ&シュラフカバー。タイベックの内側がアルミ蒸着され、アルミニウム蒸着の遮熱性(輻射熱を反射)で保温効果が高い。単体利用可能(寝心地はカサカサします)。前面中央からファスナーが80cm付いており、体温調節しやすい。MサイズとLサイズあります。何度も使えますが、徐々に毛羽立った感じになってきます。

Mサイズ(2018/04時点 ¥ 5,870)

  • 前面中央 : 80cm 【Mサイズ】
  • 外形寸法 : 最大長205cm×最大幅85cm
  • 適応身長 : ~180cm
  • 収納サイズ: φ11 × 23cm
  • 平均重量 : 236g±1g(スタッフサック含む)

Lサイズ(2018/04時点 ¥ 6,370)

  • 外形寸法 : 最大長220cm×最大幅90cm
  • 適応身長 : ~195cm
  • 収納サイズ: φ11 × 24cm
  • 平均重量 : 263g±1g(スタッフサック含む)

 

「ULタイベックシュラフ Mサイズ、Lサイズ」の購入者レビューと実売価格(amazon)

 

関連ページ

「シュラフカバー」関連ページ

目次

この記事を書いた人寝袋選びで大切なこと寝袋とマットは2つで1つ

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著者: Masaki T

2009年末から寝袋と関連装備に特化したこのサイトを開設。いつの間にか運営10年を超える老舗サイトに。ファミリーキャンプから無積雪期登山、厳冬期登山、バイクのキャンプツーリングに自転車旅行、車中泊など、アウトドアを幅広く経験。寝袋の宿泊数は100泊以上~500泊未満。狭い業界ですが、まだまだ知らないこと沢山あり、日々勉強中です☆

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雪山 クローズドセルマット

谷川岳の雪洞で宿泊

今まで様々な状況下で寝てきましたが、100泊以上経験してわかったのが、『保温力に余裕のある寝袋を用意すること』です。

雪山 テント泊 八ヶ岳

雪山テントは換気にも注意(テントが埋まると酸欠に)

雨風や断熱材で守られた家と違い、アウトドアフィールドでの宿泊は天候や外気温の変化を大きく受けます。事前の天気予報より、当日の気温が-5℃程度低かった、などは日常茶飯事です。また、多くのキャンプ場は、最寄りの市街地よりも標高が高い事が多く、天気予報で知ることのできる最寄りの市街地の最低気温よりも気温が低いことが多いです。

自然の中で睡眠をとる体験は素晴らしいですが、寝袋の保温力が足りないと真夜中に早朝に目が冷めます。これは外気温は日の出前の早朝4~5時あたりが最も気温が下がり、また体温も下がっているためです。一度このタイミングで目が冷めてしまうと、身体が芯から冷え切っているため、ここからなかなか眠ることができません。そして、寝不足の状態になります。

楽しいアウトドア体験するはずだったのが、思わぬ寝不足でボーーっとしてしまうのは、もったいないです(しかも連泊でこれが続くとかなりキツイです)。少し汗ばむくらいの保温力の寝袋を選んで、ぜひ素敵なアウトドア体験を満喫してください☆

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山岳・登山用の寝袋マットの選び方の基本(無積雪期)

寝袋と(キャンプ用の)マットは2つで1つです。

キャンプ用のマットの役割は主に『断熱』と『寝心地を快適にする』の2つです。

『断熱』について・・・アウトドア用の寝袋の中綿として、化繊やダウンが使われていますため、小さく圧縮して収納し持ち運ぶ事ができます。寝袋を収納袋から出して広げると、徐々に中綿が膨らみますが、人間が寝袋に入ったときに身体と地面に挟まれた中綿はぺちゃんこに潰れるため、断熱力がほとんどなくなります。大概の地面は冷たく、身体の重みで密着した部分から体温が逃げ(ヒートロス、熱損失)て、底冷えします。この現象は、体温と地熱の温度差が大きい春・秋・冬ほど熱損失量も増えます。

これを防ぐため、キャンプ用のマットを使います。キャンプ用のマット体重がかかっても断熱効果が得られるよう設計されています。

登山ルート上のキャンプ場・テント場

『寝心地を快適にする』について・・・最近、畳の上で寝たことはありますか?痛くて寝れなかったという方もいるのではないでしょうか。昨今の快適用品の普及により、強い刺激に敏感になっています。よほどふかふかの芝生以外、寝袋のみで寝ると地面の凸凹や石があたって痛くてまともに寝れません。その衝撃を吸収する役割としてキャンプ用マットが使われます。キャンプ用マットは大きくクローズドセルマット(銀マットなど)とエア注入式の2種類あり、寝心地はエア注入式の方が良いです。

テントの中で寝袋の下に敷くマットは、様々な用途に合わせて、多数の商品があります。皆さんの用途にあった、快適に寝れるマットが見つかりますように☆

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