<2025年更新!>近年、タイベックをアウトドアに流用する傾向が見られるようになりました。実は、私自身タイベックのシュラフカバー、簡易ツェルトを登山で使っている経験があります。そこで、改めてタイベックについて、体験談も含め情報を掲載することにしました。

タイベックは軽量ですが、摩耗耐久性がそれほど高くないです。(元々、そういう目的で作られていませんので)
著者PROFILE


経歴:大手アウトドアショップで寝袋・マットのコーナーを中心に約4年間の接客経験に加え、独自の調査・研究を重ね、アウトドア情報を発信し15年以上。無積雪登山・雪山登山・クライミング・アイスクライミング・自転車旅行・車中泊旅行・ファミリーキャンプなど幅広くアウトドアを経験。(詳細プロフィール) 名前:Masaki T
タイベックとは?



タイベックとは、デュポン社が独自開発した高密度ポリエチレン不織布です。
0.5~10ミクロンのポリエチレンの極細長繊維をランダムに積層し、熱と圧力だけで結合させたシート(不織布)で、建築資材として使われています。
日本国内で約400万棟以上、全世界で1,000万棟以上の住宅に使用されています。※当社出荷量より推定 [出典:タイベック]



建築中の家を見ると、外壁の内側に白いタイベックがシートが一面に貼り付けられている様子を見かけることがあります。
特徴
特に、建築資材(家は何十年も使う)ですので、タイベックの商品説明に
30年以上の実績と厳密な品質検査に基づき、20年保証を導入しております。
と書かれているぐらい、建築資材としての利用では、性能が劣化しにくいです。
種類
タイベックには、建築資材、化学防護服用、医療用、グラフィック・印刷用など用途別にいくつもの種類があります。
建築資材用のタイベックでは、
- タイベック ハウスラップ(ソフトタイプ、ハードタイプあるスタンダードな製品)
- タイベック シルバー(タイベックにアルミニウムを蒸着させた遮熱シート)
などあります。
それぞれのスペックは、旭・デュポン フラッシュスパン プロダクツ株式会社のホームページに”物性表”として強度、透湿抵抗、防水性、防風性など掲載されいたので、一部抜粋します。
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アウトドア用品の防水性(耐水圧)は、一般的に水柱ミリメートルで表記(例:耐水圧20,000mm)されているため、比較しにくいですが、こちらの単位換算ツールで変換すると、
17Kpa = 1,733mm
となります。



これは、アウトドア用品で使われる防水透湿素材の耐水圧から比較すると1桁少なく、傘やテントのレインフライ程度の耐水圧になります。
透湿性は、透湿抵抗(㎡・s・Pa/μg)で表記されこれもアウトドア用品でよく使われる透湿性能の評価方法と異なります。


モンベル タイベックシュラフカバー [出典:モンベル]
2018年にモンベルからタイベックのシュラフカバーが発売されましたが、カタログに【透湿性】7,000g/m²・24hrs(JIS L-1099B-1法)と書かれていたため、その数値からそれほど離れていないと思われます。
見慣れない目付け(g/㎡)の表記は、単位面積あたりの重量を表していて、1平方メートルあたりの重量になります。どの種類も1平方メートルで約60g程度と非常に軽量なのがわかります。厚みも、0.2mm以下と薄いです。
その他のスペック(引張強度など)に興味のある方は直接確認してみてください。
登山・キャンプでの使用例
以上のような適度な透湿性、防水性、軽量性と適度な強度があり、価格も手頃なため、登山・キャンプ用品として流用しているケースが見られます。
グランドシート
テントの下にグランドシートとして使われることもあります。購入したタイベックシートをテントの床の大きさに合わせて接着や切断して工夫しているようです。
私が調べた限り、タイベックシートは幅1.0m~3.0mの幅の数十m巻で製品化されているようです。(種類により異なるようです)
横幅が1m程度の山岳テントであれば、接着無しでグランドシートが作れますが、大きなファミリーテントのグランドシートであれば、サイズによっては幅が足りず接着が必要になる可能性もあります。
タイベックシートは白色のため、泥汚れが結構目立ちます。


タイベックの表面が少しガサガサしているため、土の粒子が一度入り込むと洗ってもなかなか取りきれません。使えば使うほどシートの泥汚れが目立って、ちょっと汚くなってきます。



安価&軽量&多少の耐水圧もありますので、それを理解した上で使うのも一つの選択肢かと思います。
タイベックは、家の寿命を長くするために使われていて、適度な強度、透湿性、防水性があり、性能劣化しにくい、単位面積あたり軽い、価格も手頃という特徴があります。