友人が、シートゥーサミットの冬季用の寝袋(シュラフ) アルパインシリーズ ApⅡ(EN13537:comfort -9℃/lower limit -15℃/extream -35℃)を安く購入して、キャンプに持ってきてくれたので、私も試しに入ってみました(^^)
■スペックEN13537:comfort -9℃/lower limit -15℃/extream -35℃Down: ULTRA-DRY Down™ 850+ Loft 90/10 Premium Goose DownFill weight: Regular 710gBag weight: Regular 1365g
実は、日本の登山用品店で販売している登山用の寝袋は日本メーカーのモンベル、イスカ、ナンガがほとんど、品揃えが豊富なお店でも海外メーカーのドイター、マウンテンエクイップメントなど老舗メーカーのがわずかに置いている状況です。シートゥーサミットのシュラフは今回始めてみました。(シートゥーサミットがシュラフ作っているのさえ知らなかったです。)
このアルパインシリーズ ApⅡは、シートゥーサミットのシュラフシリーズの中でも、高所登山用に作られた高い保温力と軽さを両立したハイエンドモデルです。
出典:seatosummit
まずは広げて、ざっと見てみます。
850フィルパワーのグースダウンを使っています。メーカーHPにULTRA-DRY Downと書いていたので、撥水ダウンですね。
保温力は、EN13537(スリーピングバッグの保温力表示を統一するためにEU諸国で決められた規格)のリミット温度が-15℃ですから、日本国内の厳冬期登山に一般的に選ばれる保温力です。
重量は、レギュラーサイズで1365gです。
ざっくりと見た感じは、私が持っているMountain EquipmentのHELIUM 800に似ているなと感じました。
今回、別の友人が持ってきたモンベルのU.L Super Spiral #1のショートモデルと、私が持ってきた タケモ スリーピングバッグ 9も広げて入って比較して入ってみました。
うーん、ApⅡは結構狭いですね。
通常、厳冬期用のシュラフは、厚手の防寒着を着て寝るのが前提でシュラフ内のサイズが決められているため、薄手の服装で入った場合は上半身はけっこうゆとりがあるのですが、私の体格ではApⅡは薄手の状態でもぴったりです。
もし、雪山用の防寒着着てこれに入ったら、ビッタビタで、防寒着のロフトが潰れるな、と思いました。
まあ、実際に雪山でApⅡ使うのは細マッチョクライマーの友人が使うので、これくらい細くても大丈夫かもしれませんが。
因みに比べたモンベルはかなりゆったりサイズで、タケモはちょうどいいサイズだと思います。(実際に雪山で使っていますので)
ApⅡはジッパーからの放熱を防ぐダウンチューブ片側のみなのですが、この構造は寝ていると手がスポット入りやすくと冷たく感じやすいのです。雪山に入ると、ジッパ部分は非常に冷たくなっていますから、そこに手が入るとかなり冷たく感じます。
私は多くの日本のシュラフメーカーが採用しているダブルチューブの方が、ジッパーに手が当たらなくて、手が冷えにくい構造だと思います。
細かいところは実際に雪山で使ってみないとわからないです。氷点下の世界では、ちょっとした作りの違いが体感温度に大きく影響します。
ざっと見た感じで、ApⅡの特徴といえば、収納袋ですね。
最初から、コンプレッションバッグになっています。
収納袋自体は、ゆったりめのサイズで、難なくシュラフを収納できます。そこから体の胸を押し当ててコンプレッションできます。(写真のはコンプレッションが雑ですが)
もう冬が近づいてきましたが、友人と雪山(たぶんアイスクライミング)にいく予定ですので、その時に使用感等をいろいろ聞いてみたいと思います(^^)
それにしても、数あるシュラフメーカーの中から、日本国内であまり流通していないシートゥーサミットのシュラフを選んで購入するとは、物好きな友人です♪
参考リンク
SEA TO SUMMIT Sleeping Bag : http://www.seatosummit.com.au/sleepingbags/
著者PROFILE
2009年末から寝袋と関連装備に特化したこのサイトを開設。いつの間にか運営10年を超える老舗サイトに。ファミリーキャンプから無積雪期登山、厳冬期登山、バイクのキャンプツーリングに自転車旅行、車中泊など、アウトドアを幅広く経験。寝袋の宿泊数は100泊以上~500泊未満。狭い業界ですが、まだまだ知らないこと沢山あり、日々勉強中です☆
谷川岳の雪洞で宿泊
今まで様々な状況下で寝てきましたが、100泊以上経験してわかったのが、『保温力に余裕のある寝袋を用意すること』です。
雪山テントは換気にも注意(テントが埋まると酸欠に)
雨風や断熱材で守られた家と違い、アウトドアフィールドでの宿泊は天候や外気温の変化を大きく受けます。事前の天気予報より、当日の気温が-5℃程度低かった、などは日常茶飯事です。また、多くのキャンプ場は、最寄りの市街地よりも標高が高い事が多く、天気予報で知ることのできる最寄りの市街地の最低気温よりも気温が低いことが多いです。
自然の中で睡眠をとる体験は素晴らしいですが、寝袋の保温力が足りないと真夜中に早朝に目が冷めます。これは外気温は日の出前の早朝4~5時あたりが最も気温が下がり、また体温も下がっているためです。一度このタイミングで目が冷めてしまうと、身体が芯から冷え切っているため、ここからなかなか眠ることができません。そして、寝不足の状態になります。
楽しいアウトドア体験するはずだったのが、思わぬ寝不足でボーーっとしてしまうのは、もったいないです(しかも連泊でこれが続くとかなりキツイです)。少し汗ばむくらいの保温力の寝袋を選んで、ぜひ素敵なアウトドア体験を満喫してください☆
寝袋と(キャンプ用の)マットは2つで1つです。
キャンプ用のマットの役割は主に『断熱』と『寝心地を快適にする』の2つです。
『断熱』について・・・アウトドア用の寝袋の中綿として、化繊やダウンが使われていますため、小さく圧縮して収納し持ち運ぶ事ができます。寝袋を収納袋から出して広げると、徐々に中綿が膨らみますが、人間が寝袋に入ったときに身体と地面に挟まれた中綿はぺちゃんこに潰れるため、断熱力がほとんどなくなります。大概の地面は冷たく、身体の重みで密着した部分から体温が逃げ(ヒートロス、熱損失)て、底冷えします。この現象は、体温と地熱の温度差が大きい春・秋・冬ほど熱損失量も増えます。
これを防ぐため、キャンプ用のマットを使います。キャンプ用のマット体重がかかっても断熱効果が得られるよう設計されています。
『寝心地を快適にする』について・・・最近、畳の上で寝たことはありますか?痛くて寝れなかったという方もいるのではないでしょうか。昨今の快適用品の普及により、強い刺激に敏感になっています。よほどふかふかの芝生以外、寝袋のみで寝ると地面の凸凹や石があたって痛くてまともに寝れません。その衝撃を吸収する役割としてキャンプ用マットが使われます。キャンプ用マットは大きくクローズドセルマット(銀マットなど)とエア注入式の2種類あり、寝心地はエア注入式の方が良いです。
テントの中で寝袋の下に敷くマットは、様々な用途に合わせて、多数の商品があります。皆さんの用途にあった、快適に寝れるマットが見つかりますように☆