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<2023年更新!>寝袋(シュラフ)内で貼るタイプの使い捨てカイロを使用した時、どのような温度変化を示すのか、実験してみました。

実験結果より、表示以上にカイロが高温になる可能性があり、寝袋内で使い捨てカイロを使用する場合は、低温やけどしないように十分な配慮が必要だと、わかりました。

 

実験の目的

気温が低くなる春秋冬にアウトドアシーンで多用されうるのが”使い捨てカイロ”です。

使い捨てカイロの発熱は、鉄が空気中の酸素と反応して酸化鉄になる化学変化により発生する熱を利用したものです

日常生活でも、鉄は酸化鉄(サビ)になる化学変化が起きていますが、ゆっくりした化学変化のため、熱として感じることがほとんど無いそうです。使い捨てカイロが少し熱いくらいに発熱するのは、鉄の酸化を急速に促進することにより得られています。(参考:桐灰化学株式会社 カイロのしくみ

市販されている使い捨てカイロは多数ありますが、どの製品にも、必ず最高温度、平均温度、持続時間等がパッケージに記載されています。

 

今回の実験の目的は、

  • 寝袋内(空気の滞留が乏しい環境)でも発熱するか?
  • 使い捨てカイロを寝袋の中に入れたときに、どのように温度が変化していくか
  • テーブルに置いたもの、寝袋に入れたもので、どのような温度変化の違いが見られるか

以上、検証するためです。

 

実験に使用した物

はるオンパックス

自宅近くのドラッグストアで購入したものです。寝袋内で使用するのに、振るタイプは使えないため、もちろん貼るタイプを探しました。これを購入したのが10月上旬で、まだ使い捨てカイロの種類が少なく、これになりました。

40℃以上の持続時間が12時間の製品が多いですが、これは14時間と少し長めです。

 

RC-5 USB温度データーロガー

  • 測定温度範囲:-30°C~+70°C;
  • 温度最小表示:0.1°C
  • 記録容量:32000ポイント(MAX)
  • 測定精度:±0.5 °C(-20℃~+40℃); ほか、+1 ℃
  • 記録時間間隔:10秒~24時間
  • 防水:IP67
  • センサー:内部NTC熱抵抗
  • 電源:リチウム電池(CR2032)×1個(付属)
  • サイズ:84×34×14mm
  • 重量:30g

RC-5 USB温度データーロガーは、温度計で、専用ソフトで指定した時間間隔の温度を32000ポイントまで内部に記録することができる温度測定器です。測定温度範囲:-30°C~+70°Cのため、沸騰した直後のお湯ではなく、沸騰する手前のお湯をナルゲンボトルに入れました。

 

モンベル U.L.スーパースパイラルダウンハガー#2(現在ダウンハガー800 #2)

私が購入した当時は、U.L.スーパースパイラルダウンハガー#2という名前だった、800FPグースダウンを使用したモンベルの山岳用の寝袋です。その後一部リニューアル&名前変更で、ダウンハガー800 #2となっています。当時のカタログで快適睡眠温度が-4℃、3.5シーズン対応の保温力があります。ただ、購入して数年経過&何度も使用してきているため、保温力は多少低下していると思います。

「モンベル ダウンハガー800 #2」の購入者レビューと実売価格

 

実験の手順

以下、実験の手順です。

 

使い捨てカイロ2枚を開封。

2つのRC-5 USB温度データーロガーを使い捨てカイロで包みます。

これで完成。

包んだままだと、RC-5温度データーロガーの一部が露出しているため、熱の伝わりが均一(RC-5温度データーロガーにくまなく熱が伝わる)ように、靴下の中に入れます。これを、同じ作り方で2個作ります。

一つはテーブルの上に置き、もう一つは寝袋の足元付近に入れて放置します。

 

測定結果まとめ

使い捨てカイロの温度変化

明らかに冷めきったころで測定を終了し、RC-5 USB温度データーロガー内に蓄えられたデータをパソコンに読み込み、グラフに整理したのが、上のグラフです。

使い捨てカイロが温まるのにかかる時間や、その熱でRC-5温度データーロガーが温まるのにも時間がかかり、測定の精度が落ちるため、測定開始から1時間以内のデータは割愛しています。

靴下に入れ室内のテーブルに置いて測定したものは、測定開始から14時間後まで50℃以上を保ち、緩やかな温度変化を示しています。

それに比べ、寝袋の中に入れたカイロは、より高い温度になっています。11時間後まで70℃前後を保った後、徐々に温度が下がり、テーブル上に置いたカイロよりも早くに室温になっています。

考察

測定環境の違いで、ある程度温度変化が異なりました。

寝袋の中に入れた使い捨てカイロは、机の上に置いたカイロよりも熱がこもりやすい環境のため、化学反応が促進されたのかパッケージに表示されている最高温度を超え続けました。寝袋の足元に入れスライダーも閉じ換気がほとんど無い環境のため、もしかしたら酸素不足であまり発熱しないか可能性も予想されましたが、結果よりその兆候は見られませんでした。

今回1回の、特定の1製品のみでの測定ではありますが、熱のこもりやすい環境下での使い捨てカイロの使用は、パッケージ表示以上に高温になる可能性があり、低温やけどしないような十分な配慮が必要とわかりました。(※使い捨てカイロは就寝時の使用禁止と書かれています)

■「低温やけど」とは (出典:京都逓信病院 )

  • 起こしやすい部位は、かかと、くるぶし、すね等で皮膚の直ぐ下に骨があるところが多い
  • 接触部の温度が44℃であれば約6時間で受傷
  • 時間の経過とともに皮膚が死んでいく
  • 就寝時低温熱傷では湯たんぽによるものが圧倒的に多い

また、40℃以上の持続時間が14時間と書かれていますが、使用する環境により多少持続時間は変わるようです。

 

この記事を書いた人寝袋選びで大切なこと寝袋とマットは2つで1つ

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著者: Masaki T

2009年末から寝袋と関連装備に特化したこのサイトを開設。いつの間にか運営10年を超える老舗サイトに。ファミリーキャンプから無積雪期登山、厳冬期登山、バイクのキャンプツーリングに自転車旅行、車中泊など、アウトドアを幅広く経験。寝袋の宿泊数は100泊以上~500泊未満。狭い業界ですが、まだまだ知らないこと沢山あり、日々勉強中です☆

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雪山 クローズドセルマット

谷川岳の雪洞で宿泊

今まで様々な状況下で寝てきましたが、100泊以上経験してわかったのが、『保温力に余裕のある寝袋を用意すること』です。

雪山 テント泊 八ヶ岳

雪山テントは換気にも注意(テントが埋まると酸欠に)

雨風や断熱材で守られた家と違い、アウトドアフィールドでの宿泊は天候や外気温の変化を大きく受けます。事前の天気予報より、当日の気温が-5℃程度低かった、などは日常茶飯事です。また、多くのキャンプ場は、最寄りの市街地よりも標高が高い事が多く、天気予報で知ることのできる最寄りの市街地の最低気温よりも気温が低いことが多いです。

自然の中で睡眠をとる体験は素晴らしいですが、寝袋の保温力が足りないと真夜中に早朝に目が冷めます。これは外気温は日の出前の早朝4~5時あたりが最も気温が下がり、また体温も下がっているためです。一度このタイミングで目が冷めてしまうと、身体が芯から冷え切っているため、ここからなかなか眠ることができません。そして、寝不足の状態になります。

楽しいアウトドア体験するはずだったのが、思わぬ寝不足でボーーっとしてしまうのは、もったいないです(しかも連泊でこれが続くとかなりキツイです)。少し汗ばむくらいの保温力の寝袋を選んで、ぜひ素敵なアウトドア体験を満喫してください☆

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山岳・登山用の寝袋マットの選び方の基本(無積雪期)

寝袋と(キャンプ用の)マットは2つで1つです。

キャンプ用のマットの役割は主に『断熱』と『寝心地を快適にする』の2つです。

『断熱』について・・・アウトドア用の寝袋の中綿として、化繊やダウンが使われていますため、小さく圧縮して収納し持ち運ぶ事ができます。寝袋を収納袋から出して広げると、徐々に中綿が膨らみますが、人間が寝袋に入ったときに身体と地面に挟まれた中綿はぺちゃんこに潰れるため、断熱力がほとんどなくなります。大概の地面は冷たく、身体の重みで密着した部分から体温が逃げ(ヒートロス、熱損失)て、底冷えします。この現象は、体温と地熱の温度差が大きい春・秋・冬ほど熱損失量も増えます。

これを防ぐため、キャンプ用のマットを使います。キャンプ用のマット体重がかかっても断熱効果が得られるよう設計されています。

登山ルート上のキャンプ場・テント場

『寝心地を快適にする』について・・・最近、畳の上で寝たことはありますか?痛くて寝れなかったという方もいるのではないでしょうか。昨今の快適用品の普及により、強い刺激に敏感になっています。よほどふかふかの芝生以外、寝袋のみで寝ると地面の凸凹や石があたって痛くてまともに寝れません。その衝撃を吸収する役割としてキャンプ用マットが使われます。キャンプ用マットは大きくクローズドセルマット(銀マットなど)とエア注入式の2種類あり、寝心地はエア注入式の方が良いです。

テントの中で寝袋の下に敷くマットは、様々な用途に合わせて、多数の商品があります。皆さんの用途にあった、快適に寝れるマットが見つかりますように☆

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