皆様、筑波山の薬王院コースをご存知でしょうか?薬王院コースは、筑波山の西側に連なる椎尾山の山頂付近にある椎尾山薬王院から筑波山までの登山ルートです。
椎尾山薬王院は1200年の歴史ある寺院です。
椎尾山薬王院は延暦元年(782)、最仙上人の開山であり、薬師如来を本尊とする天台宗の古刹であります。昔、上人が当山の椎ヶ洞に篭って、天下泰平国土安穏を祈念したところ、その修法の意が桓武天皇のもとに伝わり、勅命に依って寺院建立となりました。以来1200年、お薬師参りの信者に支えられ今日に至っております。当山では、本尊薬師如来が身心の苦痛を癒すことから病気平癒の祈願寺となっております。また、山内には薬師堂、三重塔、仁王門など江戸時代中期頃の建物が現存し、静かな信仰の山として法灯が守られています。
筑波山といえば、御幸ヶ原コース、白雲橋コース、おたつ石コースがメインルートで、多くの登山者で賑わっていますが、今回登った薬王院コースは登山者の少ないひっそりとしたルートでした。
登山口、駐車場、トイレ
登山口は、椎尾山薬王院で、奥に進むと登山道につながります。
駐車場は、薬王院の駐車場を利用してよいようです。
薬王院には、駐車場は2、3箇所? 25台駐車可能のようです。(出典:http://www.kankou-sakuragawa.jp/page/page000063.html)
私達は第三駐車場に停めました。(おそらくここが、薬王院の最も標高の高い駐車場)
トイレは薬王院の正門向かって左側にあります。
簡素なトイレです。私達が訪れた時はトイレットペーパー置いてありましたが、一応持参して行くとよいでしょう。
トイレを使わせて頂き、さっそく寄った後は、お寺を参拝しました。
正門から奥の階段から上を見上げると・・・
「ん?何か見えるぞ、もしや???」
薬師如来像が迎えてくれました。合掌一礼します。
参拝後、妻が大きな釣鐘を発見。
境内にある重さ約1トンの大きな梵鐘はどなたでも打つことができます。この梵鐘は真壁町の伝統ある小田部鋳造で造られたものです。
釣鐘をよく見ると、”女人の厄払い祈る梵鐘”と刻まれています。
妻の後、私もゴーーーーンと釣鐘を優しく打ってみました。
静かな環境で、大きな釣鐘を鳴らして、響きわたる余韻を聞き入ったのは初めてかもしれません。オオン、オオン、オオンと釣鐘から音の波動が波紋のように広がっていました。
それでは、山を登らせていただきます。
登山ルート
薬王院の本殿向かって右側へ進むと、墓地があり、さらに奥へ進むと登山道につながります。
分岐点につくと、看板があり、筑波山山頂へ向かいます。
ここから先にはトイレありません。
しばらくは緩やかな斜面が続きます。
4月末の登山道には、ピンクの桜の花びらが広がっていました。
登り始めて約40分程度で、階段が始まります。
他のサイトによると、780段もあるそうです。(出典:http://hanabatake.webcrow.jp/top/yama/nikki/tb-yakuou.html)
この階段の道は、約1時間も続きます。
非常に長い階段ですが、よく整備されていて、段差も細かく女性でも難なく登れるようになっています。
山に登ると度々感じるのですが、山奥をこんなに丁寧に整備されていて、本当にありがたい。
重い木材を運んで、整備&補修されている方のことを考えると、感謝の気持ちでいっぱいです。
ようやく長い階段も終わり、緩やかた傾斜と山頂の自然が広がります。
山頂付近には、さまざまな花が咲いていました。
名前はわかりませんが、とても良い香りのするお花です。
とても緩やかな傾斜の道です。
途中から、筑波山自然研究路と合流します。
ニリンソウがあちこちで、綺麗に咲いていました。
これはカタクリのお花です。
やがて御幸ヶ原に到着。食堂で昼食をとり、自然研究路を一周するように下山します。
途中、崩落により迂回します。
迂回路を進むと、男体山山頂に到着。
参拝して、そのまま迂回路を進みます。
しばらく下ると、ニリンソウのお花畑が広がっていました。
山でお花畑を発見すると、お宝を発見したような気分になり、なんだか元気になってきます。
花が咲く時期は、おのおの限られています。偶然みられたことに感謝です。
ここからは、登ってきた道を黙々と下っていきます。
登るのには時間がかかっても、下るのはあっという間です。
第三駐車場向かいの登山口に戻ってきました。
感想
今回、薬王院コースを初めて登りました。
筑波山の最長コースで、他のルートと違いケーブルカーやロープウェイでエスケープできないため、気負って登りました。登山を終えて、危険箇所が無く、健脚の方なら難なく登れるルートだと思います。
同じ筑波山でも、他のルートと比べて景観が地味で単調なため、まるで違う山を登っているように感じました。
登山者も少なく、自然と意識が内側に向かうため、”山岳修行の名残”というのも頷けます。
以下、分岐点の看板に書かれていた内容が素晴らしく、掲載してこの記事を終えようと思います。
■椎尾山口・筑波山頂参拝道 ※通称「薬王院コース」
椎尾山から筑波山頂への道は、古来より薬王院に存在していた山岳修行の名残であります。「修験道」に通じるその山道は、険しい自然の中で、自身の鍛錬修行により、心身ともに正常なることを目的としておりました。その為、ここより先に進む者は無事に山から帰れるよう、薬の仏である薬王院本尊「薬師如来」にお参りして登山の安全を願ったと伝わっております。今でも登山道には、古くは「参拝道」だったころの険しさや信仰されていた巨石などもみることができます。千年以上前から、神や仏のおわす山として人々に守られてきた筑波山が、これからも先に自然豊かな御山であるように、皆さまも慈悲のこころで歩かれますように願っております。
参考サイト
- 椎尾山薬王院 | 桜川市観光協会公式ホームページ http://www.kankou-sakuragawa.jp/page/page000063.html
- 筑波山薬王院コース http://hanabatake.webcrow.jp/top/yama/nikki/tb-yakuou.html
著者PROFILE
2009年末から寝袋と関連装備に特化したこのサイトを開設。いつの間にか運営10年を超える老舗サイトに。ファミリーキャンプから無積雪期登山、厳冬期登山、バイクのキャンプツーリングに自転車旅行、車中泊など、アウトドアを幅広く経験。寝袋の宿泊数は100泊以上~500泊未満。狭い業界ですが、まだまだ知らないこと沢山あり、日々勉強中です☆
谷川岳の雪洞で宿泊
今まで様々な状況下で寝てきましたが、100泊以上経験してわかったのが、『保温力に余裕のある寝袋を用意すること』です。
雪山テントは換気にも注意(テントが埋まると酸欠に)
雨風や断熱材で守られた家と違い、アウトドアフィールドでの宿泊は天候や外気温の変化を大きく受けます。事前の天気予報より、当日の気温が-5℃程度低かった、などは日常茶飯事です。また、多くのキャンプ場は、最寄りの市街地よりも標高が高い事が多く、天気予報で知ることのできる最寄りの市街地の最低気温よりも気温が低いことが多いです。
自然の中で睡眠をとる体験は素晴らしいですが、寝袋の保温力が足りないと真夜中に早朝に目が冷めます。これは外気温は日の出前の早朝4~5時あたりが最も気温が下がり、また体温も下がっているためです。一度このタイミングで目が冷めてしまうと、身体が芯から冷え切っているため、ここからなかなか眠ることができません。そして、寝不足の状態になります。
楽しいアウトドア体験するはずだったのが、思わぬ寝不足でボーーっとしてしまうのは、もったいないです(しかも連泊でこれが続くとかなりキツイです)。少し汗ばむくらいの保温力の寝袋を選んで、ぜひ素敵なアウトドア体験を満喫してください☆
寝袋と(キャンプ用の)マットは2つで1つです。
キャンプ用のマットの役割は主に『断熱』と『寝心地を快適にする』の2つです。
『断熱』について・・・アウトドア用の寝袋の中綿として、化繊やダウンが使われていますため、小さく圧縮して収納し持ち運ぶ事ができます。寝袋を収納袋から出して広げると、徐々に中綿が膨らみますが、人間が寝袋に入ったときに身体と地面に挟まれた中綿はぺちゃんこに潰れるため、断熱力がほとんどなくなります。大概の地面は冷たく、身体の重みで密着した部分から体温が逃げ(ヒートロス、熱損失)て、底冷えします。この現象は、体温と地熱の温度差が大きい春・秋・冬ほど熱損失量も増えます。
これを防ぐため、キャンプ用のマットを使います。キャンプ用のマット体重がかかっても断熱効果が得られるよう設計されています。
『寝心地を快適にする』について・・・最近、畳の上で寝たことはありますか?痛くて寝れなかったという方もいるのではないでしょうか。昨今の快適用品の普及により、強い刺激に敏感になっています。よほどふかふかの芝生以外、寝袋のみで寝ると地面の凸凹や石があたって痛くてまともに寝れません。その衝撃を吸収する役割としてキャンプ用マットが使われます。キャンプ用マットは大きくクローズドセルマット(銀マットなど)とエア注入式の2種類あり、寝心地はエア注入式の方が良いです。
テントの中で寝袋の下に敷くマットは、様々な用途に合わせて、多数の商品があります。皆さんの用途にあった、快適に寝れるマットが見つかりますように☆