登山愛好家から絶大な信頼を寄せられるサーモスの山専ボトル。特に人気の高い750mlと900ml、どちらを選ぶべきか悩む方は多いでしょう。本記事では、それぞれの重量、保温力、そして実際の使用シーンにおける湯量の違いを専門的な視点で詳しく分析します。

ソロでの軽快な登山か、あるいは厳しい冬山での安心感か。
私は雪山へ行くのと、普段使いでも家族とシェアすることも多いので、900を買いました!普段遣いには大きいけど、雪山で使うなら、断然900がおすすめですね。先日、アイスクラミング行った時、日帰りですが、900ml全部飲み切りましたね。他の仲間も山専ボトルで900使ってましたよ。
記事のポイント
- 750mlは軽量性と必要十分な湯量を兼ね備えたソロ登山の黄金バランスモデル
- 900mlは過酷な環境下での高い保温力と、複数人でも使える余裕の容量が魅力
- バックパックのサイドポケットへの収まりや、パッキングのしやすさに明確な差がある
- 山での食事メニュー(カップ麺やコーヒー)から必要な湯量を逆算して選ぶのが正解
著者PROFILE


名前:Masaki T
経歴:大手アウトドアショップで寝袋・マットのコーナーを中心に約4年間の接客経験に加え、独自の調査・研究を重ね、アウトドア情報を発信し15年以上。無積雪登山・雪山登山・クライミング・アイスクライミング・自転車旅行・車中泊旅行・ファミリーキャンプなど幅広くアウトドアを経験。(詳細プロフィール)
結論|山専ボトル750・900はこんな人におすすめ


軽量さと湯量のバランスが良い「750ml」が向いている人
山を歩く際、一歩一歩の軽やかさを大切にしたい方にとって、750mlサイズ(FFX-751)はまさに理想的な選択肢となります。このボトルの最大の美点は、360gという驚くべき軽さと、一日の行動に必要な湯量を高い次元で両立させている点にあります。



一般的なカップ麺を作るのに必要な湯量は約300mlから400ml、食後のコーヒーを一杯楽しむのに約200ml。これらを合わせても600ml程度ですから、750mlの容量があれば、予備の白湯を含めてもちょうど使い切れる計算になります。ソロでの日帰り登山であれば、これ以上でもこれ以下でもない、絶妙な充足感を与えてくれるはずです。
また、ボトルの直径が約7.5cmとスリムに設計されているため、多くのバックパックのサイドポケットにすっぽりと収まります。歩きながらさっと取り出し、温かい飲み物で喉を潤す。そんなリズムを崩さない登山スタイルを好む方に、この750mlは寄り添ってくれるでしょう。



750mlは、荷物を1gでも削りたいけれど、山頂での温かい食事も諦めたくないという欲張りな願いを叶えてくれるサイズです。実際に手に取ると、そのスリムさに驚かれるかもしれません。ソロ登山がメインなら、このサイズを選んで後悔することはまずないと言えるでしょう。
冬山や複数人での使用もこなす「900ml」が向いている人


一方で、厳冬期の雪山に挑む方や、パートナーと一緒に登山を楽しむ方には、900mlサイズ(FFX-901)がこの上ない安心感をもたらします。冬の山では、冷え切った体を温めるためだけでなく、万が一の際に雪を溶かすための種火ならぬ種湯として、余裕のある湯量を持つことが安全に直結します。



900mlの魅力は、その圧倒的な保温力にもあります。物理の法則として、容量が大きいほど中身は冷めにくくなります。早朝に沸騰させたお湯が、極寒の山頂に到着した後でも、カップ麺を十分に調理できる温度を保っている。この信頼感こそが山専ボトルの真骨頂です。
また、二人分のカップ麺を作る、あるいはたっぷりとコーヒーを淹れて仲間と分かち合うといったシーンでは、900mlの容量が威力を発揮します。重量は390g(シリコンパーツ含む)と、750mlと比較してもわずか30gの差。このわずかな重量増で「足りなくなるかもしれない」という不安から解放されるのであれば、非常に価値のある選択と言えるのではないでしょうか。



900mlサイズは、まさに頼れる兄貴分のような存在です。特に冬場は、お湯を多めに持っているだけで心にゆとりが生まれます。グループ登山のリーダーを務める方や、山での食事を豪華に楽しみたい方にとって、この余裕こそが最大のメリットになるはずです。
迷ったら「カップ麺+コーヒー」に必要な湯量で選ぶ



もし、どちらのサイズにするか決めかねているのなら、ご自身が山で何を食べるかを具体的にイメージしてみてください。このイメージトレーニングこそが、失敗しないギア選びの第一歩となります。
例えば、人気のある日清食品のカップヌードル(標準サイズ)であれば、必要なお湯は約300mlです。これに加えて、お気に入りのマグカップで淹れるドリップコーヒーが約200ml。合計で500mlになります。これだけなら500mlサイズのボトルでも足りそうですが、実際には山での調理中にこぼしてしまったり、あるいはスープを少し多めに入れたくなったりすることもあります。
また、最近人気の高い「リフィル(詰め替え)タイプ」のカップ麺や、スープデリなどのサイドメニューも楽しみたいとなると、必要量はさらに増えていきます。750mlであれば、食事+コーヒーに加えて、下山中の水分補給用の一杯までまかなえます。一方、カップ麺を二つ食べる、あるいは大きなサイズのカップ麺(キングサイズなど)を選ぶのであれば、900mlでなければ足りなくなってしまいます。



このように、メニューから逆算して「自分にとっての適量」を導き出すことで、自ずと手に取るべきボトルが見えてくるでしょう。
山でお湯が足りなくてコーヒーを諦めるもどかしさは、せっかくの山行に影を落としかねません。ご自身の胃袋と相談して、少しだけ余裕を持ったサイズを選ぶのが、山をより楽しむためのコツです。
山専ボトル750と900の決定的な違いを徹底比較


山専ボトル750


山専ボトル900
重さとサイズの差がザックのパッキングに与える影響
ここでは、二つのボトルの具体的な数値を比較してみましょう。数値で見るとわずかな差でも、限られたスペースのバックパック内では大きな違いとして現れます。
| 項目 | 750ml(FFX-752/旧FFX-751) | 900ml(FFX-902/旧FFX-901) |
| 直径 (約) | 8.0cm | 8.0cm |
| 高さ (約) | 26.0cm | 30.0cm |
| 本体重量 (約) | 360g | 390g |
| 口径 (約) | 3.6cm | 3.6cm |
750と900は、幅・奥行(=太さ)は同じです。違いが出るのは主に「高さ」で、750は約26cm、900は約30cm。そのため、収納性の差は「細さ」ではなく「高さの短さ」で出ます。バックパックのサイドポケットやボトルホルダーに入れたとき、750のほうが上方向の飛び出しが少なく、動いたときの干渉が起きにくいのがメリットです。
一方で、900は容量が大きいぶん高さが出るので、収納場所(ポケットの深さ・ベルト位置)との相性を確認して選ぶのが確実です。



パッキングの際、ボトルの高さは意外な盲点になります。ご自身がメインで使っているバックパックの深さを一度測ってみることをおすすめします。30cmという長さは、実物を見るとかなり存在感がありますが、その分、プロ仕様の道具を使っているという高揚感も味わえます。
保温・保冷力のスペック差をチェック
山専ボトルを選ぶ最大の理由は、その驚異的な保温性能にあります。メーカー公式のデータを確認すると、サイズの大きい900mlの方が、わずかに高い保温性能を誇っていることが分かります。
保温効力(6時間後)の比較:
- FFX-751 (750ml):78度以上
- FFX-901 (900ml):80度以上
(※室温20度において、沸騰したてのお湯を満たし、6時間放置した場合の温度)
この2度の差をどう捉えるかは人それぞれですが、気温が氷点下になるような過酷な環境下では、このわずかな差が「熱々のカップ麺」か「少しぬるいカップ麺」かの境界線になることもあります。冷めにくいということは、それだけ熱エネルギーが内部に蓄えられている証拠です。



また、保冷性能についても同様です。夏の登山で氷をたっぷり入れた冷たいスポーツドリンクを持ち歩く際も、容量の大きい900mlの方が、外気温の影響を受けにくく、夕方まで氷が残っている確率が高まります。一年を通して最高のパフォーマンスを求めるのであれば、900mlの持つ「容量の余裕が生む温度維持力」は、強力な武器になるでしょう。
サーモスの技術力にはいつも驚かされますが、この2度の差を「されど2度」と感じるのが登山の深みでもあります。熱いお湯があるということは、山での選択肢を広げてくれます。究極の性能を求めるなら、迷わず900mlのスペックを信頼して良いでしょう。
山専ボトル選びの最終確認とまとめ


全体のまとめ
- ソロでの軽快な登山を楽しみたいなら750mlがベスト
- 冬山やグループ登山での安心感を優先するなら900ml
- 750mlは軽量化と十分な容量のバランスが秀逸なモデル
- 900mlは最大級の保温力を誇り過酷な環境に強い
- どちらも30gというわずかな重量差に技術が詰まっている
- カップ麺とコーヒーのセットを楽しむならどちらも合格点
- グローブでも回しやすいノンスリップ構造は両サイズ共通
- シリコン製の底カバーが岩場でのダメージを優しく防ぐ
- 最後は「山でどう過ごしたいか」という直感を信じて選ぶ
750mlの軽快さを相棒に尾根を駆けるもよし、900mlの頼もしさを背負って雪深い森をゆくもよし。どちらを選んでも、サーモスの技術がその山行をしっかりと支えてくれます。
実売価格



わずか数百円から千円程度の差で、一回り大きな安心が手に入ると考えることもできます。長く愛用できる道具ですので、価格差よりも「使い勝手」を優先して選ぶのが、結果として最もコストパフォーマンスの高い買い物になるでしょう。
私は雪山用を考えて900を選びましたが、冬登山で使わないなら、750でも対応できると思います。
各ECサイトでの最新の実売価格は以下の通りです。季節やセール状況により変動するため、最新の情報をご確認ください。
ユーザーレビュー(amazon)
- 【750ml】山や家で愛用:山に登るので愛用しています。やはり普通のステンレスボトルと違い山に登った時カップラーメンを作る時熱々でした。容量もカップラーメンとコーヒーが飲めるくらいでちょうど良いです。また家でも朝に白湯を入れて気が向いた時にのんでます。冷めないから助かります。
- 【750ml】使える:雪山登山マイナス5℃でもお湯暑かったです。ただ、水筒ケースは必要かと。水筒そのままは冷たくなるかもしれません。今回アルミの保温ケースにくるんでたので、問題なく休憩に暖かい物飲めたし、ラーメンのお湯としても使えました。
- 【900ml】定番のサーモボトル:三世代は、一世代の山専サーモより軽量で扱いやすい。特にネジキャップ。デザインはタフ型。コーヒードリップに適した湯量調整。保温性能は十分。800→900mLも好感。
- 【900ml】山火事防止にも!?:主に冬季の登山に使用しています。当日の朝に沸かしたお湯なら冬でもお昼のカップラーメンに十分使用可能です。いちいちバーナーを持参する必要がなく、山火事防止にも寄与している自負もあり!



