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<2023年更新!>近年、タイベックをアウトドアに流用する傾向が見られるようになりました。実は、私自身タイベックのシュラフカバー、簡易ツェルトを登山で使っている経験があります。そこで、改めてタイベックについて、体験談も含め情報を掲載することにしました。

  

タイベックは軽量ですが、摩耗耐久性がそれほど高くないです。(元々、そういう目的で作られていませんので)

 

タイベックとは?

  

タイベックとは、デュポン社が独自開発した高密度ポリエチレン不織布です。

0.5~10ミクロンのポリエチレンの極細長繊維をランダムに積層し、熱と圧力だけで結合させたシート(不織布)で、建築資材として使われています。

日本国内で約400万棟以上、全世界で1,000万棟以上の住宅に使用されています。※当社出荷量より推定 [出典:タイベック]

  

建築中の家を見ると、外壁の内側に白いタイベックがシートが一面に貼り付けられている様子を見かけることがあります。

 

特徴

POINT

タイベックは、家の寿命を長くするために使われていて、適度な強度、透湿性、防水性があり、性能劣化しにくい、単位面積あたり軽い、価格も手頃という特徴があります。

特に、建築資材(家は何十年も使う)ですので、タイベックの商品説明に

30年以上の実績と厳密な品質検査に基づき、20年保証を導入しております。

と書かれているぐらい、建築資材としての利用では、性能が劣化しにくいです。

 

種類

タイベックには、建築資材、化学防護服用、医療用、グラフィック・印刷用など用途別にいくつもの種類があります。

建築資材用のタイベックでは、

  • タイベック ハウスラップ(ソフトタイプ、ハードタイプあるスタンダードな製品)
  • タイベック シルバー(タイベックにアルミニウムを蒸着させた遮熱シート)

などあります。

それぞれのスペックは、旭・デュポン フラッシュスパン プロダクツ株式会社のホームページに”物性表”として強度、透湿抵抗、防水性、防風性など掲載されいたので、一部抜粋します。

 タイベック
ハウスラップ
(ソフトタイプ)
タイベック
ハウスラップ
(ハードタイプ)
タイベック
シルバー
透湿抵抗(㎡・s・Pa/μg)0.170.120.18
防水性(Kpa)19.6以上1719
目付け(g/㎡)586159
厚み(mm)0.160.170.18

アウトドア用品の防水性(耐水圧)は、一般的に水柱ミリメートルで表記(例:耐水圧20,000mm)されているため、比較しにくいですが、こちらの単位換算ツールで変換すると、

17Kpa = 1,733mm

となります。

  

これは、アウトドア用品で使われる防水透湿素材の耐水圧から比較すると1桁少なく、傘やテントのレインフライ程度の耐水圧になります。

透湿性は、透湿抵抗(㎡・s・Pa/μg)で表記されこれもアウトドア用品でよく使われる透湿性能の評価方法と異なります。

POINT

モンベル タイベックシュラフカバー
モンベル タイベックシュラフカバー  [出典:モンベル]

2018年にモンベルからタイベックのシュラフカバーが発売されましたが、カタログに【透湿性】7,000g/m²・24hrs(JIS L-1099B-1法)と書かれていたため、その数値からそれほど離れていないと思われます。

見慣れない目付け(g/㎡)の表記は、単位面積あたりの重量を表していて、1平方メートルあたりの重量になります。どの種類も1平方メートルで約60g程度と非常に軽量なのがわかります。厚みも、0.2mm以下と薄いです。

 

 

その他のスペック(引張強度など)に興味のある方は直接確認してみてください。

 

登山・キャンプでの使用例

以上のような適度な透湿性、防水性、軽量性と適度な強度があり、価格も手頃なため、登山・キャンプ用品として流用しているケースが見られます。

 

グランドシート

テントの下にグランドシートとして使われることもあります。購入したタイベックシートをテントの床の大きさに合わせて接着や切断して工夫しているようです。

私が調べた限り、タイベックシートは幅1.0m~3.0mの幅の数十m巻で製品化されているようです。(種類により異なるようです)

横幅が1m程度の山岳テントであれば、接着無しでグランドシートが作れますが、大きなファミリーテントのグランドシートであれば、サイズによっては幅が足りず接着が必要になる可能性もあります。

経験談

タイベックシートは白色のため、泥汚れが結構目立ちます。

タイベックの表面が少しガサガサしているため、土の粒子が一度入り込むと洗ってもなかなか取りきれません。使えば使うほどシートの泥汚れが目立って、ちょっと汚くなってきます。

  

安価&軽量&多少の耐水圧もありますので、それを理解した上で使うのも一つの選択肢かと思います。

 

シュラフカバー

  

複数のメーカーからタイベックを使用したシュラフカバーが製品化されています。

タイベック生地を仕入れて、工夫してシュラフカバーに加工している方もいるようです。ただ、綺麗に袋状にするには裁断と縫製技術が必要になってきます。

 

 

 

タイベックを使った感想

 

タイベックのシュラフカバー

Delta Gear ULタイベック シュラフの商品提供を受け、その後登山で何度か使ってきています。

  

2022年時点で、在庫切れとなっていますが、その他メーカーのタイベックシュラフカバー選びの参考になると思いますので、掲載しておきます。

元々ゴアテックスのシュラフカバーを持っているため、実験や友人への貸出用に使っています。

Delta GearのULタイベック シュラフは、タイベックシルバー(高密度ポリエチレン不織布タイベックにアルミニウムを蒸着させ、さらに繊維の一本いっぽんにアルミニウムの劣化を防ぐ抗酸化樹脂コーティングを施したもの)を使用しています。そのため、裏側が銀色で、体温の輻射熱による保温効果も得られます。

実際に使ってみて感じたのは、簡易的なシュラフカバーとして、これでも十分かな、と感じます。タイベックは軽量なので、何気なく持っていこうかなという気軽さがあります。

タイベックの簡易ツェルト

Delta Gearさんの強力を得て、試作で作った簡易ツェルトがあります。(販売されていません)

どのタイベックを使ったのか、確認していません。(もしかしたらソフトタイベックの品番1446Bあたりではないかと)

2名用でツェルトから顔が出せる吹き出し口が2個(ヘルメットでも通過するサイズにしています)あり、主に御来光待ちの防寒対策、荷物置きなど意外と何度も使っています。

 

 

タイベックを使って気になった点

適度な透湿性、防水性など建築資材としては優れたタイベックですが、実際にアウトドアで使うと気になってくる点もいくつかでてきました。

  

以下、ゴアテックスなど防水透湿性素材の生地と比較した感想になります。

 

摩擦に強くない

ULタイベックシュラフの収納袋もタイベックシルバーが使わているのですが、その表面が毛羽立ち、わずかに毛玉ができています。

経験談

登山では様々な荷物をギュッとザックに詰め込むため、圧力がかかった状態で他の荷物と摩擦しますが、どうやら強い圧力のかかった摩擦にはそれほど強くないようです。(一般的なナイロン製の収納袋はよほど使い込まない限り摩耗の跡が見られない)

 

 

撥水性はそれほど高くない

上の写真は、タイベックシルバーの白い面に、薄く赤色を付けた水滴を垂らした様子ですが、それほど撥水していないのがわかります。

経験談

アウトドア用品で多用されている撥水加工されたナイロン生地であれば、面白いようにコロコロと水滴が玉にように滑り落ちますが、タイベックシルバーで実験する限り、それほどではありません。水滴を手で払い除けても、タイベック表面に水の膜が残ります。乾いたティッシュで拭き取っても、生地の表面に湿った感じが残ります。

 

 

白いので汚れが目立つ

また、実際に何度も使った気づいた点は、タイベックは色が白のため、一度汚れが付着するとその後目立ちやすいです。

経験談

表面に微小の凹凸があるため、そこに汚れが残ります。

ある方のサイトに、洗濯したらある程度綺麗になったと書かれていましたが、タイベック基本的に洗濯できない(洗濯後の性能が保証されない)ようなので、自己責任になります。

 

  

アウトドアで使うと、泥汚れが付着しやすいので、道具を綺麗に管理されたい方には気になるかもしれません。

 

 

タイベック生地の購入方法

タイベックは、1m幅✕50m巻のような規格で流通しています。個人がアウトドア用途で使うには量が多すぎるのですが、昨今、amazonや楽天などで切り売りサイズで販売されています。

 

(そのまま”タイベック”で検索すると、防護服、カバンなどタイベック生地を使った製品がでてきますので、生地を購入したい方は”タイベック シート”で検索するのがおすすめです)

 

また、少しマニアックですが、アウトドア用素材を販売しているOMM / アウトドア・マテリアル・マートもご紹介しておきます。(3m幅のタイベックを取り扱っているようです)

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目次

この記事を書いた人寝袋選びで大切なこと寝袋とマットは2つで1つ

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著者: Masaki T

2009年末から寝袋と関連装備に特化したこのサイトを開設。いつの間にか運営10年を超える老舗サイトに。ファミリーキャンプから無積雪期登山、厳冬期登山、バイクのキャンプツーリングに自転車旅行、車中泊など、アウトドアを幅広く経験。寝袋の宿泊数は100泊以上~500泊未満。狭い業界ですが、まだまだ知らないこと沢山あり、日々勉強中です☆

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雪山 クローズドセルマット

谷川岳の雪洞で宿泊

今まで様々な状況下で寝てきましたが、100泊以上経験してわかったのが、『保温力に余裕のある寝袋を用意すること』です。

雪山 テント泊 八ヶ岳

雪山テントは換気にも注意(テントが埋まると酸欠に)

雨風や断熱材で守られた家と違い、アウトドアフィールドでの宿泊は天候や外気温の変化を大きく受けます。事前の天気予報より、当日の気温が-5℃程度低かった、などは日常茶飯事です。また、多くのキャンプ場は、最寄りの市街地よりも標高が高い事が多く、天気予報で知ることのできる最寄りの市街地の最低気温よりも気温が低いことが多いです。

自然の中で睡眠をとる体験は素晴らしいですが、寝袋の保温力が足りないと真夜中に早朝に目が冷めます。これは外気温は日の出前の早朝4~5時あたりが最も気温が下がり、また体温も下がっているためです。一度このタイミングで目が冷めてしまうと、身体が芯から冷え切っているため、ここからなかなか眠ることができません。そして、寝不足の状態になります。

楽しいアウトドア体験するはずだったのが、思わぬ寝不足でボーーっとしてしまうのは、もったいないです(しかも連泊でこれが続くとかなりキツイです)。少し汗ばむくらいの保温力の寝袋を選んで、ぜひ素敵なアウトドア体験を満喫してください☆

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山岳・登山用の寝袋マットの選び方の基本(無積雪期)

寝袋と(キャンプ用の)マットは2つで1つです。

キャンプ用のマットの役割は主に『断熱』と『寝心地を快適にする』の2つです。

『断熱』について・・・アウトドア用の寝袋の中綿として、化繊やダウンが使われていますため、小さく圧縮して収納し持ち運ぶ事ができます。寝袋を収納袋から出して広げると、徐々に中綿が膨らみますが、人間が寝袋に入ったときに身体と地面に挟まれた中綿はぺちゃんこに潰れるため、断熱力がほとんどなくなります。大概の地面は冷たく、身体の重みで密着した部分から体温が逃げ(ヒートロス、熱損失)て、底冷えします。この現象は、体温と地熱の温度差が大きい春・秋・冬ほど熱損失量も増えます。

これを防ぐため、キャンプ用のマットを使います。キャンプ用のマット体重がかかっても断熱効果が得られるよう設計されています。

登山ルート上のキャンプ場・テント場

『寝心地を快適にする』について・・・最近、畳の上で寝たことはありますか?痛くて寝れなかったという方もいるのではないでしょうか。昨今の快適用品の普及により、強い刺激に敏感になっています。よほどふかふかの芝生以外、寝袋のみで寝ると地面の凸凹や石があたって痛くてまともに寝れません。その衝撃を吸収する役割としてキャンプ用マットが使われます。キャンプ用マットは大きくクローズドセルマット(銀マットなど)とエア注入式の2種類あり、寝心地はエア注入式の方が良いです。

テントの中で寝袋の下に敷くマットは、様々な用途に合わせて、多数の商品があります。皆さんの用途にあった、快適に寝れるマットが見つかりますように☆

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