2022年3月末に「キャンプのあやしいルール真相解明~根拠のない思い込みにサヨウナラ」(著者:山口健壱、三才ブックス)という本がより発売されました。
実は昨年末に著者の山口さんより当サイトに問い合わせがあり、この本の出版企画を知りました。
企画の段階で「非常に面白い企画だな」と感じていたのですが、完成された本を読んでみると、実に有益な内容が詰まっていました。キャンプのベテランでも「これってホント?」「それで大丈夫なのか?」と一度は頭をよぎったであろう質問・疑問について約180ページ分も掲載されて充実した内容となっていました。
キャンプに関して各分野の専門家の方々が回答
キャンプに関連する様々な疑問・定説について、それぞれの専門性の高い方々が回答されているため、より広い視点から回答されています。そのため、明確に☓○回答となっている内容もありますが、「条件によっては☓ともいえるし見方を変えると○ともいえる」といったような深い回答も多数ありました。
私自身も以前から疑問・興味があったQ&Aをいくつか、かなり絞ってご紹介すると
- キャンプのペグ打ちによる芝生への影響
- 植物由来洗剤の環境への影響
- ハッカ油虫除けスプレー
- 川の水は沸かせば飲める?
などです。
知見が深く「なるほど~」と思える内容でした☆
微力ながら協力させていただきました
実は、微力ながらこの本で”寝袋”に関する内容を回答させていただきました。(P86,P87)
この内容は、ネット上である意味話題となっている内容ですが、特に気温が低い(気温が一桁台・氷点下)の場合は実利用上そうとも言いにくい内容だったため、前々から気になっていました。
読まれた方のより安全・快適なキャンプライフに少しでもお役にたてたら幸いです☆
最後に
著者の山口さんが、これだけの内容を様々な専門の方々に聞いてまわるのはさぞ手間がかかったと思いますが、言葉ではわかりにくい箇所はしっかりイラストも掲載されていて、力作となっています。
この本には全体を通して非常に有用な内容が詰まっています。キャンプの初心者はもちろん、経験者にもおすすめ、ぜひ読んでみてください☆(まだ発売されて間もないですが、amazonでは高評価が付いています)
著者PROFILE
2009年末から寝袋と関連装備に特化したこのサイトを開設。いつの間にか運営10年を超える老舗サイトに。ファミリーキャンプから無積雪期登山、厳冬期登山、バイクのキャンプツーリングに自転車旅行、車中泊など、アウトドアを幅広く経験。寝袋の宿泊数は100泊以上~500泊未満。狭い業界ですが、まだまだ知らないこと沢山あり、日々勉強中です☆
谷川岳の雪洞で宿泊
今まで様々な状況下で寝てきましたが、100泊以上経験してわかったのが、『保温力に余裕のある寝袋を用意すること』です。
雪山テントは換気にも注意(テントが埋まると酸欠に)
雨風や断熱材で守られた家と違い、アウトドアフィールドでの宿泊は天候や外気温の変化を大きく受けます。事前の天気予報より、当日の気温が-5℃程度低かった、などは日常茶飯事です。また、多くのキャンプ場は、最寄りの市街地よりも標高が高い事が多く、天気予報で知ることのできる最寄りの市街地の最低気温よりも気温が低いことが多いです。
自然の中で睡眠をとる体験は素晴らしいですが、寝袋の保温力が足りないと真夜中に早朝に目が冷めます。これは外気温は日の出前の早朝4~5時あたりが最も気温が下がり、また体温も下がっているためです。一度このタイミングで目が冷めてしまうと、身体が芯から冷え切っているため、ここからなかなか眠ることができません。そして、寝不足の状態になります。
楽しいアウトドア体験するはずだったのが、思わぬ寝不足でボーーっとしてしまうのは、もったいないです(しかも連泊でこれが続くとかなりキツイです)。少し汗ばむくらいの保温力の寝袋を選んで、ぜひ素敵なアウトドア体験を満喫してください☆
寝袋と(キャンプ用の)マットは2つで1つです。
キャンプ用のマットの役割は主に『断熱』と『寝心地を快適にする』の2つです。
『断熱』について・・・アウトドア用の寝袋の中綿として、化繊やダウンが使われていますため、小さく圧縮して収納し持ち運ぶ事ができます。寝袋を収納袋から出して広げると、徐々に中綿が膨らみますが、人間が寝袋に入ったときに身体と地面に挟まれた中綿はぺちゃんこに潰れるため、断熱力がほとんどなくなります。大概の地面は冷たく、身体の重みで密着した部分から体温が逃げ(ヒートロス、熱損失)て、底冷えします。この現象は、体温と地熱の温度差が大きい春・秋・冬ほど熱損失量も増えます。
これを防ぐため、キャンプ用のマットを使います。キャンプ用のマット体重がかかっても断熱効果が得られるよう設計されています。
『寝心地を快適にする』について・・・最近、畳の上で寝たことはありますか?痛くて寝れなかったという方もいるのではないでしょうか。昨今の快適用品の普及により、強い刺激に敏感になっています。よほどふかふかの芝生以外、寝袋のみで寝ると地面の凸凹や石があたって痛くてまともに寝れません。その衝撃を吸収する役割としてキャンプ用マットが使われます。キャンプ用マットは大きくクローズドセルマット(銀マットなど)とエア注入式の2種類あり、寝心地はエア注入式の方が良いです。
テントの中で寝袋の下に敷くマットは、様々な用途に合わせて、多数の商品があります。皆さんの用途にあった、快適に寝れるマットが見つかりますように☆