ノースフェイスのベンチャージャケットは、軽量かつコンパクトながらハイベントD素材採用で完全防水仕様ですが、ベンチャージャケットが本格登山で使えるのか?また、耐水圧と透湿性はどの程度か?を調査&考察してみました。

私も実際に試着しましたが、着心地とデザイン性は非常に高く、さすがノース!という仕上がりです。実売価格も買いやすい価格。
ガチ登山のレインウェア以外の用途には、いいと思います
記事のポイント
- 軽量・コンパクトで携帯性に優れる
- HyVent-D素材による耐水圧と透湿性
- 登山での使用は見極めが必要
著者PROFILE


経歴:大手アウトドアショップで寝袋・マットのコーナーを中心に約4年間の接客経験に加え、独自の調査・研究を重ね、アウトドア情報を発信し15年以上。無積雪登山・雪山登山・クライミング・アイスクライミング・自転車旅行・車中泊旅行・ファミリーキャンプなど幅広くアウトドアを経験。(詳細プロフィール) 名前:Masaki T
ベンチャージャケットの特徴と素材
ベンチャージャケットとは?



ベンチャージャケットは、ザ・ノース・フェイスが展開する軽量型レインジャケットで、登山やアウトドアだけでなく街着としても違和感なく着用できるデザインが特徴です。
初見ではその薄さに驚くかもしれませんが、ハイベントDという独自素材を採用し、コンパクトに収納できる携帯性と高い防水透湿性を両立。


例えば、スタッフサックに収納すると片手に収まるほど小さくなり、バックパックの隙間に気軽にしまえることから、緊急用の備えとしても人気です。また、水濡れや風の侵入をしっかり防ぎながら、着用時には肌触りの良さとも感じられるため、動きやすさを求める登山者にも好評です。さらに、カラー展開やデザインも豊富で、アウトドアシーンからタウンユースまで幅広く対応可能です。



コンパクトさゆえに防寒着としての役割は限定的ですが、軽量さを優先する場合にはこれ以上ない選択肢と言えるでしょう。
素材「HyVent-D」の詳細
ベンチャージャケットには独自開発の防水透湿素材「HyVent-D」が採用されています。HyVent-Dはナイロン生地に特殊なメッシュ状コーティングを施した2.5層構造です。



もし、現在もこの数値だとすると、雨でも問題なく使用可能な耐水圧とある程度の透湿性があると推測されます。
また、表面にははっ水加工が施されているため、多少の水濡れでは生地表面に浸透しにくく、水滴を弾く効果も期待できます。


これらの性能をバランスよく備えつつ、薄手で軽量な設計が実現されており、動きやすさと持ち運びやすさを両立させています。Lサイズで約215g程度と、長時間の行動でも肩や背中の負担を軽減してくれます。


ベンチャージャケットは登山で使える?





個人的には、短時間での雨は問題ないと思っていますが、登山で大雨の中で数時間歩くとかは厳しいと思っています。
例えば、低山での日帰り登山では、木々があれば雨は上から落ちてくる感じですが、森林限界を超える高山の稜線では強風時の雨だと、雨粒が叩きつけるように当たるため、ベンチャージャケットだと頼りない感じがします。
また、基本的に耐水圧や透湿性は製造されて間もない数値です。



あまり知られていませんが、レインウェアの性能は基本的に時間の経過とともに下がります。防水透湿素材「HyVent-D」はおそらくポリウレタン系の防水透湿素材で、通常、ポリウレタン系の防水透湿素材は5年程度で駄目(水が染みる)ようになると言われています。
購入時の性能が耐水圧が約20000mm、透湿性は約10000g/m²/24hだとしても、経年劣化・使用時間・摩耗状況により、性能は下がります。このベンチャージャケットはかなり生地が薄く防水透湿膜も薄いため、一般のレインウェアよりも耐久性は低いと思われます。



森林限界を超えるような本格登山のレインウェアとしてはリスクある印象です。
ただ、小雨をはじいたりウィンドシェル・ソフトシェル的な用途であればすごく良いと思います!
ベンチャージャケットはあるが、パンツはない!



ベンチャーパンツはありません。あるのはジャケットだけです。おそらく、ノースフェースもこの素材で本格的なレインウェアとして使うことを想定していない、メーカーとして推奨していないと思います。
ベンチャージャケットはどのシーンに最適?



公式HPに「アウトドアからデイリーユースまで、さまざまなシーンに対応する、日常でもコーディネートしやすいアイテムです。」と記載あるように、日常使いやリスクの無いアウトドアシーンの範囲内での使用に最適だと思います。
防水ジッパーやシームテープ処理で縫い目も防水処理されていて、作りそのものは完全なるレインウェアです。
防水ジッパー


シームテープ処理





低山登山でレインウェアとして使うことも可能ですが、レインパンツはどうするんだ?問題もあります。





私も実際に試着しましたが、着心地とデザイン性は非常に高く、さすがノース!という仕上がりです。実売価格も買いやすい価格。
ガチ登山のレインウェア以外の用途には、いいと思います
ベンチャージャケットのよくある質問
Q1: サイズ感はどのようなものですか?
A1: 普段Lサイズなら、Lで良いと思います。ただ、そんなにガバガバしていないため、体格の良い方や重ね着前提で検討されている場合は実店舗で試着を推奨します。
Q2: 保温性はどの程度ありますか?
A2: 薄手の生地設計なので単体では保温性が低く、中間着や保温着を併用する必要があります。
Q3: 洗濯方法は?
A3: メーカー推奨の手洗いまたはネットに入れて弱流水で洗い、陰干しすることではっ水性能を維持できます。
Q4: 収納方法は?
A4: 付属のスタッフサックに折りたたんで収納でき、バックパックに取り付けても負担になりません。
Q5: 気温の低い環境で使える?
A5: 単体では寒さを防ぎきれないため、気温の低い環境では保温着を重ねて着用することをおすすめします。
Q6: フードの調節は可能ですか?
A6: ドローコードで頭部にフィットさせることができ、吹雪や強風時でもズレを防止します。
Q7: 丈夫さはどうですか?
A7: 岩場や樹木との摩擦には弱いため、過度な擦れや引っかきに注意が必要です。
Q9: カラーバリエーションは?
A9: 定番色のブラックやネイビーだけでなく、シーズンごとに新色が追加されることがあります。
Q10: 他アイテムとのレイヤリングは?
A10: 保温性のあるフリースや薄手のダウンジャケットとの組み合わせがおすすめです。
全体のまとめ






- 軽量・コンパクトで携帯性抜群
- HyVent-D素材である程度の耐水透湿性能があると予想
- 単体での保温性はやや物足りない
- 緊急用レインウェアとして最適
- ゴアテックス製品より手頃な価格
- 日常使いにも違和感のないデザイン
- シームシーリングで雨水をしっかり防ぐ
- 定期的なメンテナンスが性能維持の鍵
- 付属スタッフサックで収納も簡単
実売価格



本格登山用としては、厳しい評価になりましたが、安全性を考えると致し方ないですね。私は別のゴアテックスの2.5レイヤーのレインウェアを持っていますが、このベンチャージャケットの2.5レイヤーとかなり厚みが違います。ベンチャージャケットはあくまで簡易レインジャケットでにとどまりますが、軽いアウトドア用途では軽くて薄くて使いやすいと思います!
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レビュー
- 最高の一枚です!:最高に使いやすいです!雨風も凌げて肌寒い時も一枚あるととても便利です。持ち運びやすさも良いですね♪
- 169cm 70kg Lサイズで丁度良い:他の方のレビューを見てLを購入。普段着るモンベルMサイズと同様のサイズ感です。中にトレーナーくらいなら着れて、Tシャツでもだぶつきはかんじません。ノースフェイスは物によりサイズ感が違い過ぎ、選ぶのに毎回困るので-1しました。かなり薄手でハイキングや普段使い向きの製品ですね。
- 着心地が良い:薄地なので断熱効果はあまり気にしてなかったのですが、この季節でも太陽が出ていれば、十分寒さを凌げるくらいの効果はありました。
- 歩いていてもシャカシャカ音は気にならないので、普段使いもばっちりです。
- とても良い:小さく折りたためるし夏のちょっとした防寒や雨の時役立ちます。