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ゴアテックスの寿命について書かれている記事を発見しました!

 

記事の内容はかなり専門的ですが、ゴアテックスの劣化などについて疑問に感じている方には参考になるとおもいます。

結論をまとめると、

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・ゴアテックスは通常の使用状態では、変質しない

・ゴアテックスの生地の寿命は、表面・裏面のナイロンの寿命

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以下、転載です。

参照記事 ⇒ http://cccpcamera.asablo.jp/blog/2009/09/30/4607253

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 本職は樹脂成形の物理なので、多少、樹脂の知識が有ります。ただし、化学的性質は専門外です。
 そういうわけで、一般の人よりも、樹脂の知識があるので、以下、簡単に、ゴアテックスについて、一般的な説明をします。ただし、樹脂の化学は素人なので、誤りがあるかもしれません。誤りがあるならば、ご指摘願います。

 現在使われているほとんどすべてのゴアテックスレインウエアーは、3層構造になっています。
 このうち、中央の層が防水透湿の性能を持っています。中央の層、ゴアテックスメンブレン(ゴアテックス膜)は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)(四フッ化エチレン樹脂)の薄い多孔質フィルムで、孔の大きさは水蒸気分子の700倍、水滴の5000分の1以下であるため、水蒸気を通して、水滴を通さない性質があります。(ゴアテックスメンブレンの孔の大きさを200nm、水蒸気分子の大きさを0.3nm、水滴の大きさを1mmとして計算しました。)
 表面と裏面の層は、通常ナイロン繊維が使われます。この層には防水性は有りません。強度を保つため、着心地を確保するため、着色のため等、衣類としての性能維持のための層です。
 
 PTFEは炭素の直鎖に、炭素1個あたり2個のフッ素が結合した構造になっています。炭素とフッ素の結合エネルギーが高いため、PTFEはもっとも化学的に安定した樹脂で、耐熱性・耐薬品性・耐寒性・対光性等にすぐれています通常の使用状態では、変質しません。熔融アルカリ金属、放射線曝露等の特殊環境では変質します。
 ゴアテックスメンブレンはPTFEなので、通常の使用状態では、変質しないと思われます。

 表面と裏面に使われているナイロンとは、ポリアミド合成繊維のことで、{CO-(CH2)5-NH}n の構造の6ナイロンと、
{CO-(CH2)4-CO-NH-(CH2)6-NH}n の構造の66ナイロンが有ります。どちらも、似たような性質です。
 ナイロンは吸水性が大きい樹脂で、吸水すると、強度が低下しますが、ある一定の低下に止まるようで、このため、ナイロンは漁具をはじめとして、水濡れする場所でも問題なく使われています。ただし、吸水したナイロンを凍結した場合、脆化する可能性があります。
 また、ピュアーなナイロンは紫外線で劣化します。このため、耐紫外線性能を附加するため、紫外線吸収剤を添加することも有ります。

 ナイロン繊維は、日常幅広く使われていますが、PTFEに比べると、劣化しやすい樹脂です。
 10年たっていないのに、ゴアテックスの表面がぼろぼろになることが有ります。これは、表面のナイロン層の劣化です。ナイロン層にはもともと防水効果は無いので、表面がぼろぼろになっても、防水性能が失われるわけではないのですが、防水層のゴアテックスメンブレンは薄いので破れやすく、ナイロンが劣化した場合、使用は避けるべきです。

 ゴアテックスの生地の寿命は、表面・裏面のナイロンの寿命です。実際に何年使えるのか予測することは、使用状態の他に、どのようなナイロンを使って作られているのか、と言うことも関係しているので、難しいところです。
 ゴアテックスのスパッツの表面がボロボロになったことがあります。スパッツは吸水後凍結するし、雪山で強い紫外線を浴びるので、ナイロンにとっては、厳しい使用環境です。
 ゴアテックスのレインウエアは10年くらい使っても平気なような気がしているのですが、いかがでしょう。


ちょっとおまけ。
 ゴアテックスは汗を通して、水を通さないと思っている人もいるようですが、そんなことは有りません。気体の水(水蒸気)を通して、液体の水を通さない性質があります。かいた汗が水になってしまったら通しません。
 このため、速乾性の無い下着を着用したために、汗が垂れるようになってきたら、ゴアテックスはお手上げです。


おまけ、その2。
 ゴアテックスメンブレンの微細孔径は200nm程度ですが、精密濾過フィルターに使用する多孔質PTFEには、もっと小さな孔径のものもあります。住友電工の広報誌(2008年12月号)によると、住友電工ファインポリマー(株)は、微細孔径化に適した新しい多孔質化プロセスを独自開発し、30nmの微粒子を捕捉可能な「微細孔径ポリテトラフルオロエチレン膜」の量産化に成功したそうです。


おまけ、その3
 ゴアテックスの迷信として『油がつくと防水効果がなくなる』『海水で防水効果がなくなる』との噂が有りますが、誤りです。
 表面が油膜で覆われても、防水効果に変わりありませんが、透湿効果がなくなるので、汗で内部が濡れることが有り、漏水したような誤解を受けることが有ります。油や海水で表面が汚れると、透湿性が低下するので、良く洗濯する必要があります。
 また、『ゴアテックスは霧を通す』との誤解も有ります。
 霧の粒子の大きさは10μm~100μm、あるいはそれ以上です。ゴアテックスの孔径0.2μmに比べて、霧の粒子は大きいので、侵入することはありません。ただし、霧の時は、空中湿度は100%近いので、汗はほとんど乾かず、汗で内部が濡れることが有ります。


おまけ、その4
 ナイロンには6ナイロン、66ナイロンの他にもいくつもの種類があります。歯ブラシの毛は12ナイロンが多く使われます。耐水性があって、水をつけても硬さがあまり変わらない特徴があります。人口毛髪はベースは6あるいは66ナイロンで、剛性を与えるため芳香族ナイロンを混ぜています。

この記事を書いた人寝袋選びで大切なこと寝袋とマットは2つで1つ

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著者: Masaki T

2009年末から寝袋と関連装備に特化したこのサイトを開設。いつの間にか運営10年を超える老舗サイトに。ファミリーキャンプから無積雪期登山、厳冬期登山、バイクのキャンプツーリングに自転車旅行、車中泊など、アウトドアを幅広く経験。寝袋の宿泊数は100泊以上~500泊未満。狭い業界ですが、まだまだ知らないこと沢山あり、日々勉強中です☆

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雪山 クローズドセルマット

谷川岳の雪洞で宿泊

今まで様々な状況下で寝てきましたが、100泊以上経験してわかったのが、『保温力に余裕のある寝袋を用意すること』です。

雪山 テント泊 八ヶ岳

雪山テントは換気にも注意(テントが埋まると酸欠に)

雨風や断熱材で守られた家と違い、アウトドアフィールドでの宿泊は天候や外気温の変化を大きく受けます。事前の天気予報より、当日の気温が-5℃程度低かった、などは日常茶飯事です。また、多くのキャンプ場は、最寄りの市街地よりも標高が高い事が多く、天気予報で知ることのできる最寄りの市街地の最低気温よりも気温が低いことが多いです。

自然の中で睡眠をとる体験は素晴らしいですが、寝袋の保温力が足りないと真夜中に早朝に目が冷めます。これは外気温は日の出前の早朝4~5時あたりが最も気温が下がり、また体温も下がっているためです。一度このタイミングで目が冷めてしまうと、身体が芯から冷え切っているため、ここからなかなか眠ることができません。そして、寝不足の状態になります。

楽しいアウトドア体験するはずだったのが、思わぬ寝不足でボーーっとしてしまうのは、もったいないです(しかも連泊でこれが続くとかなりキツイです)。少し汗ばむくらいの保温力の寝袋を選んで、ぜひ素敵なアウトドア体験を満喫してください☆

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山岳・登山用の寝袋マットの選び方の基本(無積雪期)

寝袋と(キャンプ用の)マットは2つで1つです。

キャンプ用のマットの役割は主に『断熱』と『寝心地を快適にする』の2つです。

『断熱』について・・・アウトドア用の寝袋の中綿として、化繊やダウンが使われていますため、小さく圧縮して収納し持ち運ぶ事ができます。寝袋を収納袋から出して広げると、徐々に中綿が膨らみますが、人間が寝袋に入ったときに身体と地面に挟まれた中綿はぺちゃんこに潰れるため、断熱力がほとんどなくなります。大概の地面は冷たく、身体の重みで密着した部分から体温が逃げ(ヒートロス、熱損失)て、底冷えします。この現象は、体温と地熱の温度差が大きい春・秋・冬ほど熱損失量も増えます。

これを防ぐため、キャンプ用のマットを使います。キャンプ用のマット体重がかかっても断熱効果が得られるよう設計されています。

登山ルート上のキャンプ場・テント場

『寝心地を快適にする』について・・・最近、畳の上で寝たことはありますか?痛くて寝れなかったという方もいるのではないでしょうか。昨今の快適用品の普及により、強い刺激に敏感になっています。よほどふかふかの芝生以外、寝袋のみで寝ると地面の凸凹や石があたって痛くてまともに寝れません。その衝撃を吸収する役割としてキャンプ用マットが使われます。キャンプ用マットは大きくクローズドセルマット(銀マットなど)とエア注入式の2種類あり、寝心地はエア注入式の方が良いです。

テントの中で寝袋の下に敷くマットは、様々な用途に合わせて、多数の商品があります。皆さんの用途にあった、快適に寝れるマットが見つかりますように☆

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