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キャンプで寝袋で寝る時の服装を考える(薄着or厚着)

先日、「ダウンシュラフは薄着で寝ると効果的なのか?」と質問があったので、そのことについて経験を踏まえて記載してみたいと思います。

結論を先に書くと「外気温と体温差が小さい時期であれば、薄着で就寝で十分かもしれませんが、外気温が10度未満の時期は温かい服装で寝るのがおすすめです。

 

目次

寝袋で寝る時の服装は薄着の方が温かい???

PA180081 1 キャンプで寝袋で寝る時の服装を考える(薄着or厚着)

この内容は、結構昔から個人のブログ記事だけでなく、シュラフメーカーのWebサイトでも記載されることがある内容です。普通に考えたら厚着の方が温かいはずなのですが、なぜ、このように記載されるのか、もう少し詳しく考察してみたいと思います。

 

薄着の方が寝袋内の温度は上がりやすいが・・・

ダウンジャケットなどのインサレーションジャケットは断熱力が高く熱が外に漏れにくくなります。

上半身は、ある意味、身体の主要な熱源(発熱量が多い部分)です。ダウンジャケットを着て寝ると、発熱源の上半身の熱が寝袋内に伝わりにくくなり、寝袋内の温度がそれほど上がりにくくなります。

ジャケットで覆われている部分はもちろん温かいのですが、それ以外の露出した手・薄着の下半身を取り囲む空気がそれほど上がらず、結果的にそれほど暖かく感じない、となる可能性があります。

つまり、寝袋内の温度を上げるには、上半身は厚着しすぎない程度に留める(例:フリースを着るだけ)ことで、適度に寝袋内の温度を上げて、全身が温かい空気に包まれるやすくなります。

 

ただし、この話はいくつかの条件が重なった時に有効な話と思います。

  • ①寝袋の保温力が十分に高い
  • ②外気温が低すぎない
  • ③寝袋から出たり入ったりしない

 

①寝袋の保温力が十分に高い

薄着で寝た場合、外気温に対して十分に保温力がある(寝袋とマット自体に断熱力がある)に薄着で就寝可能です。夏用の寝袋を秋に使って薄着で寝ると、保温力不足でただただ寒くて寝れないだけになります。

②外気温が低すぎない

寝袋で寝る時の外気温(寝袋の外側の気温)が経験上ですが1桁以下(10℃未満)になってくると、就寝時に寝袋内部に直接侵入してくる冷気が気になってきます。

タケモ スリーピングバッグ9を使ってみました。

気密性が高く保温力を発揮しやすい構造のマミー型でも顔部分は呼吸のために露出しています。寝返りした時にそこから寝袋の内側と外側で空気が出入りします。ある寝返りをした時に、バフーーーっと寝袋内の体温で温められた空気が外に出て、また違う寝返りした時に外側の冷たい空気がバフーーーっと寝袋内部に入り込んできます。この空気の出入りは、ショルダーウォーマー(ネックバッフル)が付いていないモデルでは出入りしやすく、ネックバッフル付きモデルではある程度抑制されます。

寝袋・シュラフのネックバッフル ショルダーウォーマー

ショルダーウォーマー(ネックバッフル)付きのマミー型寝袋

一般的に氷点下対応のマミー型寝袋には、このショルダーウォーマー(ネックバッフル)が付いていて、3シーズン用ではほとんど付きません。

厳冬期の八ヶ岳のテント泊を例にすると、夜中に外気温が-15℃程度になり、わずかに冷気空気が入ってくるだけで、寝袋内の温度が容易に下がってしまいます。

 

③寝袋から出たり入ったりしない

断熱力の高い一般家屋と違い、キャンプでは外と薄い生地で仕切られているのみで、テント内と外の気温差がそれほど高くありません。

八ヶ岳 行者小屋でテント内外の温度差測定

テント内外温度差 測定結果

過去に、テントの内と外の気温の温度を温度データロガーで測定したことありますが、テント内と外の温度差は約3℃で、テントの保温力はその程度、という結果を得ました。

また、上のグラフからもわかるように、夜中の夜明けの時間帯が最も気温が下がります。

何度かキャンプすると、夜中に起きてトイレへ行った経験がある方も多いと思います。薄着で寝ていると、例え寝袋内が温かくても、寝袋から出てとても寒い外に行かねばなりません。この時に薄着だと、どれだけ身体が温まっていても、一瞬で身体が冷えます。キャンプでの薄着の就寝は、外気温が低く、かつトイレなど夜中に起きる可能性が高い状況では避けるのが無難です。

 

雪山あるある

実は外気温が氷点下になってくるくらいになると、空気が乾燥している(冷たい空気は内包している水蒸気量が少なく、呼吸で吸い込むと空気が温められると同時に身体の水分を奪っていく)ために、夜中に1~2度ほど水分補給することが多いです(水が凍らないようにお湯を保温瓶にいれて、枕元に置いておきます)。

谷川岳雪洞でシュラフで寝る

その時、寝袋のジッパーを少し開けて、両手と上半身を外に出すことになります。この時に寝袋内部の熱も逃げるだけでなく、寝袋の外に上半身が出ますから、ある程度しっかりと厚着していないと、身体が冷えてしまい再度就寝することが難しくなってしまいます。

また、雪山ではその乾燥対策ゆえに、夕食では多量の水分を補給でき、かつ身体も温まる”鍋料理”を食べることが多いです。水分摂取量が多いため、キンキンに冷えた夜中に起きて雪の上をキュッキュッと鳴らしながらトイレまで移動することもあります。

 

個人的意見

外気温と体温差が小さい時期であれば、薄着で就寝で十分かもしれませんが、外気温が10度未満の時期は温かい服装で寝るのがおすすめです。外気温が氷点下の場合にはなおさらです。

以下、雪山で寝る時の私の服装実例です。

雪山・冬山のテント内で寝るときの服装

重ね着のポイントは、上半身から足先までインサレーションでしっかり重ね着することです。厚着する、となった場合、上半身のみを用意する方も少なくないですが、氷点下付近になってくると、下半身もしっかり保温していないと夜中にトイレ行っただけでかなり身体が冷える&寒いです。上記の例は、私が何度も雪山でテント泊など経験を重ねるうちに至った服装です。

具体的な装備に関しては、別のページに記載していますので、興味のある方は参考になさってください☆

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