<2024年更新!>ありそうで意外に少ない子供用の寝袋・シュラフ。林間学校、サマースクール、ボーイスカウト、ガールスカウト、キャンプ、野外活動などで急いで子供用の寝袋が必要になったけど何を選べばよいかわからない・・・と配布されたプリント片手に困られているご両親が多いことと思います。
そこで、子供用の寝袋・シュラフの選び方について解説します。
著者PROFILE
経歴:大手アウトドアショップで寝袋・マットのコーナーを中心に約4年間の接客経験に加え、独自の調査・研究を重ね、寝袋・マットの情報を中心としたこのサイトを運営して10年以上。無積雪登山・雪山登山・クライミング・アイスクライミング・自転車旅行・車中泊旅行・ファミリーキャンプなど幅広くアウトドアを経験。(詳細プロフィール) 名前:Masaki T
家族のファミリーキャンプであれば大人用で対応可
最初に記載しておきますが、基本的に家族でファミリーキャンプを楽しむ場合は、子供に大人用の寝袋で寝てもらう選択肢もあります。
寝袋の製品寿命は結構長く、適切なメンテナンスをすれば長年使えます(中綿がポリエステル繊維の場合、膨らみは徐々に低下(圧縮されて収納保管されるるのが主要因)して保温力が低下していきますが、寝袋として10年以上使い続けることも)
子供用の寝袋を購入すると、子供が大きくなったときに長さが足りず使えなくなってしまう可能性があり、家族でのファミリーキャンプでは大人用で十分対応できます。
また、親とくっついて寝たい子供の場合、一人用より、親と一緒に寝れる幅広タイプの寝袋の方が安心して眠れるようです。
ファミリーキャンプ向けの寝袋は、下記ページが参考になると思います。
どんな時に子供用寝袋を用意する?
子供用の寝袋を用意した方が良いのは、親元を離れて寝袋を使う機会がある時です。
例えば、林間学校、サマースクール、ボーイスカウト、ガールスカウト、キャンプ、野外活動などが該当します。
子供用の寝袋の選び方
それでは、子供用の寝袋の選び方を説明します。
子供用の寝袋を選ぶ上で重要なポイントは、
1、寝袋の適応身長が子供の身長より大きい
2、寝袋の保温能力に余裕があること
3、コンパクトで軽いこと
4、子供自身がちゃんと収納できること
です。
1、寝袋の適応身長が子供の身長より大きい
子供の身長が寝袋の適応身長以下であるか、確認しましょう。
市販されている子供向け寝袋の適応身長は、おおよそ150cm程度です。また、子供用寝袋は、大人用に比べて横幅も短くなっています。子供の身長が適応身長に近い場合、実店舗で試着することを推奨します。試着してきつかった場合、一般的に売られている大人用の寝袋で良いとおもいます。
2、寝袋の保温能力に余裕があること
例えばテントに宿泊する場合、そのキャンプ場の深夜の最低気温が10℃の場合は寝袋の保温力が7℃以上のものを選ぶと良いでしょう。
保温力には3℃程度の余裕があるのが好ましいです。
夏のキャンプの場合は、薄手の寝袋でも対応できますが、春や秋の気温が低い場合は慎重に選ばれることをおすすめします。(保温力不足で子供が風邪をひかないように)
3、できるだけコンパクトで軽いものを
子供自身が長い時間、背負ったりして持ち運ぶ場合はコンパクトかつ軽量な寝袋を推奨します。
宿泊施設・キャンプ地まで主にバス・車で移動し、子供達が寝袋を持ち運ぶ距離が短い(例えば、移動するバス⇔テント間の持ち運びのみ)場合、寝袋の収納サイズが多少大きくなる中綿(寝袋の保温材)が化学繊維(中空ポリエステル)でも問題ないと思います。(大概の方はここに該当すると思います)
しかし、子供が寝袋をリュックに入れて何時間も背負ったまま登山する、などハードな内容の場合は、寝袋の中綿がダウンの軽量・コンパクトな登山対応の大人用寝袋を用意した方が良いかもしれません。(同じ保温力の寝袋でも、中綿がダウンの場合、中綿が化繊ポリエステルの寝袋に比べて、価格は約10倍、重量・収納サイズ共に約1/2程度になる)
あまりいないと思いますが、子供が荷物を背負って長時間・数日間の登山するなど、ハードな用途で使う方は、下記ページをご参考に。
4、子供自身がちゃんと収納できること
寝袋を使った後に子供自身が収納できるかということも、選ぶ上で重要なポイントです。
子供は手が小さく大人よりも力がありません。特に小学生だと、寝袋の種類によっては子供の力では収納できない場合もあります。(ただ、収納時にサポートしてくれる大人が近くにいる場合は、それほど気にしなくてもよいかもしれません)
子供用の寝袋は、キャンプ初心者の子供でも収納できるよう工夫されています。。。とはいうものの、今まで幾人も子供が寝袋を収納する様子を見てきましたが、広げた寝袋を収納袋に入れる作業がなかなか上手くできないケースも見てきました。
子供用の寝袋を購入したら、自宅で収納の練習をしてコツを体得してから、本番を迎えましょう。
メーカー別 おすすめの子供用寝袋
子供用の寝袋は、大人用の寝袋に比べて商品数がずっと少ないため、商品選びにそれほど迷わないです。
ここでは定番の子供用寝袋を中心に紹介します。
コールマン スクールキッズ C10(夏用)
2016年にコールマンの子供用寝袋がスクールマミー⇒スクールキッズへとリニューアルされました。旧モデルのスクールマミーは、マミー型でしたが、新モデルのスクールキッズは封筒型になっています。
リニューアルにより、暑い夏などジッパーをフリープンして毛布のように下に敷いたり、上からかけたりする使い方ができるよう対応するためと思います。(暑い日は寝袋に入ってられないため)
重量はスクールマミーも同じ700gで、子供でもあつかえる重量となっています。
表にネームカードがあって、誰のかすぐわかります。(他の子供のと間違わない)
足元が開き、保温力調節がしやすいです。
キッズも簡単に収納できるワイドな横型EZキャリーケース付きです。
旧モデルからリニューアルされて数年経過し、amazon等でも多数の購入者レビュー、評価が付いてますが、いずれも高評価です。
- 暖かい(2022年6月25日):北海道で6月に使用しましたが、寝汗をかくほどでした。子供でも収納袋にしまいやすいようになってました。
- 良かった。(2022年7月5日):子供の行事で購入しました。プラバックル?が少々固くて一人で外すのが大変そうでしたが物がしっかりしているからかな?と思っています。大人は簡単に取り外し出来るので。
子供用の寝袋として定番。参考となるレビュー数も非常に多いです。
「コールマン スクールキッズ C10」の購入者レビューと実売価格
コールマン キッズマミー アジャスタブル C4(3シーズン-春夏秋用)
スクールキッズの春秋対応バージョンです。
春(ゴールデンウィーク)、秋の時期のキャンプや林間学校等に対応できる保温力の高い寝袋です。
足元にファスナーが付いていて
こんな感じで
短くできます。
短い時は使用サイズが140cm以下、伸ばした時は170cm以下になっています。
暑い時は足元のファスナーが開いて温度調節できます。
大人に比べて力の弱い子供自身でも丸めて収納しやすいように、バックルが付いています。
小さい子供1人での収納は簡単ではないですが、数少ない子供用の春秋も使える貴重な寝袋です。
旧モデルから身長にあわせて長さを調節し、足元の余分なスペースをなくして暖かさをキープできるように進化しました。
キッズも簡単に収納できるワイドな横型EZキャリーケース付きです。(子供は大人のように強い力で化繊の寝袋を丸めることができないことがあり、そうすると丸めたときの径が大きくなりため、収納袋は大きいのが使いやすいです。)
快適温度が4℃以上となっていますが、子供は寝相が悪く寝袋内の熱が逃げやすく、初春や晩秋などの山間部の夜は非常に冷える(市街地より温度が低い)ため、この快適温度付近に近づく可能性があるときは、防寒着を事前に用意しておくことをおすすめします。
以下、amazonの購入者レビューを抜粋。
- 息子一人で片付けられた。(2023年1月1日):洋服サイズ130の年中さんの息子でも一人で片付け可能でした。新品臭等気にならず開封後使えてる。洗剤の匂い移りも無く届きました。
- サイズが変わるのがいい!(2023年2月16日):110cm位の子供が使ってます。サイズが変わるので、寒くなく、快適に寝ている様子。長く使えるのもいいですね。
こちらもロングセラー製品でなので、参考となるレビューも多いです。
「コールマン キッズマミーアジャスタブル C4」の購入者レビューと実売価格
モンベル ホローバッグ Kid’s(#3,#7)
モンベルでもキッズ用の寝袋を出しています。
名前を記入できるラベルが付いています。
足元のバックル付きテープで子供でも収納しやすくなっています。
収納袋も、大きな間口になっていて、収納後はコンプレッションベルトでコンパクトに圧縮できます。
名札、コンプレッションベルト、収納しやすい収納袋など、子供向け寝袋のポイントはしっかり押さえた作りになっています。使われている生地がコールマンのキッズマミーより上質で肌触りがよくなっています。ただ、実売価格がコールマンの2倍程度、また寝袋のサイズもコールマンより大きめです。そのため、
- できるだけ他の子と違う寝袋を選びたい
- 質感にこだわりたい
- コールマンの子供用寝袋だと、すこし小さい
といった方は、モンベルを選ばれると良いかもしれません。
「モンベル ホローバッグ Kid’s #3,#7」の購入者レビューと実売価格
([参考価格]2023/03/25時点、#3:¥ 6,380、#7:5,940)
モンベルの寝袋・シュラフの選び方全般が良くわからない方は、こちらのページにまとめましたので、参考にしてみてください。
著者PROFILE
2009年末から寝袋と関連装備に特化したこのサイトを開設。いつの間にか運営10年を超える老舗サイトに。ファミリーキャンプから無積雪期登山、厳冬期登山、バイクのキャンプツーリングに自転車旅行、車中泊など、アウトドアを幅広く経験。寝袋の宿泊数は100泊以上~500泊未満。狭い業界ですが、まだまだ知らないこと沢山あり、日々勉強中です☆
谷川岳の雪洞で宿泊
今まで様々な状況下で寝てきましたが、100泊以上経験してわかったのが、『保温力に余裕のある寝袋を用意すること』です。
雪山テントは換気にも注意(テントが埋まると酸欠に)
雨風や断熱材で守られた家と違い、アウトドアフィールドでの宿泊は天候や外気温の変化を大きく受けます。事前の天気予報より、当日の気温が-5℃程度低かった、などは日常茶飯事です。また、多くのキャンプ場は、最寄りの市街地よりも標高が高い事が多く、天気予報で知ることのできる最寄りの市街地の最低気温よりも気温が低いことが多いです。
自然の中で睡眠をとる体験は素晴らしいですが、寝袋の保温力が足りないと真夜中に早朝に目が冷めます。これは外気温は日の出前の早朝4~5時あたりが最も気温が下がり、また体温も下がっているためです。一度このタイミングで目が冷めてしまうと、身体が芯から冷え切っているため、ここからなかなか眠ることができません。そして、寝不足の状態になります。
楽しいアウトドア体験するはずだったのが、思わぬ寝不足でボーーっとしてしまうのは、もったいないです(しかも連泊でこれが続くとかなりキツイです)。少し汗ばむくらいの保温力の寝袋を選んで、ぜひ素敵なアウトドア体験を満喫してください☆
寝袋と(キャンプ用の)マットは2つで1つです。
キャンプ用のマットの役割は主に『断熱』と『寝心地を快適にする』の2つです。
『断熱』について・・・アウトドア用の寝袋の中綿として、化繊やダウンが使われていますため、小さく圧縮して収納し持ち運ぶ事ができます。寝袋を収納袋から出して広げると、徐々に中綿が膨らみますが、人間が寝袋に入ったときに身体と地面に挟まれた中綿はぺちゃんこに潰れるため、断熱力がほとんどなくなります。大概の地面は冷たく、身体の重みで密着した部分から体温が逃げ(ヒートロス、熱損失)て、底冷えします。この現象は、体温と地熱の温度差が大きい春・秋・冬ほど熱損失量も増えます。
これを防ぐため、キャンプ用のマットを使います。キャンプ用のマット体重がかかっても断熱効果が得られるよう設計されています。
『寝心地を快適にする』について・・・最近、畳の上で寝たことはありますか?痛くて寝れなかったという方もいるのではないでしょうか。昨今の快適用品の普及により、強い刺激に敏感になっています。よほどふかふかの芝生以外、寝袋のみで寝ると地面の凸凹や石があたって痛くてまともに寝れません。その衝撃を吸収する役割としてキャンプ用マットが使われます。キャンプ用マットは大きくクローズドセルマット(銀マットなど)とエア注入式の2種類あり、寝心地はエア注入式の方が良いです。
テントの中で寝袋の下に敷くマットは、様々な用途に合わせて、多数の商品があります。皆さんの用途にあった、快適に寝れるマットが見つかりますように☆
特に、長時間ザック(リュック)に入れて持ち運ぶような使い方をする場合は、子供用がおすすめです。(大人用に設計された必要以上に大きく重い寝袋を子供に背負わせるのはおすすめではありません)
子供用の寝袋の良いところは、子供の体格に合わせて作られているだけでなく、子供の力でも使いこなせるよう考慮されて設計されていることです。
何回使うかわからない子供用寝袋をわざわざ用意するかどうか親としては悩むところですが、長時間持ち運ぶような場合は用意してあげるのが良いと思います。(子供用寝袋は価格も手頃です)