ありそうで意外に少ない子供用の寝袋・シュラフ。
林間学校、サマースクール、ボーイスカウト、ガールスカウト、キャンプ、野外活動などで急いで子供用の寝袋が必要になったけど何を選べばよいかわからない・・・と配布されたプリント片手に困られているご両親が多いことと思います。
そこで、子供用の寝袋・シュラフの選び方について解説します。
目次
家族のファミリーキャンプであれば大人用で対応可
最初に記載しておきますが、基本的に家族でファミリーキャンプを楽しむ場合は、子供に大人用の寝袋で寝てもらう選択肢もあります。
寝袋の製品寿命は結構長く、適切なメンテナンスをすれば長年使えます(中綿がポリエステル繊維の場合、膨らみは徐々に低下(圧縮されて収納保管されるるのが主要因)して保温力が低下していきますが、寝袋として10年以上使い続けることも)
子供用の寝袋を購入すると、子供が大きくなったときに長さが足りず使えなくなってしまう可能性があり、家族でのファミリーキャンプでは大人用で十分対応できます。

また、親とくっついて寝たい子供の場合、一人用より、親と一緒に寝れる幅広タイプの寝袋の方が安心して眠れるようです。
ファミリーキャンプ向けの寝袋は、下記ページが参考になると思います。
どんな時に子供用寝袋を用意する?
子供用の寝袋を用意した方が良いのは、親元を離れて寝袋を使う機会がある時です。
例えば、林間学校、サマースクール、ボーイスカウト、ガールスカウト、キャンプ、野外活動などが該当します。
特に、長時間ザック(リュック)に入れて持ち運ぶような使い方をする場合は、子供用がおすすめです。(大人用に設計された必要以上に大きく重い寝袋を子供に背負わせるのはおすすめではありません)
子供用の寝袋の良いところは、子供の体格に合わせて作られているだけでなく、子供の力でも使いこなせるよう考慮されて設計されていることです。
何回使うかわからない子供用寝袋をわざわざ用意するかどうか親としては悩むところですが、長時間持ち運ぶような場合は用意してあげるのが良いと思います。(子供用寝袋は価格も手頃です)
子供用の寝袋の選び方
それでは、子供用の寝袋の選び方を説明します。
子供用の寝袋を選ぶ上で重要なポイントは、
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1、寝袋の適応身長が子供の身長より大きい
2、寝袋の保温能力に余裕があること
3、コンパクトで軽いこと
4、子供自身がちゃんと収納できること
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です。
1、寝袋の適応身長が子供の身長より大きい
当たり前のことですが、子供の身長が140cmの場合は、適応身長が140cm以上の子供用寝袋を選びましょう。
おおよそ子供の身長が150cm以上の場合は、一般的に売られている大人用の寝袋で良いとおもいます。
2、寝袋の保温能力に余裕があること
例えばテントに宿泊する場合、そのキャンプ場の深夜の最低気温が10℃の場合は寝袋の保温力が7℃以上のものを選ぶと良いでしょう。
つまり、保温力には3℃程度の余裕があるのが好ましいです。
夏のキャンプの場合は、薄手の寝袋でも対応できますが、春や秋の気温が低い場合は慎重に選ばれることをおすすめします。
保温力不足で子供が風邪をひいてしまっては、子供自身がかわいそうですし、周りにも迷惑をかけてしまいます。
3、できるだけコンパクトで軽いものを
宿泊施設・キャンプ地まで主にバス・車で移動し、子供達が寝袋を持ち運ぶ距離が短い(例えば、移動するバス⇔テント間の持ち運びのみ)場合、寝袋の収納サイズが多少大きくなる中綿(寝袋の保温材)が化学繊維(中空ポリエステル)でも問題ないと思います。(大概の方はここに該当すると思います)
しかし、子供が寝袋をリュックに入れて何時間も背負ったまま登山する、などハードな内容の場合は、寝袋の中綿がダウンの軽量・コンパクトな登山対応の大人用寝袋を用意した方が良いかもしれません。(同じ保温力の寝袋でも、中綿がダウンの場合、中綿が化繊ポリエステルの寝袋に比べて、価格は約10倍、重量・収納サイズ共に約1/2程度になる)
あまりいないと思いますが、子供が荷物を背負って長時間・数日間の登山するなど、ハードな用途で使う方は、下記ページをご参考に。
4、子供自身がちゃんと収納できること
寝袋を使った後に子供自身が収納できるかということも、選ぶ上で重要なポイントです。
子供は大人よりも力がありません。特に小学生だと、寝袋の種類によっては子供の力では収納できない場合もあります。(ただ、収納時にサポートしてくれる大人が近くにいる場合は、それほど気にしなくてもよいかもしれません)
子供用の寝袋は、キャンプ初心者の子供でも収納できるよう工夫されています。。。とはいうものの、今まで幾人も子供が寝袋を収納する様子を見てきましたが、広げた寝袋を収納袋に入れる作業がなかなか上手くできないケースも見てきました。
子供用の寝袋を購入したら、自宅で収納の練習をして収納するコツを体得してから、本番を迎えましょう。
メーカー別 おすすめの子供用寝袋
子供用の寝袋は、大人用の寝袋に比べて商品数がずっと少ないため、商品選びにそれほど迷わないです。
ここでは定番の子供用寝袋を中心に紹介します。
コールマン
◆夏用
2016年にコールマンの子供用寝袋がスクールマミー⇒スクールキッズへとリニューアルされました。旧モデルのスクールマミーは、マミー型でしたが、新モデルのスクールキッズは封筒型になっています。
リニューアルにより、暑い夏などジッパーをフリープンして毛布のように下に敷いたり、上からかけたりする使い方ができるよう対応するためと思います。(暑い日は寝袋に入ってられないため)
重量はスクールマミーも同じ700gで、子供でもあつかえる重量となっています。
表にネームカードがあって、誰のかすぐわかります。(他の子供のと間違わない)
足元が開き、保温力調節がしやすいです。
キッズも簡単に収納できるワイドな横型EZキャリーケース付きです。
旧モデルからリニューアルされて数年経過し、amazon等でも多数の購入者レビュー、評価が付いてますが、いずれも高評価です。
- 初めての寝袋にワクワク♪(2020年3月27日):6歳3歳の兄妹の寝袋として、青とピンクで揃えました。初めての自分の寝袋なので、すごく喜んでくれました。子供は暑がりなので、足側が開けられるのが条件でした。真冬の使用は厳しいですが、毛布や掛け布団を併用したり、親の筒型寝袋(開いて2枚連結タイプ)の中に入れることで、対応可能かと思います。また、コンパクトに収納できるのは非常に助かっています。ちなみに165センチ60キロの父親でも十分入れます。
- 小さめで子供にも扱いやすい(2019年10月11日):子供はよく汗をかきますが、小さめで丸洗いができるので、気軽に使用できます。大人のものも洗えるものがほとんどですが、小さめのこちらのほうがお手軽です。小2の子供のサマースクールに持たせました。ロールアップが大人のものより簡単で使い勝手がよかったそうです。4歳の兄弟にも追加購入しようと思います。
「コールマン スクールキッズ C10」の購入者レビューと実売価格
([参考価格]2020/04/01時点、C10:¥ 2,911 )
◆3シーズン(春夏秋用)
春(ゴールデンウィーク)、秋の時期のキャンプや林間学校等であれば、それに合わせて保温力の高い寝袋を用意することになります。
スクールキッズの春秋対応バージョンです。
小さい子供1人での収納は簡単ではないですが、数少ない子供用の春秋も使える貴重な寝袋です。
旧モデルから身長にあわせて長さを調節し、足元の余分なスペースをなくして暖かさをキープできるように進化しました。
足元にファスナーが付いていて
こんな感じで
短くできます。
短い時は使用サイズが140cm以下、伸ばした時は170cm以下になっています。
暑い時は足元のファスナーが開いて温度調節できます。
大人に比べて力の弱い子供自身でも丸めて収納しやすいように、バックルが付いています。
キッズも簡単に収納できるワイドな横型EZキャリーケース付きです。(子供は大人のように強い力で化繊の寝袋を丸めることができないことがあり、そうすると丸めたときの径が大きくなりため、収納袋は大きいのが使いやすいです。)
快適温度が4℃以上となっていますが、子供は寝相が悪く寝袋内の熱が逃げやすく、初春や晩秋などの山間部の夜は非常に冷える(市街地より温度が低い)ため、この快適温度付近に近づく可能性があるときは、防寒着を事前に用意しておくことをおすすめします。
以下、amazonの購入者レビューを抜粋。
- サイズ(2019年11月28日):最長170cmとなってますが145cmの子供が入ってピッタリでした。もう少し大きくなったら使えなくなります。が保温性は良く朝までぐっすり寝てました。
- 暖かいようです。(2020年3月31日):身長160センチの娘が使用しています。ウレタンマット、エアマットプラスシュラフカバーで外気温0度で朝まで眠れたようです。上下冬用の服を着ていましたが暑かったようで朝起きた時にはスウェットになっていました。
「コールマン キッズマミーアジャスタブル C4」の購入者レビューと実売価格
([参考価格]2020/04/01時点、C4:¥ 3,709 )
モンベル
モンベルでもキッズ用の寝袋を出しています。
他のモデルと異なり、子供の林間学校やキャンプイベント向けに作られています。
例えば、名前を記入できるラベルが付いています。
これで、誰の寝袋だかわからなくなる心配がありません。
また、キッズ用寝袋は、それをサポートするように、足元のバックル付きテープで子供でも収納しやすくなっています。
子供は力が弱いですから、寝袋を収納するのも一苦労。
これが無いと、子供がくるくると寝袋を丸めた後に、収納袋に入れようとしたら、丸めた寝袋が開いてしまいます。
大人は丸めた寝袋を広がらないように押さえておくことができますが、子供はそこまで気が回らなかったりします。
林間学校やキャンプイベントは、いつも温かく世話してくれる親元を離れて、自分自身である程度身の回りのことをする、という自立を養う機会です。
ちょっとした機能が子供の自立をサポートします。
あと大切なことなのですが、子供はこのバックル見ても、何かわかりません。
出発前にお父さんお母さんが使い方を教えてあげてくださいね(^^)
収納袋も、大きな間口になっていて、収納後はコンプレッションベルトでコンパクトに圧縮できます。
⇒ モンベル ホローバッグ Kid's モデルの口コミと実売価格の一覧(Amazon)
(夏だけの使用なら、軽いし、収納サイズも小さいし、価格も安い #5で十分でしょう)
モンベルの寝袋・シュラフの選び方全般が良くわからない方は、こちらのページにまとめましたので、参考にしてみてください。
谷川岳の雪洞で宿泊
今まで様々な状況下で寝てきましたが、100泊以上経験してわかったのが、『保温力に余裕のある寝袋を用意すること』です。
雪山テントは換気にも注意(テントが埋まると酸欠に)
雨風や断熱材で守られた家と違い、アウトドアフィールドでの宿泊は天候や外気温の変化を大きく受けます。事前の天気予報より、当日の気温が-5℃程度低かった、などは日常茶飯事です。また、多くのキャンプ場は、最寄りの市街地よりも標高が高い事が多く、天気予報で知ることのできる最寄りの市街地の最低気温よりも気温が低いことが多いです。
自然の中で睡眠をとる体験は素晴らしいですが、寝袋の保温力が足りないと真夜中に早朝に目が冷めます。これは外気温は日の出前の早朝4~5時あたりが最も気温が下がり、また体温も下がっているためです。一度このタイミングで目が冷めてしまうと、身体が芯から冷え切っているため、ここからなかなか眠ることができません。そして、寝不足の状態になります。

楽しいアウトドア体験するはずだったのが、思わぬ寝不足でボーーっとしてしまうのは、もったいないです(しかも連泊でこれが続くとかなりキツイです)。少し汗ばむくらいの保温力の寝袋を選んで、ぜひ素敵なアウトドア体験を満喫してください☆
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寝袋と(キャンプ用の)マットは2つで1つです。
キャンプ用のマットの役割は主に『断熱』と『寝心地を快適にする』の2つです。
『断熱』について・・・アウトドア用の寝袋の中綿として、化繊やダウンが使われていますため、小さく圧縮して収納し持ち運ぶ事ができます。寝袋を収納袋から出して広げると、徐々に中綿が膨らみますが、人間が寝袋に入ったときに身体と地面に挟まれた中綿はぺちゃんこに潰れるため、断熱力がほとんどなくなります。大概の地面は冷たく、身体の重みで密着した部分から体温が逃げ(ヒートロス、熱損失)て、底冷えします。この現象は、体温と地熱の温度差が大きい春・秋・冬ほど熱損失量も増えます。
これを防ぐため、キャンプ用のマットを使います。キャンプ用のマット体重がかかっても断熱効果が得られるよう設計されています。

『寝心地を快適にする』について・・・最近、畳の上で寝たことはありますか?痛くて寝れなかったという方もいるのではないでしょうか。昨今の快適用品の普及により、強い刺激に敏感になっています。よほどふかふかの芝生以外、寝袋のみで寝ると地面の凸凹や石があたって痛くてまともに寝れません。その衝撃を吸収する役割としてキャンプ用マットが使われます。キャンプ用マットは大きくクローズドセルマット(銀マットなど)とエア注入式の2種類あり、寝心地はエア注入式の方が良いです。
テントの中で寝袋の下に敷くマットは、様々な用途に合わせて、多数の商品があります。皆さんの用途にあった、快適に寝れるマットが見つかりますように☆
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